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32 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:17:10 衝号抜きの太平洋戦争~第21章「1944年へ」 先に43年11月の世界情勢を見よう。 独ソは相変わらずロシアの大地で数百万の大軍が壮絶な戦いを演じていた。 43年夏にソ連は南方戦線で大規模攻勢、通称『バクラチオン作戦』を発動しウクライナ解放を目指し突貫。 だが、これまで散々夢幻会があらゆる手段で足を引っ張ったため、 砲を撃てば砲身が炸裂する、エンジンは簡単に壊れるなどと史実では考えれないほど工作精度が低く、 レンドリースもないため、生産力はガタ落ちである上に、これまでの消耗戦で息切れを起こしつつあった。 それでもなお、紅いスチームローラの名は伊達ではなく、 合計150個師団、兵力200万人による破壊力は確かで各地でドイツ軍は後退を開始した。 その事実にソ連はわずかな希望を抱かせたが、ドイツからすれば想定の範囲内の出来事に過ぎない。 ヒトラー総統が史実のように死守命令を乱発せず、 苦しい台所事情のため軍とは可能な限り協調し、独ソ戦が何とかドイツ優位を保っていた点もあり、 陸軍参謀本部が求めた後退をすんなりと受け入れ、現地のヴァルター・モーデル元帥は実質フリーハンドを得た。 モーデル元帥は我武者羅に進撃するソ連をいなし続け、 やがて進撃しすぎて補給が間に合わず停止した所で装甲軍団が後手からの一撃をお見舞いした。 ドイツ軍は、突出したソ連をそのまま包囲する動きを見せたたためソ連は持てる機械化部隊を根こそぎ動員し、 一面にひまわり畑が広がるクルスクの大地で合計5000両の戦車が衝突、史上最大規模の戦車戦、通称『クルスクの戦い』が勃発。 ここで負ければ銃殺刑なのは確実であることを承知していたゲオルギー・ジューコフ元帥は、 親衛隊機甲軍を先頭に損害無視で前進させるが、制空権がドイツ側の手に完全に掌握された時点で彼の運命は定まった。 最高時速748km、モーターカノンの30mmMK103機関砲1門、 さらに翼に50mmBK5機関砲2門を搭載した、その重武装と高い防弾性能から、 『告死天使』と恐れられることになるDo335双発戦闘機『プファイルD-1』が手当たりしだい地上目標を破壊してゆく。 最悪なのは地上襲撃機としてチート気味なこの航空機に、 新たな相棒として破壊神ルーデルが操ったため、ソ連の被害は鰻上りになる。 なお、地上でもミハエル・ヴィットマンを筆頭にドイツ名物人外ズがヒャッハー!していた事実を記す。 33 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:17:52 そして止めにモーデル元帥が予備の 第21装甲師団 第15装甲師団 第90軽歩兵連隊 第150歩兵旅団 イタリア第132装甲師団『アリエテ』 イタリア第101自動車化歩兵師団『トリエステ』 を有する通称ロンメル軍支隊を投入したことでソ連軍を包囲することに成功する。 もっとも包囲を破るべくソ連はさらに無茶な突進をしたため、 ドイツ軍は多くの兵力を逃す結果となったがソ連は約90~110万人の兵力を完全に消耗。 しかも高度な技術を有する機械化部隊の大半をここで失ったため、当分反撃もままならない打撃を蒙った。 怒り狂ったスターリンはジューコフをサボタージュ並びにスパイ疑惑で銃殺。 さらに反発した軍の一部がクーデター未遂を行ったため、粛清の嵐が容赦なく吹きつけた。 「ソ連版ワルキューレなんて史実とは逆の展開だな」と夢幻会で囁かれ、彼らがドン引きする程実に容赦ないものだったとか。 この戦いで勝利したドイツ軍であったが、彼らもまた消耗したため当分攻勢に出ることは不可能であった。 「路面が凍結しトラックの輸送がはかどる今年の冬に攻勢すべし」とロンメル大将などは進言したが却下される。 しかし今一度押せば今度こそ赤熊が白旗を揚げるはずと確信していたため、来年の1月に攻勢を計画することになる。 