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704: 名無しさん :2016/12/29(木) 23:18:16 ひゅうがさんに許可貰いましたので wiki掲載かまいません。 神崎島三次小ネタ――「IFストーリー 『中立国ルート』編」 「惜しい話だ」 第三艦隊旗艦重巡『足柄』の艦橋にて、司令長官・高橋 伊望中将は呟く様に吐き捨てた。 「どうかしましたか?」 その呟きを隣にいた参謀長の中村 俊久少将が拾って答える。 高橋中将が視線で外を指しながら言う。 「彼女等の事だ。過ぎた事だが、最初の接触時にもっと丁寧に対応していればと考えるとな」 溜め息。 「長官」 中村少将が囁く様に注意を促す。 作戦中の『足柄』艦橋には二人だけではなく艦幹部や下士官兵が複数居る。 これから戦闘になるというのに指揮官に溜め息をつかれていたらたまった物ではない。 「すまん」 「いえ、私の方こそ申し訳ありませんでした」 真珠湾攻撃により太平洋戦争が開戦した現在、第三艦隊はフィリピン上陸を目指す陸軍第18師団を載せた輸送船団を護衛してフィリピン海を南下しつつあった。 その第三艦隊旗艦艦橋において司令長官は船団から遠巻きにこちらを監視している艦列を見つめ、溜め息を零していた。 「しかし長官のおっしゃることも分かります。私も彼、彼女等が味方であればと考えると惜しくあります」 「そうだな、彼女たちという兵力だけじゃなく交易品も、だ。 我々が喉から手が出るほど欲しがっている重油,航空機用の高オクタンガソリンや潤滑油もお流れになる前の通商交渉では好感触だったようだが、それが…馬鹿者どもが」 実際、神崎提督襲撃前の交渉においてはアメリカから差し止められていた産物の輸入交渉が行われていた。 その交渉において掲示された価格はアメリカのものよりもかなり安く設定されており、最恵国待遇まで掲示されていた。 「それを馬鹿共は、帝国に恐れて下手に出たと勘違いして、圧力を掛ければ折れてなし崩しに併合まで持っていけると考えたようです。 それに神崎島側がアメリカを刺激しないように配慮して兵力をひけらかさないように1個水雷戦隊程度に抑えたのも不味かったですね。 海軍省や軍令部にすれば水雷戦隊程度ですから反発しても大したことなく、その上で彼女たちが魅力的に写ったんでしょう」 「その結果が神崎島側の反発。その反発に馬鹿共の跳ねっ返りがさらに反発して暴発…。神崎提督への襲撃か」 注意されたばかりだが高橋中将は再度溜め息をつきたくなってきた。 「暴発した連中も彼らなりにこのままでは日本は立ち行かなくなり不味いと分かってはいたのでしょう。 そこに兵力と資源、生産力を持った拠点が急遽現れ、交渉に現地の酋長が現れた。人種的に言えば彼は日本人です。 ”不幸な事件”で人事不省にしまえば日本人ということでアメリカが出てくる前に保障占領にもって行くつもりだったのでは?」 「占領してしまえば、艦隊戦力の拡充、その海軍を維持できる生産力、南進への拠点、帝国が自給できるだけの資源、アメリカにも無い技術力。一石五鳥だな。画餅だったが」 705: 名無しさん :2016/12/29(木) 23:18:52 神崎提督襲撃は大津事件の再来だった。 最初に車列外からの襲撃があり、帝国,神崎島側の双方の護衛がそちらに気を取られた隙に帝国側の護衛の一人が神崎提督に向け発砲。 襲撃犯は即座に鎮圧されたが、神崎提督が被弾、この時点で人事不省となった。 後の取調べで襲撃犯らは米英からの資源による締め付けからの脱却、帝国の自給体制の確立のためだったと語った。 ここまでは決起派の想定どおりだったが、神崎提督もこの事態は想定していたのだろう。 神崎提督を襲った襲撃犯等はその場で即座に鎮圧され、負傷した提督の治療のため、輸送された飛行艇に戻ることになった。 帝国側は病院へ搬送しようとしたが、神崎島側は信用できないと、また治療設備もこちらの方が進んでいると切り捨てた。 実際、帝国側は身内から襲撃犯が出ていたため、この言に何も言えず沈黙した。 ただ帝国側は飛来した飛行艇は確かに規格外の大きさだが航空機にそこまで設備があるとは思えず大丈夫なのかと心配したが、それも海岸に近づくまでだった。 