「……はっ?」
一瞬時間が止まったかのような会場。会場内の誰もがあっけに取られる。ライアードの突然の意味のわからない発言に。
ライアード「ふははは!いいですね、その表情。たまりませんよ。みなさんは何をいっているんだこいつ?などと思っているかもしれませんがこれが私なのです。そうオリジネイターの三傑が1人、偽りのライアード。それが私の名です」
G「オリジネイターだと?」
結利「どういうこと?」
ライアード「さぁ、みなさん。舞台は整いました」パチン
ライアードが指を鳴らすと会場全体がバリアのようなもので覆われる。そしてそれは観客席と試合会場側を分断するように張り巡らされる。
ライアード「これはただのARですのでお構いなく。帰りたい方はご自由にどうぞ」
「こんなわけのわからないことに付き合ってられるかよ」
観客の一人が席をたってバリアを通過しようとし、それにふれた瞬間
「うぎゃぁぁ!」ジュワァァ
バリアに触れた腕が溶け落ちた。
「きゃぁぁぁ」
「な、なんなんだよこれ」
「た、助けてくれ!」
混乱する会場内。
ライアード「ふはは。バリアがARといいましたね。あれは嘘です。くふふ、いやぁ実に滑稽ですね。人を簡単に信じてはいけませんよ」
クロウ「なんなんだよ、あいつ!」
ライアード「ではここから出るための条件を提示しましょう。それは私を倒すことです。実に簡単でしょう」
遊星「ならここは俺が…」
ライアード「おっとすいません。ひとつ言い忘れました。私の相手は私が指名さてもらいます。そうですね
~、ではそこの方」
ライアードが指差すほうにいた人物。それは
ディサイブ「余か?」
ライアード「えぇ。あなたにお相手してもらいましょう。こちらに来てください」
前に出るディサイブ。ライアードはデュエルディスクを構える。
ライアード「では決闘を開始しましょうか。」パチン
ライアードが指を鳴らすとライアード、ディサイブを取り囲むようにバリアが張り巡らされる。
ライアード「これで誰も私たちを邪魔するものはいません。2人だけのこの至高の時を!」
ディサイブ「ゲスが!貴様のような奴に余は負けなどしない」
ライアード「真実を知るまではですか?」
ディサイブ「なっ!」
ライアード「フフフ。会場内の人々の命は今あなたに握られている。大勢の命が失われるのはもうたくさんでしょう。あなたにそれは耐えられませんよね?」
ディサイブ「貴様!どこまで知っている?奴のことも知っているのか?」
ライアードを睨み付けるディサイブ。
ライアード「怖い怖い。真実を知りたければ私を倒すことですね」
ディサイブ「貴様を倒し、その真実を吐かせてみせるぞ」
ライアード&ディサイブ「デュエル!」
ライアードLP4000
ディサイブLP4000
ディサイブ「先攻は私だ。余は極星霊マラを召喚。極星霊マラは手札のモンスター2体をシンクロ素材にすることができる。余は手札の極星将テュールと極星獣ガルムに極星霊マラをチューニング。星界より生まれし気まぐれなる神よ、絶対の力を我らに示し世界を笑え。シンクロ召喚、光臨せよ極神皇ロキ。余はカードを1枚セットしターンエンドだ」
ライアード「ふふふ、それがあなたが手に入れた星界の三極神ですか。すばらしいですね。ですが私はその力ごとあなたを葬って差し上げましょう。私はチューナーモンスター インビシブル・ポッドを召喚。このモンスターは手札のモンスターとシンクロすることができます。私はインビシブル・ポッドを手札のグレイブ・ルーラーにチューニング。私とあなたを別(わか)つ無慈悲な刃、慟哭の時を経て絶望の糧となりその身を滅ぼさん。これが私の象徴!シンクロ召喚、
アントゥルード・ライアー」
アントゥルード・ライアー 星8 ATK/DEF 0/0
ライアード「このカードがシンクロ召喚に成功したとき、私は手札を全て捨てなければなりません。あぁ、実に悲しいですねぇ。さらにこのモンスターをシンクロ召喚したデュエル中、私はカードをドローすることもできません。困りましたねぇ。仕方がないので私はターンエンドさせていただきます」
ディサイブ「白々しいぞ、余のターンだ。奴のモンスター、その効果に奴は絶対的な信頼を置いているようだ。ならば余は速攻魔法禁じられた聖杯を発動。貴様のモンスターの効果を無効にしその攻撃力を400ポイントアップする」
アントゥルード・ライアー ATK0→400
ライアード「ほぅ」
ディサイブ「いけ、極神皇ロキよ。アントゥルード・ライアーに攻撃、ヴァニティ・バレット」
極神皇ロキATK3300 VS アントゥルード・ライアーATK400
ライアードLP4000→1100
ライアード「あぁ!なんということでしょう、私の象徴が……」
ディサイブ「これで貴様はカードをドローすることもできずその象徴も打ち砕かれた。終わりだ、ライアード!貴様のターンだ」
ライアード「まさかこれほどの力を手にしてようとは……もうあのころのあなたとは違うのですね…」
ディサイブ「どういう意味だ?」
ライアード「このような状況で真実を語ることをお許しください。私は以前
ラウズレイ王国に使えていた臣下でした。ですが今は体を操られこのようなことをさせられているのです。聖王様、どうか私目をお救いください」
ディサイブ「余は貴様ごときの狂言には惑わされん!」
ライアード「ほお、そうですか」スッ
ライアードが自分の顔を手で覆う
ライアード「これでもですか?」
