620:トゥ!ヘァ!:2025/12/25(木) 18:26:52 HOST:FL1-60-236-166-101.kng.mesh.ad.jp
ああ、我ら日本連合 クロス版 その12
「サイド3の各地で暴動だと!?」
「はい。一部の市民が突然…他にも見慣れない兵器が多数確認されています」
「各地のレーダーサイト、監視所も突如ダウンしており音信不通となるところが多発しております!」
「一部の駐留部隊もMSや艦艇を用いて暴動に参加しているのが散見されます」
「マ大佐の情報通りか…既にここまで入り込まれているとは。首都防衛隊に鎮圧させろ!
我々は無事な市民を避難させねば」
ア・バオア・クーでの戦いが繰り広げられているのと同時期。
ジオン本国では洗脳改造された市民たちによる暴動が各地で頻発。
百鬼帝国による本格的なサイド3制圧が開始された。
「なんだこいつら!?」
「ビルの中から! 特機か!!」
「ぐわぁああ!」
「三番機がやられた!」
「第七小隊、第十一小隊の反応消失!」
「脆いなぁ。人間の兵器は脆すぎるなあ!」
突如ビルが崩れ、その中から現れた百鬼メカ。
ジオン側も駐屯部隊がこれに反撃したが、余りの性能差の前に次々と破壊されていった。
「なんだぁ。あの白いグフは」
「構わねえ!潰しちまえ!
「いや、まて。あの白いグフどこかで…」
「何故地上戦線で長らくグフが活躍していたのか…その理由をお見せしよう」
暴れる百鬼メカの前に現れた白いグフ。
かつてヴァイスローゼとあだ名されキャルフォルニア戦、オデッサ戦でメカザウルスや機械獣を多数撃破したエースの愛機である。
「あべし!」
「ひでぶ!」
「たわば!」
「馬鹿な…非力なMS如きに帝国の百鬼メカが敗れるだと!?」
「思い出した!データベースで見たことある。ジオンの地底キラー。多数のメカザウルスと機械獣を倒し、負傷のため本国帰還したが、その後正規の外交ラインを使ってまで対地勲章が送られたパイロット!」
「ヴァイス・ローゼ…ランス・ガーフィールドか!」
「鬼にも知られているとは…光栄だな」
サイド3首都コロニー。
そこで百鬼帝国の進撃を止めたのはガーフィールド中佐の白いグフであった。
ジオンにおける対地底ロボ戦術の第一人者であり、その道のエースである。
たった二度の戦闘にてジオンで最も多くの地底ロボを“単独”で撃破した記録を持つ。
なお共同撃破込みならオセアニア戦線のヴィッシュ・ドナヒュー大尉が最高記録である。
「なんだこれ。雪?」
「突然なぜ…」
「報告!改造市民の動きが鈍っております!現在の気温はマイナスを突破!まだまだ気温は下がり続けています!」
「この寒さのせいで改造兵士たちの兵器も次々と使用不能に…」
「何が起こっていると言うのだ!?」
百鬼工作員側での会話。
首都コロニーを始め、幾つものコロニーで急激に気温が低下。雪も降りだしていた。
このためあくまで洗脳するための改造のみであった改造市民や改造兵士は急激に寒冷化する気候によって行動が封じられていった。
百鬼帝国の戦力は高い局地戦能力を持つ百鬼メカのみに絞られたのである。
621:トゥ!ヘァ!:2025/12/25(木) 18:27:24 HOST:FL1-60-236-166-101.kng.mesh.ad.jp
「まさかクーデターの準備がこうして役に立つとはな」
「しかもザビ政権ではなく侵略者相手に使うことになるのだから」
「今のうちに無事な市民を保護して避難させよう」
「急げよ。気象コントロールセンターを抑えている今が好機だ」
活躍するダイクン派の面々。
元々はギレンの暗殺または首都制圧が目的のクーデター計画であったものを流用した作戦である。
