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ネタ[架空戦記版]31_ひゅうがさま_【一発ネタ】―――「八八八艦隊物語、あるいは日本人はなぜ心配するのをやめて戦艦を愛するようになったか」」(2016/08/16 (火) 13:49:27) の最新版変更点

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897 :ひゅうが:2015/02/27(金) 13:49:19 >>894 思い切りネタに走りましたが、八八艦隊登場ネタをかんがえてみますたw 【一発ネタ】―――「八八八艦隊物語、あるいは日本人はなぜ心配するのをやめて戦艦を愛するようになったか」 ――西暦1945年4月… 日本帝国とアメリカ合衆国との関係はついに一定の破断界に達しようとしていた。 主たる要因は日米が支那大陸において繰り広げる代理戦争であったのだが、それ以上に、第二次世界大戦という未曾有の国家総力戦の結果肥大化した海軍の行き先が求められていたといっても過言ではないだろう。 日本海軍は、八八八艦隊と呼ばれる未曾有の決戦型艦隊を作り上げていたし、アメリカ海軍はダニエル・プランからスターク・プランに至るまでに戦艦だけでも35隻に達する世界最大の艦隊を太平洋と大西洋の両洋に配備していた。 航空母艦も入れてしまえばもはや考えるのがバカらしくなるほどだった。 すべての始まりは、日露戦争だった。 1905年のロシア側の先制攻撃によって開始されたこの戦争において、明治の日本陸海軍は死力を尽くして抗戦したにも関わらず最終段階において旅順とウラジオストクを落とした時点で終戦を迎えたのだった。 この結果、日本陸軍は近代戦の恐ろしさを身をもって味わい、日本海軍はロシア海軍をほぼ独力で全滅させる栄光と引き替えに、作り上げた海軍力が半壊するという苦難を味わっていた。 国民の間ではとりあえず防衛戦争に成功した安堵感が広がり、戦前の好戦的な風潮はどこ吹く風。 逆に、講和を仲介した米英両国への好感度は天井知らずに跳ね上がっていた。 だからこそ、時の日本政府は現在から見れば賢明な選択をする。 「帝国の未来は大陸にあらず。万邦と海をもって対峙することこそがその国是ならん」 すなわち、御一新以来の陸軍重視路線から海軍最重要視への劇的な転換である。 大陸への外征にあたっていかにウラジオストク艦隊が彼らを苦しめたかを考えれば、そのトラウマは当然といえるだろう。 さらに、大金をはたいて手に入れた艦隊の半数が海の底に消えたことは海軍にとってある意味では有利に働く。 終戦時に就役した戦艦ドレッドノートの誕生は、旧来の戦艦すべてを時代遅れにしたものの、海軍再建に狂奔する日本海軍にとっては逆に不利を転じて優位に転じるチャンスとなるからだ。 ロシアからの戦利艦と新造艦を加えても戦艦6に過ぎない帝国海軍は、多数の旧式艦を抱える列強諸国よりもはるかにバランスのとれた艦隊をそろえることができるのだ。 野心的な「薩摩」型戦艦によってドレッドノート級戦艦を国産化した日本は、その国是となっていた日英同盟締結下の大英帝国に対して技術導入を目的に新型戦艦を発注する。 「最初の高速戦艦」、あるいは「傷だらけの韋駄天」こと「金剛」型巡洋戦艦がそれである。 以後、その改良型となった「扶桑」型戦艦によって超弩級戦艦を国産化した日本帝国海軍は、急速にその近代化を推進。 1914年の第1次世界大戦勃発時には超弩級戦艦だけでも8を数えるきわめて強力な艦隊を編成することになったのである。 さらに、第1次世界大戦の勃発は、強大なドイツ帝国海軍への対抗上さらに建艦計画を推進させることになる。 改扶桑型である「伊勢」型に続き、世界初の41センチ砲艦「長門」型を筆頭にして新世代の戦艦・巡洋戦艦計16隻を建造するという文字通り国家の存亡を艦隊に賭ける八八艦隊計画案が万雷の拍手のもと可決されたのはマルヌにおいて独仏間の激戦が展開される戦争のごく初期段階であった。 