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539 :第三帝国:2016/08/12(金) 23:17:04 艦これ×神崎島ネタSS————閑話「鉄鯨」 「Vor eins Los!(1番発射!)」 「Los!(発射)」 艦長の命令と同時に発射レバーが引かれ、圧縮空気と共に魚雷が飛び出る。 「Vor zwei Los!(2番発射!)」 「Los!(発射!)」 続けて2発目の魚雷も発射。 「Alles ins Wasser(海中に入った)」 魚雷が走行を始めたとの報告を受けて、 艦長、先任将校、そして招かれた客人の3人が同時にタイムウォッチを押す。 誰もが沈黙を保つ中、魚雷が計算通り正しく目標に到達したかを証明すべくカチカチと秒を刻む音だけが静かに響く。 31秒を経過して、32秒に入ろうとした瞬間、ズンズンと二度鈍い音が聞こえる。 そして間を開けて派手な轟音が海中にいるU-511の艦内に轟いた。 計算通り正しく魚雷が命中した瞬間であった。 「Jawohl Jungs, wir haben ihn!(みんな、目標を仕留めたよ!)」 下士官妖精の叫びに沈黙を保っていた乗組員が一斉に歓声を上げた。 「本当に当てるとは・・・」 陽気な騒がしさに包まれる中、 u-511に招かれた客人――――横田稔少佐は唸り声を漏らした。 標的は無人で走行する艦で一般的な輸送船舶の走行速度、約8ノット。 これなら、高速で移動する軍艦と違って潜望鏡で狙えば確実に当てることができる。 しかし、U-511は「潜望鏡を上げず音だけを頼り」にして命中させたのだ。 おまけに深度は50メートルと帝国海軍の潜水艦なら発射管を開く行為自体考えられない深度から放った。 「潜望鏡を上げて狙う・・・。  ということは深海棲艦との戦いだと難しかったから。  ニーベルング装置とSゲレト、改良された魚雷発射装置で潜ったまま狙うしかなかったの」 「なんという戦いだ・・・そして、それは『史実』でも同じことになるのか?」 「うん、私たちが『記憶している』大西洋の戦いで、  仲間のUボートはみんな護衛艦と航空機に追い詰められ、  そう戦術を変えようと試みていました・・・間に合わなかったけど」   初めて出会った時、ユーと呼んで下さい。 と言った艦娘――――U-511が話す内容にさらに呻く。 唯でさえ先の連合航空艦隊、連合艦隊演習を終えてからの艦娘を交えた勉強会で「音が煩い」「警戒線なんてカモ」 等々駄目出しを食らったので、これまで軽視されてい粛音性能や戦術について議論を始めたばかりだというのに、 さらなる課題が降ってきたことで議論が発熱化するのは避けられないと横田は思った。 しかし、まあ。 この居住環境を実現させるという点だけは満場一致で合意に達したな。 訓練とはいえ命中させた興奮が未だ冷めていない艦内を見て思い出す。 潜水艦とは居住環境の悪さではあらゆる海軍艦艇で右に出る物はない。 540 :第三帝国:2016/08/12(金) 23:17:38 高湿度高温の環境で真水の制限は通常の軍艦より厳しく、 汗まみれな上におまけに何週間も鉄の鯨の腹で缶詰状態が当たり前である。 しかし神崎側の潜水艦の悉くは真水がでるシャワー、 衣類を洗濯する洗濯機。加えて冷水とコーヒーがいくらでも飲める上に、 空調を管理するエアコンなどの設備は帝国海軍のどの潜水艦にもない快適な環境を有していた。 ユーの言葉によれば本来のUボートや伊号にはなく、 改装で内装をアメリカのガトー級に準じた設備に更新したとのことだが、 帝国海軍のドン亀たちからすれば羨望の以外の何物でなく、 次期主力潜水艦で実現すべき用兵側の第一要望として満場一致で決まった。 だが、まだまだ帝国は彼女らから学ぶべきことがある。 だからこそ自分はここにいる。 例え先任将校のスティア・ノール中尉の自己主張が激しいおっぱいに目を奪われたり。 魚雷を調整する最中、メリーカ・ボルフェートの揺れ動く美しい横パイを思わずガン見したり ユー同様小ぶりであるが、ユーと違って意外と無防備でチラリズムを演出するラーニ・カペルの・・・。 「・・・どうしたの?」 「な、なんでもない!!」 艦長に相当する人間が艦「娘」ゆえに、 女所帯と言われつつも数的には男女比は1対1の神崎鎮守府だが、 潜水艦についてはその比率の例外に属しており、生物学的の雌しかいない。 そんな中で雄でありまだまだ色々な意味で元気な横田が放り込まれ、 冷静でいらるはずもなく毎日が狼狽える某ドイツ軍人のような状態である。 おまけに艦長と違ってノリが良い兵と下士官の逆セクハラに耐えねばならず、 速くこの任務を終えたい――――そう切実に横田は思った。 おわり
