遅れてきた英雄!仮面に潜む真実

~地球連邦治安維持局本部・司令室~
N「(あのシュウという男……。あのイレギュラーには気をつけなければなりませんね。コード・スクードもネイトによる再調整が必要ですね。ここはコード・ヴァーダンドに動いてもらいましょうか)」

~地球連邦治安維持局本部・地下~
コード・ヴァーダンド「……」

コード・ヴァーダンドは片膝をつき動かない。その格好は何やら目の前の機械に対して祈りでも捧げているかのように見える。

N「ここにいましたか、コード・ヴァーダンド」
ヴァーダンド「我が主よ。何用でしょうか?」
N「あなたにはこれから決闘獣を連れ各地の治安維持局を破壊してもらいます」
ヴァーダンド「はっ!ではすぐに行動を開始します」

部屋を出て行くコード・ヴァーダンド。Nはコード・ヴァーダンドが先ほどまで祈りを捧げるような格好で見ていた機械の方に目をやる

N「(コード・ヴァーダンドの調整は完璧ですね。ですが少し心酔しすぎている気もしますが……。ネイトの生体コアとの相性もいいのかもしれませんね)」

Nが上の方に顔を向ける。機械の上方、そこには液体が詰まったカプセルがある。その中には人影が……

N「(あなたのおかげでネイトの処理能力は格段に上がりました。ふふふ。あなたには感謝していますよ)」
N「(キノ・イーストン)」



~経済大国トロイダル~
チームPULENGERはアポロニウスとラメイルの行方を追い経済大国トロイダルで調査を行なっていた。

凌牙「わかった。一度こちらの調査は切り上げてミストラルシティに戻る」

ツバメからの通信。その内容はミストラルシティで一度作戦を立てるというものだった。

ナル「じゃあこの調査は打ち切りになるんだね」
にろく「そういうことだろうな」
ディック「それで今から戻る?」
凌牙「いや。今日はもう遅い。行くのは明日にしよう」


~経済大国トロイダル・宿屋~
宿で眠りにつく4人。アポロニウスとラメイルの調査で各国を飛び回っていた4人はその疲れを癒すように深い眠りにつこうとしていた。だが……

ドォォォン!!

激しい轟音が鳴り響く

にろく「なんだ!?」
ディック「ムニャムニャ……もう朝?」
ナル「寝ぼけてる場合か!」
凌牙「今の音……ここから近いな」
にろく「もしや決闘獣?」
ナル「行ってみよう!」
ディック「俺はもうちょっと寝てから……」
凌牙「ディック!」

凌牙がディックのベッドを蹴り飛ばしひっくり返す

ディック「おわっ!」
凌牙「目が覚めたか?」
ディック「はい……覚めました」
凌牙「行くぞ!」


~治安維持局トロイダル支部~
局員A「だめだ!もうもたない逃げましょう!」
局長「くぅ!君たちは先に行け!私は最後までここに残る」
局員B「局長……。どうかご無事で!」
局長「まさかこんなに早く決闘獣が現れるとはな」
ヴァーダンド「覚悟は決まったようだな」
局長「あぁ。私は負けるわけにはいかない!決闘だ!」


~治安維持局トロイダル支部・敷地外~
凌駕「ここか!」
にろく「これは……」
ナル「ひどい……」

チームPULENGERの目に入ったのは炎上する治安維持局トロイダル支部だった

にろく「決闘獣の仕業か!」
ナル「多分そうなるだろうね」
ディック「けどこの中に入るの……」

激しい炎を上げる治安維持局トロイダル支部

凌牙「まだ中に人が残っているかもしれない!いくぞ!」

~治安維持局トロイダル支部・1F~
にろく「やはり決闘獣か!」
決闘獣「ガォォォ!」
ナル「ここは俺に任せてみんなは奥へ!」
凌駕「無理はするなよ!」
ナル「何とかなるさ!」

~治安維持局トロイダル支部・2F~
決闘獣「グォォォ!」
ディック「なんだこいつ!?」
凌牙「こいつも決闘獣なのか?」
にろく「新型か!ここはおれが引き受けるぜ。2人は先に行け!」
ディック「わかった!」
凌牙「たのんだぞ、にろく!」


~治安維持局トロイダル支部・長官室~
局長「ここまでか……」
ヴァーダンド「終わりにしてくれる!神の一撃を受けよ!」
局長「うぁぁぁ!」

局長LP1500→0

ヴァーダンド「ふん。これでここも終わりか」バン!