さらには、日英同盟に基づき派遣された海軍主力艦隊が多くの海戦に参加した結果、この動きは猛烈な加速を得る。 ことに、積極的な艦隊使用の結果実現した第一次ドッカーバンク海戦において英国製巡洋戦艦の弱点が顕在化し、日本海海戦に続く帝国海軍戦艦部隊の大勝利が現出したことは八八艦隊待望論をさらに強固にしてしまう。 主力が大西洋や北海にいる中で、弱点の補強をできるのは本土で建造中の戦艦であるからだ。 幸いにも、第1次大戦の大戦景気の結果として予算はあった。 全戦艦の艦齢を10年未満に保つという狂った目標こそこっそり修正されていたものの、今や八八艦隊は全国民の熱望を受ける存在になっていたのだった。 (きわめて現金なことだが、10年前まではあれほど警戒していた朝鮮半島へアメリカ資本が浸透し辛亥革命後の中華民国へ恐ろしい勢いで進出を開始してもそれは変わらなかった。) 898 :ひゅうが:2015/02/27(金) 13:50:07 そして、大戦が終結したその時、帝国海軍は「長門」型戦艦2、「加賀」型戦艦2、「天城」型巡洋戦艦2を就役させており、さらに「紀伊」型戦艦2と「天城」型巡洋戦艦2が艤装中、さらに2隻の「紀伊」型戦艦と「阿蘇」型巡洋戦艦が船台の上にあった。 質からいえば、当時の帝国海軍は世界最強といってもいい。 41センチ砲艦はアメリカが1隻を就役させているだけであるし、建造中の「阿蘇」型に至っては装甲面で妥協するかわりに46センチ砲という巨砲の搭載が予定されていたのだ。 太平洋の向こう側にいる強大な仮想敵に顔をひきつらせる米国と、大戦の結果として疲弊した列強諸国は当然ながらこの大艦隊の出現の阻止を画策。 世界平和のために海軍軍縮会議の開催を呼びかけて――見事にこれを遮られた。 先に述べたように、日本国民にとって八八艦隊計画は大きな希望である。 そんな彼らに対して米国が行ったように「こちらの建造中艦艇をすべて破棄するからそちらも就役済み艦を廃艦にしてほしい」というのは逆効果だったのだ。 激化する国民運動に困り果てた日本側の全権は、ホスト国となったアメリカにこう呼びかけるのが精一杯だった。 「うちの艦隊をそのまま作るから、そちらはこちら以上の艦隊を作ってもいい。」と。 アメリカ国民は、これに加え日本側が提案した「日英米三国同盟案」こそ退けたが、「日英同盟の対米参戦免除条項」を歓迎。 この「気前のいい提案」に賛成してしまったのだ。 日本側が、日露戦争の借金返済のために叩き売っていた東清鉄道こと満州鉄道や中華民国というニュー・フロンティアへの入り口を遮らなかったこともあり、軍縮会議において日米は思いもやらず協調することになる。 泡を食ったのは大英帝国だった。 かろうじて巡洋艦などの海外警備戦力において優位を約束させたものの、大戦前までに作りまくった主力艦よりも明らかに格上の大型戦艦が太平洋にはウヨウヨしているのだ。 しかも、自慢の艦隊をそっくり作り直すだけの体力は彼らにはもう残っていなかった。 こうして、日英同盟は変質を遂げる。 太平洋とインド洋における日本側主力艦の派遣を前提に、大英帝国は日英同盟の改訂を持ちかける。 この時点での米英関係は実のところ日米関係よりもはるかに険悪であり、実のところ互いが最大の仮想敵となっていたのだった。 当時の日本の国力に比せば過大ともいわれる大艦隊が逆に世界を動かしてしまった皮肉な例がそこにあった。 しかし、日本側が整備に狂奔した八八艦隊計画は、思わぬ所でブレーキを掛けられる。 1924年9月、関東大震災発生。 帝都復興を合い言葉にした日本は、八八艦隊計画最後期艦の「阿蘇」型巡洋戦艦の整備をもって計画を一時中断。 議会において成立済みであった「八八八艦隊計画」の棚上げが決定されるに至る。 その間、米英においては次々に41センチ砲艦が就役しはじめていた。 やがて、世界恐慌が海を越えてやってくる。 