海岸に近づいた段階で既に見えていたが飛行艇より更に沖合いに、機密でありいまだ就役していない筈のA140号型艦とその護衛艦艇が神崎島鎮守府の旗を掲げ出現していた。 全艦共に銃砲すべて仰角を一杯上げていたが、存在自体がこれ以上ないほどに帝国に対し猛烈なメッセージを叩き付けていた。 「結局神崎島側は提督が人事不省となり、交渉できる状態ではないとそのまま帰還。 別働していた神崎島の保障占領へと先走った馬鹿共も、神崎島の連合艦隊規模まで膨れ上がった戦力を見て顔を青くして引き返してきましたから」 「一個水雷戦隊規模だったのが一個連合艦隊規模に急増。その後の神崎提督の回復後の日米に対しての中立宣言。誰もが決起派を殺してやりたいと思っただろうな」 「アメリカは神崎島の中立宣言に対し即座に歓迎の意向を表明しましたからね。 2個連合艦隊相手にするかもしれなかったのが、帝国の自滅で帝国軍を引き付けてくれるかもしれない存在に変化しましたから万々歳ですよ」 「もう笑いしか出んよ」 ハハ、と力なく笑う。 「神崎島妙高型離れていきます!」 見張り員が声を上げて報告する。 船団の行き先を監視していた神崎島の戦隊がフィリピンへの航路を確認し終えたのか船団から遠巻きに離れていく。 「対米戦を行いつつ、神崎島に圧力を掛ける兵力の余裕なんてあるのか…」 高橋中将は消え入るように呟いた。 706: 名無しさん :2016/12/29(木) 23:19:24 と言うわけでひゅうがさんの神崎島ネタSSの三次ネタです。 接触したのが1937年ではなく1941年後半だったらというネタです。 帝国の一部人間が対米戦が避けえぬということで切羽詰って余裕がなく神崎島が相当魅力的に見えて強行したようです。 なお結果 神崎提督(in嶋田)は太平洋のスイスを目指して頑張って下さい しかし艦これネタと言いつつ艦娘登場してねぇや なお、これで力尽きましたので誰か太平洋戦争中の神崎島ネタ書いて(棒 SS量産できる人は尊敬します
704: 名無しさん :2016/12/29(木) 23:18:16 ひゅうがさんに許可貰いましたので wiki掲載かまいません。 神崎島三次小ネタ――「IFストーリー 『中立国ルート』編」 「惜しい話だ」 第三艦隊旗艦重巡『足柄』の艦橋にて、司令長官・高橋 伊望中将は呟く様に吐き捨てた。 「どうかしましたか?」 その呟きを隣にいた参謀長の中村 俊久少将が拾って答える。 高橋中将が視線で外を指しながら言う。 「彼女等の事だ。過ぎた事だが、最初の接触時にもっと丁寧に対応していればと考えるとな」 溜め息。 「長官」 中村少将が囁く様に注意を促す。 作戦中の『足柄』艦橋には二人だけではなく艦幹部や下士官兵が複数居る。 これから戦闘になるというのに指揮官に溜め息をつかれていたらたまった物ではない。 「すまん」 「いえ、私の方こそ申し訳ありませんでした」 真珠湾攻撃により太平洋戦争が開戦した現在、第三艦隊はフィリピン上陸を目指す陸軍第18師団を載せた輸送船団を護衛してフィリピン海を南下しつつあった。 その第三艦隊旗艦艦橋において司令長官は船団から遠巻きにこちらを監視している艦列を見つめ、溜め息を零していた。 「しかし長官のおっしゃることも分かります。私も彼、彼女等が味方であればと考えると惜しくあります」 「そうだな、彼女たちという兵力だけじゃなく交易品も、だ。 我々が喉から手が出るほど欲しがっている重油,航空機用の高オクタンガソリンや潤滑油もお流れになる前の通商交渉では好感触だったようだが、それが…馬鹿者どもが」 実際、神崎提督襲撃前の交渉においてはアメリカから差し止められていた産物の輸入交渉が行われていた。 その交渉において掲示された価格はアメリカのものよりもかなり安く設定されており、最恵国待遇まで掲示されていた。 「それを馬鹿共は、帝国に恐れて下手に出たと勘違いして、圧力を掛ければ折れてなし崩しに併合まで持っていけると考えたようです。 それに神崎島側がアメリカを刺激しないように配慮して兵力をひけらかさないように1個水雷戦隊程度に抑えたのも不味かったですね。 