~ネオドミノシティ~
シティとサテライトの境界が無くなってから久しいが,シティの中にもランク分けされた地域がある。
シティ議会議員や有名会社の上役役員等,特別な階層に属するものが住む”トップス”は,ほかの地域に住む住民にとって憧れの的である。
そんな”トップス”に,年端もいかぬ子供が二人いるのを知っているだろうか?
ルア「早くしなさいよ。もうすぐお迎えきちゃうわよ」
ルカ「分かってるよ。いちいちうるさいなぁ」
二人が住むには広すぎる大きさの家から出てきた彼らを出迎えたのは・・・
浅倉「約束の時間は過ぎてるぞ,ルアルカ双子」
彼はそう,
デュエリアン【王蛇】として
エーリアンに協力した決闘者の一人。
現在は”トップス”の用心棒として,ルアルカの子守役を買って出ている。
ルア「ごめんごめん,デッキ調整に手間取ってたんだ~」
ルカ「だから昨日のうちに終わらせなさいって言ったのよ。ごめんなさい,浅倉さん」
浅倉「まぁいい。すぐに行くぞ,乗れ」
そう言って蛇をあしらったDホイールに乗るよう促す。
双子が搭乗しようとした時,それは起きた。
浅倉「うがぁぁっぁああぁぁっぁぁぁ」
【純然たる悪意】の発現である。
ルカ「キャッ」
ルア「うわっ」
二人の周りを衝撃が走る。しかしその衝撃が遠くに及ぶことは無い。双子の【コネクト】により局地的にバリアが張られたことで被害は最小限に抑えられた。だがその代償は二人の幼子には大きかった。
浅倉【InV】「もろいなぁ・・・そんなんじゃ俺のイラつきを消すことはできねぇなぁ」
双子に魔の手が伸びる。二人にはもう立ち上がる力すらない。絶体絶命だ!!
キュイィィィィンンンンンン!!!!!
突如Dホイールがうなりをあげて,双子と【純然たる悪意】の間に割って入る。
覆面Dホイーラー「・・・」
浅倉【InV】「何だおまえは?いや誰でもいい。俺のイラつきを晴らすのに付き合え」
ルア「・・・誰?」
覆面Dホイーラーは双子を見ることなく,【純然たる悪意】の申し出を受けたようにDホイールのエンジンをうならせた。
『スピードワールド2セットオン』
『ライディングデュエル・アクセラレーション』
決闘★開始
-ターン01-
浅倉【InV】「先行はもらうぜ,ドロー」
浅倉【InV】「チッ手札が悪ぃな。まずはモンスターをセットしてターンエンドだ」
-ターン02-
覆面「・・・ドロー」
覆面「・・・モンスターをセット。エンド」
-ターン03-
浅倉【InV】「ドロー。俺はスピードスペル「エンジェル・バトン」を発動!!カードを2枚ドローし,1枚を捨てる。はぁぁきたぜ」
浅倉【InV】「グラナドラを召喚しライフを1000ポイント回復する」
LP4000→5000
浅倉【InV】「さらにカゲトカゲを特殊召喚。バルーンリザードを反転召喚。3体のレベル4爬虫類でエクシーズ!!」
覚醒の勇士ガガギゴ ATK2950
浅倉【InV】「バトルだ。ガガギゴで攻撃!!」
覆面「伏せモンスター・・・スターダスト・シャオロン。1ターンに1度の戦闘破壊耐性を持つ」
ルア「あれは・・・遊星のカード?」
ルカ「でも,遊星じゃないよね・・・」
浅倉【InV】「ちっイラつかせんじゃねぇよ。カードを1枚伏せてエンドだ」
-ターン04-
覆面「ブライ・シンクロンを召喚。スピードスペル「サモン・スピーダー」発動。レベル4以下のモンスターを手札から特殊召喚する。クリッターを呼ぶ」
覆面「ブライ・シンクロンをクリッターとスターダストシャオロンにチューニング。光指す道となれ!!シンクロ召喚!!スターダストドラゴン!!」
ルアルカ「スターダスト・ドラゴン!?」
覆面「ブライ・シンクロンの効果でスターダストの攻撃力は600ポイントアップする」
スターダストドラゴン ATK2500→3100
覆面「そして墓地のシャオロンはスターダストのシンクロ召喚に呼応して復活する」
覆面「スターダストでガガギゴに攻撃。シューティングソニック!!」
浅倉【InV】LP5000→4850
覆面「シャオロンも攻撃だ」
浅倉【InV】LP4850→4750
覆面「カードを2枚伏せターンエンド」
覆面「エンドフェイズにスターダストの攻撃力は元に戻る」
-ターン05-
浅倉【InV】「はぁっいいモンスターじゃねぇか。俺のターン」
浅倉【InV】「トラップカードオープン『王蛇転生-アドベント-』!!墓地の爬虫類エクシーズを特殊召喚する。復活しろガガギゴ!!」
浅倉【InV】「スピードカウンターを5つ取り除き,スピードスペル『毒蛇剋上-インバースベント-』を発動するぜ」