なお、夢幻会に散々毟り取られドイツが何とかここまで戦えたのには、 シューペアの胃壁と髪の毛を犠牲にした奮闘と史実なら徐々に加熱してゆく本土防空戦がないため、 数百の戦闘機、数万の高射砲、それらを操る数十万人の人員、それらがすべて独ソ戦に投入できるのが大きい。 加えて、史実なら北アフリカで走っていた数万両のトラックが東部戦線に従事していたのもやはり無視できない。 そしてドイツは日米の戦争には基本無視を貫いており、 アメリカが色目を送っても送られる資源などは容赦なくいただくが、のらりくらりとやり過ごしていた。 ただ、ヒトラー総統は国際ユダヤの総本山であるアメリカを日本が蛸殴りにしているため海軍に強い関心を示していた。 イギリスはアメリカが事実上イギリスを見捨て、 ドイツと手を結ぶ相互不可侵条約の存在を知るとアメリカとの関係はさらに悪化。 元から「日本の対英参戦を招く」と渋っていた交易をレートの値上げを初めに中南米共々嫌がらせを開始。 特に生ゴム、レアメタルの輸出を事実上の停止したためアメリカはパニックに陥った。 一見国内に資源を抱え込んでいるアメリカだが実はいくつかの資源は自給できない。 特にゴム。 パッキンを初めに様々な用途に使われるのだが、 史実41年ではアメリカは生ゴムの90%をマレ-やオランダ領東インドに頼っていた有様であった。 もっともアジアからのゴムが途絶えた後は、代替として中南米産のゴムを使用することで史実はしのいだ。 だが、この憂鬱世界ではメキシコに深入りしすぎたせいで中南米国家の反米感情はノンストップであり、 一時期大西洋で日本の潜水艦が暴れたのとイギリスの影からの支援で輸出の渋りと戦時割り増し料金を要求。 そのため、アメリカの戦費を地味に上昇させ、流通不足から戦時経済に打撃を与えていた。 レアメタルのマンガン、クロムはアメリカ国内で取れる量は少ない。 史実39年~45年のマンガン生産高は48万トン、これは実は史実日本と同レベルである。 クロムは13万トンで日本以下、 史実ではフィリピンとニューカレドニアから輸入し、 それでも足りない分はアメリカの裏庭にして産出量世界第4位のキューバから輸入してしのぐ。 ニッケル産出量は戦時中5万トンしか取れなかったための変わりに産出量世界第1位のアメリカのモリブデンで代替していた。 34 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:18:23 マンガン産出量 1位:インド 2位:ガーナ 3位:ブラジル 4位:南アフリカ 5位:キューバ クロム 1位:ジンバブエ 2位:トルコ 3位:南アフリカ 4位:キューバ 5位:フィリピン モリブデン 1位:アメリカ 2位:メキシコ 3位:チリ 4位:日本 5位:ノルウェー バナジウム 1位:アメリカ 2位:ペルー 3位:ナミビア 4位:ザンビア 5位:メキシコ タングステン 1位:中国 2位:アメリカ 3位:日本 4位:ボリビア 5位:ポルトガル ニッケル 1位:カナダ 2位:ニューカレドニア 3位:キューバ 4位:フィンランド 5位:日本 以上を見ると中南米、並びにキューバからレアメタルを仕入れることが可能だが、 世界に跨る大英帝国と中南米の反発での流通が停止するのと、コスト高で史実なら手に入ったであろう量から減少する。 次に海軍の稼動艦艇について語る。 アメリカ太平洋艦隊は日本の『星二号作戦』で何度目かの打撃を受けた。 開戦から1年と数ヶ月程度で戦艦空母を合わせて30隻近くも沈んだせいで、 どんなに多い人口と分厚い知識人層にから排出される予備将校を以ってしても限界である。 辻が大恐慌時代に散々毟ってもなお海軍軍備は史実同様、 むしろ前倒しに揃えたがそのツケとして海軍全体の人員は史実よりも削減されてしまった。 これにより各艦船は定員割れが始まりつつあった。 この世界における大損害とあわせて薄くなった海軍人員層のせいで、 アメリカ海軍は常に未熟な状態で日本海軍に対抗せねばならず苦しい状態であった。 