ミストラルシティでの3on3の1日目が終わった。
海馬「ふぅん。帰るぞ。宝樹、龍治。」
龍治「1日目で敗退かよ。」
宝樹「しょうがないわ。これが私たちの実力だってことよ。」
Ⅴ「
トロン。これでよかったのですか。」
トロン「うん、問題ないよ。僕の目的はこの大会で勝つことじゃないからね。彼にも接触できたしこれで準備は済んだ。さぁ、帰ろうか。」
初日で敗退したチームはそれぞれの思いを胸にミストラルシティを後にした。
一方、2日目に駒を進めたチームは会場の隣にあるホテルで一夜を過ごしていた。
十也「結利!今のままでは2日目がやばい。今から俺とデッキ調整だ!」
結利「なんで?いいじゃん、このままで。」
十也「お前の戦績をみろ。」
十也が携帯型の端末を取り出す。そこの画面には3on3の初日の成績が表示されていた。
天音 結利:0勝
十也「お前はまだ1回も勝っていない!このままでは俺たちのチームがやばいんだ。」
結利「え~、十也とGが勝てば問題ないじゃないか。」
十也「俺たちにばっかり頼るな!それにこれじゃあ5D'sと戦っても勝てないぞ。」
結利「むむ。それはこまるなぁ。ならデッキ調整だ!」
やる気を出した結利と十也はデッキ調整に励む。
ラインハルト「殿下。お部屋の警護は我々が行いますので安心してお休みください。」
ディサイブ「…あぁ、任せたぞ、ラインハルトよ。」
ラインハルト「はっ!」
ラインハルトとレオンがディサイブの部屋から出て行く。
ディサイブは初日の試合の戦績を眺める。
ディサイブ「やはりラインハルト1人で2人の騎士の相手をするのは厳しいのか。くそっ!余にも戦える力があれば…」
ラウズレイ王国では聖王は式典などでのみ決闘を行いそのとき使用するデッキは
シュルツ・セイバーの№1に貸与しているものを返上し使用している。つまり普段ディサイブはラインハルトと共通のデッキを使用しているのだ。そのためディサイブはデッキを持っておらず戦えない今の状況を歯がゆく思っていた。
ラインハルト「ん?なんだ、お前たちは?」
ディサイブの部屋を警護するラインハルトたちの前に3人の来訪者があらわれる。
???「ここの部屋の主に用があるのだが通していただけないだろうか。」
レオン「お前らは確か…。」
ラインハルト「殿下に何用だ?」
???「彼に渡したいもの…いや渡さなければならないものがある。」
ラインハルト「(こいつ…)いいだろう。だが我々も同席させていただく。」
来訪者の真剣な態度にラインハルトは入室を了解した。
ガチャッ
ディサイブの部屋の扉が開く。
ディサイブ「どうした、ラインハルトよ。」
ラインハルト「殿下に会いたいというものが…」
ディサイブ「そなたらは…」
ハラルド「お初にお眼にかかります。ラウズレイ王国聖王ディサイブ殿。」
そこにいたのはチーム
ラグナロクの3人だった。
ブレイブ「へぇ~、彼が例の。」
ドラガン「だがあまりいい顔をしていないようだな。大丈夫か、こんなやつで?」
ラインハルト「貴様!殿下に向かってそのような口を!」
ディサイブ「よい!さがれ、ラインハルト。して、私にどのような用件だ?」
ハラルド「その前に殿下。あなたは何かお悩みのようですが…」
ディサイブ「…」
ディサイブは少し考えた後
ディサイブ「ラインハルト、レオンよ。2人は下がってよい。部屋の警護に戻れ。」
レオン「なっ!いいのですか、このような奴らを残し殿下1人きりにするなど…」
ラインハルト「レオン!殿下のお言葉に従え!」
レオン「くっ!御意に。」
ラインハルトとレオンは部屋を退出した。
ディサイブ「お前たちは私の悩みを知りたいのか?」
ハラルド「いえ、その悩みを話す必要はありません。」
ブレイブ「俺たちにはあんたの悩みがわかっているからな。」
ディサイブ「なんだと!?」
ドラガン「なぜなら俺らはあんたと同じ力を持っているからな。」
ディサイブ「力だと?」
ハラルド「あなたはまだ気づいていないだけです。ご自身の力に。そのきっかけを我々が与えましょう。」
そういうと3人は3枚のカードをディサイブに差し出す。
ディサイブ「このカードは…」
ハラルド「あなたは選ばれたのです。我々の後継者として。」
ブレイブ「神の力を継ぐものとしてな。」
ディサイブ「何だと?」
そのときディサイブの手にしている3枚のカードが輝きを放つ。
ディサイブ「これは!」
次の瞬間3枚のカードが激しい光を放つ。あまりの輝きにディサイブは眼を閉じる。
ハラルド「これで継承の儀は完了した。」
ディサイブがゆっくりと眼を開けるとその瞳にはルーン文字が刻まれていた。
ハラルド「'ラウズ'のルーン。それがあなたの助けとなるでしょう。」
ディサイブ「星界の三極神…余の新たなる力。」
新たな力を手に入れたディサイブ。その力で彼はこの先どんな困難をも乗り越えていくだろう。真実にたどり着くその日まで。
~???~
???「まさかこのようなことになろうとは…。余計な真似をしてくれる。これは気をつけなければまずいですね…。」
最終更新:2012年07月23日 21:33