浅倉【InV】「ガガギゴをオーバーレイユニットとして,ランクが1つ上のモンスター・エクシーズを召喚する。毒蛇うごめく沼のそこより這い出でよ」
浅倉【InV】「ランク555!!鏡界毒蛇王コーニング・ヴァイパー・シュピーゲル!!」
浅倉【InV】「シュピーゲルの効果発動!!ORUを一つ使い墓地の爬虫類を除外する事で,その効果を得る。俺は墓地の「毒蛇神ヴェノミナーガ」を除外し,その効果を全て会得する」
ルカ「エンジェルバトンで捨てていたのね」
浅倉【InV】「墓地の爬虫類は4体存在するため攻撃力は2000ポイントアップする」
シュピーゲル ATK3000→5000
浅倉【InV】「スターダストシャオロンに攻撃「ヴェノクラッシュ」!!これが通れば俺のかちだなぁぁ」
覆面「(伏せカードの1枚はくず鉄のかかし・・・あいつには効かない。ならば・・・)」
覆面「トラップオープン『立ちはだかる強敵』を発動し,全ての攻撃をスターダストで受ける」
覆面LP4000→1500
浅倉【InV】「さらに効果発動。ダメージを与えたときHVC(ハイパーヴェノムカウンター)を置く。カードを1枚伏せターンエンドだ」
HVC 0→1
-ターン06-
覆面「スピードカウンターが5つ以上のとき,スピードスペル「シンクロ・リターン」を発動。墓地からスターダストを特殊召喚し,エンドフェイズに場外する」
覆面「手札からターボシンクロンを召喚」
ルア「クリッターで加えてたんだ♪」
覆面「ターボシンクロンをスターダストシャオロンにチューニング。希望の力、フォーミュラシンクロン」
覆面「効果で1枚ドローする」
覆面「フォーミュラシンクロンをスターダストにチューニング。活目せよ,シンクロ召喚のその先を!!アクセルシンクロ!!」
覆面「生来せよ!!シューティングスタードラゴン!!」
ルカ「すごい・・・でも攻撃力はシュピーゲルの5000には届かないわ。それに攻撃無効効果もシュピーゲルには効かない・・・」
ルア「シューティングスターでもかなわないってこと!?じゃあどうすればいいんだよ!!」
覆面「シューティングスターは守備表示。カードを2枚伏せてターンエンドだ」
-ターン07-
浅倉【InV】「俺のターン。そろそろ終わりにしようか・・・」
浅倉【InV】「スピードワールドの効果発動。スピードカウンターを4つ取り除き,手札のスピードスペル1枚につき800ダメージを与える」
ルア「覆面さんのライフは1500,スピードカウンターは7個。浅倉さんの手札に2枚のスピードスペルがあったら負けちゃうよ」
浅倉【InV】「スピードスペルは2枚よってお前に1600ポイントのダメージを与える。これでしまいだ!!」
覆面「リバースカードオープン「ショック・リボーン」発動。効果ダメージを半減する」
LP1500→700
覆面「さらに受けたダメージ以下の攻撃力を持つモンスターを墓地から特殊召喚する。フォーミュラシンクロンを特殊召喚」
浅倉【InV】「このターンは切り抜けたようだな。だが次の俺のターン,俺のスピードカウンターは4つとなり,スピードワールドの効果を再び使えばお前のライフは尽きるだろう」
浅倉【InV】「おっとひとつ教え忘れていたぜ。すでに発動していたトラップ「毒蛇流血-ユナイトベント-」の効果により,このターン受ける効果ダメージは戦闘ダメージと同じ扱いとなる。つまり,ダメージを与えたことでHVCを1つ獲得する」
HVC 1→2
浅倉【InV】「バトルも忘れていねぇよな?シュピーゲルでシューティングスターに攻撃「ドゥームズディ」!!」
覆面「リバースカードオープン「強制終了」。「くず鉄のかかし」を墓地に送りバトルフェイズを終了させる」
浅倉【InV】「ならばエンドだ。さぁ最後のターンをとっとと終わらせろ。いらいらさせるな」
-ターン08-
覆面「(手札は0枚・・・こんなとき主人公たる存在なら・・・)」
覆面「ドロー・・・(思ったようには引けないか・・・)」
覆面が引いたカードはスピードスペル「オーバーブースト」。
スピードカウンターを4つ増やし,エンドフェイズに1つにする効果を持っている。
今スピードカウンターは8つ,オーバーブーストを使用すれば12となり,スピードカウンターを10取り除き場のカード1枚を破壊するというスピードワールドの効果が発動できる。
しかしシュピーゲルは破壊耐性を持つため,現状を打破できない。
