254:モントゴメリー:2025/10/20(月) 23:58:22 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
La Pucelle aux cheveux argentés(銀髪の乙女)【標準型】
- 全高:200㎝
- 重量:250㎏(素体重量、各種蓄電装置含まず)
- 胸囲:120㎝
- 動力:胸部埋設型 MHD発電器(主機、定格出力 500 kW、持続出力 150 kW)
腰部FeLuZn蓄電池(補助電力、外部より充電可能)
臀部高速蓄電器(瞬発電力用)
- 燃料搭載量:16L(胸部左右8 L × 2、冗長かつ均等配置)
- 構造材:VP、発泡金属複合材、2Dポリマーによる多層構造(骨格)
FoDi・PeRo複合材(外装)
- 駆動機構:VP製人工筋肉
- 機動性能:60km/h(最高)
40km/h(巡航)
30km/h(台車牽引時)
10km/h(同上、市街地制限速度)
跳躍力垂直 5 m/水平 15 m
潜水可能水深 50 m、30 分間耐久(緊急時)
4時間20分(同上、標準出力時)
24時間(同上、低負荷運用想定時)
20分(蓄電池併用、最大出力時)
5時間30分(同上、標準出力時)
72時間(同上、低負荷運用想定時)
対12.7㎜防御(胸部)
搭載量:1.5トン(背中など機体各所に懸架)
1.2トン(両腕で保持、標準)
3.0トン(同上、緊急時)
12トン(クレーンやウィンチなど、工兵装備装着時。移動不可)
12トン(台車牽引時、輸送用)
20トン(同上、短距離時)
【概要】
La Pucelle aux cheveux argentés(銀髪の乙女)は、フランス連邦共和国(FFR)が開発した人型自律駆動機械の名称である。
FFR市民からは「乙女(ラ・ピュセル)たち」と呼ばれ親しまれている。
人間の女性を模した造形であるが、これは後述するように純粋な技術的理由に由来する。
同様の理由で「人間大」と呼ぶにはいささか巨大であるが、民間での運用や災害救助、戦場での各種支援任務など、多用途での活躍し『戦友』として受け入れられる存在である。
255:モントゴメリー:2025/10/20(月) 23:58:52 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【外観】
彼女たちの外見的特徴として大きさと並んでまず挙げられるのが頭髪である。
「銀髪の」と称されるように、それは美しく輝く長い銀髪であった。
これは美的要素に留まらず、この髪一本一本は放熱器の役割を担っている。
顔は目や鼻や口など、「人間」と違和感なく受け入れられる形状や配置をしている。
頭部から胴体の方へ目を移すと、まず注目されるのは胸部である。
胸部は「重防御区画」となっており、ここにMHD発電機と燃料タンクが集中配置されている。
腹部にはMHD発電機用の冷凍機や冷媒タンク、循環ポンプなどが詰まっている。この腹部を中心とし冷媒を胸部-背部-臀部などへ循環し、冷媒で対処できない熱は頭髪から放出する。
また背部にはFeLuZn蓄電池が配置されている。
これらの容積を確保するために、彼女たちの全高は200㎝にまで達してしまった。
その下の臀部も「規格外」であるが、これは男のロマンや美学という理由のみならず、瞬間放電用の「高速蓄電器(condensateur rapide:コンデンサトゥール・ラピド)」が配置されているからである。
脚部もしなやかな美しさを放っているが、この脚は1.5トンの荷物を背負い40km/hで疾駆する能力を秘めている。
【開発】
2010年代初頭には、FFRでも自律駆動を行える人工知能の開発に成功していた。
そこで日本のように人型自律駆動機械の開発熱が高まったが、この分野では日本が圧倒的な情熱を以て開発競争で首位を独走している状態であった。
よって、特許関連も日本がほぼ独占しているのが現状であり、OCU陣営はまだ良いとして他陣営の開発に対して大きな足枷となっていた。
各国はこの特許の壁を迂回すべく様々な方策を考案していくことになる。
この光景は最早(日蘭)世界の様式美となりつつあるが、FFRが導き出した「別解」は動力面に関する分野であった。
