439 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2025/12/13(土) 23:59:42 ID:p750131-ipxg02901akita.akita.ocn.ne.jp [88/245]
憂鬱スパロボ
Fルート 未来編
カルチャーギャップと地の底からの声
不安定化する欧州情勢と環境を余所にアルビオンでは空中戦艦2隻と新式の空中揚陸艦、護衛の巡洋艦
2隻を帯同させて未知の世界となった極東へと出発した。この航空艦隊にはアルビオンの第四王女
シャーロット他、全権委任の大使などを含めた外交使節団や儀仗隊、警護などを含めた上陸部隊が
格納されておりここ数年では類を見ない程の大規模且つ、巨大な外交艦隊として構成された。
これは今回の訪問が単なる使節としてだけでなく、極東広域に対してアルビオンが再度進出でき事に
なった事や、先のロンドンでの大規模なテロ攻撃に対してアルビオンが健在である事を示す為などの
複合的な物が理由であった。
その目的通り、アルビオンの外交使節団は皇国の空軍基地へと到着した後に、儀仗隊や空挺軍部隊を
展開して皇国国民にも大きくアピールする事に成功した。その後、護衛人員を除いた地上部隊は
皇国の指定した逗留地へと待機、外交使節団に関しても皇国側が用意した旧家から買い取って改装した
洋館を当座の大使館としたのである。
その大使館の一部となっている別館には現在、プリンセスと彼女の世話を行う侍女としてチーム白鳩の
メンバーもまた、当該施設へと宿泊していた。流石に通信体制も構築されていない状況においては
共和国にも連絡が難しい現状、あくまでも作戦の重要対象の護衛と言う名目で付いては来ている物の
流石の彼女達も目まぐるしく起きる式典の準備や打ち合わせには疲れ果て、各々与えられた自室にて休んでいた。
それは、チームメンバーの一人であるベアトリスも同様であり、プリンセスが部屋へと戻った後は
自室へと引き返していた。宿泊部屋はメイフェア校での寮割と同様、ちせとの同室であるが彼女に
関しては母国への一時帰国でしかない事から非常に寛いでおり部屋に用意されたソファへと腰を
降ろしていた。テーブルには何処から持ち込んだのか、緑茶と良くわからない黒っぽいゼリーの様な物を
楊枝で切り分けて摘まんでいた。
「戻ったか…」
「何処からそんな物持ってきたんですか?」
「伝手があってな、知り合いに頼んだ。」
何でもないと言うような雰囲気で持ち出した、日本由来の珍品を食べている姿には既に慣れていたが
此処まで用意が早いのは流石に予想外だった。呆れ混じりに彼女を見ていると、持っている物に興味が
あると思われたのか、テーブルの端に置かれていたポットからティーカップに緑茶を入れると
ゼリーと共に寄越して来た。恐る恐る食べて見ると独特な豆の味と強い甘みが口の中を満たす。
学校で作っていた謎の物体よりは幾分かマシではあるがやはり異国の味や匂いと言う者は中々慣れない
ものである。そうこうしている間に彼女が手元にある機器を弄ると突然、音楽と共に目の前においていた
用途不明の窓がはめ込まれた様な機械が動き出した。急に聞こえた音楽や話し声に驚いて口に含んでいた
お茶が気道に入ってしまった。
「な、なんですかコレェ…」
「何って…テレビだが?そう言えばアルビオンでは見掛けなかったか?映画館も近くに無かったから、
てっきり貴族子息はこういう低俗な物には興味が無いから近くに無いんだと思っていたが…」
まさか知らなかったとは。そう呟くチセを尻目に、ベアトリスは目の前の光景に釘付けとなっていた。
目の前で此処まで鮮明な遠くの映像が写し出される。果たして此処までのものを共和国や王国でも
実用化しているかは怪しいレベルである。それを何でもない様に操作するチエにも彼女は驚いていた。
少なくとも、アルビオンでの彼女は戦闘面では兎も角として、日常生活や機械関連には余りに
無知と言えた。使った事が無いと話す者も多く国としての形式の違いかと思っていたが、此処まで
常識が違うなら道理と言えた。
441 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2025/12/14(日) 00:00:30 ID:p750131-ipxg02901akita.akita.ocn.ne.jp [89/245]
「見ないのか、大帝都でもなかなか手に入らないライヒ製のカラーテレビだが…」
「え、コレ市販品なんですか?」
「カラーはここ数年ライヒからの輸入品で少しある位だな。白黒の物なら裕福な家庭ならソレなりに
買っている。車などもそうだが所謂ステータスと言う奴だな。」
その時、テレビとは別のベルの音が鳴った。見ると室内の備え付けの電話であり、チセがソファより
立ち上がり応対した。距離も離れ、口の動きも見えないと成ると流石に会話の内容までは聞き取れないが
チセの返事は明るい物であり、比較的良いニュースである事は伺える。
「ビスマルクも近日中にメイフェア校から休みを取ってこれる様だ。」
「もうですか?暫くは向こうで仕事をすると聞いてましたが…」
外交使節を編成する際、皇国の状況に詳しいチセは兎も角として、ライヒからの留学となっていた
ビスマルクはアルビオン王国に残りライヒからの仕事を片付けていた。合流はしばらく先と言う判断で
あったためであるが、急な予定変更が知らされた様子だ。しかし、それ以上に驚くべきは彼女が
齎した情報であった。それはアルビオン兼ねての問題とも言える事案に関係する物であった。
「喜べ、内々にだがビスマルクがライヒの伝手を使って、白笛との会談の機会を作ってくれたそうだ。」
「本当ですか!」
アルビオンの問題、それは技術開発におけるアビス等から産出される遺物の絶対数の不足である。
特殊な加工や新技術の大きなアドバンテージと成り得るソレの供給が途切れた事はアルビオンを停滞
させる大きな要因となり、今回の訪問の重要な課題の一つであった。それが可能となった事は王国、
共和国関係なく大きなプラスとなるニュースとなるが、直後に受話器に耳を付けていたチセの顔が
驚愕に染まった。
「おい、それは事実なのか!?」
「どうしました?」
「何とか変更は出来ないか?…ううむ…確かによく知ってはいるが…彼女等を知識もないのにつれて
行くのは…待て、それも事実か?と言うか正気か!?…決まってしまった事はどうしようもないが…
それでも奴が…解った王女には私から伝えておく」
先ほどと打って変わって、意気消沈した彼女から只ならない状況である事を察知した彼女は詳細を
問いただそうとするが彼女は詳細は明日話すとだけベアトリスへと伝えると、そのまま脱力した様に
ベッドへと倒れ込んで休んでしまった。翌日、彼女から齎された情報はアビスの探窟家、白笛たる
黎明卿が皇国地下、クラガリの水ノチマタにてプリンセスとの会談に応じたという事であった。
442 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2025/12/14(日) 00:03:23 ID:p750131-ipxg02901akita.akita.ocn.ne.jp [90/245]
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最終更新:2026年06月01日 17:54