ボルケーノ修行譚●前編

~カルパティア山脈~

ボルケーノ「山っていいな。心が洗われて,すっきりして、自分が聖人じゃないかって思えてくるぜ」

彼は今、霊山として知られる山々が連なる山脈にいる。
ミストラルシティでの戦いを終え,彼なりに何か感じるところがあったのだろう。
修行といえば山、という安直な発想に導かれ遠路はるばるやってきたのだ。

ボルケーノ「今日はどこで寝ようかなっと・・・ん?」

山の開けた小さな広場のような場所。
雄々しく生い茂る木々の切れ間。
ちょうどその真ん中にうずくまるようにしている誰かがいた。

ボルケーノ(こんな山奥に人なんて・・・あいつも修行してるんかな・・・なら同志だw)
ボルケーノ「ねぇそこのきみぃ」

ボルケーノがうずくまる誰かに近づいたとき、それまで微動だにしなかったそれは突如立ち上がったかと思うとボルケーノに襲い掛かってきた。

ボルケーノ「ちゅおっ」

不意を突かれたボルケーノは仰向けに倒れこみ、体の上に馬乗りになったそれを見た。
なんてことはない少年。
ただ・・・胸元に・・・

ボルケーノ「こいつ,まさか!!」

???「オン・キリキリ・センダマリ・ソワカ」
どこからともなく聞こえてくる呪文。
少年はボルケーノから離れ、最初にそうであったようにうずくまる。
どうやら呪文が効いたようだ。

???「大丈夫か」
ボルケーノ「あ、はい。ありがと・・・う!!」

振り返った先にいたのは,熊の毛皮をかぶった山伏であった。
背が高く威圧感が半端ない。
手には金色の輪っかが連なった杖を持っている。

風老師「私はフォン。少年に憑りつきし悪霊を淨霊しているところだが、お前はいったい何をしてるんだ?」
ボルケーノ「悪霊?いやこいつに憑りついているのは・・・いや、俺が払ってやるぜ!!」
風老師「・・・確かに君には何かを感じる。ですが何かあったら私が手を貸します」

ボルケーノ「(へへっそんな必要ないぜ)そこの少年俺と決闘だ」
少年は「決闘」という言葉に反応した様子で立ち上がり、ボルケーノたちを睨みつけた。
風老師「ほう,決闘で淨霊をなすというのか。おもしろい」

決闘☆開始
-ターン01-
少年「とぅるるるる」
少年「とぅるる」

ボルケーノ「・・・え?」
風老師「悪霊のせいで言語に支障がある。私が代わりに状況を伝えよう」
風老師「モンスターをセットしてエンド、のようだ」

-ターン02-
ボルケーノ「俺のターン、ドロー!!」
ボルケーノ「俺はアチャチャアーチャーを召喚。少年に500ダメージ!!」
少年LP4000→3500
ボルケーノ「相手にダメージを与えた時、アチャチャチャンバラーを特殊召喚。少年に400ダメージ!!」
少年LP3500→3100

ボルケーノ「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築」
ボルケーノ「儚き願いが集う時,赤き光が宇宙を照らす」
ボルケーノ「爆炎星の名の下に,悪なる魂を救済せよ」

ボルケーノ「爆誕せよ!!炎星皇チョウライオ!!」

ボルケーノ「チョウライオでセットモンスターを攻撃!!」

風老師(少年代理)「セットカードは,「伝電蟲-コールドインセクト-」」
風老師(少年代理)「このカードが破壊された時,デッキから「伝電」カードをセットする」

ボルケーノ「リクルーターか。俺はこれでエンドだ」

-ターン03-
風老師(少年代理)「先程セットした「伝電蛸-コールドトパス-」を反転召喚。このカードが反転召喚に成功した時,手札を4枚セットする。」
風老師(少年代理)「そしてお互いに4枚ドローする」

ボルケーノ「手札増強やったぜ・・・って、焦げ臭いにおいがプンプンする。なにをたくらんでやがるんだ?」

風老師(少年代理)「モンスターをセット。そして速攻魔法「伝電信機ストロベリンリン」を発動」
風老師(少年代理)「セットモンスターを表側にする。そのモンスターが「伝電」だった場合,この魔法は墓地に行かず場にセットされる」
風老師(少年代理)「モンスターは「伝電烏賊-コールドスクイド-」だ、魔法をセットしさらにリバース効果発動」

風老師(少年代理)「墓地から「伝電」カードを場にセットする。「伝電蟲」をセット」
風老師(少年代理)「さらにフィールド魔法「伝電衛星-コールドスター-スプートニク」発動」
風老師(少年代理)「発動時,自分のモンスターはすべて表側守備表示になる」

風老師(少年代理)「そして「伝電衛星」の効果発動」
風老師(少年代理)「自分の「伝電」モンスターのレベルは,自分のセットカードの数だけレベルが上がる」
風老師(少年代理)「これで「伝電」モンスターのレベルはすべて9となったぁ」

ボルケーノ「レベル9のモンスターが3体・・・これは!!」

風老師(少年代理)「3体のレベル9モンスターでオーバーレイネットワークを構築」
風老師(少年代理)「出でよランク999「伝電純血族-コールドヒューマン-イルミナティ」!!」

風老師(少年代理)「攻撃力はセットカード1枚につき600ポイントアップする。」
風老師(少年代理)「セットカードは5枚。よって攻撃力は6500だ!!」
風老師(少年代理)「チョウライオに攻撃!!」

ボルケーノ「ダメージ量が・・・4000を軽く超える・・・やばい」

風老師「オン・キリキリ・マトワリカ・ソワカ」
老師の呪文に反応して、少年は決闘を止めその場に座り込んだ。
老師が少年の座る地面に魔風陣を描き杖でたたくと、地面から光の帯が浮き上がり少年を包む。

風老師「少年はこれでいいでしょう。熱い青年よ、この決闘の敗北は淨霊の失敗すなはちあなたの死であったことに気づいていましたか?」
風老師「熱きことは悪いことではありません」
風老師「しかし状況を読む力をもう少し鍛えたほうがいいでしょうね」

ボルケーノ「おっしゃる通りだ。俺を弟子にしてくれ!!」

風老師はしぶしぶ了承した。ただし少年の淨霊が終わるまでの期限付きで。

~修行中~

風老師「炎がさらに燃え上がるには風が必要です。風を体で感じなさい」

きつい。苦しい。帰りたい。
修行とはそういうものだ。
それでもボルケーノは耐えた。
名前に負けない、熱い魂をその身に宿すために。
最終更新:2012年09月09日 21:43