海軍省や軍令部にすれば水雷戦隊程度ですから反発しても大したことなく、その上で彼女たちが魅力的に写ったんでしょう」 「その結果が神崎島側の反発。その反発に馬鹿共の跳ねっ返りがさらに反発して暴発…。神崎提督への襲撃か」 注意されたばかりだが高橋中将は再度溜め息をつきたくなってきた。 「暴発した連中も彼らなりにこのままでは日本は立ち行かなくなり不味いと分かってはいたのでしょう。 そこに兵力と資源、生産力を持った拠点が急遽現れ、交渉に現地の酋長が現れた。人種的に言えば彼は日本人です。 ”不幸な事件”で人事不省にしまえば日本人ということでアメリカが出てくる前に保障占領にもって行くつもりだったのでは?」 「占領してしまえば、艦隊戦力の拡充、その海軍を維持できる生産力、南進への拠点、帝国が自給できるだけの資源、アメリカにも無い技術力。一石五鳥だな。画餅だったが」 705: 名無しさん :2016/12/29(木) 23:18:52 神崎提督襲撃は大津事件の再来だった。 最初に車列外からの襲撃があり、帝国,神崎島側の双方の護衛がそちらに気を取られた隙に帝国側の護衛の一人が神崎提督に向け発砲。 襲撃犯は即座に鎮圧されたが、神崎提督が被弾、この時点で人事不省となった。 後の取調べで襲撃犯らは米英からの資源による締め付けからの脱却、帝国の自給体制の確立のためだったと語った。 ここまでは決起派の想定どおりだったが、神崎提督もこの事態は想定していたのだろう。 神崎提督を襲った襲撃犯等はその場で即座に鎮圧され、負傷した提督の治療のため、輸送された飛行艇に戻ることになった。 帝国側は病院へ搬送しようとしたが、神崎島側は信用できないと、また治療設備もこちらの方が進んでいると切り捨てた。 実際、帝国側は身内から襲撃犯が出ていたため、この言に何も言えず沈黙した。 ただ帝国側は飛来した飛行艇は確かに規格外の大きさだが航空機にそこまで設備があるとは思えず大丈夫なのかと心配したが、それも海岸に近づくまでだった。 海岸に近づいた段階で既に見えていたが飛行艇より更に沖合いに、機密でありいまだ就役していない筈のA140号型艦とその護衛艦艇が神崎島鎮守府の旗を掲げ出現していた。 全艦共に銃砲すべて仰角を一杯上げていたが、存在自体がこれ以上ないほどに帝国に対し猛烈なメッセージを叩き付けていた。 「結局神崎島側は提督が人事不省となり、交渉できる状態ではないとそのまま帰還。 別働していた神崎島の保障占領へと先走った馬鹿共も、神崎島の連合艦隊規模まで膨れ上がった戦力を見て顔を青くして引き返してきましたから」 「一個水雷戦隊規模だったのが一個連合艦隊規模に急増。その後の神崎提督の回復後の日米に対しての中立宣言。誰もが決起派を殺してやりたいと思っただろうな」 「アメリカは神崎島の中立宣言に対し即座に歓迎の意向を表明しましたからね。 2個連合艦隊相手にするかもしれなかったのが、帝国の自滅で帝国軍を引き付けてくれるかもしれない存在に変化しましたから万々歳ですよ」 「もう笑いしか出んよ」 ハハ、と力なく笑う。 「神崎島妙高型離れていきます!」 見張り員が声を上げて報告する。 船団の行き先を監視していた神崎島の戦隊がフィリピンへの航路を確認し終えたのか船団から遠巻きに離れていく。 「対米戦を行いつつ、神崎島に圧力を掛ける兵力の余裕なんてあるのか…」 高橋中将は消え入るように呟いた。 706: 名無しさん :2016/12/29(木) 23:19:24 と言うわけでひゅうがさんの神崎島ネタSSの三次ネタです。 接触したのが1937年ではなく1941年後半だったらというネタです。 帝国の一部人間が対米戦が避けえぬということで切羽詰って余裕がなく神崎島が相当魅力的に見えて強行したようです。 なお結果 神崎提督(in嶋田)は太平洋のスイスを目指して頑張って下さい しかし艦これネタと言いつつ艦娘登場してねぇや なお、これで力尽きましたので誰か太平洋戦争中の神崎島ネタ書いて(棒 SS量産できる人は尊敬します

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