35 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:19:00 また、太平洋艦隊司令部がサンディエゴで原爆により消滅したことで、組織を維持する書類、 スタッフが物理的になくなり、海軍工廠にも被害を蒙ったせいで太平洋艦隊の運用そのものが危機的状況であった。 12月末時点のアメリカ太平洋艦隊稼動状況 戦艦 『ワシントン』 『アラバマ』『マサチューセッツ』 『アイオワ』『ミズーリ』 軽空母 『カウペンス』『モンテレー』 移動式乾ドックで修理中 空母 『エンタープライズ』 戦艦5 空母2 対する連合艦隊は、 戦艦 『長門』『陸奥』 『伊勢』『日向』 『鞍馬』『伊吹』 『金剛』『榛名』『比叡』 超甲巡 『富士』『新高』 空母 『翔鶴』『瑞鶴』 『大鳳』 『紅鳳』『海鳳』『祥鳳』『龍鳳』『天鳳』『黒鳳』 『千代田』『千歳』『日進』 ・アラスカで船団護衛、対地支援に従事。 『大鷹』『雲鷹』『神鷹』『海鷹』『白鷹』『黒鷹』『紅鷹』『天鷹』 ・本土で修理中 『扶桑』『山城』 ・アラスカにて移動式乾ドックで修理中 空母 『赤城』 『隼鷹』 『蒼龍』 ・沈没 戦艦 『霧島』 空母 『瑞鳳』 『飛鷹』 『飛龍』『天城』 『冲鷹』 戦艦9 超甲巡2 空母20 先の『星二号作戦』で日米の双方が出せる空母機動部隊の本気の殴り合い、 通称『第2次西海岸海戦』で連合艦隊はまたもや暁の水平線に勝利を刻んだがの空母稼働率は一気に低下。 空母4が沈み、3が中破~大破したためしばらく修理しなければならない羽目に陥った。 36 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:19:57 たしかに再度アメリカ太平洋艦隊を叩き潰したが、 自らの損害に夢幻会では史実のミッドウェー海戦に匹敵する衝撃を受けた。 何せ正規空母2、改装空母1、軽空母1を一度に完全に喪失したのだから仕方がない。 だが、11月時点で現地の小沢提督はアメリカ太平洋艦隊を叩いた後も攻撃の手を緩めず、 春の『Z号作戦』と同じく輸送船団や防備が薄い港を狙って襲撃を開始、輸送船舶を血祭りに上げていった。 これにより西海岸の流通がまたも阻害され、ハワイへの補給は航空機を除いて完全に停止してしまった。 太平洋艦隊がまたもや敗北を喫してしまったこと、 再び行われた艦隊丸ごと通商破壊作戦、さらにはサンディエゴを筆頭に新型爆弾により壊滅したとの報告で、 もはや防衛強化の工事よりも、軍が率先して民間人と共に芋畑を耕して飢えを凌いでいたハワイの士気が揺らぐ。 そもそも、どんなに生産活動を行っても、 後2~3ヶ月で人間が1日に必要とするカロリーを確保することも難しくなる。 加えて、さらに数ヶ月過ぎれば本格的な飢餓が始まり、戦わずして崩壊するしかない。 という報告がもたらされた事でハワイ方面陸軍司令長官ウォルター・ショート陸軍中将はついに降伏を決断。 そして12月8日、 史実では真珠湾攻撃が行われた日にハワイは日本に降伏を宣言。 アメリカ本土のロング大統領は怒鳴り散らしたがどうしようもなかった。 さらには12月25日。 アラスカの州都ジュノーが陥落と、 アメリカとって最悪のクリスマスプレゼントが贈られた。 ジュノーは無数のコンクリートトーチカ、 などで構成された三重の防衛線をアメリカの巨大な機械力を持って構築したが、 日本側は特に陸軍は大陸でも大活躍した『痛い子中隊』を初めに持ち出せるだけの陸軍航空隊を動員。 どうやらアメさんはセヴァストポリ要塞並に強固な防衛をしているらしい、 と察したため、列車砲に各種要塞砲、攻城砲を持ち込み合計900門近くの各種大砲を集結させる。 そして始まる攻勢。 先に5日間にわたる砲撃で防衛線を地面ごと掘り返し、 同時に急降下爆撃でトーチカの一つ一つを丁寧に叩き潰してゆく。 特に『痛い子中隊』が大活躍しあらゆる地上目標を叩き潰し膨大なスコアを叩き出した。 また、旅順要塞から陸軍が態々が持ち込んだ『41糎榴弾砲』を始めとする巨砲は絶えず火を噴き続ける。 ダメ押しに『富嶽』による絨毯爆撃と100式地中貫通弾のコンボで防衛線を火力を以って粉砕してしまった。 