コラム


せっかく研究した1次元オプティカルフローについて書く(予定)。

以下のリンクにあるように4ページに渡って書きます。

(内容が正確かどうかは保障しません。また、ベクトル等数学的な知識、画像処理に関する知識がある程度必要かもしれません。)

  1. オプティカルフローの背景(本ページ)
  2. 2次元オプティカルフロー、1次元オプティカルフロー
  3. 離散画像で1次元オプティカルフローを実現するために
  4. 実際に追跡してみる
  5. 最後に


本ページの各節へのリンク

背景

私たちの周りには静止している物体だけでなく移動している物体も存在します。コンピュータビジョン(人間の目のような機能を持ったもの)の実現には移動物体の発見や追跡は必要不可欠な技術です。

そこで、カメラ等から取り込んだ連続的な画像について解析することで移動物体を発見し、追跡する事ができると考えられます。

最も簡単な手法として、フレーム間で画像全体の差分を取る手法があります。
物体が移動する時には、移動方向と速度をもっています。
差分を取るだけでは、移動前と移動後両方の物体が取り出されます。また、移動量や方向といった情報は全く分かりません。

そこで便利なのが方向と移動量を一度に表現できるベクトルです。オプティカルフローとは画像中のベクトル分布の事です。


オプティカルフローとは

論文検索CiNii(サイニィ)でオプティカルフローについて検索すると1990年代から積極的に研究がされています。
特に今回述べる1次元オプティカルフローは、90年代後半~研究されている比較的新しい手法となります。

先ほど、オプティカルフローとは画像中のベクトル分布だと述べましたが、具体的にどういう事かを以下に示します。


このように2枚の画像が(1→2の順に)与えられたとします。
図中の青い物体が右に移動しているのがわかると思います。

これをオプティカルフローを用いると入力画像1が下図のようなベクトル分布を持っている事になります。
※分かりやすく説明するために、若干正確ではありません。

画像中の全画素について追ってベクトルを求めると、次の画像で、画像中の各画素がどの様に移動したかという事が分かります。


移動物体の発見、追跡に応用

オプティカルフローは単なる画像のベクトル分布に過ぎません。
オプティカルフローが発生した画素に移動物体がある可能性が高いので、発見はできます。これをどのように移動物体の追跡に応用するのかを述べます。

まず下図のような2値画像のオプティカルフローをご覧ください。
フローが発生している画素が移動物体です。
フローの方向が画素によって滑らかに変化しています(2次元オプティカルフローはこの条件を拘束方程式に使用しています)。

物体を追跡する場合、中心を追跡するのが一般的です。

そこで様々な方法がありますがここでは物体の中心のフローに着目して移動方向を決めます。
フローの矢印の先が次の場所なのでそこを次のフレームの物体の予測位置とします。

このようにしてオプティカルフローから移動物体の発見、移動位置を予測することができます。

最終更新:2010年02月20日 21:39