威厳のありそうな臣下A「急げ、アーガン卿を集中治療室へ運ぶのじゃ。」
シュルツ・セイバー団員「はっ!」
集中治療室に搬送されるアーガン。集中治療室の前にはその安否を待つ団員や臣下たちが駆けつけていた。
そこに遅れて1人の男が駆けつけた。
???「お師匠!」
説明好きな臣下B「おぉ、戻ったか。レオン卿。」
レオン「師匠は無事なのか?」
心配性な臣下C「いや…この状況では何とも言えん。」
レオン「くそっ!俺が気づいていればこんなことには!」
威厳のありそうな臣下A「お前だけの責任ではない。事はわが国始まって以来の一大事だ。」
レオン「だが…ほんとなのか?シュルツ・セイバーの3人が反旗を翻したというのは。」
説明好きな臣下B「うむ、間違えない。
スタイン・ガレッド、
ティム・クライン、ジェイド・マグナイドこの3名が共謀しておる。このうちティム・クラインは昨日のアーガン卿との戦いで死亡が確認された。」
レオン「死亡だと!?何故?」
説明好きな臣下B「それは…本来ならばトップナンバーである№1~3の3名のみに伝承される禁術をティムが使用したためじゃ。この術は使用者の潜在能力を最大限発動させるがそのあまりの強力さゆえに使用者の肉体を崩壊させてしまうのじゃ。」
レオン「なんだ、その術は!そんな危険な術があったなんて。」
心配性な臣下C「だがこの術は使用するための条件がある。一番解せぬのはその使用条件をティムが満たしていたということだ。」
レオン「どういう意味だ?」
威厳のありそうな臣下A「この禁術の発動条件…それは使用者が国の崩壊、もしくは国が真に危機に瀕していると思った場合のみ使うことができるというものだ。」
レオン「それはどういうことだ!矛盾しているぞ。奴らは国をのっとる気ではないのか?」
説明好きな臣下B「わからんのじゃ。いったいどういうことなのか…」
シュルツ・セイバー団員「伝令です!」
団員が話しに割ってはいる。
レオン「どうした?」
SS団員「スタイン・ガレッドが自分の配下の部隊とジェイド・マグナイド、ティム・クラインの部隊を率いて姿を現したそうです。」
レオン「なんだと!?」
威厳のありそうな臣下A「奴らの部隊が姿が見えないと思ったらまさか共に反旗を翻すとは。」
心配性な臣下C「どうするのだ!今は遠征にでている部隊もいる。残っている騎士たちだけでは圧倒的に数で不利だ。このままでは押し切られるぞ!」
レオン「くそ!どうすれば…」
???「私に考えがあります。」
金髪の女が割ってはいる。その女は全身に怪我を負っているようでつらそうな表情をしている。
レオン「シェリー卿!なぜあんたが?」
説明好きな臣下B「彼女はジェイドたちに捕まっていたのだが隙をみて逃げ出し、アーガン卿を発見しつれてきてくれたのじゃ。」
レオン「そうだったのか。だが考えとは?」
シェリー「彼らの力を借ります。」
~決闘大会参加者控え室~
シェリー「というわけなの。力を貸してくれないかしら?」
遊馬「おう、カットビングだぜ。」
十代「いいぜ。」
ジャック「いいだろう。」
各々が協力的な態度を見せる。
遊星「だがシェリー。なんでお前がここに?」
シェリー「それは…」
???「私の口から説明させていただきましょう。」
1人の男が部屋に入ってきた。
遊星「お前は?」
ライアード「申し遅れました。私は治安維持局諜報部のライアードと申します。」
アキ「諜報部?聞いたことないわね。」
ライアード「えぇ、そうでしょう。諜報部は表向きには存在を知られていない部隊ですから。部隊内の者たち同士でも顔と名前はわからないほどです。」
ジャック「その諜報部がどう絡んでいるというのだ。」
ライアード「これは本来なら伝えてはいけない情報なのですが…あなたたちには特別にお教えします。実は
ラウズレイ王国内に
オリジネイターがいるという情報を聞きつけまして、その調査にあたりフリーの決闘者である
シェリー・ルブラン氏に潜入調査を依頼したのです。いやはや、それがまさかこんなことに巻き込まれるとは思いませんでした。」