実は月から逃げてきたマ・クベが真っ先に接触したのが彼等ダイクン派であった。
彼等はマ・クベの情報に半信半疑であったが、どのみちクーデターを起こす算段であったため、当たっても外れても良い前提で行動していた。
「よし!連中の数が減った!親衛隊前進!」
「こっちは事前に散々あっためておいたから問題ない!」
「ダイクン派に後れを取るな!」
「ガルバルディ大隊前へ!」
こちらは負けじと奮起するギレンの親衛隊一同。
マ・クベの取りなしでダイクン派との共闘を受け入れてはいたが、それはそうと対抗心は人一倍であった。
ただのおべっか集団という見方も強い親衛隊であるが、ギレンへの忠誠は強く、与えられた新鋭機を扱いこなそうと日夜訓練に励んでいた彼等の腕前は中々良かったという。
「デギン公王陛下。お迎えに上がりました」
「うむ。大義である…しかし、ここで味方を待つことはできんか?」
「ア・バオア・クーへの通信は妨害されております。月は既に連中の手の中かと」
「そうか…致し方ないか…しかし脱出の優先は市民たちだ。ワシのことはそれまで囮として使え」
「よろしいのですか?」
「一度上に立ったからはな…責任からは逃れられんよ」
「いえ。ご立派な判断かと」
公王庁のデギンを迎えに来たマ・クベとの会話。
公王庁前では既にガーフィールド中佐とフィーリウス隊が広場を制圧済みであり、一時的であるが安全は確保されていた。
このように首都コロニーの戦いは順調であったが、しかし他の地区では苦戦が続いていた。
「さて。コロニーレーザーの指令室は制圧したが…ここからどうする?」
「マ大佐からが言った通りなら限界以上にエネルギーをチャージさせれば臨界を起こしたコロニーごと爆発するらしい」
「全く嫌になるねぇ…故郷を自分の手で爆弾に変えなきゃいけないなんて」
「…すまんな。海兵隊にとってはソーラレイの素となったマハルは故郷か」
「謝んなくていいよ。これも仕事と割り切るさ。でもこんなこと仕出かした地底人共には一発喰らわせてやりたいね!」
ソーラレイを無事制圧したサイクロプス隊。
そこにはマ大佐からの協力要請を受けて馳せ参じたジオン海兵隊の面子も共にいた。
海兵隊からすれば度々兵器に改造された故郷を今度は爆破処理しないといけない苦行であったが、だからこそ自らの手で引導を渡したいという心境であった。
両者は取りあえずソーラレイ司令部を制圧。コロニーレーザーをア・バオア・クーへ撃たれるという最悪の状況は回避していた。
しかしこの場所の重要性を知る百鬼は次々と援軍をソーラレイ宙域へ送り出しており、いつ奪還されても可笑しくない戦況が続いていた。
622:トゥ!ヘァ!:2025/12/25(木) 18:28:02 HOST:FL1-60-236-166-101.kng.mesh.ad.jp
「くっ! 幾ら臨時の機体とは言え、私がここまで追いつめられるとは!?」
「ふははは!私は運がいい?いや貴様の運が悪いのか! まさかここで!この場所で巡り合えるとはなぁ!!」
「貴様は!貴様は誰だ!私と同じ顔、同じ機体、同じ戦い方をする気様は!!!」
「私か!私は貴様だよ!シャア・アズナブルだ!よく知っているだろう!!」
「なにぉ!!」
「覚えてないのか? セイラは元気か? テキサスじゃ共に馬に乗って駆けただろう! 馬鹿みたいなことして親に叱られもしたなぁ!!」
「テキサスだと!? 妹のことも…共に馬を駆って…ま、まさか…そんなバカな…貴様は…」
「そうだよぉ!シャア・アズナブルだよぉ!!お前に家族ごと殺され、その名前を乗っ取られた本物のなああ!!」
「ち、違う…あのシャトルは事故だったんだ…本当なんだ」
「よくいう!ならばその名前はなんだ!どうしてお前がシャアを名乗っている!
