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957 :名無しさん:2013/01/20(日) 18:30:43 日本。 極東に位置するこの亜大陸について、近世に入るまで欧州の人々からはあまり良い印象を持たれていなかった。 原因は諸説有る。 日本固有の猛獣である剣牙虎や蝦夷象を恐れたのだという説や、日本から持ち出された新種の鼠によって、海運と農耕に壊滅的な被害が出た所為だという説。 だが欧州の人々が日本を恐れた最大の理由として挙げられるのが、「戦闘民族」と呼ばれた日本亜大陸の住人達であった。 まだ日本が「倭」と呼ばれていた頃に起きた大戦(おおいくさ)での戦いぶりは、シルクロードを通じて伝聞されるうちに誇張されて、 欧州の人々に伝わる頃には「危険な猛獣を従え、地を埋め尽くすほどの兵力で押し寄せて来た野蛮人の群れ」と言う、 ある意味間違っていないが間違った認識が出来ていた。 かの「東方見聞録」の日本人を紹介するくだりでは、「獣に敵兵を食わせ、自らもそれを貪った」などと偏見全開で紹介され、 それが欧州における日本人像の原型になったと言われている。 958 :名無しさん:2013/01/20(日) 18:31:23 時代が下り、多数の宣教師達が日本を訪れるようになると、それらの「蛮人」と言う印象は大分拭われた。 しかしこの時代を経験したことで、かえって彼らの中の日本人像は悪化したと言われている。 当時、日本はまさに戦国に向けて世が乱れ始めた頃である。 布教のために来日した宣教師達はまず有力な大名達に取り入ろうと試みた。 大名達の方も鉄砲に代表される舶来の最新技術を手に入れようと躍起になっていたので、試み自体は上手くいったと言える。 しかし彼らは、実際に間近で日本人達の闘いぶりを見て腰を抜かした。 剣牙虎を従えた「剣虎兵」や蝦夷象を使った「象兵」などの日本固有の兵種。 伝えたばかりの鉄砲を量産してみせた職人達の技術力と、それを使いこなす適応力。 だが何より彼らを慄然とさせたのは、地を埋め尽くさんばかりの兵士達が戦闘を繰り広げるその光景であった。 何しろ小さな小競り合いで千人から万単位の雑兵がぶつかり合う。 大大名同士の闘いともなれば桁はさらに繰り上がるのだ。 ある宣教師は本国に向けた手紙の中で、「日本人と戦うならば十字軍が必要だ」とまで記述している。 959 :名無しさん:2013/01/20(日) 18:32:15 しかし何よりも彼らを震え上がらせたのは、それだけの兵力を平然と養う日本大陸の豊かさにある。 考えてみてほしい。一万の兵士を食わせるのに、一体どれ程の糧食が必要になるのかを。 欧州で一万と言えばかなりの大軍だ。しかし日本ではそれでさえせいぜい中堅がいいところ。 大大名ともなれば六桁の兵力を有することさえあるし、剣虎兵や象兵を抱えているなら餌代だって馬鹿にならない。 逆に言えば、それを支えきるだけの国力を日本は有していることになる。 これを知った欧州各国は日本を恐れ、そしてこの亜大陸が遠く海を隔てた辺境にあることに安堵した。 既に国交を持っていたポルトガル以外の国々は日本を敬遠し始め、日本もまた徳川幕府の意向により鎖国したことで、 日本は欧州の歴史から姿を消した。 欧州の歴史に再び日本が登場するのはこれより更に時を下った1853年、アメリカ海軍ペリー提督の来航を待たねばならない。 しかしアメリカが日本に接触することを決定したとき、欧州各国がこぞって翻意を促したことはあまり知られていない。

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