託された思い!シグナー・オイドVSシグナー・オイド

アーククレイドルの制御装置に向かう十也の前に現れたのは同じ痣の力を持つ決闘者だった。謎の決闘者は赤き竜の僕を模したモンスターを使い十也を追い込んでいく。十也はアクセルフュージョンによって窮地を脱するも謎の決闘者はアクセルフュージョンを越えるリミットオーバーアクセルフュージョンにより5体のシンクロモンスターを融合し、白き竜【ゴスペル・オラクル・ドラグーン】を召喚する。その時、ガイアドレイクと白き竜【ゴスペル・オラクル・ドラグーン】の間に共鳴現象が起き、十也は自分の記憶の世界に飛ばされたのであった。

十也「そうだ…。レクス・ゴドウィン、奴がダークシグナーとの因縁を断ち切るために擬似的なシグナーの力を
   持つ者【シグナー・オイド】を作り出す計画。それがシグナロイド計画。」
???「そうです。それによって私はあなた達という存在を作り出してしまった。」
十也の後ろから聞き覚えのある声がした。その声のする方を十也が見るとそこには光の玉があった。声はその光の玉から発せられているようだった。
十也「以前ヴェルデイとの闘いでお前が記憶を失っている俺のことを助けたのはヘレティス1との決着をつけさ
   せるためだったのか。レクス・ゴドウィン。」
十也は光の玉に問いを投げかけた。
レクス「…いえ。それは違います。私はあなたに純粋に自分の意思で生きて欲しいと思っているのです。私は不
    動遊星達によってダークシグナーとの因縁が断ち切られた後、魂だけの存在となって時限の歪みのなか
    で生き続けていました。しかしあるときあなたの痣の力の覚醒が進んだことで私はこちら側の世界に、
    いや正確にはあなたの心の中にのみですが来る事ができました。」
十也「それがヴェルディとの戦いのときか。」
レクス「そうです。そこでわたしはあなたが私達が元いた世界とは違う世界に飛ばされたということを知りまし
    た。」
十也「違う世界?」
レクス「まだ完全には記憶が戻ってないようですね。いいでしょう。順を追って私が説明しましょう。シグナロ
    イド計画、それにより生み出されたシグナー・オイドは何人もいました。しかしシグナー・オイドの力
    は所詮はまがい物。個々の力はとても小さな物でした。だが、あるときシグナー・オイドの力を増幅さ
    せる方法が判明したのです。」
十也「シグナー・オイド同士による生死をかけた決闘だな…」
レクス「…そうです。シグナー・オイド同士はその力を発動して決闘することで勝者が敗者の力を自分の物にす
    ることができるのです…敗者の魂ごと。」
十也「そうだ…俺は自分が生きるために何人もの命を犠牲にしたんだ。」
レクス「十也…」
レクス「そのことがわかった後は幾度もシグナー・オイド同士による死闘が行われました。そして最終的に残っ
    た2人。それがヘレティス1とヘレティス2でした。多くのシグナー・オイドの力を取り込んだ2人の
    決闘はすさまじい物でした。その影響は時空を揺るがす規模の物でした。高まった2人の力は共鳴現象
    を起こし2人は時空の歪みへと消えていったのです。」
十也「そうか。それで俺は次元をこえ、元いた世界とは違う世界に飛ばされ記憶喪失となってしまったというわ
   けだったのか。
レクス「そうです。これが私の知っている全ての事実です。しかしヘレティス1、彼が何故アーククレイドルに
    いるのかは私もわかりません。」
十也「あいつはシグナー・オイドの力に飲まれている。俺のシグナー・オイドの力を手に入れ完全な力を手に入
   れようとしている。」
レクス「ヘレティス1は元々あなたたちとは違い、自由になることには興味などありませんでした。彼が求めて
    いたのは圧倒的な力です。彼にあなたの力が吸収されてしまえば、彼はその力を自分の力を誇示するた
    めに用い取り返しのつかない事態になるでしょう。私はこのようなことを言える立場ではないのでしょ
    うが…十也、ヘレティス1を止めてください。私からの最後の願いです。」