以上の攻撃を終えると多数の戦車師団を有する栗林兵団が歩兵と共に進撃を開始。 アメリカ軍は生き残った戦車で反撃を試すが、戦車の性能差もさることながら、 『サムライ戦車隊長』と知られる島田豊作。 『バロン西』として史実では硫黄島で玉砕した西竹一。 『西住みほのモデル』であり史実で軍神に認定された西住小次郎。 『戦車隊の神様』で占守島の戦いで戦死した池田末男。 そんな日本を代表する戦車乗りたちが襲い掛かって来たのだから、 アメリカ軍は一方的に撃破、蹂躙されるばかりであった。 戦いは2~3週間程で終わり、 ちょうどクリスマスの12月25日に陥落。 アメリカでは報道統制を行っていたが、 完全に統制できるはずもなく、アメリカ市民社会はハワイ陥落と合わせて激しく動揺した。 37 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:20:52 これは流石にロング大統領といえども退陣せざるを得ないだろう。 そう夢幻会は考え、もう一押しすべく首都ワシントンへの爆撃を計画、これを実行した。 44年の1月1日、新年のプレゼントとデモストレーション的意味合いが深く、 高高度から単機で爆弾を投下するだけのものであったが政治的効果は抜群であった――――やぶ蛇であったと悪い意味で。 投下された爆弾はたまたま議会へ直撃し大統領を糾弾していた議員に多数の死傷者を出す騒ぎになる。 混乱の最中、大統領は大統領権限の強化と更なる戦時統制を強める法案を強引に可決、議会が強制的に閉鎖される。 ニューヨークでロング大統領を降ろす算段をしていた、 財界の人間は神の炎で消えたたためロング大統領は財界が握っていた情報、財産、権力の全てを継承。 更なる統制、というよりもロング大統領による事実上の独裁体制の確立に反発する人間は継承したコネを使い潰していった。 中でもFBI長官のジョン・エドガー・フーバーが性的な意味でリベラルであることを大統領が掴んだことでそうした動きを加速させた。 さらに原爆への報復措置として強制収容所に収容した日系人への最終的解決を発動。 自然物に過ぎない黄色人種に相応しい最後を与えたとロング大統領は誇らしげにラジオで報告することになる。 (※日本の通商破壊で本土の収容所に送られることがなかったハワイの日系人は辛うじて生き残る) この対応に「狂ったか!」そう近衛が叫んだように夢幻会では唖然、呆然とするばかりであった。 しかも史実でも終戦工作に関わったアレン・ウェルシュ・ダレスと連絡がつかないという報告で事の深刻さに一同は凍りついた。 そして夢幻会に動揺が収まらない間に、 慌てて入ってきた外務省の人間に次の凶報を予感させたがまさにそのとおりであった。 「アメリカ軍、カナダ侵攻」 戦争はまだ続くようだ。 38 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:35:11 以上です 久々に陸戦の描写をしたかったので、 バクラチオン作戦では独ソ両者にクルスクで派手に殴り合ってもらいました。 本編ではドイツは陣地戦で対抗しましたが、こちら機動戦で包囲殲滅を図ることになります。 なお、史実のクルスクの戦いより動員戦車数が1000両ほど減っています。 これは夢幻会によるこれまでの嫌がらせにより戦力が史実よりも低下したためであります。 イタリア陸軍も東部戦線にいるのは本編で総統閣下がイタリア軍を東部戦線へ持っていく話があったためです。 あと、前スレで資源の話があったので、調べてみました。 参考文献は『「レアメタル」の太平洋戦争』です(著作:藤井非三四) そして戦争はいよいよ44年に突入。 今後どうなるかはぶっちゃけ基本その時のノリで決めるのでわかりません。 ですが、どうか最後まで完結を目指して頑張りたいと思います。 では ***次話:[[第22章「復活、日英同盟」>http://www18.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2338.html]]