長官室の扉が開く

凌牙「あいつは!?」
ディック「アポロニウス!」
ヴァーダンド「お前たちか」
凌牙「まさかこんなところでお前を見つけられるとはな。今度こそお前を捕まえさせてもらうぜ」
ヴァーダンド「ふん。いいだろう。私に決闘を挑むというのなら受けて立とう」
凌牙&ヴァーダンド「デュエル!」


~治安維持局トロイダル支部・2F~
にろく「はぁ…はぁ…」
決闘獣「グォォォ!」
にろく「こいつ……強い!このままじゃやばいかもな」
???「ずいぶんと苦戦してるようだな!」
にろく「お前は!?なんでこんなところに!」
???「まぁまぁ。今はそんな場合じゃないだろ」

デュエルディスクを構える男

???「こんな炎のなかでの決闘なんて燃えるな!俺にはおあつらえ向きだぜ!まずは協力してこいつを倒すぞ!」
にろく「聞きたいことはいろいろあるが……わかった!」


~治安維持局トロイダル支部・長官室~
ヴァーダンド「オベリスクの巨神兵で攻撃!ゴッドハンドクラッシャー!」

凌牙LP3300→800

凌牙「くっ!」
ディック「凌牙!」
凌牙「まだだ!まだいける!」
ヴァーダンド「強がるな。膝がわらっているぞ」
凌牙「ちっ!(くやしいが奴の言うとおりだ。まだ俺のライフはあるが肉体へのダメージが大きすぎる。これでは体がもたないぜ。どうする……)」
ディック「俺に変わってくれ!俺が戦う!」
凌牙「いいや!だめだ!おまえは前にこいつにやられている。ここは俺が戦い抜いて見せる!」
ディック「確かに俺は一度奴に敗れている……。だが凌牙もこのままでは……。どうにか奴を倒せないのか!」
???「その役目、私にまかせていただこうか」
ヴァーダンド「むっ!だれだ!」
凌牙「なっ!お、お前は!」
ディック「えっ!?これはどういうことだよ!」

突如現れたのは予想外の人物であった。それはなんと

アポロニウス「私が相手をしよう」
凌牙「アポロニウス!?」
ディック「なんで!?だってこいつは!」

コード・ヴァーダンドとアポロニウスを見比べるディック。突然の事態に状況が飲み込めない。

ヴァーダンド「とうとう姿を現したかアポロニウスよ」
アポロニウス「ソナタは一体何者なのだ?何故神のカードを持っている?」
ディック「もしかしてアポロニウスの親族の方とか?」
アポロニウス「私の親族にこんな奴はいない」
ヴァーダンド「ふふふ」
アポロニウス「何がおかしい?」
ヴァーダンド「よもやこんな場所でソナタにあいまみえるとはな!この時を待ちわびたぞ!」
アポロニウス「……ソナタの仮面のにある真実を暴かせてもらう!」
ヴァーダンド「いいだろう!我はコード・ヴァーダンド!ネイトの剣なり!アポロニウス!ソナタは私が倒す!」
アポロニウス&ヴァーダンド「デュエル!」

周囲の壁が崩れ落ち始める

アポロニウス「ソナタらはそこの男を連れ脱出しろ!」
凌牙「なんだと?」
アポロニウス「大丈夫だ。私は逃げはしない。こいつとの決着をつけた後ソナタラと合流することを誓おう」
凌牙「本当だな?」
アポロニウス「ああ」
ディック「凌牙!いこう!にろくとナルも心配だ!」
アポロニウス「安心しろ!その2人は私の仲間が助けている」
凌牙「わかった。いくぞディック!」
ディック「おう!」