蓄電池による電動駆動のみではなく、エンジンを搭載した複合動力式にしようと試みたのである。
好都合にも、その方針に相応しい動力炉も既に開発が終了していた。
そこでFFRは「複合動力式」人型自律駆動機械の開発に舵を切った。
256:モントゴメリー:2025/10/20(月) 23:59:56 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【設計】
まず一番重要となったのが動力炉である。
これはFFR軍部が主導して開発された新型MHD発電機が採用される予定であった。
その具体的な性能は、最大出力2000kWを発揮しその熱効率は70%に達するという高性能であった。
それでいて寸法は外径約500mm、全長約600mmまで小型化されており、重量も従来型発電機の1/10以下にまで削減している。
正にラ・ピュセルたちの「心臓」にうってつけ…かと思われたがそう上手くはいかなかった。
確かに発電機として見たら500㎜という外径は非常に小型である。しかし、これを「人型」に収めようとするなら話は別なのだ。
「心臓」と呼称するように、発電機は胸部に設置する予定なのだが、外径500㎜のものを内部に収容するためにはその胸囲は『157㎝』必要なのである。
開発者の一部は
「大きいことは良いことだ!特に胸部装甲は大きければ大きいほど良い」
としてそのまま採用しようとしたが、別の一団がこれに反対した。彼らの主張は
「万民に受け入れられる胸囲は120㎝までだ!それを越えるものは『巨乳』ではなく『奇乳』である!!」
であった。
こうして開発者たちは「大艦巨砲性の違い()」により二手に分かれて議論を交わし、次いで拳を交わしたという。
(なお、この話の顛末を聞いた後の謀将大統領は『男ってバカね…』と呟き、それを聞いた参謀総長は『少し違いますわ、男というものは永遠に子供なのですよ』と答えたという…)
「親『撲』会」の結果、ラ・ピュセルたちの胸囲は120㎝が上限とされた。
これは一方が勝ったという単純な話ではなく、技術的な要素が重要であった。
2000kW級の発電機を搭載した場合、胸囲だけでなく重量が大幅に増加することが予想された。
試算では350㎏を越えるとされ、これでは民間での運用に支障と来たす恐れがあったのだ。
技術的理由があるならば、と和解した開発陣が次に取り掛かったのはMHD発電機の更なる小型・軽量化であった。
“燃料タンク込みで胸囲を120㎝に抑える”という目標の元開発された新たなるMHD発電機は、最大出力が500kWまで低下したが、同時に体積も比例して約1/4にまで縮小された。
これにより、胸囲120㎝を満たしつつ搭載が可能となった。
燃料タンクに関しては容量16リットルとなった。外見では左右二つに分かれているように見えるが被弾時の引火対策として内部は細分化されている。
この構造を利用して、複数種類の燃料を一度に運搬できるようになっている。
「複数種類の燃料」というように、ラ・ピュセルたちは複数の液体燃料に対応している。
市販のガソリンや軽油はもちろん、FFR規格の航空燃料も使用可能である。
その中でも特筆すべきものとしては、「度数40以上のアルコール飲料」も燃料と出来る事である。
これにより、FFR市民とラ・ピュセルたちは同じテーブルを囲んで「命の水」を共有し、同じ喜びを分かち合うことができるのである。
(余談であるが、彼女たちが登場した直後、統合参謀本部から“燃料に使用可能な酒類一覧”という資料が発表されたが、何故この資料が軍部から出たのかは不明である。)
257:モントゴメリー:2025/10/21(火) 00:00:32 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
胸部の下の腹部であるが、ここにはMHD発電機の関連機器が詰め込まれている。
発電機だけでは発電はできない。
専用の冷凍機や冷媒タンク、循環ポンプなどが必要なのである。
特に冷凍機に関してはFFR技術の結晶である「直接冷却冷凍機」である。
これは柔粘性結晶(流体と固体の中間特性を持つ物質)を冷媒にする構造が特徴である。