答えろよエドワウ・マス!!」
アムロにボコられ機体の修理とサイコミュの調整のために本国に帰還していたシャア。
その前に現れたのはかつて己が乗っていたザクにそっくりな百鬼メカとそれに乗っていた自分そっくりの人物であった。
その名は赤彗鬼。かつてシャア・アズナブル(CV:関俊彦)の名を持っていた友である。
因みにこの世界では本当にただのシャトル事故でアズナブルさん家の面子が全滅したので、丁度いいから名前借りとこ!くらいのノリでキャスバルはシャアと名乗り始めたというのが真実。
「博士はみんなを連れて早く!」
「ララァ君!君はどうするんだ」
「格納庫のエルメスはまだ動いたはず」
「…少し連中の目を引き付けるだけでいい。その後は脱出したまえ」
「ええ。フラナガン博士。あの子達のことをお願いしますね」
サイド3にあるフラナガン機関にも百鬼帝国の魔の手は迫っていた。
丁度里帰りしていたララァは機関にいた子供たちをフラナガン博士に任せ、自らは囮として動こうとしていた。
因みにこの世界のフラナガン博士はマッドではあるが資源(NT)は大事にするタイプのマッドだゾ。
あと下手に扱いと赤いのが何してくるかわからので対応は慎重、そして融和的であった。
「大佐と連絡が付かんとは!」
「しかしこちらも敵が攻撃が激しく動けず…どうしますラル大尉?」
「そうだな…確か船の中には予備として残してい置いたワシのグフがある。それにアレもあるぞ」
「私がわがまま言って残してもらった最後のブラウ・ブロですね」
「そうだ。あれらさえ取りに行ければどうにかなると思うが」
「では敵中を突破してかつての愛機たちを取りに行くとしますか!」
「ワシが言えたことではないがシャリア大尉も無茶するようになったなぁ」
「ええ。この部隊にいれば自然とそうなりますよ」
シャアとは別行動を取っていたラルさんとヒゲマンことシャリア・ブル大尉。
二人は百鬼の攻撃を潜り抜けて部隊の母艦に到達。
その後は倉庫の奥で眠っていたかつての愛機を引っ張り出して暴れだすこととなる。
623:トゥ!ヘァ!:2025/12/25(木) 18:28:48 HOST:FL1-60-236-166-101.kng.mesh.ad.jp
「百鬼メカ並みの巨体と素早さだと!?」
「くそ!どこから攻撃が来ているんだ!」
「いいですね。旧式だろうとやはりブラウ・ブロの方が性に合っています」
「他の面子もゲルググで暴れておるが、お前さんは別格だな」
「このことは試験テストの時からの仲です。機体の癖は知り尽くしていますよ」
ブラウ・ブロに乗り暴れ回っているシャリア・ブル大尉。
現在は予備機として残っていたブラウ・ブロに乗ってコロニーの外にたむろしていた百鬼メカを掃討中。
この時期のブラウ・ブロはジオン基準でも旧式のサイコマシンであったが、元々これのテストパイロットを担当していたシャリア大尉は己の手足のように自由自在に動かしていた。
また母艦に籠城していたクスコ・アルやマリオンなどの他の仲間とも合流し、現在はありあわせの機体で襲い来る百鬼ロボや改造兵士のMSを相手どっていた。
「エルメスは確保できたかね?」
「こ、これは赤彗鬼様!ご無事でしたか!」
「残念ながら獲物には逃げられたがね。それでこれが例の機体か?
