ボルケーノ修行譚●後編

~淨霊の日~

修行の日々はあっという間に過ぎ去り、淨霊の日となった。

風老師「魔風陣の力で悪霊の力がもっとも弱まる日が今日です」
ボルケーノ「悪霊の淨霊、俺にやらせてくれませんか?」
風老師「最初にあった時とは違いますね。いいでしょう、ただし」
ボルケーノ「何かあったら私が手を貸します、ですよね」

二人が広場に向かうと、なにやら声がする。
少年の声だろうか。
広場に近づくにつれてその声は大きくなっていった。

少年「・・・とぅるるる」
少年「とぅるるるるるるるるるるるるるるるるるるる・・・がちゃ」
少年「・・・」
少年「こないだとは感じがちげぇな」

ボルケーノ「喋れたのか?」
風老師「ボルケーノ、慎重に行くのです」

少年「先攻はもらうぜ、ドロー」

唐突に決闘が始まった。
ボルケーノの魂は静かに燃え始めていた。

決闘☆開始

-ターン01-
少年「俺様はモンスターをセットする、これでエンドだ」

-ターン02-
ボルケーノ「この手札、場の状況、あの時と同じだな」

ボルケーノ「俺はアチャチャアーチャーを召喚。少年に500ダメージ!!」
少年LP4000→3500
ボルケーノ「さらにアチャチャチャンバラーを特殊召喚。少年に400ダメージ!!」
少年LP3500→3100

ボルケーノ「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築」
ボルケーノ「儚き願いが集う時,赤き光が宇宙を照らす」
ボルケーノ「爆炎星の名の下に,悪なる魂を救済せよ」

ボルケーノ「爆誕せよ!!炎星皇チョウライオ!!」

ボルケーノ「チョウライオでセットモンスターを攻撃!!」

少年「セットカードは,「伝電蟲-コールドインセクト-」」
少年「このカードが破壊された時,デッキから「伝電」カードをセットする」

ボルケーノ「俺はカードを2枚伏せターンエンドだ」

-ターン03-
少年「ドロー」
少年「俺様がセットした「伝電烏賊-コールドスクイド」を反転召喚」
少年「このカードがリバースした時,俺様の墓地から「伝電」と名の付くカードをセットする」
少年「俺様は「伝電蟲」をセット」

少年「俺様はモンスターをセット。そして速攻魔法「伝電信機マスカットゥルルル」を発動」
少年「俺様の「伝電」モンスター3体を裏側守備表示にする。そしてデッキから「伝電」と名の付くフィールド魔法を発動する」
少年「俺様は「伝電衛星-コールドスター-スプートニク」をデッキから発動、さらに効果発動」
少年「発動時,俺様のモンスターはすべて表側守備表示になる」

少年「「伝電烏賊-コールドスクイド-」のリバース効果により墓地の「伝電信機-マスカットゥルルル-」をセット」
少年「手札4枚を場にセット。場にセットされた俺様のカードは5枚となった!!」

少年「そして「伝電衛星」の効果発動」
少年「俺様の「伝電」モンスターのレベルは,俺様のセットカードの数だけレベルが上がる」
少年「これで「伝電」モンスターのレベルはすべて9となったぁ」

ボルケーノ「レベル9のモンスターが3体・・・来るか!!」

少年「長々と待たせたなぁ。だがこいつを出さなきゃ始まらないんでよぉ」
少年「3体のレベル9モンスターでオーバーレイネットワークを構築」
少年「出でよランク999「伝電純血族-コールドヒューマン-イルミナティ」!!」

少年「ORUがある限り攻撃力は俺様のセットカード1枚につき600ポイントアップする。」
少年「セットカードは5枚。よって攻撃力は6500だ!!」
少年「チョウライオに攻撃!!」

ボルケーノ「なかなかだな。だが,同じ攻撃で燃え尽きる俺ではない。リバースカードオープン・ドレインシールド!!」
ボルケーノ「攻撃を無効にし,モンスターの攻撃力6500だけライフを回復する」
ボルLP4000→10500

少年「へぇやるじゃん。ちょっとはだけど。俺様はこれでエンドだ」

-ターン04-
ボルケーノ「風を感じろ。魂を燃やせ。俺のターンドロー」

ボルケーノ「俺は手札からチューナーモンスターワンショットキャノンを召喚
ボルケーノ「さらにブーストウォリアーを特殊召喚」
ボルケーノ「2体のモンスターでシンクロ。飛び出せワンショットロケット!!」