シェリー「そういうわけで私はシュルツ・セイバーの1人として国内の情報を探っていたのよ。けど肝心のオリジネイターに関する情報は出てこなかったわ。」
遊星「そうだったのか。」
ライアード「えぇ。この事態は私たちとは関係のないものですがみなさんが協力をしてくれるというのはとてもありがたいです。」
十代「困っている奴がいたら助けるのは当たり前だろ。」
シェリー「ありがとう、助かるわ。」
ライアード「では、みなさん。いきましょう。」
~ラウズレイ王国・市街地~
スタイン「いけ、狙うは王の首だ。一般人には手を出すな!」
スタインが率いる反旗を翻した兵たちが王城に向かって攻める。
レオン「みつけたぞ、スタイン!」
スタイン「レオン…お前がきたか。」
レオン「何故こんなことをするんだ。」
スタイン「レオン、お前には真実を話してやる。だが、それで納得できないのであれば俺の剣のさびになってもらう。」
レオン「…そんなわけがない!」
スタイン「やはり納得できないか。ならば!」
レオン「これは!」
スタイン「イス・ガベイン・レーベン・アン・エイネム・ランド・ジ・フォルゲン!(我が国を守るため、私は私の命を捧げる!)」
レオン「例の禁術か!」
スタイン「さぁ、いくぞ!」
レオン「ここを通すわけにはいかない。シュルツ・セイバーの№4の名にかけて!」
スタイン&レオン「デュエル!」
~ラウズレイ王国・玉座の間~
聖王「とうとう始まったか。」
ラインハルト「ご安心ください。殿下は私めが必ずお守りします。」
ジェイド「あなたにそれができるかな?」
玉座の間の扉が開く。そこにはジェイドが立っていた。
ラインハルト「何!?警護の者たちはどうした?」
ジェイド「彼らには眠りについてもらったよ。永遠にさめない眠りにね。」
聖王「なんて事を…。」
ラインハルト「ジェイド、貴様!」
ジェイド「彼らには申し訳ないが。これもすべてわが国のため。」
聖王「どういうことだ?」
ジェイド「ふ~、いまさらとぼけるんですか聖王。いや、騎士狩りの犯人ディサイヴ・ラウズレイ!」
聖王「何を言っているんだ、ジェイド!」
ラインハルト「まさか!?どういうことだ!」
ジェイド「言葉のとおりですよ。実際私は騎士狩りに会っていますし。」
ラインハルト「なんだと!」
ジェイド「あれは僕が騎士狩りの犯人の調査に出た日の夜。調査を終えて犯人を見つけられず帰ろうとしたとき、僕はその犯人がちょうど騎士を襲っているところを目撃した。僕に気づいた犯人は僕に対して襲い掛かってきた。僕はそれを迎撃しなんとか退けたが、その犯人の顔をみて驚いたよ。まさか聖王
ディサイブ・ラウズレイその人だったとはね。この事実は誰にも話すことはできなかった。どうせ話したところで誰も信じてくれないからね。」
聖王「ありえん!余はそのようなことは断じてしていない。」
ラインハルト「お前の勘違いではないのか、ジェイド。」
ジェイド「ありえないね。最初は僕も信じたくなかった。だが僕以外にも見たものが出てきた。」
聖王「それがスタインとティムか。」
ジェイド「そうだ。彼らはこの国のために僕に協力してくれた。だから僕はこの革命を必ず成功させる。命に代えてもだ!」
ラインハルト「それがお前たちが反旗を翻した理由か。」
ジェイド「そうさ、だから僕たちはこの禁術が使用できる。国を弄ぶ聖王を倒すためにね。イス・ガベイン・レーベン・アン・エイネム・ランド・ジ・フォルゲン!(我が国を守るため、私は私の命を捧げる!)」
聖王「どういうことなんだ。まるで意味がわからない。ジェイドたちが嘘を言っているようには思えない。だが…」
ラインハルト「殿下!落ち着いてください。ここは危険です。ジェイドの相手は私がします、今のうちに退避を。」
聖王「すまない、ラインハルト。」
ジェイド「奴を逃がしたか。まぁいい、すぐにあなたを倒して奴を討つ。」
ラインハルト「王国最強の騎士である私を倒せると思っているのか?」
ジェイド「えぇ、今のあなたならね。あなたは迷っている。」