柔粘性結晶は高い比熱と圧力熱量効果を持ち、冷媒として循環させれば局所の急峻な発熱を効率良く吸収する。
MHDの燃焼・流路近傍に直接熱交換面を設けることで、瞬間熱を素早く取り去る。
吸熱された熱は導管で髪根部、胴体の拡散区画へと搬送される。発泡金属の内部空孔は熱を拡散するパスであり、同時に柔粘性結晶の二次循環に寄与する。
外部放熱は“髪”が担う。ラ・ピュセルたちの銀髪は美しいが、それは単なる美術的装飾ではない。
一本一本が高熱伝導繊維でできた放熱フィンであり、表面積を極大化して空気と接触させることで最終的な放熱を行う。
高負荷時には髪が微小に振動し、髪先から冷却蒸気が白く帯びる。これが「銀髪のラ・ピュセル」という外観の合理的理由だ。
この三層の連携により、MHDの短期高出力と超伝導コイルの極低温保持が同一躯体で両立するのである。
しかしこういった要素を胴体部の配置した結果、全長(つまり身長)は長大なものになってしまった。
そのため標準型の身長は200㎝にまで達してしまったが、これに関しては開発陣の意見は対立せず受け入れられた。
ラ・ピュセルは「複合動力式」人型自律駆動機械である。すなわち動力炉だけでなく蓄電池も搭載している。
背部にはFFRが誇る高性能蓄電池FeLuZnが標準で20kg搭載されており、約26 kWhの電力を供給する。
これが基礎的な巡航と補助電源を担う。
配置が腰部なのは重心を下げるのが目的である。
さらにその下の臀部には容量0.25 kWh(250 Wh)、重量20 kgの「高速蓄電器(condensateur rapide:コンデンサトゥール・ラピド、英語ではスーパーキャパシタ)」が配置されている。
これは「瞬間の大電流を受け止める」役割を果たし、500 kWのピークを理論上は約1.8秒分支えることができる。
これによりウィンチ初動や回生エネルギーの一時受け皿として機能する。FeLuZnはエネルギー密度が高いが高出力応答は苦手なため、この“ラピド”が最初の爆発を肩代わりするのだ。
臀部はこのラピドを収めるために大きく豊かな外観を持たせているが単なる遊び心やロマンではない。
重心を下げるためと腰部FeLuZnとの電力供給系統の合理的配置を目指した結果である。
次に彼女たちの「骨格」に相当する構造材について説明すると、FFRが誇る新素材がふんだんに用いられている。
すなわちVPや発泡金属複合材、2Dポリマーによる多層構造である。
また発泡金属体の内部空隙は衝撃吸収と同時に冷却導管や補助配線の通路としても活用される。
これにより必要な強度を確保しつつ大幅な軽量化に成功したが、それでも素体重量は250㎏に達してしまった。
これは軍で運用するならともかく、民間で運用できるか不安を重さであったが、開発陣の不安をよそにFFRが不断の努力で整備してきた各種社会インフラは彼女たちを受け止めてみせた。
彼女たちを駆動させる「筋肉」については、従来のアクチュエータやモーターではなくVPを用いた人工筋肉が採用された。
これにより従来型をはるかに上回る性能と静粛性、なによりより人間らしい駆動が可能となった。
258:モントゴメリー:2025/10/21(火) 00:01:20 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【稼働時間】
稼働時間は出力に反比例する。
例えばMHD発電機の最大出力である500kWを発揮した場合、胸部燃料タンクだけでは13分しか持続できない。
腰部FeLuZnを併用してもその数字は20分である。
対して、定格出力である150kWの場合はそれぞれ4時間20分と5時間30分まで延長される。
加えて、低負荷運用(日常の家事や会話など、通称『メイド』運用)時にはこの数字が24時間と72時間まで達する。
(臀部高速蓄電器は瞬発的に500kWの出力が必要な時に開放されるので持続時間の計算には含まれない)
なお、この数字はガソリン相当の燃料を想定しているため、アルコール飲料を燃料とした場合は短縮される。
【積載能力】
彼女たちの積載能力はその姿からは想像もできない程である。