積極財政を掲げる高橋是清蔵相を得た日本は、いち早く重工業化とスターリングブロック下での原料供給によりこれから脱出に成功。 さらには、国民は急速な工業化に伴う弊害を、夢と実益によって乗り越えることになった。 「八八八艦隊計画再始動」。 大量の鉄量に加え、艦隊の近代化という需要をもって強引に景気浮揚を図るという先送りに近い選択だった。 勝算はあった。隣国たる中華民国において第一次大戦に匹敵する変事が発生していたのだ。 中華民国総統として国内の混乱収拾にあたっていた蒋介石が暗殺され、国内はソ連の支援する共産党や国民党、そしてそれから分かれた各派の血で血を洗う内乱に陥っていた。 いってしまえば、日本は武器を売った金で艦隊を買い、その材料作りのために国内の工業力を整備したようなものだった。 こうして建造されることになった軍艦は、諸外国の16インチ砲艦なみの船体に18インチ、すなわち46センチ砲という史上最大の艦砲を搭載した「大和」型戦艦。 そして、新世代の主力艦となった「大鳳」型装甲空母。 まさしく、海軍にすべてを賭けた国の面目躍如である。 そして時代も彼らに味方をした。 第2次世界大戦勃発。 曲がりなりにも強力な海軍を再建してのけたドイツ第3帝国への対処を名目として計画はさらに進行。 八八艦隊計画艦たちも含めた旧来の主力艦隊が地中海からバルト海までの沿岸都市を次々に灰にしていく「戦略艦砲射撃」の間に計画は完遂。 気がついたときには、世界の海軍のトップ2は日米両国になっていた。 899 :ひゅうが:2015/02/27(金) 13:54:27 大戦が終わったとき、日本海軍と日本国民はそろって頭を抱えた。 「まずい。このままではアメリカと戦うことになってしまう。」 呆れたことに、彼らは艦隊を揃えて悦に入ることだけ考えており、そのための予算の口実となった米海軍と実際に戦うのは願い下げだった。 「せっかく作った戦艦が沈んでしまうじゃないか!」 それが彼らの偽らざる本音だった。 だが、相手となるアメリカ海軍と彼らを統べるホワイトハウスにおいてはそれは違った。 艦隊を揃えるからには仮想敵がいるはずで、それが米国であることは明らかであったのだ。 「いつかは雌雄を決する必要がある。」 それが彼らの見解だった。 口実はあった。第二次大戦後の旧植民地諸国では、日本人が無節操にばらまいた武器のおかげで独立運動が盛り上がっており、さらには大陸における国民党政権は、はっきり言えば押されていた。 そして、その動きは米領であるフィリピンにも飛び火している。 海軍をこよなく愛し、その敵を限りなく嫌悪する時の大統領は決断した。 「日英同盟という時代錯誤な連中からアジアを切り離せ。」 こうして、鋼鉄の巨龍たちは激突に至る…。 ――【おまけ】 「なんでこんなことになってるんだ?!」 「いやぁ、みんなおっきくてでっかい戦艦好きだからねぇ。要塞に兵隊ぶつけてすりつぶすよりも血湧き肉躍る砲撃戦が好きになっちゃったんじゃないかな?」 「気持ちは分かる!だが海軍力へ全振りとか…いや、海洋国家としては正しいのかもしれないがそれにしても…」 「嶋田さんのところはいいですよ…うちなんて、質こそいいですが史実陸自くらいの兵力ですよ?」 「航空戦力だけで30隻以上の米戦艦群なんて沈めきれんぞ…」 「「「ホント、どうしろってんだよ!!」」」 どっとはらい。 900 :ひゅうが:2015/02/27(金) 14:04:24 【あとがき】――というわけで、日本人が戦艦キチ○イに鞍替えしてしまった世界をお贈りしましたw 歴史的変更点は、日露協商案が中途半端に成立してしまったために開戦が遅れ、その間に旅順がさらに強化。 結果、ロシア側先制攻撃に加えて旅順でヴェルダンなみの地獄が出現する羽目に… 結果、こうなりました(汗 とりあえず戦後世界の劇中劇みたいな感じで八八艦隊物語を考えてみたらこんなのが(汗

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