「私の負けですね」
「貴様の封印力,解放させてもらおうか」
「その前に少し私の話を聞いて頂けますか?」
「あぁ」
「これを見てください」
シャカイナは男の額に指を当てる。
男の中にあるイメージが飛び込んできた。
「!!」
「これが加速した世界の先にある絶望です」
「私が封印しなければいずれこのような世界が訪れるのです」
「変えることが出来ない恐怖の世界です」
「あなたにとめられますか?」
男の中で,恐怖と絶望が渦巻く。
膝から落ち静かに倒れていく。
「やはりあなたでも耐えられませんでしたか」
シャカイナがそうつぶやいた時,男が顔を上げた。
その目は先刻と同様,熱く燃えたぎっていた。
「確かに今の俺ではどうしようもない未来だ」
「だが俺は貴様との戦いの中で新しい力を確かに得た」
「俺のデッキには入っていなかったはずのカードが俺を勝利に導いた」
「貴様の力を俺にくれ」
「俺はまだまだ強くなれる」
シャカイナはふるえていた。
自分にはるかに及ばない決闘者である一人の男がシャカイナをも越える力を秘めている事を悟ったのだ。
「あなたに私の力をすべて授けます」
「世界は再び加速するでしょう」
「そして絶望の未来が訪れる」
「いえ,あなたの力で止めてください」
「私の力は,今このときのために与えられたのでしょう」
「あなたの”真”の力が目覚めんことを,<シンクロ>の力よ」
「世界を導きためへ」
シャカイナが光の玉となり,男の中へと消えていく。
男の体は黄金色に輝きだした。
しばらくして男の中から恐怖と絶望が消え失せる。
男は立ち上がりデッキを手にする。
「これが俺の”真”の力・・・」
男は前を向いて歩き出す。
自らに科せられた使命を全うするために。
彼の名は「○○の○○○」
シャカイナに変わり誕生した
オリジネイターの一人なのだ。
最終更新:2012年01月23日 18:32