32 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:17:10 衝号抜きの太平洋戦争~第21章「1944年へ」 先に43年11月の世界情勢を見よう。 独ソは相変わらずロシアの大地で数百万の大軍が壮絶な戦いを演じていた。 43年夏にソ連は南方戦線で大規模攻勢、通称『バクラチオン作戦』を発動しウクライナ解放を目指し突貫。 だが、これまで散々夢幻会があらゆる手段で足を引っ張ったため、 砲を撃てば砲身が炸裂する、エンジンは簡単に壊れるなどと史実では考えれないほど工作精度が低く、 レンドリースもないため、生産力はガタ落ちである上に、これまでの消耗戦で息切れを起こしつつあった。 それでもなお、紅いスチームローラの名は伊達ではなく、 合計150個師団、兵力200万人による破壊力は確かで各地でドイツ軍は後退を開始した。 その事実にソ連はわずかな希望を抱かせたが、ドイツからすれば想定の範囲内の出来事に過ぎない。 ヒトラー総統が史実のように死守命令を乱発せず、 苦しい台所事情のため軍とは可能な限り協調し、独ソ戦が何とかドイツ優位を保っていた点もあり、 陸軍参謀本部が求めた後退をすんなりと受け入れ、現地のヴァルター・モーデル元帥は実質フリーハンドを得た。 モーデル元帥は我武者羅に進撃するソ連をいなし続け、 やがて進撃しすぎて補給が間に合わず停止した所で装甲軍団が後手からの一撃をお見舞いした。 ドイツ軍は、突出したソ連をそのまま包囲する動きを見せたたためソ連は持てる機械化部隊を根こそぎ動員し、 一面にひまわり畑が広がるクルスクの大地で合計5000両の戦車が衝突、史上最大規模の戦車戦、通称『クルスクの戦い』が勃発。 ここで負ければ銃殺刑なのは確実であることを承知していたゲオルギー・ジューコフ元帥は、 親衛隊機甲軍を先頭に損害無視で前進させるが、制空権がドイツ側の手に完全に掌握された時点で彼の運命は定まった。 最高時速748km、モーターカノンの30mmMK103機関砲1門、 さらに翼に50mmBK5機関砲2門を搭載した、その重武装と高い防弾性能から、 『告死天使』と恐れられることになるDo335双発戦闘機『プファイルD-1』が手当たりしだい地上目標を破壊してゆく。 最悪なのは地上襲撃機としてチート気味なこの航空機に、 新たな相棒として破壊神ルーデルが操ったため、ソ連の被害は鰻上りになる。 なお、地上でもミハエル・ヴィットマンを筆頭にドイツ名物人外ズがヒャッハー!していた事実を記す。 33 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:17:52 そして止めにモーデル元帥が予備の 第21装甲師団 第15装甲師団 第90軽歩兵連隊 第150歩兵旅団 イタリア第132装甲師団『アリエテ』 イタリア第101自動車化歩兵師団『トリエステ』 を有する通称ロンメル軍支隊を投入したことでソ連軍を包囲することに成功する。 もっとも包囲を破るべくソ連はさらに無茶な突進をしたため、 ドイツ軍は多くの兵力を逃す結果となったがソ連は約90~110万人の兵力を完全に消耗。 しかも高度な技術を有する機械化部隊の大半をここで失ったため、当分反撃もままならない打撃を蒙った。 怒り狂ったスターリンはジューコフをサボタージュ並びにスパイ疑惑で銃殺。 さらに反発した軍の一部がクーデター未遂を行ったため、粛清の嵐が容赦なく吹きつけた。 「ソ連版ワルキューレなんて史実とは逆の展開だな」と夢幻会で囁かれ、彼らがドン引きする程実に容赦ないものだったとか。 この戦いで勝利したドイツ軍であったが、彼らもまた消耗したため当分攻勢に出ることは不可能であった。 「路面が凍結しトラックの輸送がはかどる今年の冬に攻勢すべし」とロンメル大将などは進言したが却下される。 しかし今一度押せば今度こそ赤熊が白旗を揚げるはずと確信していたため、来年の1月に攻勢を計画することになる。 なお、夢幻会に散々毟り取られドイツが何とかここまで戦えたのには、 シューペアの胃壁と髪の毛を犠牲にした奮闘と史実なら徐々に加熱してゆく本土防空戦がないため、 数百の戦闘機、数万の高射砲、それらを操る数十万人の人員、それらがすべて独ソ戦に投入できるのが大きい。 