~童実野町~
エイジ「俺の名前はエイジ。海馬コーポレーション開発部の主任だ」
エイジ「さて新しいゲームプログラムも佳境に入ってきた。もうじき完成だぜ!!」
ピーピーピー
うさみ「大変でちゅ。宇宙人が来まちゅ。みなちゃん逃げてくだちゃい」
エイジ「まったく世間ってやつは宇宙人ひとつでこんなに騒ぐものかねぇ。ゲームの歴史を振り返ってみろよ,インベーダーゲームに始まり宇宙人はずっとそばにいただろって話だぜ,なぁバウンダー?」
エイジが話しかける先にいたのは,機械人バウンダーであった。
バウンダー「ゲームと現実は違うんですよ。確かに私は宇宙人ですが,一般人からすれば宇宙人はまだ眉唾物なんですよ」
エイジ「わぁってるよ。俺が言いたいのは」
バウンダー「リアリティの追求・・・でしょう?」
エイジ「ざっつらいと!いくら俺たちプログラマーが宇宙人もののゲームを作っても,所詮それは作り物。真実を見抜けずただゲームに興じるプレイヤーなんていらねぇってんだ」
バウンダー「こらこら言いすぎですよ」
さて疑問に思っただろう。
かの海馬コーポレーションといえばかつてて軍事産業で,現在はゲーム事業で世界の最先端を走るトップ企業である。
そこの開発部に宇宙人が紛れ込んでいるのはおかしいと。
いやはやそれは誤認だ。
確かに海馬コーポレーションの技術はすばらしく2代の社長の腕は確かである。
しかし,いくら社長が敏腕だといっても技術が伴わなければ話にならない。
海馬瀬戸はソリッドビジョンを開発する技術を持ち合わせていたが,その父ゴウザブロウはどうだろうか?
察しがつただろう,ゴウザブロウが築きあげた軍事企業としての海馬コーポレーションの技術は,宇宙人によってもたらされたものだったのである。
軍事技術以外の記憶を無くし,ゴウザブロウに匿われたバウンダーの手によって。
エイジ「今回のゲームコンセプトは新しい!!なんせ主役はプレイヤーなんだからな」
バウンダー「それじゃ今までと変わらないでしょう?」
エイジ「あーなんていえばいいんだ。うんそうだ。主役はプレイヤーの数だけいるってことだ」
和気藹々とゲーム談義に花を咲かせる二人であったが,それは突然現れた。
エイジ「・・・なんだこれ・・・体が熱い・・・」
【純然たる悪意InV】の発現である。
バウンダー「!?エイジ,どうしたって・・・え?」
一瞬。ほんの一瞬。街は火の海と化した。
緊急連絡によって街の人々が脱出し非難した後であり被害が無かったのは幸いか。
バウンダー「この光景・・・かつてどこかで・・・」
何かを思い出しそうなバウンダーは暴走するエイジに大きな声で話しかけた。
バウンダー「エイジ,ゲームだ。決闘で勝負をつけよう」
エイジ【InV】「ふむ,よかろう。リアリティこそが全ての決闘を始めようじゃないか」
決闘★開始
-ターン07-
バウンダー「No.6先史遺産-超古代兵器アトランタルをエクシーズ!!」
バウンダー「アトランタルの効果で墓地のNo.25 重装光学撮影機フォーカス・フォースを装備し攻撃力を4000とする」
バウンダー「攻撃だ,パニッシュメント・デュー!!」
エイジLIFE-2500
バウンダー「カードを1枚伏せてエンドだ」
-ターン08-
エイジ【InV】「俺のターンドロー」
エイジ【InV】「バウンダー・・・俺の全てをみせてやるぜ」
エイジ【InV】「古のルールを発動!!そして・・・」
エイジ【InV】「圧倒的な力を持って敵を粉砕せよ!!青眼の白竜(ブルーアイズホワイトドラゴン)!!」
バウンダー「それは海馬社長のカード・・・なぜお前が!」
エイジ【InV】「こまけぇこたぁいいんだよ。続けていくぜ?滅びのバーストストリーム発動!!」
バウンダー「くっアトランタルが・・・」
エイジ【InV】「さらにフォトンサンクチュアリ発動!!」
エイジ【InV】「闇に輝く銀河よ,希望の光になりて我が下僕に宿れ!光の化身,ここに降臨!現れろ,銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズフォトンドラゴン)!!」
バウンダー「!?今度はカイトのカードだと!!」
エイジ【InV】「さて,ついに俺のエースカードのお目見えだ。かつ目せよ!!」
エイジ【INV】「俺の場にレベル8以上のドラゴンが2体存在するとき,このモンスターはリリースなしで召喚できる」
エイジ【InV】「過去にとらわれし哀しい夢が乖離して,次時代に思いを託す!ほえたぎれ,新時代の幕明竜(ニューエイジビギニングドラゴン)!!」
バウンダー「攻撃力3000のドラゴンが3体並ぶとは・・・」
エイジ【InV】「さぁこの攻撃で終わりだ。一斉攻撃!!」
バウンダー「そういきませんよ。リミットリバース・サイバーヴァリー!!私はドローし,バトルフェイズを強制終了!」
エイジ【InV】「ぐ・・・ぐああぁぁっぁぁぁ」
苦しみだすエイジ・・・完全に【InV】の支配化に落ちた。
エイジ【InV】「これで終わりと思うなよ。俺は3体のレベル8ドラゴンでエクシーズ!!」
エイジ【InV】「ランク888 伝説白銀竜ネブアルゼンテオ!!」
バウンダー「あのモンスターは・・・昔・・・どこかで・・・ハッ」
それはバウンダーが地球に来る前の話・・・彼もまた【純然たる悪意】にコスモを滅ぼされた異星人の一人だったのだ。
バウンダー「思い出した・・・【InV】が使役するモンスターNNo(
ナイトメアナンバーズ)!!」
バウンダー「そして私が何者なのかも!」
エイジ【InV】「ネブアルゼンテオはあらゆる破壊を無効とする。そしてこのモンスターが相手にダメージを与えたとき,ORUを使うことで相手のライフを0にする」
エイジ【InV】「この現実を受け入れるか?さぁあがいてみろよ!!げはははは!!」
-ターン09-
バウンダー「【InV】の支配下であっても初期状態なら元にもどりますが・・・すでに末期状態」
バウンダー「あなたの命を奪わずして,勝利はありません」
バウンダー「エイジ・・・あなたの意志は私が継ぎます」
バウンダー「私はソーラーウィンドジャマーと時空戦闘機ジェイドナイトを共振装置!!」
バウンダー「2体のモンスターのレベルは同値の5となる!!」
バウンダー「プレアデス星団に眠る光の戦士が,深き絶望を救済する!!来たれ,セイクリッド・プレアデス!!」
バウンダー「プレアデスの効果発動。ORUを1つ使い,あなたのナイトメアナンバーズをバウンスする!!」
バウンダー「ダイレクトアタック・・・です」
エイジLIFE-0
決闘★終了
~~
バウンダー「地球は美しい。これ以上悲しみで世界を満たさぬようにやるべき事をやらなくては・・・」
エイジが開発を進めていたゲーム「コスモ・パトロール」。
バウンダーは超官にコンタクトを取り,すぐさま地球防衛組織を立ち上げる。
バウンダー「コスモパトロール0号・・・あなたの番号ですよ・・・エイジ・・・」
静かな夜に戦火の火蓋が落とされる。
デュエリアンとの闘争が始まる直前に起きたこの事件は,どの資料にも残されることは無く,ただバウンダーの知識回路に蓄えられることとなった。
最終更新:2012年10月22日 22:28