~聖
ラウズレイ王国・王城付近墓地~
ディサイブは王城の近くにある墓地に来ていた。そこにある慰霊碑にはラウズレイ動乱により命を落とした者たちの名が刻まれていた。
ディサイブ「ジェイド、ティム、スタインよ。お前たちの敵(かたき)はとったぞ。安心して眠れ」
オリジネイターの暗躍により引き起こされた国内最大規模の動乱。それを先導したのは王を守るために編成された騎士団、
シュルツ・セイバーの上位に位置する者たちだった。この動乱により彼ら3人は命を落とした。ディサイブはミストラルシティで開催された3ON3の会場において動乱の元凶であるオリジネイターを倒したのであった。
ディサイブ「オリジネイター…奴らはこのままにはしておけない。私たちのようなものをこれ以上出さないためにも余は……」
~聖ラウズレイ王国・騎士団詰め所~
レオン「一体なんの会議をするんですか、ラインハルト卿」
ラインハルト「行けばわかる。では私は先にいっているぞ」
ラインハルトは部屋を後にした。
レオン「わざわざシュルツ・セイバーを会議に出席させるなんてどういうことだ?」
シュルツ・セイバーが会議室に呼び出しされるという事態は今までにないことであった。
レオン「といっても今のシュルツ・セイバーは俺と師匠とラインハルト卿だけだしな」
シュルツ・セイバーのナンバーをもつ者たちはラウズレイ動乱により3人のみになってしまっていた。
ナンバー4のレオン・ケーンズ
ナンバー3のアーガン・クラム(彼はラウズレイ動乱の際におった怪我が原因で実質もう戦うことはできないが…)
ナンバー1の
ラインハルト・シュナイズ
???「会議に参加するのはシュルツ・セイバーだけでは無いようですよ、レオン卿」
レオン「んっ?」
レオンが振り向くと2人の男が立っていた。1人は今話しかけてきた眼鏡をかけたツリ目の男。もう1人は頭にバンダナを巻いているどこか勝ち気そうな男。
レオン「ヴァイク、スターク。お前達も会議に呼ばれているのか」
ヴァイク「えぇ」
スターク「そうっすよ」
レオン「ますますわからないな」
スターク「そんな考えてもわからないことはわからないんだから考えてもしょうがないっすよ!」
ヴァイク「そうですよ。会議に出席すればわかることです」
レオン「それもそうだな。ではいくか」
ディサイブ「入れ」
レオンたちが会議室に入るとそこにはディサイブ、アーガン、ラインハルト、3大臣がいた。
ディサイブ「これで全員そろったな。では始めるぞ」
威厳のありそうな臣下A「ではレオン・ケーンズ、ヴァイク・マクマホン、スターク・ガレッドよ。そこに並べ」
レオン「はっ!」
ディサイブ「これよりシュルツ・セイバー任命式を行なう」
レオン「なんですって!?」
スターク「ほんとっすか!」
ヴァイク「そういうことでしたか」
心配性な臣下C「静かにせぃ。王の御前だぞ」
レオン「申し訳ありません(こっちの2人はともかく俺も呼ばれるとはどういうことだ。俺は元々シュルツ・セイバーのナンバーズだぞ)」
説明好きな臣下B「では改めて。本日付において
レオン・ケーンズをシュルツ・セイバーのナンバー1、ヴァイク・マクマホンをナンバー2、スターク・ガレッドをナンバー3に任命する。以上」
レオン「えっ!?私をナンバー1に?どういうことですか!」
アーガン「取り乱すな、レオン!」
レオン「ですが師匠!」
ラインハルト「これは私たち全員一致で決めたことだ。私とアーガン卿は殿下の補佐職となる」
ヴァイク「私ごときがナンバー2の称号をいただけるのは光栄です。ですがその理由ぐらいは教えていただいても良いのではないですか」
ディサイブ「そうだな。お前たちをシュルツ・セイバーに任命した理由はラウズレイ動乱がきっかけだ。あの惨事によりシュルツ・セイバーのナンバーズは4人もいなくなってしまった。だから私は新生シュルツ・セイバーを結成することに決めたのだ。ラインハルトとアーガンを騎士団長、聖王補佐に任名しお前たち3名をシュルツ・セイバーにするということをな」
レオン「ですが何故私がナンバー1の称号をいただいたのですか!」
ディサイブ「レオン。お前は自分の力を過信せず努力をしてきた。それが私とラインハルト、アーガンがお前をトップナンバーに任命した理由だ」
アーガン「そういうことだ、レオンよ。お前がトップナンバーになるにあたって私からの選別だ、我が槍をお前に授けよう」
レオン「師匠!ありがたきお言葉です。私はトップナンバーの名に恥じぬようこれからも鍛錬を怠ることなく邁進し続けます」
ヴァイク「そういうことなら我々も殿下の期待に添えるよう努力させていただく所存であります」
スターク「自分もっす!」
ディサイブ「ではこれにて会議を終了とする。後日改めて正式な任命式を執り行うこととする」
こうして新生シュルツ・セイバーが誕生したのであった
~数日後~
心配性な臣下C「た、大変じゃ!」
アーガン「何事だ」
あわてた様子の心配性な臣下。
心配性な臣下C「殿下の部屋に書置きが」
アーガン「なんだと!?」
書置きにはこう書いてあった
余は見聞を広めるために旅にでる。やることを終えたら戻るつもりだ。それまでわが国を頼んだぞ。
アーガン「殿下…」
心配性な臣下C「あわわ。どうすれば」
アーガン「うろたえるでない!」
心配性な臣下C「ひっ!」
アーガン「殿下はきっと自分たちの国で起きた悲劇を繰り返さないための旅にでたのだ。あの方はそういうお方だ。ならば我らがしっかりしなくてはだれがこの国を守るというのだ!我らは我らにできることをするのだ!」
心配性な臣下C「アーガン卿…そうじゃな。わしらがしっかりしなくてはな!」
~ラウズレイ王国・国境付近~
ディサイブ「この旅が終わるまで余はしばらく国には戻れそうにないな。だが余は後悔はしない。もう悲劇を繰り返させないと誓ったのだからな」
かくしてディサイブの1人旅が始まった。オリジネイターを倒し、世界に安寧が訪れるまで彼の旅は終わらないであろう。
最終更新:2012年09月17日 10:13