加えて、史実なら北アフリカで走っていた数万両のトラックが東部戦線に従事していたのもやはり無視できない。 そしてドイツは日米の戦争には基本無視を貫いており、 アメリカが色目を送っても送られる資源などは容赦なくいただくが、のらりくらりとやり過ごしていた。 ただ、ヒトラー総統は国際ユダヤの総本山であるアメリカを日本が蛸殴りにしているため海軍に強い関心を示していた。 イギリスはアメリカが事実上イギリスを見捨て、 ドイツと手を結ぶ相互不可侵条約の存在を知るとアメリカとの関係はさらに悪化。 元から「日本の対英参戦を招く」と渋っていた交易をレートの値上げを初めに中南米共々嫌がらせを開始。 特に生ゴム、レアメタルの輸出を事実上の停止したためアメリカはパニックに陥った。 一見国内に資源を抱え込んでいるアメリカだが実はいくつかの資源は自給できない。 特にゴム。 パッキンを初めに様々な用途に使われるのだが、 史実41年ではアメリカは生ゴムの90%をマレ-やオランダ領東インドに頼っていた有様であった。 もっともアジアからのゴムが途絶えた後は、代替として中南米産のゴムを使用することで史実はしのいだ。 だが、この憂鬱世界ではメキシコに深入りしすぎたせいで中南米国家の反米感情はノンストップであり、 一時期大西洋で日本の潜水艦が暴れたのとイギリスの影からの支援で輸出の渋りと戦時割り増し料金を要求。 そのため、アメリカの戦費を地味に上昇させ、流通不足から戦時経済に打撃を与えていた。 レアメタルのマンガン、クロムはアメリカ国内で取れる量は少ない。 史実39年~45年のマンガン生産高は48万トン、これは実は史実日本と同レベルである。 クロムは13万トンで日本以下、 史実ではフィリピンとニューカレドニアから輸入し、 それでも足りない分はアメリカの裏庭にして産出量世界第4位のキューバから輸入してしのぐ。 ニッケル産出量は戦時中5万トンしか取れなかったための変わりに産出量世界第1位のアメリカのモリブデンで代替していた。 34 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:18:23 マンガン産出量 1位:インド 2位:ガーナ 3位:ブラジル 4位:南アフリカ 5位:キューバ クロム 1位:ジンバブエ 2位:トルコ 3位:南アフリカ 4位:キューバ 5位:フィリピン モリブデン 1位:アメリカ 2位:メキシコ 3位:チリ 4位:日本 5位:ノルウェー バナジウム 1位:アメリカ 2位:ペルー 3位:ナミビア 4位:ザンビア 5位:メキシコ タングステン 1位:中国 2位:アメリカ 3位:日本 4位:ボリビア 5位:ポルトガル ニッケル 1位:カナダ 2位:ニューカレドニア 3位:キューバ 4位:フィンランド 5位:日本 以上を見ると中南米、並びにキューバからレアメタルを仕入れることが可能だが、 世界に跨る大英帝国と中南米の反発での流通が停止するのと、コスト高で史実なら手に入ったであろう量から減少する。 次に海軍の稼動艦艇について語る。 アメリカ太平洋艦隊は日本の『星二号作戦』で何度目かの打撃を受けた。 開戦から1年と数ヶ月程度で戦艦空母を合わせて30隻近くも沈んだせいで、 どんなに多い人口と分厚い知識人層にから排出される予備将校を以ってしても限界である。 辻が大恐慌時代に散々毟ってもなお海軍軍備は史実同様、 むしろ前倒しに揃えたがそのツケとして海軍全体の人員は史実よりも削減されてしまった。 これにより各艦船は定員割れが始まりつつあった。 この世界における大損害とあわせて薄くなった海軍人員層のせいで、 アメリカ海軍は常に未熟な状態で日本海軍に対抗せねばならず苦しい状態であった。 35 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:19:00 また、太平洋艦隊司令部がサンディエゴで原爆により消滅したことで、組織を維持する書類、 スタッフが物理的になくなり、海軍工廠にも被害を蒙ったせいで太平洋艦隊の運用そのものが危機的状況であった。 