「はい。ただ中が可笑しな状態でして」
「可笑しな状態?」
「その…何というか荒唐無稽な話なんですが…サイコミュ周りを中心に空間が固まっていまして」
「固まっている?」
「こう。空間ごと氷ついているとうか…見てもらえば早いですね」
「これは…まるで氷の棺のようだな」
「同じく確保目標だったララァ・スンも中にいます。生体反応を調べたところどうやら仮死状態とも睡眠状態とも取れる状態です」
「ふむ…まるで眠り姫だな」
フラナガン機関を制圧した百鬼帝国兵と帰還した本物シャアの会話。
ギニアスに言われエルメスは確保し、同じく優先目標の一つであったララァも捕えられた。
しかし最後の抵抗とばかりにララァはエルメスのサイコミュを暴走させ、結果コックピット周りの空間が凍結したかのような状態へ。
一種の強固な隔離空間となっており、肝心のアルファサイコミュどころかララァもエルメスから引きずり出せない状況となっていた。
このあとエスメスごと月に送られギニアスの研究に使われることとなる。
「ラ、ララァはどうした…」
「大佐。喋らないでください。傷に響きます」
「傷などどうでもいい…ララァは!」
「…ララァ少尉はフラナガンに囮として残ったようです。脱出した様子も見られないので敵に捕らえられたかと」
「今すぐ奪還にいく!船をフラナガンに向けろ!」
「駄目です!大佐の容態は危険です!それにフラナガンから脱出した子供たちと研究者たちや途中で拾った民間人もいます!」
「大佐。船を預かる私からも言わせてもらいますが今の状況で戻るのは無茶があります。
当艦は多数の負傷者、避難民を乗せており更に戦力も底をつきかけています。
今でこそシャリア大尉のブラウ・ブロが護衛してくれていますが、それ以外の機体は燃料、弾薬、予備パーツがもうありません」
「く…くぅ…ララァ…ララァアアアア!!」
赤彗鬼との戦いの最中ギリギリのところで仲間に助けられたシャア大佐。
その後は共に脱出してきた母艦へたどり着いたが、しかし彼の愛するララァは敵の手に落ちた後であった。
奪還の命を出そうとするも本人も重症。更には船長であるドレンにも反対され、結果シャア慟哭を上げるくらいしかできずにいた。
この後シャアは意識を失い、船は各コロニーから出発した避難船団に合流。一同サイド3宙域からの脱出を目指し始めた。
624:トゥ!ヘァ!:2025/12/25(木) 18:29:18 HOST:FL1-60-236-166-101.kng.mesh.ad.jp
「くぅう!うわぁあ!」
「フィーリウス様!!」
「こいつ強すぎるぞ!!」
「いい腕をしているな。しかしこの鉄甲鬼には及ばん」
「フィーリウス隊は後退。殿は私が勤める」
「ガーフィールド中佐!しかしこの敵は!」
「わかっている…ジオンの…いや…若者たちの未来を頼むぞ」
「…了解です」
「ほう。この首都コロニーにいた百鬼メカをやったのはお前だな。その動きを見ればわかる」
「ご明察だ。では私と一曲踊ってもらえないか?」
「くくく…いいだろう。その気概は嫌いじゃない。この鉄甲鬼!覚悟を決めた戦士相手には手を抜かん!」
「いざ参る!」
首都コロニーに突如襲来した百鬼帝国幹部鉄甲鬼の暴虐。
寸前まで優位に進めていた戦況はたった一機に覆されてしまった。
ここに至りジオン側は主要人物と現在まで船に乗せている市民の脱出を優先。
負傷した仲間の撤退を援護するためにガーフィールド中佐を始めとした首都防衛大隊が殿についた。
その後約1時間の激闘の末に防衛大隊は全滅。
しかし公王デギンを始めとする政府主要メンバー及び首都コロニー数十万人の脱出は間に合わせた。
その中には己の力不足に涙するフィーリウス隊のメンバーも含まれていた。
