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445: 第三帝国 :2017/04/12(水) 23:13:12 銀河連合日本×神崎島ネタSS――——「柏木の動揺」 これまで様々な交渉に参加して来た。 交渉に成功もあれば失敗もあり、顧客に罵倒されたり賞賛されたりされ、中には個人的な友人となった人間もおり、世の中には色々な人間がいることを知った。 だからこそ当初柏木自身も嗜んでいる某ブラウザゲームの人物にしか見えない、「時雨」と名乗った駆逐艦の艦長の苗字が提督と同じ意味を理解し色んな意味で混乱したが同時に、 「宇宙人も来る世の中だし、ネット小説でよくある転移系もアリだな」と考えを改め、神崎提督とやらも案外自分と同じくT督の類かもしれないと思っていたが・・・・・・。 「はじめまして。  神崎島の軍事的最高指揮官である鎮守府提督、そして神崎島の行政最高責任者である太宰権帥を兼ねております。神崎博之であります。  柏木政府特務交渉官、そしてドノバン大使、お会いできて光栄です、我が市民を代表して心より歓迎します」 ヤバい! 柏木は思わずそう口に出すのを堪えた。 外見こそ柏木と変わらぬ年齢だが、その身からは突き刺すような緊張感を発している。 大学以来の友人で自衛隊へと進んだ大見が時々似た空気を発するが、そこから「軍人」という要素を更に煮詰めて「権威」と「権力」を自然と体現している。 自分と同じT督だなんてとんでもない。 艦隊を率いて深海棲艦と戦ってきた本物の提督だ。 下手な探り合いなど通用しないと覚悟した方がいいだろう。 「歓迎ありがとうございます、アドミラル・カンザキ。  我が合衆国は新たな国家誕生を祝福すると同時に友人となることを切に願っています」 「それは実に嬉しい知らせです。  我が島は長らく隔離され孤立していましたから友人を欲していた所です。  是非とも貴国へ訪問し、言葉だけでなく文字と映像でも友人であること証明したい所です」 「ええ、何時でも来てください。  次は我が国がアドミラルを盛大に歓迎いたしますわ」 と、考えていた時。 ドノバン大使が真っ先に口を開き、一気に「アメリカを訪問し国交を結ぶ」という言質を勝ち取った。 しまった、と内心で柏木は焦り、「アメリカよりも先に訪問する」という言質を取るべく発言しようとした寸前。 「ところでアドミラル・カンザキ。  貴方達はどこから来たのでしょうか?  我々からすれば一晩で突然現れたのですから正直困惑を覚えているのです」 ドノバン大使が困った表情と共に質問を発する。 だがこれはこの島の本質を問う質問であった。 「よろしければ教えてくれませんか?  今や世界中の科学者たちがこの島に注目しています。  国交が成立した暁に学術的な調査についても検討して下されば、アメリカはカンザキ・アイランドの自立と援助を惜しまない事を約束します」 にこやかな笑顔と共にアメリカ人らしく大げさな動作でドノバン大使はアピールする。 対して柏木はそこまでするつもりか、とドノバン大使の強引さにやや辟易する。 日本人とアメリカ人の感性の違いかもしれないが、どういう訳か異星人と蜜月関係を築いた同盟国を出し抜くチャンスと捉えているのだろう。 しかし初対面でいきなりここまで踏みこまれて向こうも困ってるんじゃないか? そう柏木は思い、ふと神崎提督を見る。 「―――――——」 神崎提督は微笑を浮かべていた。 横文字で表現すればオリエンタルスマイルと言うべき笑顔で、柏木は自分たちが想像する以上の事を言うつまりだと直感した。 446: 第三帝国 :2017/04/12(水) 23:13:45 「ドノバン大使」 淡々と、だが力強い口調で神崎提督が言葉を発する。 「現世の人間である貴女からすれば、常世の人間であった我々を認識できなかったのは道理であり、逆に我々が現世の人間である貴女を認識できなかったのもまた道理であります」 「何を言っているのかしら、アドミラル・・・?」 唐突に始まった宗教的な内容にドノバン大使は困惑を隠せていない。 「我々はどこから来たか?  実のところ私自身困惑している所があります。  しかしそれは確かな現実であったのは覚えています。  仏教でいう所の修羅道、あるいは戦士たちが延々と戦うヴァルハラ。  そんな常世の世界に私と彼女たちは堕ち、そしてこの現世へと戻ってきたのです」 戯言としか思えぬ内容であったが、神崎提督の口から淡々と綴られる言葉と共に流れる覇気に圧倒され、柏木とドノバン大使は黙って聞く以外の術を思い浮かべることができない。 「ドノバン大使、我々は友人を欲しています。  ですから、アメリカ合衆国の申し出は非常にありがたく感じています。  が、それよりも先に我々は生み親の元へと帰ることを望んでいるのです」 「親元、ですか・・・?」 その言葉の意味が理解できないドノバン大使は困惑を隠せない。 だが次に出て来る言葉は聞き逃すことは許されない。 何かとてつもないない事を言うつもりだと感じた柏木はゴクリと唾を飲み込む。 「日本国への帰還」 予想外の言葉にドノバン大使と柏木は動きを止めた。 「我々の主権を保証することを条件に、神崎島は日本国への帰属をここに表明します」 動揺し呆然とする2人を余所に、神崎提督は再度確実に伝わるように、しっかりとした口調で、訴えるように述べた。 おわり

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