12月末時点のアメリカ太平洋艦隊稼動状況 戦艦 『ワシントン』 『アラバマ』『マサチューセッツ』 『アイオワ』『ミズーリ』 軽空母 『カウペンス』『モンテレー』 移動式乾ドックで修理中 空母 『エンタープライズ』 戦艦5 空母2 対する連合艦隊は、 戦艦 『長門』『陸奥』 『伊勢』『日向』 『鞍馬』『伊吹』 『金剛』『榛名』『比叡』 超甲巡 『富士』『新高』 空母 『翔鶴』『瑞鶴』 『大鳳』 『紅鳳』『海鳳』『祥鳳』『龍鳳』『天鳳』『黒鳳』 『千代田』『千歳』『日進』 ・アラスカで船団護衛、対地支援に従事。 『大鷹』『雲鷹』『神鷹』『海鷹』『白鷹』『黒鷹』『紅鷹』『天鷹』 ・本土で修理中 『扶桑』『山城』 ・アラスカにて移動式乾ドックで修理中 空母 『赤城』 『隼鷹』 『蒼龍』 ・沈没 戦艦 『霧島』 空母 『瑞鳳』 『飛鷹』 『飛龍』『天城』 『冲鷹』 戦艦9 超甲巡2 空母20 先の『星二号作戦』で日米の双方が出せる空母機動部隊の本気の殴り合い、 通称『第2次西海岸海戦』で連合艦隊はまたもや暁の水平線に勝利を刻んだがの空母稼働率は一気に低下。 空母4が沈み、3が中破~大破したためしばらく修理しなければならない羽目に陥った。 36 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:19:57 たしかに再度アメリカ太平洋艦隊を叩き潰したが、 自らの損害に夢幻会では史実のミッドウェー海戦に匹敵する衝撃を受けた。 何せ正規空母2、改装空母1、軽空母1を一度に完全に喪失したのだから仕方がない。 だが、11月時点で現地の小沢提督はアメリカ太平洋艦隊を叩いた後も攻撃の手を緩めず、 春の『Z号作戦』と同じく輸送船団や防備が薄い港を狙って襲撃を開始、輸送船舶を血祭りに上げていった。 これにより西海岸の流通がまたも阻害され、ハワイへの補給は航空機を除いて完全に停止してしまった。 太平洋艦隊がまたもや敗北を喫してしまったこと、 再び行われた艦隊丸ごと通商破壊作戦、さらにはサンディエゴを筆頭に新型爆弾により壊滅したとの報告で、 もはや防衛強化の工事よりも、軍が率先して民間人と共に芋畑を耕して飢えを凌いでいたハワイの士気が揺らぐ。 そもそも、どんなに生産活動を行っても、 後2~3ヶ月で人間が1日に必要とするカロリーを確保することも難しくなる。 加えて、さらに数ヶ月過ぎれば本格的な飢餓が始まり、戦わずして崩壊するしかない。 という報告がもたらされた事でハワイ方面陸軍司令長官ウォルター・ショート陸軍中将はついに降伏を決断。 そして12月8日、 史実では真珠湾攻撃が行われた日にハワイは日本に降伏を宣言。 アメリカ本土のロング大統領は怒鳴り散らしたがどうしようもなかった。 さらには12月25日。 アラスカの州都ジュノーが陥落と、 アメリカとって最悪のクリスマスプレゼントが贈られた。 ジュノーは無数のコンクリートトーチカ、 などで構成された三重の防衛線をアメリカの巨大な機械力を持って構築したが、 日本側は特に陸軍は大陸でも大活躍した『痛い子中隊』を初めに持ち出せるだけの陸軍航空隊を動員。 どうやらアメさんはセヴァストポリ要塞並に強固な防衛をしているらしい、 と察したため、列車砲に各種要塞砲、攻城砲を持ち込み合計900門近くの各種大砲を集結させる。 そして始まる攻勢。 先に5日間にわたる砲撃で防衛線を地面ごと掘り返し、 同時に急降下爆撃でトーチカの一つ一つを丁寧に叩き潰してゆく。 特に『痛い子中隊』が大活躍しあらゆる地上目標を叩き潰し膨大なスコアを叩き出した。 また、旅順要塞から陸軍が態々が持ち込んだ『41糎榴弾砲』を始めとする巨砲は絶えず火を噴き続ける。 ダメ押しに『富嶽』による絨毯爆撃と100式地中貫通弾のコンボで防衛線を火力を以って粉砕してしまった。 以上の攻撃を終えると多数の戦車師団を有する栗林兵団が歩兵と共に進撃を開始。 アメリカ軍は生き残った戦車で反撃を試すが、戦車の性能差もさることながら、 『サムライ戦車隊長』と知られる島田豊作。 