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686 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2026/01/16(金) 23:01:49 ID:p939189-ipxg03101akita.akita.ocn.ne.jp [139/197]
憂鬱スパロボ

Fルート 未来編


第三研究所にて


アメストリスの中央、セントラルシティの一角にある第三研究所は現在騒動の真っただ中であった。
突如として侵入してきた鎧姿の凶悪殺人犯が研究所職員をなぎ倒しながら地下へと消えていったためだ。
その直後に殺人犯を追ってきたと思われるマスタング大佐が研究所の警備兵達に対応を通達した事で
騒動は敷地内で収まっているが、それは表向きの事であった。

この騒動事態こそ、ヒューズ准将殺害以降独自に犯人を追っていたマスタング大佐の独自行動と作戦の一環であり、
犯人たちをあぶりだす為の罠だったのである。そして、今夜第三研究所の地下にて以前より鋼の錬金術師エルリック兄弟によって
目撃されていたウロボロスの入れ墨の集団、ホムンクルス達との遭遇を経て、事件の実態に近づいたのである。

地下道の一角に存在した、広場において一つの戦いに決着が付こうとしていた。ホムンクルスであるラスト
と焔の錬金術師マスタングによる戦闘は大佐の一方的な炎による焼き尽くしによってラストの再生能力が
尽きかけていたためであった。お互いに最後の一撃を放った瞬間、両者の攻撃は見えない壁によって防がれていたのであった。

「なんだ、これは…」

負傷を焼いて治療し、息も絶え絶えだったとは言えマスタングのそれは必殺の一撃を保っていたと言って
良い威力を有していた。しかし、その壁は炎を通さず、更にはラスト側の強固な爪による物理的な攻撃
さえ防いでいた。見えない筈であるのに明らかに尋常でない強度の壁は確かに存在していたのである。

また、コレをみたラスト側も演技とは思えない程戸惑っており、この壁が彼女やその仲間が仕込んだもの
では無かった事は明らかと言えた。コレが指し示すのは、ホムンクルスでも大佐の一派でもない人間が
介入したという事である。

「双方、そこまで」

いつの間にと言うのが、その場にいた全員の共通した感想であった。巨大な未知の扉を背にした
アルフォンス達と通ってきた地下道を背にしていた大佐。その何方にも気取らせずにラストと大佐の
間に割って入れる位置に、一人の少女が立っていた全く未知の大佐に対して数名は知って居る様であり
その戸惑いが存在を存在の異質さを増していたと言える。

「君は確か…レレイ?」

「久しぶり、図書館ではお世話になった。」

「な、何で此処に?」

「恩を売りに来た。」

「私の攻撃を防いで恩と言う事は、恩の対象はホムンクルス側か?」

「無理はしない方が良い。」

「動くな!」

その言葉に反応した大佐は新しい乱入者相手にゆっくりとライターを向けた。火打石を火種に無理やり
錬成した酸素による火の通り道を構築していた。大佐は息も絶え絶えに成りながらも、その闘志は未だに
衰えていなかった。しかし、その大佐の気迫を何も思って居ないかの様にレレイと呼ばれた少女はラストへ
向けて歩みを進める。

687 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2026/01/16(金) 23:02:23 ID:p939189-ipxg03101akita.akita.ocn.ne.jp [140/197]

「警告はしたぞ。」

その言葉と共に少女の姿は一瞬で火に包まれるが、その後に起きた事には流石の大佐も愕然とするしか無かった。
ホムンクルスですら無事では済まない、炎それを受けて傷一つ付いていないのである。
まるで初めから炎を浴びていなかったかの様に振舞う彼女は、更にラストへと歩みを進める。それに対して
大佐も更に二度三度と炎を錬成し続けるが、その結果はどれも同じであった。ついに大佐の方がケガの
影響もあって力尽きると、慌ててアルフォンスとホークアイ中尉は大佐のへの元へと合流した。

それと同時にラストへ向けて歩みを進めていたレレイもまた、ラストの傍へとたどり着くと数度にわたる
大佐からの攻撃を受けて再生が遅れていたラストもようやく回復するとふらふらと立ち上がりレレイに
向けて手の爪を生成し、刺突した。

だが、伸ばした最強の矛である筈の硬化した彼女の爪は、レレイの産み出した障壁がそうであったように
レレイを穿つことは無く、それ処か逆に爪の方がへし折れてしまい無駄な抵抗に終わったという現実
だけが残された。

「あなた、何で此処に…協定は?見張りに置いていたエンヴィは如何したの!?」

「冷凍しておいた。そろそろ氷も解ける頃だと思う。」

何でも無いかの様にそう返答すると、彼女が何事か呟くと共に瞬く間にラストの折れた爪が再生された。
再生の限界から回復不可能になっていたそれを回復させると、彼女は出口へと向けて手にしていた杖を向けた。

「一先ず撤退して。」

「そう言う訳には行かない、目撃者たちを…」

其処まで言いかけた所で彼女は急な締め付けと浮遊感を感じた。後ろに視線を向けると無機質さ
と不気味さを併せ持った髑髏の様な顔がこっちを向いている。下を見れば数m程足が宙に浮いており
巨大な何かに持ち上げられている事に気が付いたのである。

「先に送って置く。」

レレイはそう言うと共にその怪物の足元に錬成陣の様な陣が生成され、彼女と怪物は光に消えて行った。
その光景に呆気に取られながらも既に弾切れ或いは戦闘不能になっていた大佐たちは立ち尽くしか
なかった。ようやく手に入りそうだった証拠の喪失と言うのは痛い事実であったが、それ以上にレレイ
と言う全くのイレギュラーに対する対応方法が思いつかなかったのが実情である。

大佐の炎も無敵の矛すら意味を持たない存在に対して、現状彼等は対抗策を持たなかったのである。
それでも此方に近づいて来る超常の存在に対して、アルフォンスも思わず身構えたが彼女はラストに
そうした様に何事かを呟いた、アルフォンスに聞きなれない何らかの呪文はアルフォンス達の下に
魔法陣を展開。一瞬の輝きに思わず視界を逸らすが光が収まった後に周辺を見回しても何も起こってはいなかった。

「体力を少し補った。そちらへの補填。」

それだけを喋ると彼女は今度こそ、地下道へと消えて行った。後には疑問だけが増えた彼女達が残され、
後に救助を受けている。一方で、広前前の通路から様子を伺っていた大総統、キングブラッドレイは
彼女が通路に出てきたタイミングを見計らって声を掛ける。

「仲間の救助、礼を言う。」

「良い。コレで私への襲撃の件も含めて貸し」

「今度は何が欲しいと言うのかね?」

話している様はまるで孫と祖父の様であるが、実の所大総統も剣に手を掛けいつでも抜ける様に緊張感を
維持しながら話してる。相手の気分一つで首が飛ぶというのは大総統としてのレールに乗って以降は先ず
無かった事であり、流石の大総統も緊張を隠せない様子である。

「テーブルシティにある、ミロスの遺跡。アレが見たい。」

「…解った。許可証と見る為の身分証も発行しよう。」

比較的容易い要求に大総統は若干ホッとしながらも彼女要求は大総統直々の命令によって承認され、
後に彼女は自身の連れた人員と共にミロス調査に赴く事に成るが、現地の指揮官の専横によって彼女への
貸しが寧ろ増大するという事態に陥るのは少し先の話である。

688 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2026/01/16(金) 23:03:03 ID:p939189-ipxg03101akita.akita.ocn.ne.jp [141/197]
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最終更新:2026年06月23日 17:31