「敵の攻撃が激しくなってきた。これ以上は持ちこたえられないよ!」
「海兵隊は先に脱出してくれ。ここは我々サイクロプスが受け持つ」
「この数の差でかい!? 無茶だよ!」
「だがソーラレイはこのままにはできない。半端な臨界では原型を残してしまうからな」
「…何か言い残すことは?」
「うちにも若いのがいたろ? バーニィだ。ついこの間来たばかりでな。適当な理由を付けて彼を一緒に逃がしてほしい」
「わかった。うちら海兵隊に任せな。無事この激戦区から逃がしてやるよ」
「助かる。ではいってくれ。もう時間がない」
「ああ…達者でね。短い間だったけどアンタらとの共闘。悪くなかったよ」
「こちらこそ礼を言うよシーマ中佐。海兵隊は流石のつわものだった」
「ジオン一の特殊部隊にそんな評価してもらえるなんてね。光栄だよシュタイナー大尉」
ソーラレイを自爆させようと奮闘していたサイクロプス隊とジオン海兵隊最後の会話。
この会話の後に海兵隊は適当な理由を付けて引っ張ってきたバーニィ伍長と共に戦域を離脱。
その後は脱出中のジオン船団と合流し、その護衛についた。
「すまんな。ミーシャ、ガルシア。貧乏くじを引かせた」
「いいってことですよ。むしろ仲間外れは寂しいですぜ」
「そうそう。それに貧乏くじはいつものことですよ」
「そう言ってくれて助かる」
「バーニィの奴も無事逃げれてみたいですし、俺はミーシャ中尉と一緒にMSハッチの防衛に付きます」
「滅び行く者のために…ってのは何だか演技が悪ぃな」
「ふふ…では未来ある者のためにとでも言おうか」
「そりゃいいですな!少なくとも滅び行くもののためにというよりは生産的だ!」
「ははは!若い奴が生き残ればまた美味い酒のの一つや二つ作ってくれるでしょうしな!」
「ああ。未来のためにもうひと踏ん張りするとしよう」
海兵隊撤退後のサイクロプス隊の様子。
残った人員はシュタイナー、ミーシャ、ガルシア。
彼等は最後のギリギリまでソーラレイの炉心を臨界させ、跡形もなく自爆させるためこの場に残っていた。
625:トゥ!ヘァ!:2025/12/25(木) 18:29:56 HOST:FL1-60-236-166-101.kng.mesh.ad.jp
「ええい!まだ突破できないのか!制御室まで目の前だぞ!」
「それが残った敵の抵抗が激しく…」
「改造兵士に爆弾でも持たせて突っ込ませろ!制御室が無事ならそれでいい!」
「た、隊長殿!ソーラレイ中央付近でエネルギー反応の増大を検知!」
「なんだと!?」
「ああ、この数字は…駄目だ!爆発します!!」
「うぉおおお!何の光ぃ!?」
こちらはソーラレイ奪還のために動いている百鬼帝国の工作員部隊。
コロニー内の狭い通路のせいで巨体の百鬼メカでは動きにくく、主力は改造兵士を載せたMSであった。
しかし百鬼の手は届かず、最終的にソーラレイ丸ごと大爆発。
周辺に展開していた百鬼帝国の部隊を道連れにソーラレイは原型をとどめず宇宙の藻屑と消えた。
「なんだあの光は!?」
「これは…ソーラレイがあった宙域からの閃光です!」
「そうかサイクロプス隊は務めを果たしたか…見事だ…」
ジオンの避難船団からも確認されたソーラレイの光。
マ・クベは一人サイクロプス隊が務めを果たしたことを悟った。
「あら鉄甲鬼。追撃はいいの?」
「ふん。ボロボロの敗残兵と着の身着のまま逃げた市民の船団など追うに値しないだけだ。
胡蝶鬼。そういうお前の任務はこの宙域の封鎖ではなかったか?」
「私も逃げる相手の背を撃つことは趣味じゃないのよ」
「まったく。貴様は前の時から気まぐれなのは変わらんな」
「そういうあなたこそ。今度こそメカ鉄甲鬼を完成させて挑むんでしょう? この世界のゲッターチームに」