539 :第三帝国:2016/08/12(金) 23:17:04 艦これ×神崎島ネタSS————閑話「鉄鯨」 「Vor eins Los!(1番発射!)」 「Los!(発射)」 艦長の命令と同時に発射レバーが引かれ、圧縮空気と共に魚雷が飛び出る。 「Vor zwei Los!(2番発射!)」 「Los!(発射!)」 続けて2発目の魚雷も発射。 「Alles ins Wasser(海中に入った)」 魚雷が走行を始めたとの報告を受けて、 艦長、先任将校、そして招かれた客人の3人が同時にタイムウォッチを押す。 誰もが沈黙を保つ中、魚雷が計算通り正しく目標に到達したかを証明すべくカチカチと秒を刻む音だけが静かに響く。 31秒を経過して、32秒に入ろうとした瞬間、ズンズンと二度鈍い音が聞こえる。 そして間を開けて派手な轟音が海中にいるU-511の艦内に轟いた。 計算通り正しく魚雷が命中した瞬間であった。 「Jawohl Jungs, wir haben ihn!(みんな、目標を仕留めたよ!)」 下士官妖精の叫びに沈黙を保っていた乗組員が一斉に歓声を上げた。 「本当に当てるとは・・・」 陽気な騒がしさに包まれる中、 u-511に招かれた客人――――横田稔少佐は唸り声を漏らした。 標的は無人で走行する艦で一般的な輸送船舶の走行速度、約8ノット。 これなら、高速で移動する軍艦と違って潜望鏡で狙えば確実に当てることができる。 しかし、U-511は「潜望鏡を上げず音だけを頼り」にして命中させたのだ。 おまけに深度は50メートルと帝国海軍の潜水艦なら発射管を開く行為自体考えられない深度から放った。 「潜望鏡を上げて狙う・・・。  ということは深海棲艦との戦いだと難しかったから。  ニーベルング装置とSゲレト、改良された魚雷発射装置で潜ったまま狙うしかなかったの」 「なんという戦いだ・・・そして、それは『史実』でも同じことになるのか?」 「うん、私たちが『記憶している』大西洋の戦いで、  仲間のUボートはみんな護衛艦と航空機に追い詰められ、  そう戦術を変えようと試みていました・・・間に合わなかったけど」   初めて出会った時、ユーと呼んで下さい。 と言った艦娘――――U-511が話す内容にさらに呻く。 唯でさえ先の連合航空艦隊、連合艦隊演習を終えてからの艦娘を交えた勉強会で「音が煩い」「警戒線なんてカモ」 等々駄目出しを食らったので、これまで軽視されてい粛音性能や戦術について議論を始めたばかりだというのに、 さらなる課題が降ってきたことで議論が発熱化するのは避けられないと横田は思った。 しかし、まあ。 この居住環境を実現させるという点だけは満場一致で合意に達したな。 訓練とはいえ命中させた興奮が未だ冷めていない艦内を見て思い出す。 潜水艦とは居住環境の悪さではあらゆる海軍艦艇で右に出る物はない。 540 :第三帝国:2016/08/12(金) 23:17:38 高湿度高温の環境で真水の制限は通常の軍艦より厳しく、 汗まみれな上におまけに何週間も鉄の鯨の腹で缶詰状態が当たり前である。 しかし神崎側の潜水艦の悉くは真水がでるシャワー、 衣類を洗濯する洗濯機。加えて冷水とコーヒーがいくらでも飲める上に、 空調を管理するエアコンなどの設備は帝国海軍のどの潜水艦にもない快適な環境を有していた。 ユーの言葉によれば本来のUボートや伊号にはなく、 改装で内装をアメリカのガトー級に準じた設備に更新したとのことだが、 帝国海軍のドン亀たちからすれば羨望の以外の何物でなく、 次期主力潜水艦で実現すべき用兵側の第一要望として満場一致で決まった。 だが、まだまだ帝国は彼女らから学ぶべきことがある。 だからこそ自分はここにいる。 例え先任将校のスティア・ノール中尉の自己主張が激しいおっぱいに目を奪われたり。 魚雷を調整する最中、メリーカ・ボルフェートの揺れ動く美しい横パイを思わずガン見したり ユー同様小ぶりであるが、ユーと違って意外と無防備でチラリズムを演出するラーニ・カペルの・・・。 「・・・どうしたの?」 「な、なんでもない!!」 艦長に相当する人間が艦「娘」ゆえに、 女所帯と言われつつも数的には男女比は1対1の神崎鎮守府だが、 潜水艦についてはその比率の例外に属しており、生物学的の雌しかいない。 そんな中で雄でありまだまだ色々な意味で元気な横田が放り込まれ、 冷静でいらるはずもなく毎日が狼狽える某ドイツ軍人のような状態である。 おまけに艦長と違ってノリが良い兵と下士官の逆セクハラに耐えねばならず、 速くこの任務を終えたい――――そう切実に横田は思った。 おわり

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