ボルケーノ「まずはチョウライオの効果だ。ORUを1つ使い,墓地のアチャチャチャンバラーを回収」
ボルケーノ「そしてワンショットロケットの効果発動。イルミナティを破壊し,元々の攻撃力分ダメージを与える」
ボルケーノ「くらえワンショットキャノン!!」

少年「リバースカードオープン・永続罠「伝電太鼓-コールドスタンプ-」!!」
少年「イルミナティに装備,ORUをすべて取り除き装備モンスターは効果では破壊されない」
少年「・・・よってダメージを受けない」

ボルケーノ「効果破壊を防ぐか、しかしこれでイルミナティのORUはなくなった」
イルミナティATK6500→3500
ボルケーノ「そして俺は永続罠・血の代償を発動」
ボルケーノ「ライフを500支払い、フレアリゾネーターを召喚」
ボルLP10500→10000

ボルケーノ「ワンショットキャノンにフレアリゾネーターをチューニング」
ボルケーノ「儚き願いが集う時,赤き光が宇宙を照らす」
ボルケーノ「爆炎星の名の下に,悪なる魂を救済せよ」

ボルケーノ「爆誕せよ!!炎星候ホウシン!!」

ボルケーノ「ホウシンの効果によってデッキからセカンドブースターを特殊召喚」
ボルケーノ「その効果によりホウシンの攻撃力を1500アップする」
ボルケーノ「フレアリゾネーターの効果と相まってホウシンの攻撃力は・・・」
ホウシンATK2200→4000

風老師「イルミナティの攻撃力を上回りましたね」

ボルケーノ「バトルだ!!ホウシンでイルミナティに攻撃!!」
ホウシンATK4000 VS イルミナティATK3500
少年「・・・特に発動するカードはない」
少年LP3100→2600

ボルケーノ「さらにチョウライオで追撃!!」
少年LP2600→400

ボルケーノ「ターンエンドだ」

ふぅとため息交じりに少年は語りだす。
少年「お前ってさ、俺様に本気で勝てると思ってるわけ?」
ボルケーノ「それはお前のライフを見て言ってんのか?もう勝負は決してるも同然だろう」
少年「それがヒトの浅はかなところだ。本質は何ンにもわかってないんだから」

少年「ORUのないイルミナティが破壊されたターンのエンドフェイズ、イルミナティの効果が発動する」
少年「俺様のデッキから「交換手-エンジニア-」と名の付くモンスター2体を特殊召喚」
少年「ユーリィ、アラン出番だ」

少年「そして俺様のターン!!」
-ターン05-
少年「俺様は「交換手-エンジニア-メンデス」を召喚」
少年「「交換手-エンジニア-」には共通の効果がある。俺様の場に伏せられたカードをデッキに戻し,デッキからカードを選択し場に伏せる」
少年「俺様は3体の「交換手-エンジニア-」の効果を発動し,場の伏せカード3枚を交換し、新たに魔法・罠ゾーンにカードを3枚伏せる」

ボルケーノ「これは嫌なにおいがするな。何をたくらんでやがる」
風老師「ボルケーノ、くるぞ」

少年「3人の「交換手-エンジニア-」がそろう時,破滅の悪意が世界を包む」
少年「小宇宙-ソラ-を廻りし流星のかなたより舞い降りよ」
少年「出でよランク333「交換手品師-エンジニアマジシャン-ハミルトン」!!」

少年「「ハミルトン」エクシーズ召喚に成功した時,このカード以外のカードの表裏を交換する」

チョウライオ・ホウシン・血の対償・フィールド魔法がセットされ、少年の場に伏せられた4枚のカードが強制発動する。

少年「1枚目の永続罠「空虚列断」の効果。「交換手-エンジニア-」がいる限り,相手はカードを表側にすることを禁ずる」
少年「2枚目の永続罠「天地明察」の効果。「効果手-エンジニア-」がいる時,1ターンに1度相手のセットカードの名前を宣言し,当たっていればデッキに戻す」
少年「3枚目の永続罠「暗黒夜行」の効果。「交換手-エンジニア-」が攻撃する時,通常の攻撃に加えて俺様のフィールド上のセットカードの数だけ追加攻撃できる」
少年「4枚目の永続罠「無限界時空」の効果。「交換手-エンジニア-」がモンスターを破壊した時,フィールド上に存在するモンスターは破壊したモンスターの種族になる。「交換手-エンジニア-」が存在する限り,元々の種族がその種族でないモンスターを召喚・特殊召喚したプレイヤーは300ダメージを受ける」

ボルケーノ「・・・ぷすぷす」

少年「複雑な効果は苦手か?まぁ見てろ。このターンお前ができることはない」

少年「「天地明察」の効果により,お前の血の代償はデッキに戻る」

少年「バトルだ。「ハミルトン」は「暗黒夜行」の効果により2度の攻撃ができる」
少年「セットされたチョウライオに攻撃」
チョウライオDEF200 VS ハミルトンATK300