「それが俺の未練だったからな。かつてのゲッターチームとは別物と理解はしているが…
しかしこの世界のゲッターも挑むに値する戦士ではある。そういうお前はどうなんだ?」
「そうねぇ。前のゲッターチームと大分違うみたいだけど…まあ追々ちょっかいかけようと思うわ。今度はもっと気楽にね」
逃げ出すジオンの避難船団を見送る鉄甲鬼と胡蝶鬼の会話。
ブライから直々にサイド3の制圧を任されていたこの二人はソーラレイの確保こそ失敗したが、サイド3の占領には成功していた。
その会話はまるで旧友同士のような気安さがあった。
彼等のいう“前”とはいったい何を指す言葉なのであろうか(棒)
「それでこれから船団はどうするのだ?」
「月へ向かいます」
「月だと?しかしそこは連中に制圧されたのでは」
「私が脱出した際にはまだグラナダを始めとする裏側のみでありました。月面表側はまだ連中の手は入っていなかったと思われます」
「ふむ。それで月へ向かってどうするのだ?」
「月の重力を使ってスイングバイ加速を取ります。そしてそのままL4宙域を通り、連邦のルナツーやサイド7のあるL3宙域を目指します」
「L5宙域のソロモンでは駄目なのか?」
「連中が連邦が駐留するソロモンを放っておくはずがありません。最悪は戦闘のただなかに飛び込むことになります」
「なるほど。だからその逆のL4宙域を経由してL3宙域へか」
「はい。連中はどうやら月を拠点としていたようなので、流石に真反対にあるL3宙域までは早々手が届かないかと」
「わかった。しかし月に行くとすれば敵の激しい攻撃に会うだろう。それはどうする?」
「無論我々軍が迎え撃ちます。市民の乗った船団が全て逃げ切るまで」
逃げ延びた後のジオン船団の今後を話す面々。
マ・クベは大胆にも月の重力を用いたスイングバイ加速で最も遠いL3宙域への脱出を提示した。
他に手段もないと脱出したジオン上層部はこれを承認。
決死の逃避行が始まった。
626:トゥ!ヘァ!:2025/12/25(木) 18:31:02 HOST:FL1-60-236-166-101.kng.mesh.ad.jp
「全く。サイド3から無事出られたと思ったら次は敵の本拠地目の前での戦いかい」
「しかし脱出した一千万の市民を逃がすためには我々が踏ん張るしかあるまい」
「ガーフィールド中佐が守った市民たち。今度は私たちが守る番だ」
「…やってくる敵には悪いが憂さ晴らしをさせてもらおうか」
避難船団脱出までの時間稼ぎに覚悟を決める残存ジオン軍の面々。
この戦いには戦える兵士、戦える機体が総動員されており、彼らは避難船が全て脱出するまで戦いぬく覚悟であった。
「来るぞ!敵の鬼ロボだ!」
「地底人共め!来るなら来い!ジオンの底力を見せてやる!」
「あ…敵の後方から多数のミサイル!続いて砲撃来ます!」
「な、なんだぁ!?」
「何だか面白いことになっているようじゃないか。連邦宇宙軍のエスコートはいるかい?」
避難船団を逃がすため決死の戦いに身を投げ出したジオン軍を救ったのは月面方面に侵攻していた第三連合艦隊であった。
原作では存在しない第16~第20までの五個宇宙艦隊で構成されたこれら第三連合艦隊はグラナダ攻略のために進撃を開始していたところであった。
そこに丁度良くかち合ったのがサイド3からやってきた避難船団である。
当初はジオンの艦隊かと思われていたが、グラナダから上がってきた謎の勢力との戦争状態にあったことを確認。
どうなっているのかと思い偵察を出してみれば、お馴染みの地底デザインなメカと、それに襲われているジオンという構図ではないか。
連邦軍はすぐさまジオン側の援護を決め、月から上がってきていた百鬼帝国の部隊へ攻撃を開始した。
彼等はジオンと地底人。どちらが優先度の高い敵かをきちんと理解していた。