そのため覆面は,更なる可能性にかけてカードを引くのだ。
覆面「スピードワールド2の効果発動。スピードカウンターを7つ取り除き,カードを1枚ドローする」
スピードカウンター8→1
覆面「・・・確立の勝利だ」
覆面「スピードスペル「オーバーブースト」を発動,俺のスピードカウンターを4つ増やす」
スピードカウンター1→5
覆面「そしてスピードカウンター4つを取り除き,スピードスペル『シンクロ・スラッシュ』を発動」
覆面「フィールドのシンクロモンスターをゲームから除外し,そのモンスターの半分のレベルのシンクロモンスター2体をエクストラデッキから守備表示で特殊召喚する」
覆面「シューティングスターのレベルは10。その半分のレベルすなわちレベル5のシンクロモンスター2体を特殊召喚する」
覆面「スターレフト・ドラゴン!!スターライト・ドラゴン」
ルカ「!?フィールドにシンクロモンスターが3体そろったわ」
ルア「しかもしかもシンクロチューナーもいるよ!!」
浅倉【InV】「お前・・・何をする気だ・・・」
覆面「いったろ?シンクロ召喚のその先を見せるって。瞠目せよ,アクセルシンクロのその先を!!」
覆面「俺はシンクロチューナーフォーミュラ・シンクロンをレベル5のスターレフト・ドラゴンとスターライト・ドラゴンにチューニング」
覆面「集いし星の輝きが新たな宇宙の扉を開く。光さす道となれ!コズミックシンクロ!!希望の光コズミックブレイザードラゴン!!」
ルアルカ「あのモンスターは!!」
覆面「アクセルシンクロを超えたコズミックシンクロの力,その身にしかと刻みつけてくれよう」
覆面「コズミックブレイザーで攻撃!!」
コズミックブレイザー ATK4000
シュピーゲル ATK5000
浅倉【InV】「シュピーゲルの攻撃力のほうが上だが?」
覆面「コズミックブレイザーの効果発動『コスモホライズン』!!」
覆面「俺は『鏡界毒蛇王コーニング・ヴァイパー・シュピーゲル』に記された
コズミックテキストを詠唱」
覆面「プランビ=イエイ=コウ」
『コスモホライズンは以下の効果を得る●モンスターの攻撃力は,墓地の同じ種族のモンスターの数×500ポイントアップする』
覆面「墓地にはシャオロン,スターダスト,スターライト,スターレフトの4体。よって攻撃力は2000ポイントアップする」
コズミックブレイザー ATK4000→6000
浅倉【InV】「コスモ・・・ホライズン・・・だと・・・」
ルア「コズミックテキスト・・・だよね?」
ルカ「うん。それに認識できるのは自分の所有するカードのコズミックテキストだけのはずよ」
ルア「他人のカードのコズミックテキストを認識できるなんて・・・あの覆面は何者なんだ?」
ルカ「例外として私達双子はお互いのカードのコズミックテキストを詠み合えるけどね」
コズミックブレイザー VS シュピーゲル
浅倉【InV】LP4750→3750
覆面「そして,このカードはこのカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる」
浅倉【InV】「甘く見られちゃこまるぜ。シュピーゲルのコピー効果は墓地に言った後も残存する。墓地の爬虫類族を除外してシュピーゲルを蘇生する。守備表示で特殊召喚するぜぇぇ」
覆面「無駄だ。コズミックブレイザーは1ターンに1度,モンスター効果を無効にする。シュピーゲルがヴェノミナーガの効果を完全にコピーしているならば,通じるはずだな?墓地では「カード効果を受けない」効果は無効になってるはずだ」
浅倉【InV】「ぐぐ・・・蘇生効果が使えない・・・」
覆面「改めて攻撃だ。いけコズミックブレイザー!!」
浅倉【InV】「うわぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
LP3750→0
決闘★終了
ルア「浅倉さん大丈夫?」
Dホイールから降りた浅倉は,すでに【純然たる悪意】の支配下から開放されていた。
そもそも彼の状態は初期の初期であり,意識までコントロールされてはいなかった。
浅倉「少し意識がぼやけてるけど,大丈夫そうだ」
ルカ「ところで・・・」
ルア「あなたは誰なの?」
覆面は答えない。
ルア「・・・じゃあさ,どうしてスターダストを持ってるの?」
覆面はふっと顔を上げて,
「いいだろ・・・これ・・・欲しかったんだ。スターダスト」
覆面の正体は誰なのか。それは近くすぐにでも明らかになることになる。
最終更新:2012年12月23日 20:51