ライアードが顔を覆った手をのけるとその顔は…
ディサイブ「な、なんだと?貴様のその顔は…」
ライアード「あなたと同じ顔」
ディサイブ「どういうことだ!一体?」
ライアード「これが私の力なのです。偽りの力はその姿形さえも偽ることができるのですよ」
ディサイブ「ならば貴様が、貴様こそが余の国民たちを騙し謀った張本人ということか!」
ライアード「ふははは、そうです!それがあなたの求めた真実。あなたの国で起きたあの内乱その原因をつくった者は私だったのですよ!ふははは」
ディサイブ「許さん!余は貴様を絶対に許さん!ここで貴様をつぶす!」
ライアード「ふふ、私は何もできないのでターンを終了させていただきます」
ディサイブ「余のターン!このときを待ちわびたぞ、ライアードよ!我が民たちの無念晴らさせてもらう!その身をもって償うがいい!ヴァニティ・バレット」
ライアード「かかりましたね」
ディサイブ「何!?」
ライアード「怒りはその視野を狭めますよ、真実の射手。私はアントゥルード・ライアーの効果発動。私のフィールドにアントゥルード・ライアーを特殊召喚します。」
ディサイブ「かまわん!終わりだ!」
ライアード「わざわざ先ほど警戒をしたというのに攻撃してくるとは。状況が見えていませんねぇ、アントゥルード・ライアーの効果です。このカードが攻撃対象に選択されたとき私のライフを4000にします。そして相手フィールドのカードを全てゲームから除外します」
ディサイブ「なんだと!」
ライアード「ふははは、アントゥルード・ライアーよ。その力を振るいなさい、楽園への送迎パラダイム・ユートピア!」
ライアードLP1100→4000
ライアード「ふふふ、どうです。これが私の力です。」
ディサイブ「くそ!ならば余は極星天ヴァルキュリアを召喚。手札を2枚除外しエインへリアルトークンを特殊召喚する。2体のエインヘリアルトークンにヴァルキュリアをチューニング。北辰の空にありて全知全能をつかさどる神よ。今こそ聖王の名において命ず、我に仕えよ。シンクロ召喚、光臨せよ極星聖帝オーディン」
ライアード「来ましたか、オーディン」
ディサイブ「余はターンエンドだ」
ライアード「まだです。あなたのエンドフェイズ、アントゥルード・ライアーの効果が発動します。アントゥルード・ライアーは相手のエンドフェイズごとに自身の効果で除外したカード1枚につき相手のライフに1000ポイントのダメージを与えます。絶望への回帰リターン・オブ・ジ・エンド!」
ディサイブ「ぐぁぁ!」
ディサイブLP4000→2000
ライアード「引き続き私のターンですが私はターンエンドです。何もやることはありませんので。そしてあなたは再びエンドフェイズを迎えたときその命は天に召されるのです。ふははは!」
ディサイブ「くっ!」
ライアード「あなたのオーディンでは私を倒すことは不可能なのです。これが自然の摂理、弱肉強食の原理!さぁ、死への道を進みなさい、聖王
ディサイブ・ラウズレイ!」
ディサイブ(奴のいうとおり。余のオーディンではあのモンスターは倒せない。だがこのターンで奴を倒せなければ余の敗北。だがそれは再び多くの命を失うことを意味する。……)
ディサイブ「……いやだ!」
ライアード「おやおやこの期に及んで駄々でもこねるのですか?」
ディサイブ「余はあの悲劇を繰り返させはしない!もう余はだれも失いたくはない!だから!」
ディサイブはデッキに手を伸ばす。
ディサイブ「このドローに全てを託そう!余は余のデッキを信じる、この託された思いを!」
ディサイブのデッキが輝きを放つ。
ライアード「これは!」
ディサイブ「これが余のラストドロー!」バッ
ライアード「たかだか1枚のカードでどうもできはしないでしょう」
ディサイブ「いいや。余は貴様を倒し今度こそ人々の命を救って見せる。余は装備魔法 極聖宝サジタリウスアローを極神聖帝オーディンに装備。」
オーディンが弓を構える
ライアード「装備魔法をつけたぐらいで私のアントゥルード・ライアーを倒せるとは思わないことですね」
ディサイブ「そうだな、貴様のそのモンスターは倒せないだろう」
ライアード「どういうことです?」
ディサイブ「だが余は貴様を倒す。極聖宝サジタリウスアローは真実のみを打ち抜く弓矢!装備したオーディンは相手プレイヤーへダイレクトアタックすることができる」
ライアード「なに!」
ディサイブ「貴様に使役されているモンスターに用はない。余は貴様という悪のみを打ち抜く。極神聖帝オーディンよ、ライアードにダイレクトアタック。裁きの矢を受けよ、ジャッジメント・アロー!」
オーディンにより放たれた矢がライアードをめがけて飛んでいく。
ライアード「まさか私の象徴ではなく私自身のみを倒すとは…完敗ですよ。やはりその力は素晴らしい!それを手にできないことだけが…」ドン
ライアードの体を矢が貫く。
ライアード「ふははは!聖王よ、見事です。私を倒すとは!くっくっくっ……はっはっはっ!」
ライアードLP4000→0
ライアードの笑い声が次第に小さくなっていきその声が消えると共にライアードは消滅した。
そして会場に張り巡らされたバリアも消滅した。
ディサイブ「なんとかなったか…」
3on3はオリジネイターの介入という思わぬ事態があったがディサイブの活躍によりなんとか無事に幕を閉じたのであった。
最終更新:2012年08月13日 14:13