後にこの第三連合艦隊の援護を受けたジオンの避難船団は無事全て月を通過。
そのままL4宙域を経由しながらL3宙域を目指した。
現地に残留した連邦艦隊とジオン艦隊も次々上がってくる百鬼の戦力相手に遅滞戦闘を繰り返しながら月表側へ無事撤退した。
627:トゥ!ヘァ!:2025/12/25(木) 18:31:59 HOST:FL1-60-236-166-101.kng.mesh.ad.jp
「ソーラレイの確保には失敗したが、サイド3はほぼ全て無傷で手に入れられたか」
「おめでとうというべきかな」
「ふふふ…ここは素直にありがとうと言っておこうか。そういう貴様こそ目当ての物を手に入れたんだろう?」
「ああ。少々変則的ではあったが…アルファサイコミュ。予定通り手に入れたとも」
「イオマグヌッソ計画だったか。ミノフスキー粒子とサイコミュを使った空間転移兵器の開発計画」
「机上の空論に近いものではあったがな…しかしそれに縋りつきたくなるくらいにはジオンも追い込まれていたということさ」
「貴様はそのイオマグヌッソとやらを使って何をする気だ?」
「イオマグヌッソ…それの中核となるアルファサイコミュ…あれは本来空間転移などおまけにすぎない」
「ほう」
「現在観測されているミノフスキー粒子は本体のある別空間…いわゆるM空間と呼ばれる場所から投影された影という説は知っているかな?
ミノフスキー博士が作り上げたアルファサイコミュは元々M空間とそこにあるM粉本体を知覚するための装置なのだよ。
それを使ったイオマグヌッソは通常空間をM空間へ相転移させて、ミノフスキー粒子本体をこの世に呼ぶことができる装置だ。
前述の空間転移とはこのM空間への相転移のことを指す」
「なるほど。座標を撃ち込んだ場所をM空間に相転移させる…無論通常空間にいた者たちもただでは済まないな」
「ああ。兵器としてのイオマグヌッソは座標にいた敵の軍勢、要塞、施設そのもの含めてM空間へと相転移させる代物だ。
相転移した後には通常空間に存在していたものは消滅し、代わりに今まで観測されたものとは比べ物にならない密度のミノフスキー粒子が目に見えるだろう」
「それが貴様の求めているキラキラ…というものか」
「そう予測しているよ…何よりこの理論を突き詰めていけば並行世界へのジャンプすら可能となる」
「つまりは日本連合の本拠地へも直接攻め入ることが可能になるわけか」
「話が早い。流石大帝陛下であらせられる」
「ふふ…だが天才ギニアスともあろうものが少々迂遠ではないか?」
「…イオマグヌッソ計画はお気に召さなかったので?」
「いいや。それは十分気に入っている。何より貴様のありようを気に入っているからな。
それに今後のことを考えれば自在に空間跳躍を可能とする装置は幾らあってもいい。
しかしだ。日本連合の本拠地に攻め入るならイオマグヌッソの完成を待たなくてもいいと思ってな」
「まさか…」
「気づいたか。そうだ。小笠原沖の10個のゲート群。あれを直接奪ってしまえばいい。
なに。10もあるのだ。他の同盟相手に振り分けてもお釣りがくる」
サイド3制圧後のブライ大帝とギニアスの会話。
元々天才同士どうやら気が合ったらしい。
そして次の百鬼帝国の狙いも判明した。
小笠原沖ゲート群の制圧とそれによる日本連合諸本国への侵攻。
ブライは地底同盟の仲間を引き連れ、並行世界の制圧を目論んでいた。
628:トゥ!ヘァ!:2025/12/25(木) 18:32:42 HOST:FL1-60-236-166-101.kng.mesh.ad.jp
投下終了
前回のア・バオア・クー戦の裏側。サイド3でのお話です。
次は地上で起きていた出来事を書く予定。
最終更新:2026年06月11日 14:32