十也「俺は…あんた達によって造られ戦い続けることを強いられた。」
レクス「……」
十也「だけど…この世界にきて戦いしかしらない俺が仲間との絆を手に入れることができた。それはかけがえの
   ないものだ。そしてそれはあんた達が俺を、俺という存在を生んでくれたからこそ手に入れることが出来
   た物だ。」
レクス「十也」
十也「あんた達のやったことは許されることじゃない。人の命を弄ぶなんてことはな。だがあんたは変わった。
   いや、変えられたのか。そっち側の遊星達に。だったら、おれはその遊星が変えたあんたのその思い引継
   ぐぜ。それにおれは今いるこの世界が嫌いじゃないんでね、奴の好きにさせるつもりはないさ。」
レクス「すまない、十也。私は君のことをほこりに思う、君の父親として。」
十也「ふっ、父親か。まぁ、確かにな。こっちのことはまかせな。あとはこっちの人間でけりをつけるさ。あば
   よ、親父!」
レクス「頼みましたよ、十也。」
光の玉が最後の言葉を発すると十也は再び光に包まれた。そして目を開けるとアーククレイドルの内部へと戻っていた。
ヘレティス1「アーククレイドルの内部にいたおかかげで共鳴がおきても次元振動は起きなかったか。だが…」
ヘレティス1は十也の方を見る。先ほどとは違い十也の顔には闘志が満ちていた。
ヘレティス1「ヘレティス2の方には何かしら変化があったみたいだな。」
十也「あぁ、全部思い出したぜ。おまえのこともな、ヘレティス1!」
ヘレティス1「そうか、やっとおもいだしてくれたか。これで君を倒すのにも面白みがでるな。何もわかってな
       い奴をたおすんじゃぁ面白くないからね。」
十也「相変わらずだな、ヘレティス1。だが何故お前がZONE達と一緒にいるんだ。」
ヘレティス1「簡単なことだよ。僕が飛ばされたのがこちら側の未来だったというだけさ。そこで僕はZONEにあ
       い、共に行動するようになったというわけさ。」
十也「そういうことか。だがもう1つ解せない点がある。お前の使用しているモンスターはいったいなんだ?何
   故スターダストやレッドデーモンズに酷似している?」
ヘレティス1「ふふふ、これは僕とZONEたちが作り上げた人造神白き竜の力を使い造られたモンスター達さ。そ
       してこの僕のフィールドにいるこのモンスターこそが白き竜そのもの!その力は作り物とはいえ
       神、あらゆる効果を受け付けず戦闘によっても破壊されない。さぁ、無駄話もこれくらいにして
       決闘を再開しようか。白き竜【ゴスペル・オラクル・ドラグーン】の攻撃力は除外されているそ
       の眷属1体につき800ポイントになる。」
十也「つまりあいつの攻撃力は4000だと!?ガイアドレイクの攻撃力を上回っていやがる!」
ヘレティス1「ふははは、さぁいこうか。白き竜【ゴスペル・オラクル・ドラグーン】で地天の騎士ガイアドレ
       イクに攻撃、絶対審判【アブソリュート・ジャッジメント】!」
白き竜【ゴスペル・オラクル・ドラグーン】ATK4000 VS地天の騎士ガイアドレイクATK3500
十也LP1000→500
十也「ぐわぁぁ!」
ヘレティス1「これで君のライフは虫の息。それに君の場と手札には1枚もカードが存在しない。君はおとなし
       く僕の糧になるしかないようだね、あははは。ターンエンドだ。」
十也「だれが!俺はお前を止めると約束したからな。おれは約束は守るタイプなんだよ、ドロー!よし、マジッ
   ク発動エクストラ・フュージョン。エクストラデッキから融合モンスターカードによって決められた融合
   素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊
   召喚する。俺はエクストラデッキからクイックドロー・ドラゴンとドリル・ウォリアーを墓地に送り波動
   竜騎士ドラゴエクィテスを守備表示で融合召喚。ドラゴエクィテスの効果だ、墓地のクイックドロー・ド
   ラゴンを除外しその効果を得る。クイックドロー・ドラゴンは自分の墓地のモンスターを2体除外するこ
