戦争と平和


ユミルの爪角が世界から失われて数年。
ルーンミッドガルツ王国国王トリスタン3世の突然の失踪を機に、ルーンミッドガルツ王国は日に日に荒れ果てていった。
魔族が跋扈し人々は外にも出れない。日々多発する事件に栄華を誇った騎士団からも次々と尊い人材が失われていった。
ミッドガルド一を誇った首都プロンテラに過去の姿はもう見ることは出来ない。

ユミルの爪角が失われた混乱から、いち早く立ち直ったのはアルナベルツ教国の首都ラヘルである。
国民の元々の信仰心の高さも相まって、教皇の指示の元いち早く立ち直ることが出来た。
元々国策として軍事力の高さには定評があったアルナペルツであったが、近年のプロンテラからの流民により職人ギルドや商人ギルドも組織され、流通の中心になりつつあった。

新たな住民が増えるとどこにでも同じ問題が持ち上がる。宗教観、生活習慣の違いもあり、流民により仕事を奪われた者、住環境の悪化、プロンテラからの流民とアルナペルツ国民との間には緊張が高まっていった。

自分の代で最高の時期を迎えたラヘルの首長は言う。
あの危機を乗り越えた我々はもう争うべきではない。困った時に我々は冒険者に依頼を出すのものだ。だからこの問題は彼らに任せようではないか。

そしてラヘルの城門前に依頼書が張り出されることとなった。
最終更新:2007年06月18日 19:23