まず“両腕で持つ”状態ならば1.2トンまで保持し運搬することができる。事故や災害救助など緊急時には3.0トンまで許容範囲である。
次に一番用いられる“背負う”形態の時は1.5トンまで対応可能である。
この状態のまま巡航速度で移動することも可能であるが、安全面を考慮して30km/h前後での運用が推奨されている。
また、街中で一番目にする機会が多いであろう“牽引時”形態では標準で12トンまで運搬が可能である。
(短距離ならば20トンまで可能)
この状態でも25km/hまでは発揮可能であるが、これも安全的観点から市街地では10km/hでの運用が規定されている。
なお、上記の数字は全て整地面での運用想定であるのは留意されたい。
【機動力】
彼女たちの最高速度は60km/hである。
しかしこれは所謂「カタログスペック」であり、この速度を発揮できるのは数分である。
巡航速度は40㎞/h程度である。
特記すべきは“跳躍力”である。
VP製人工筋肉の能力を駆使し、彼女たちは5mもの垂直跳躍が可能である。
簡単に言えば、地上から2階まで一飛びで到達できる。
また走り幅跳びのように助走を付ければ水平方向に15mの跳躍が可能である。
【防御力】
彼女たちの“皮膚”はVPやFoDi、PeRoなどの積層配置した複合材である。
これは「温もり」や「肌触りの良さ」を追求したものであるが、同時に防弾材として役割も期待されている。
その具体的な能力は、胸部以外は距離10mから放たれる7.92㎜小銃弾の直撃に抗堪する。
胸部は集中防御区画とされ、12.7㎜弾対応防御になっている。
これは「創世記(WW2期)」の御世なら驚嘆すべき数字であるが、21世紀現代では心もとない。
しかし標準型は民間での運用も重要であり、これ以上の重量増加は看過し難いものであった。
特に胸部装甲は当初対25㎜弾対応防御を目指したが、それを成すと装甲板だけで40㎏も追加しなければならない。
それは受け入れられないので妥協し、素体の防御力は据え置かれ戦場で運用する場合は増加装甲を装備する方針で決着する。
【名称】
名前の由来についてであるが、La Pucelleはフランス語で「使用人」を意味する単語である。
日本人が一番連想しやすい単語で言えば「メイド」が最も近いであろうか。
しかしながらこのラ・ピュセルという単語は、『我らが指揮官』のもう一つの姿であり、『先生』の名の由来となったジャンヌ・ダルクの異称でもあり「乙女」と言う意味もある。
(「オルレアンの乙女」)
フランス人にとっては決して軽い言葉ではない。むしろ敬称に近く、彼女たちを軽んじているわけでは絶対にないのである。
【運用】
彼女たちラ・ピュセルたちは発表直後、FFR国内で急速に普及していった。
導入費用は中級乗用車の上位から高級乗用車の下位に匹敵し、決して安価とは言い難いものだったが、逆に言えばそれらの購買層ならば手が届くのである。
彼女たちの「能力」について述べるならば、人間の行う作業の大半は代替可能である。
さらにその馬力と積載量を活かし活躍している。
パリやマルセイユの市街地、特に大型トラックが通行できない住宅街などに行けば、台車に荷物を満載して走る彼女たちが見られるだろう。
それのみならず、その強大な発電量を活用し、災害時や戦時には“自走式発電所”としても活用できる。
民間のみならずFFR各軍でも採用され、後方の物資運搬のみならず前線の歩兵分隊に同行し弾薬や医薬品を携行している。
(なお国際条約に基づき自律駆動機械が直接戦闘行為を行うことは禁止されているが「最後の引き金」を人間が担っている場合はこの限りではない)
259:モントゴメリー:2025/10/21(火) 00:02:40 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
詳しい説明は明日でご容赦を。
いつも「踏込みが足りん!!」と言われているので霧の咆哮氏をリスペクトして
エラン・ヴィタールのアクセル全開で行きました。
追記
各要素は可能な限り既に開発されている物で構成しました(特に「直接冷却冷凍機」は逆転ホームランを目指した)が
ひゅうが先生などからの査読が怖いですね……。
最終更新:2026年06月04日 23:14