   とでデッキからカードを1枚ドローする事が出来る。俺はガイアドレイクとドリル・ウォリアーを除外し
   ドロー。カードを1枚セットしターンエンドだ。」
ヘレティス1「ふふふ、守りを固めたか。僕のターン、ドロー。これはいいカードだね。やはり白き竜を従えて
       いる僕に勝つことなどできないのだよ。さぁ、このターンで決着だ。そして僕の力の糧となれ、
       ヘレティス2!マジック発動、ゴスペル・ハウリング。フィールドのモンスターを全て攻撃表示
       にする。」
十也「何!?」
ヘレティス1「ひゃはははは、終わりだ。死ねぇ、絶対審判【アブソリュート・ジャッジメント】!」
十也「う、うわぁぁ!」
ヘレティス1「お前ごときじゃ僕には勝てないんだよ。ひゃははははは!」
十也「くっそぉぉ……なんてな!」
ヘレティス1「は?」
十也「トラップ発動、異次元バトル ディメンジョン・ファイト!」
ヘレティス1「馬鹿が!白き竜はいかなるカード効果も受け付けない。無駄だぁ!」
十也「それはどうかな?異次元バトル ディメンジョン・ファイトはお互いの除外ゾーンに存在するモンスター
   からランダムに1体ずつ選択し、攻撃力のみを参照してバトルを行う。このバトルによって戦闘ダメージ
   は発生せず、バトルに負けたもしくは引き分けたモンスターはデッキに戻る。」
ヘレティス1「それがどうした!白き竜が無敵なのには変わりはない。」
十也「ふっ、いくぞ。1回目のバトルだ!」
ガイアナイトATK2600VSスターダスト・ゴスペルATK2500
十也「スターダスト・ゴスペルはデッキに戻る。」
ヘレティス1「何!?こ、これは」
十也「2回目のバトルだ!」
ドリル・ウォリアーATK2400VSブラック・ローズ・ゴスペルATK2400
十也「2体のモンスターがデッキに戻る。」
ヘレティス1「ま、まさか…」
十也「まだ、まだ3回目だ!」
クイックドロー・ドラゴンATK2800VSライフ・ストリーム・ゴスペルATK2800
十也「相打ちだ、2体ともデッキへ!」
ヘレティス1「こいつの狙いは…」
ガイアナイトATK2600VSエンシェント・フェアリー・ゴスペルATK2100
十也「よし、エンシェント・フェアリー・ゴスペルはデッキに戻る。」
ヘレティス1「や、やめろ…やめてくれ」
十也「こいつで最後だ、5回目のラストバトル!」
ガイアドレイクATK3500VSレッド・デーモンズ・ゴスペルATK3000
ヘレティス1「そんな…バカな」
十也「これでお前の除外ゾーンのモンスターはいなくなった。」
ヘレティス1「僕の白き竜【ゴスペル・オラクル・ドラグーン】は除外ゾーンに存在する眷属の数×800ポイントがその攻撃力となる…。」
十也「そう、すなわち今の白き竜の攻撃力は」
白き竜【ゴスペル・オラクル・ドラグーン】ATK4000→0
ヘレティス1「こいつは…これをねらっていたというのか!」
十也「白き竜は確かに無敵かもしれない。だがお前は大事なことを忘れている。そう、それを使うプレイヤー自
   身は無敵ではない。」
ヘレティス1「ヘレティス2!お前ごときにこの僕が!いや、まて何かあるはずだ、考えろ。」
十也「もう遅い。お前はすでに攻撃宣言を行っている。攻撃力0のモンスターでな。」
ヘレティス1「くっそぉぉ!」
十也「いけ、ドラゴエクィテス!白き竜を迎え撃てスパイラル・ジャベリン!」
波動竜騎士ドラゴエクィテスATK3200 VS白き竜【ゴスペル・オラクル・ドラグーン】ATK0
ヘレティス1LP2300→0
十也「俺がお前の力をその罪ごと背負い続ける。俺達のような存在をこれ以上増やさないためにも。」
ヘレティス1「ふふ、せいぜい…あがく…んだな…その…しゅ…くめい…に」
十也の痣にヘレティス1の痣から力が明け渡される。その直後ヘレティス1の痣が光を放たなくなったと同時にヘレティス1は灰となって消えていった。
十也「ヘレティス1…お前も犠牲者だったのかもしれないな。よし、遊星たちが待っている。急ごう。」
十也は再びアーククレイドルの内部を進んでいった。
最終更新:2012年05月16日 18:29