ラインハルト「くっ!見透かされているか。確かにな。私にはお前も殿下も嘘をついてるようには思えん。だが、シュルツ・セイバーの№1としてお前を倒す。」
ジェイド「いいでしょう。」
ラインハルト&ジェイド「デュエル!」
~ラウズレイ王国・市街地~
スタインLP1200→0
スタイン「まさかこの力を使っても勝てないというのか、ぐはっ!」
レオン「スタイン…お前が手にした力は確かに強かった。だが、俺は師匠をあんなにして、国をこれだけ混乱させているお前たちに負けるわけには行かなかった。この思いの差が勝敗を分けた。」
スタイン「レオン…俺には何が正しかったのかわからない。確かに俺はあの夜、聖王が騎士を襲っているのを見た。だが、何かがおかしい気が…する…んだ。ぐっ!」
血を吐きながらも話を続けるスタイン。
レオン「スタイン!」
スタイン「俺…はもう…助からない。俺の変わ…りに真実を…たの…んだ…ぞ」
スタインはそれ以上言葉を発することはなかった。
レオン「スタイン。お前の最後の願い聞き入れたぞ。」
~ラウズレイ王国・王城~
ディサイブ「はぁ、はぁ。どうしてこんなことになってしまったんだ。」
ジェイド「それはあなたのおろかな行いのせいです。」
ラウズレイ城では聖王ディサイブとジェイドのデュエルが行われていた。
ジェイド「このまま何もカードを出さずに負けるつもりですか。僕はそれでも構いませんが。」
ディサイブ「余は…」
ディサイブは目を閉じ、その後心を決めると目を開いた。
ディサイブ「真実を知るまで倒れるわけにはいかない。ジェイドお前を止める。余のターン!」
ジェイド「やっとやる気になりましたか!国のためあなたを討つ!」
ディサイブ「これで終わりだ!」
ジェイドLP2400→0
ジェイド「聖王の力がこれほどとは!僕が負けた…だと。」
倒れこむジェイド。ディサイブが倒れたジェイドを抱える。
ディサイブ「しっかりしろ、ジェイドよ!」
ジェイド「僕は…国を…変えれ…なかった」
???「そうですねぇ。後一歩だったんですが。」
ディサイブの目の前にフードをかぶった男が現れた。
ディサイブ「何者だ?」
???「私の正体が気になりますか?ではお見せしましょう。」
男がフードを脱ぐ。
ジェイド「なっ!?」
ディサイブ「余と…同じ顔だと!?」
???「フフフ、いい反応です。ジェイド、あなた達はいい働きをしてくれました。こうも私の描いた通りの動きをしてくれるとはね。ですが欲を言えばもっと彼を追い詰めてほしかったですがね。」
ジェイド「そん…な…じゃあ僕が…見たのは…」
???「えぇ、それは私です。」
ディサイブ「貴様は何のためにこんなことをした!余の国民達を弄んで!」
???「知りたいですか?知りたいですよね。それは私があなたの双子の兄だからです。」
ディサイブ「何だと!?」
???「嘘ですよ。」
ディサイブ「なに!ふざけるな!」
???「はははっ!いい反応です。真実を知りたければミストラルシティに来なさい。では真実の探求者、また会いましょう。次に会うときまでにその力が目覚めているのに期待しますよ。フフフ。」
男はそういうと姿を消した。
ディサイブ「奴がすべての元凶。ミストラルシティ…そこに行けば」
決闘大会の参加決闘者の協力もありラウズレイ王国の動乱は幕を閉じた。1つの謎を残しつつも…
~ラウズレイ王国・王城~
アーガン「本当に行かれるのですね」
車椅子に乗っているアーガンがディサイブに話す。
ディサイブ「あぁ。余は真実を知らなければならない。奴におどらされ散っていった者のためにも。安心しろ、ラインハルトとレオンも余の護衛につく。」
レオン「師匠!行ってくるぜ。」
ラインハルト「留守はたのんだぞ、アーガン卿。」
アーガン「はっ!シュルツ・セイバーの名において。」
ディサイブ「ではいくぞ。ミストラルシティへ。」
謎の男に導かれ聖王ディサイブはミストラルシティへ向かう。そこにある真実を追い求めて。
ラウズレイ王国編 end
最終更新:2012年06月05日 22:09