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599 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2025/10/21(火) 21:46:10 ID:sp1-75-72-177.smd03.spmode.ne.jp [2/3]

憂鬱SRW支援ネタ 青春記録世界編SS 「天童アリスの勇者修行」3


  • キヴォトス ミレニアム・サイエンススクール 自治区内 東丈山 山中 キャンプ場



「うぅー……痛い」
「遠慮なさすぎるぅ」
「師匠……強すぎます……負けイベントでした」

 訓練を終え、場所を最寄りのキャンプ場へと移したナギ、アリス、モモイ、ミドリの4名は一夜を明かす準備をしていた。
といっても、訓練で散々投げられ、訓練用の竹刀で打たれ、普段使わない筋肉を酷使させられたゲーム開発部の3人は寝そべって痛みに悶えていた。
早く回復するようにと湿布などを張り、柔らかいクッションを強いたうえで寝転がっているのだが、基本は対処療法にすぎない。
後は人体の持つ自然な回復能力が運動に伴い破壊された筋肉の再生を行い、元の状態に戻るのを待つしかない。

「普段の不摂生ですね、3人とも……もっと日ごろから鍛錬をするとよいですよ」

 そして、夕食の準備を進めるナギだけが元気なものだった。
 本日の夕食は、持ち込んできた猪の肉とヤシマの野菜、採取して下ごしらえを済ませた山菜をふんだんに使った、野趣溢れる牡丹鍋である。
鍋の〆にはうどんも用意しており、抜かりは全くない。栄養を欲しがる彼女らにはごちそうだろう。
主食となるのはもちろんヤシマ領内の米の一つである「細雪」。飯盒で今も炊かれている最中だ。
その匂いとナギの手際のよい調理は、疲れ切って筋肉痛で悲鳴を上げているゲーム開発部の胃袋を刺激して止まらない。

「あ゛ー……これ絶対美味しいよー……食べる前でもわかる」
「こういうのもいいよね……いててて……」
「食べたいですけど、箸も持てないかもしれません……」
「大丈夫、ちゃんと食べさせてあげるから」

 ところで、とナギは調理の手を止めず問いかけてみた。

「この体験、ゲームにはいかせそうかな?」

 その言葉にビクンと反応してしまう3人。
 正直なところ、ものすごい刺激を受け、体験をできていると思う。
 けれど、刺激が強すぎるというか、あまりにも多くのことを体験してしまって、正直飲み込むだけでも大変だ。

「ゲームにはしてみたいけど、予算と人手が足りないかなぁ……」
「頑張りたいけど、他のこともあるしね」
「やっぱり4人だと大変そうだね」
「はい、いつも忙しいです!」

 勉強、シャーレの活動への協力、ゲーム開発、私生活と限られた時間で彼女らはやるべきことが多い。
 ふむ、と考え、ナギはアドバイスを送ることにした。

「なら、経験とそこで何を思い何を考えたかをよく覚えて、記録にしておくといいですよ。
 忘れないうちに形としておけば、振り返って思い出すことができます。
 役に立つ知識も教えてあげましたしね」

 確かに、とモモイは納得する。
 実際のサバイバル技術---水の確保のやり方、食べられるものを見分ける技術、調理技術、便利な道具のない環境でいかに快適に過ごすのか---を彼女らは学んだ。
ただ調べるのとは違う、体験や経験を伴った、とてもリアルな学びだったと思うのだ。
普段便利な道具に囲まれ、快適な環境にいたからこそ、それらがない環境で困り果てるしかなかったのだ。
だとしたら、これは自分達だけでなく、他の生徒たちにも響くことかもしれない

「この経験と体験を、大事にしてください。
 そして今後はもっと学びを得られる選択肢を選んでくれると、より君たちのためになりますから」

 さあ、と一声かけ、取り分け皿を用意して、励ましの言葉を送る。

「今すぐでなくとも、思わぬところで学びは行かせますから、大事にしましょうね」

 そして、夕食後は天体観測にしゃれ込み、濃い一日の幕引きとなったのだった。

600 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2025/10/21(火) 21:47:29 ID:sp1-75-72-177.smd03.spmode.ne.jp [3/3]

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最終更新:2026年01月10日 14:57