海馬の思惑 海馬コーポレーション社内選別戦

???「海馬…」
海馬「だれだ!俺を呼ぶのは?」
???「海馬…戦え。お前の本能のままに。」
海馬「何を言っている?」
???「力を求めろ。そして俺を受け入れろ。」
海馬の体に黒い触手が纏わりつく。
海馬「何!うわぁぁ!」
~海馬瀬人の自室~
海馬「はっ!」
海馬は自室のベッドで目を覚ました。体中から冷や汗が吹き出ている。
海馬「夢…か。」
海馬は起き上がり洗面所に向かった。洗面所で顔を洗い、鏡で自分の顔を見る。
海馬「あの日…俺の右目に刻まれた刻印(スティグマ)。それ以来俺の夢に出てくるあの声…。」
海馬の言う『あの日』。それはオリジネイター強靭のバインザーがジャック・アトラスによって倒された日。バインザーの残した最後の言葉
バインザー「そこのお前に餞別だ。おれの力をくれてやる。」
その言葉が海馬の脳裏をよぎる。
海馬「ふん!オカルトなど俺は信じない!」
海馬は自分に言い聞かせるように言い放ち、会社に向かった。

~海馬コーポレーション・社長室~
海馬「磯野!例の準備はできているか。」
磯野「はい、海馬様。準備は万端でございます。」
海馬「ふぅん。ミストラルシティで行われる決闘大会。俺と共に出場するメンバーを我が社から選出する。そのためにはこの方法が手っ取り早い。さぁやれ、磯野!社内選別戦開始だ!」
海馬の合図と同時に社内放送が流れる。
磯野「え~。これより社内選別戦を開催いたします。社内ではどこでデュエルを行おうが自由です。勝ち残り形式で行い、勝ち残ったものが二名になった時点で終了とします。では決闘開始(デュエルスタート)!」


社内では激しい決闘が繰り広げられる。
社員A「ソードハンターで攻撃。」
社員B「うわぁぁ。」

社員C「トライホーンドラゴンで攻撃だ。」
社員D「甘いぜ。トラップ発動、炸裂装甲。」

そのなかでも一際目を引くデュエルを行う者たちがいた。
???「いくぜ。ハウンドドラゴンでダイレクトアタック。」
社員E「どわぁあ!」
社員E LP1700→0
社員E「なかなかやるな、新人。」
???「いえ、先輩こそ。」
社員E「お前、名前は?」
龍治「大潟 龍治(おおがた りゅうじ)です。」
社員E「大潟 龍治…。あぁ!そうか君が例の。」
龍治「?」
社員E「いやな。今年の新入社員の中でもデュエルの技術が特に優秀な者がいたと話題に挙がっていてな。」
龍治「いやぁ~、そんな。」
照れる龍治。
社員E「? なんで君がてれているんだ?」
龍治「えっ?だって…」
社員E「あぁ、勘違いさせてしまったな。君の名前を知っていたのは君がその優秀な奴にボロ負けしたからだよ。」
龍治「なっ!てっことはあいつのことか!」


???「いきます。サファイアドラゴンで攻撃、サファイアブレス!」
社員F「うわぁぁ!」
社員F LP1900→0
???「私の勝ちですね。では。」
女はデュエルが終わるとスタスタと歩いてその場を去った。
社員F「ずいぶんとさばさばしているなぁ。最近の若い子はみんなこうなのか?」


そして度重なるデュエルの結果、とうとう4人の決闘者が残った。
龍治「よっしゃあ!これで勝てば海馬社長と一緒に大会に出場できる。やってやるぜ。」
先輩社員G「おまえが例の新入社員か。よくここまでのこれたな。運はいいみたいだがそれもここまでだ。俺が社会の理不尽さを教えてやるぜ。」

先輩社員H「私が勝って海馬社長と一緒に大会に出場させてもらうわよ。」
???「私はあなたと違って社長には興味がありませんので。ですが、デュエルで勝ちを譲る気も毛頭ありません。」
先輩社員H「新入社員のくせになまいきね。さすが社内で噂になるだけのことはあるわね、石田 宝樹(ほうき)さん。」
宝樹「ほめ言葉とうけとっておきます。では行きましょうか、先輩。」
先輩社員H「そのすました顔を崩してあげるわ。いくわよ。」

龍治&先輩社員G「デュエル!」
宝樹&先輩社員H「デュエル!」
最終更新:2012年06月25日 00:21