局長を担いでディックと凌牙は部屋を駆け出していく

ヴァーダンド「これで邪魔者もいなくなったな」
アポロニウス「そんなつもりはこちらはないがな。だがあいつらをかばいながら戦えるほど私も器用ではないのでな」
ヴァーダンド「ふふふ。いくぞ私のターン。私はモンスターをセット。カードを2枚セットしターンエンド」
アポロニウス「私のターンだ。私はモンスターをセット。カードを2枚セットしターンエンドだ」
ヴァーダンド「まったく同じ布陣か。ならば神をだすのも先攻をとった私が早いというのが道理!」
ヴァーダンド「私のターン!私はトラップカード極限への衝動を発動。手札を2枚墓地に送りソウルトークン2体を特殊召喚」
アポロニウス「これで奴のフィールドには3体のモンスター。くるか!」
ヴァーダンド「いくぞ!3体の生贄をもって、我天命を全うす。天地開闢の言の葉を紡ぎ出さん!」
ヴァーダンド「降臨せよ!オベリスクの巨神兵!」
アポロニウス「神のカード!現れたか!」
ヴァーダンド「オベリスクでソナタの伏せモンスターを粉砕する。ゴッドハンドクラッシャー!」
アポロニウス「くっ。破壊された素早いモモンガの効果発動。デッキから2体の素早いモモンガを特殊召喚」
ヴァーダンド「ターンエンド」
アポロニウス「私のターン。私は墓地のモンスターを全てデッキに戻し究極封印神エクゾディオスを特殊召喚」
ヴァーダンド「奴のこの布陣……さぁ、こい!」
アポロニウス「3体の生贄をもって、我天命を全うす。天地開闢の言の葉を紡ぎ出さん!」
アポロニウス「降臨せよ!オベリスクの巨神兵!」

フィールドに並ぶ2体のオベリスク。2体の神が共鳴する

ヴァーダンド「これは!」

その衝撃で建物が崩壊を始める

アポロニウス「くっ!これでは!」
ヴァーダンド「決闘を続けられないか。ならばこの勝負あずけるぞ!次に会う時!」
ヴァーダンド「それがソナタの最後だ、アポロニウス!SPECコード【時帝】発動!」

一瞬にして姿を消すコード・ヴァーダンド

アポロニウス「まずい。これはまずいぞ」

アポロニウスの周りの柱が崩壊をし始める

???「アポロニウス!こっちだ!」
アポロニウス「ボルケーノ!」
ボルケーノ「こっちの非常階段からなら脱出できる!急げ!」
アポロニウス「ああ!」

間一髪脱出する2人。2人は外でチームPULENGERと合流する


ナル「本当にアポロニウスだ!」
にろく「まさかコード・ヴァーダンドがアポロニウスじゃなかったなんて」
ディック「でもなんで今まで姿をあらわさなったの?」
アポロニウス「私はある人物からコード・ヴァーダンドの話を聞き、私が指名手配されていることを知った」
ボルケーノ「それで身を潜めつつ俺と合流したんだ」
アポロニウス「だが今は状況が変わった」
凌牙「Nか?」
アポロニウス「そうだ。あの演説の後、決闘獣の出現頻度は格段に上がった。この状況を放置するわけにはいかないからな」
ボルケーノ「というわけで俺たちは決闘獣を倒しつつ各地を回っていたのさ」
ディック「そういえばもう1人はどこにいるの?」
アポロニウス「それが……」
ボルケーノ「ラメイルは行方不明なんだ」
アポロニウス「連絡もとれない。無事だといいのだが……」
凌牙「そうだな」
ナル「ところで2人はこれからどうするの?」
アポロニウス「我々は引き続き決闘獣を倒しながら状況の打開策を探すつもりだ」
にろく「だったら俺たちと一緒にミストラルシティにこないか?」
ボルケーノ「ミストラルシティに?」
凌牙「あぁ。俺たちは今そこで決闘獣対策室のメンバーとして動いてる。これからそこで作戦会議が開かれる」
凌牙「お前たちにもそれに参加してほしいんだ」
ディック「ようするに一緒に決闘獣と戦ってほしいんだよね」
ナル「そうなるね」
アポロニウス「そうか。決闘獣の対策チームか。いいだろう我々も行こう」
ボルケーノ「そうだな。2人で動くより大勢で行動して方が情報も多いからな」
凌牙「決まりだな。それじゃあ夜が明けたらミストラルシティに向かおう」


コード・ヴァーダンドとアポロニウスは別人。ならば彼は一体なにものなのか……。新たな謎を抱えつつも今後の作戦を立てるためアポロニウスとボルケーノ、チームPULENGERはミストラルシティへ向かうのであった


to be continued
最終更新:2013年01月04日 22:01