『バロン西』として史実では硫黄島で玉砕した西竹一。 『西住みほのモデル』であり史実で軍神に認定された西住小次郎。 『戦車隊の神様』で占守島の戦いで戦死した池田末男。 そんな日本を代表する戦車乗りたちが襲い掛かって来たのだから、 アメリカ軍は一方的に撃破、蹂躙されるばかりであった。 戦いは2~3週間程で終わり、 ちょうどクリスマスの12月25日に陥落。 アメリカでは報道統制を行っていたが、 完全に統制できるはずもなく、アメリカ市民社会はハワイ陥落と合わせて激しく動揺した。 37 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:20:52 これは流石にロング大統領といえども退陣せざるを得ないだろう。 そう夢幻会は考え、もう一押しすべく首都ワシントンへの爆撃を計画、これを実行した。 44年の1月1日、新年のプレゼントとデモストレーション的意味合いが深く、 高高度から単機で爆弾を投下するだけのものであったが政治的効果は抜群であった――――やぶ蛇であったと悪い意味で。 投下された爆弾はたまたま議会へ直撃し大統領を糾弾していた議員に多数の死傷者を出す騒ぎになる。 混乱の最中、大統領は大統領権限の強化と更なる戦時統制を強める法案を強引に可決、議会が強制的に閉鎖される。 ニューヨークでロング大統領を降ろす算段をしていた、 財界の人間は神の炎で消えたたためロング大統領は財界が握っていた情報、財産、権力の全てを継承。 更なる統制、というよりもロング大統領による事実上の独裁体制の確立に反発する人間は継承したコネを使い潰していった。 中でもFBI長官のジョン・エドガー・フーバーが性的な意味でリベラルであることを大統領が掴んだことでそうした動きを加速させた。 さらに原爆への報復措置として強制収容所に収容した日系人への最終的解決を発動。 自然物に過ぎない黄色人種に相応しい最後を与えたとロング大統領は誇らしげにラジオで報告することになる。 (※日本の通商破壊で本土の収容所に送られることがなかったハワイの日系人は辛うじて生き残る) この対応に「狂ったか!」そう近衛が叫んだように夢幻会では唖然、呆然とするばかりであった。 しかも史実でも終戦工作に関わったアレン・ウェルシュ・ダレスと連絡がつかないという報告で事の深刻さに一同は凍りついた。 そして夢幻会に動揺が収まらない間に、 慌てて入ってきた外務省の人間に次の凶報を予感させたがまさにそのとおりであった。 「アメリカ軍、カナダ侵攻」 戦争はまだ続くようだ。 38 :第三帝国:2014/01/30(木) 19:35:11 以上です 久々に陸戦の描写をしたかったので、 バクラチオン作戦では独ソ両者にクルスクで派手に殴り合ってもらいました。 本編ではドイツは陣地戦で対抗しましたが、こちら機動戦で包囲殲滅を図ることになります。 なお、史実のクルスクの戦いより動員戦車数が1000両ほど減っています。 これは夢幻会によるこれまでの嫌がらせにより戦力が史実よりも低下したためであります。 イタリア陸軍も東部戦線にいるのは本編で総統閣下がイタリア軍を東部戦線へ持っていく話があったためです。 あと、前スレで資源の話があったので、調べてみました。 参考文献は『「レアメタル」の太平洋戦争』です(著作:藤井非三四) そして戦争はいよいよ44年に突入。 今後どうなるかはぶっちゃけ基本その時のノリで決めるのでわかりません。 ですが、どうか最後まで完結を目指して頑張りたいと思います。 では ***次話:[[第22章「復活、日英同盟」>http://www18.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2338.html]]:[[目次>http://www18.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2335.html]]

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