4 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2025/11/23(日) 00:07:30 ID:sp49-109-143-25.tck02.spmode.ne.jp [2/5]
日本大陸×プリプリ「The Melancholic Handler」証言録「クリミア・マインド」2
「おええぇぇぇ……」
「はい、落ち着いて吐き出しましょうねぇ」
「み、みず……」
「直接飲むのは難しいですから、堪えてくださいね」
- クリミアに上陸したアルビオン王国軍の第一陣の様子。コレラ全盛期の時代、将兵はどうしてもそれに感染してしまっていた。
「なんだこの樽……」
「おっと、不用意に近づくなよ。それ患者の出した汚物が詰め込まれている。
触った拍子に病気がうつったら目も当てられんからな」
「マジか……誰が見てもわかるように警告の表示をしないとならないかもな」
「そうだな……ちょっとドクトレスに相談してみる」
- 同上。赤痢やコレラに罹患した患者の汚物は慎重に扱われ、まとめて埋め立て処分されていた。
「やはりコレラですね」
「こちらの水事情が悪いとは聞いていたが、その通りだったな」
「真水の節約が必要です。それに、し尿や汚水を処理する手段も」
「炊事や航空艦で水はかなり消費するからな。そことの折り合いが問題になりそうだ」
「下手を打つと感染が広まるから厄介だ」
- 同上。コレラだと判明したとしても、それへの対応は楽ではなかった。
「次々と物資が消えていくな……」
「輸送艦が山ほど積んできていたが、それでも足りるかどうか怪しいな。
だからドクトレスは力を入れていたんだろうが」
- クリミア後方の物資保管庫にて、警備を行う兵士たちの会話。大量に消費される物品の多さに驚いていた。
「進軍を止めろとはどういうことだ!」
「どういうことも何も、全体の3割が何らかの病気や負傷で動かせません。
ただでさえ疫病が蔓延して物資を消耗しているというのに、さらに進軍したらキャパを超えます」
「死人が出るなど当たり前ではないか!戦争を知らんのか!」
「疫病を食い止めるだけでもギリギリということです。戦闘になれば物資の消費が激しくなり、最悪枯渇します。
物資が枯渇すれば、あなたが怪我をしたとしても死ぬまで放置するしかなくなります」
「……ッ!?そ、そんなことにはならん!アルビオンは無敵だ!」
「……ハァ。現にアルビオンの将兵は病気で苦しんでいて、死人も出ています。
そんなに行きたいのでしたらおひとりで好きなだけ進んでください」
「臆病者め!」
- 第一陣の司令部にて。医療部隊の先遣隊のトップと現地司令官の意見は対立し、一触即発の状況にまで陥った。
5 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2025/11/23(日) 00:08:04 ID:sp49-109-143-25.tck02.spmode.ne.jp [3/5]
「……あの司令官、何を吠えているんだ?このままだと全滅は避けられないって専門家が言っているのに」
「しっ……聞こえちまうぞ。大方、功績目当てに危険の伴う先遣部隊に志願したんだろうな。
ロシアが圧倒意馬に後退して戦果をあげられないから焦っているんだろ」
「死ぬかもしれないのは俺たち兵卒だってのにな」
- 同上。あまりにも功績を焦りすぎていて擁護できない持論を展開する司令官には、一般将兵から冷たい目が向けられた。
「貴様が医者共をちゃんとしつけをしないから足を引っ張られて、挙句にロシアに逃げられたぞ!(意訳)」
「やかましい、きちんと正規の命令だったんだから文句たれるな(意訳)」
「それとこれとは話が違う!(意訳)」
「だまらっしゃい、仕事が忙しいんだからおかえりください(意訳)」
「グ、グワーーー!」
- フローレンスに文句を付けに行った司令官、物理的にも放り出される。
「これは上級士官のためのものだ、承認なしには融通はできない。
開けられるのは相応の地位がなくてはな」
「あらそう」
「おい、勝手に……!」
「開いたなら持っていくわね」
「素手でぶち壊しやがった……」
- 物資の融通を利かせようとしない補給担当者に対してフローレンス。開けられないなら開けるまでのこと。
「本国に送る手紙を書いてくれるのか?」
「検閲は行いますが、ご家族に無事を伝えるのも仕事の内ですから」
「すまんね」
- 医療班には代筆を行う人間も含まれており、負傷で書けない兵士でも代筆を依頼し、手紙を送ることができた。
「これ、なんだ?」
「レコード盤というらしい。
この円盤を装置に据えると音楽を奏でるとか」
「この薄い円盤で、どうやって?」
「さぁな。説明書が、これか」
- フローレンスが各病棟に設置したレコード盤の前での会話。アルビオンではまだまだ認知度の低い物品だったが、やがて人気を集めることになった。
「新聞まで読めるのか」
「こっちは雑誌か……同じのがいくつもあるのは、たくさん人がいるからだろうか?」
「寝てばかりだと暇になるし、助かるね」
「まったくだな。これで酒が飲めれば更にいいんだけど」
「それは贅沢すぎるぜ?」
- コレラから復調しつつある兵士たちの会話。病室には時間を潰せるようにと雑誌や新聞もかなりの数用意されていた。
6 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2025/11/23(日) 00:08:34 ID:sp49-109-143-25.tck02.spmode.ne.jp [4/5]
「ここはいつ来ても混んでいるな……」
「そりゃあそうだろ……チェスやビリヤードが楽しめるなんて思いもしなかったからな。
流石に支給される切符が必須だけども」
「士官用は流石に別だけど、その分だけ気楽で助かるよ」
「あっちはさらに上品だというしな」
「酒があればなぁ……」
「いうなよ、こういう場で飲み物が出て、尚且つ楽しめるだけマシだからな?」
「手配したドクトレスには感謝しかないね」
- 配給切符と引き換えに入場が許される「娯楽棟」での会話。患者向けと合わせフローレンスの発案で設営され、兵士たちの士気の維持に役立てられた。
「切符の窃盗や賭け事での奪い合いと……助かることは確かだが、同時に問題も起こっているな」
「管理の厳正化が必須だな」
- 憲兵たちの愚痴。確かに士気が保ちやすくなっていたが、付随して新しいトラブルが起こっていた。
「うわぁ、カルテがもう山になった」
「まだ戦闘が本格化する前だってのに……」
「病気を侮りすぎたな。とりあえず、崩れて収拾がつかなくなる前に整理していこう」
「こちらは複写していきますね」
- カルテを整理し、情報を集める事務方での会話。感染症に罹患した患者のカルテは貴重な情報元であるため、コピーを作成してから後方に移送された。
「とにかく、感染拡大を避けるには消毒が必要ですね」
「ああ。アルコール消毒液は遠慮せずに使っていこう。
患者の使っていたシーツなどは分けて洗濯をしないと、最悪洗濯を行う人員にも罹患する」
「わかってはいますが、この手の病気の相手は苦労しますね」
「物資が潤沢にあるとも限らないからな。ここは最前線、本国からかなり遠い。
空軍の輸送がなかったら終わっていたぞ」
- 先遣隊の医療班での会話。航空艦による大量の物資輸送が実現しているからこそ、辛うじて医療戦線は維持ができていた。
7 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2025/11/23(日) 00:10:19 ID:sp49-109-143-25.tck02.spmode.ne.jp [5/5]
以上、wiki転載はご自由に。
ちょっと時系列がばらついていますがご容赦を。
過去のスレを振り返っていたら書きたくなったので。
最終更新:2026年02月24日 18:33