ボルケーノ「ぷすぷす・・・おっと、なんだ「ハミルトン」の攻撃力は300か。ホウシンの守備力は2200。なんてことはないぜ」

少年「「ハミルトン」の効果発動。相手モンスターを破壊した時,ORUを1つ使いこのカードの攻守力を交換する」
ハミルトンATK300→3000 DEF3000→300
少年「そして追加攻撃だ」
ホウシンDEF2200 VS ハミルトンATK3000

少年「メインフェイズ2に「ハミルトン」の効果発動」
少年「モンスターゾーンに「ハミルトン」のみ存在する時,ORUを1つ使い俺様とお前のLPを交換する」
ボルケーノ・風老師「なん・・・だと・・・」

ボルケーノ LP10000→400
少年 LP400→10000

少年「ターンエンドだ」
少年「そうそう、お前の手札のカードはチョウライオの効果で回収したアチャチャチャンバラーだったな」
少年「お前の場は空っぽ。もう燃え尽きろよ、灰まみれ」

風老師「ボルケーノ・・・オン・キリキ」
ボルケーノ「待った!!」
呪文を唱え,悪霊を抑え込もうとする老師にボルケーノがくさびを打つ。

ボルケーノ「最後まで・・・俺にやらせてください」
風老師「しかし少年が言うようにお前の場は絶望的だ。相手のライフは1万を超えておる。万に一つも勝ち目はないぞ」
ボルケーノ「確かに・・・そうかもしれない。でもやらせてほしいんだ」

ボルケーノ「感じるんだ」
ボルケーノ「デッキが・・・カードが・・・」
ボルケーノ「風に吹かれて燃え上がる炎となるのを」

-ターン06-
ボルケーノ「・・・」
彼がドローしたカードは、この状況を打破する力を秘めていた。
このターンで彼は少年を打ち破る。

ボルケーノ「俺は炎星師チョウテンを召喚、効果により墓地からワンショットロケットを特殊召喚」
風老師「ワンショットロケットはもとは機械族じゃ」
ボルケーノLP400→100

ボルケーノ「ワンショットロケットの効果発動。「ハミルトン」を破壊しその攻撃力3000ダメージを与える」
少年「ぐっ」
少年LP10000→7000

風老師「フィールドに「交換手-エンジニア-」が存在しなくなったことで「無限界時空」のダメージ効果は消滅したな」

ボルケーノ「このタイミングで手札からアチャチャチャンバラーを特殊召喚、そして400ダメージだ」
少年LP7000→6600

ボルケーノ「チョウテンをロケットにチューニング」
ボルケーノ「儚き願いが集う時,赤き光が宇宙を照らす」
ボルケーノ「爆炎星の名の下に,悪なる魂を救済せよ」

ボルケーノ「爆誕せよ!!炎星候ホウシン!!」

ボルケーノ「ホウシンの効果発動。デッキから超熱血球児を特殊召喚」
ボルケーノ「超熱血球児の攻撃力は場の炎属性モンスターの数×1000アップする」
超熱血球児ATK2500

ボルケーノ「チョウテンの効果で獣戦士以外の攻撃が封じられているが,「無限界時空」の種族変更効果は続いている」
ボルケーノ「よって俺のモンスターすべてで攻撃が可能だ」
少年(交換コンボが裏目に出たか・・・)

ボルケーノ「全軍突撃!!爆炎トルネード!!」
超熱血球児ATK2500
ホウシンATK2200
チャンバラーATK1400

少年「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
少年LP6600→4100→1900→500

少年「はぁはぁ・・・まだ俺の命は尽きていない・・・」
ボルケーノ「メインフェイズ2」
少年「ハッ」

ボルケーノ「これで終わりだ。超熱血球児の効果発動。チャンバラーをリリースしお前のライフに500ダメージ与える」

少年LP500→0

ボルケーノ「淨霊完了」

風老師「よくやったボルケーノ。お前の修行はこれで終了だ。これからも風を感じ炎を高めよ」
ボルケーノ「ありがとうございます。老師あなたのことは忘れません。それでは」

ボルケーノの後ろ姿を見送りながら、淨霊が終わり正気に戻った少年の頭をなでながら、老師は静かに口を開いた。

風老師「実に力強い目を持つ男に成長したな」
風老師「伝えることはすべて伝えた・・・これから起こる災厄に立ち向かえるだろう」
風老師「強くあれ。わが息子ボルク=ウェスタンよ」
最終更新:2012年09月11日 20:11