- 598:635:2026/01/24(土) 15:31:29 HOST:119-171-248-180.rev.home.ne.jp
- 大陸日蘭世界支援ネタ Fete des Nations、目に見えぬ贈り物
FFRエスト・シナの中心都市であるエスト・デ・パリ、その都市に因む祝祭・祝日がFFRには存在する。
日本語で通称万国祭(Fete des Nations)、正式には諸国民の旗(若しくは万国旗)の日(Journee de la Banniere de toutes les nations)はエスト・デ・パリが奪還された日。
自由と人間の尊厳を取り戻したエスト・デ・パリの空に三色旗だけでなく旭日旗や星条旗、ユニオンジャック、万国の…諸国民の旗の翻った諸国民の団結と人間の勝利を記念する日である。
この日は大規模な祝祭がエスト・デ・パリ始めFFR各地で開催される。
エスト・デ・パリの解放を記念した祭りとしてのは発生は早く戦後数年は原型となる祝の席がエスト・デ・パリ市内で開催されるようになったのが記録として残り、
戦後暫く経つと田舎娘や我らが指揮官が一矢報いたあの海戦以外でフランスが明確に勝利したと言える戦いは少ないので政府が関わった結果、FFR挙げてのお祭りとなっていた。
初期にはエスト・シナ解放の日や対シナ戦勝記念日などの名前の意見もあったがそれは鉄人と呼ばれた男により阻止された。
エスト・デ・パリ解放自体がフランス独力によるものではないのもそうだが小賢しいrosbifがそれを揚げ足取りに使うのは明白であり、
FFRの足を引っ張る為に声高にFFRを傲慢だと叫ぶだろう。
故に対立していた四ヵ国と日蘭の連合、諸国民の団結の象徴とすることでそれを避ける狙いがある他、
敵対しようとも諸国民は団結出来るとFFR国民に信じさせる狙いもあった。
対BC対CIS強硬路線を維持しようとも対OCU戦争を想定しようとも総力戦を前提としようとも、
最後の一線は、どうしようもなくとも人間は分かり合えるという幻想は維持しなければならない、特に対OCUにおいては。
人間対人間を捨てた結果、我々より人間扱いされなくなった結果が現在の支那中央地域。
FFRと名を変えたフランスをその様な堕ちた存在にせず人間の国家として守り未来に残すのは鉄人の責任でもあった。
其の為に共和制、将軍らに果てはフランスを守るために戦った何の罪もない田舎娘の尊厳…その多くを見殺しにし葬り去り辱めたのだから…。
祝日当日のエスト・デ・パリ解放当日から前後一週間に渡るエスト・デ・パリの万国祭では音楽や劇に同人即売会など実にFFRらしい文化的な祭りだけでなく、
奉納目的とした戦車競技やら街中での射撃大会やら子供による行進奉納やら軍事宗教国家FFRらしい祭りも開催される。
それだけでなく軍や学校、病院などの災害戦時倉庫が解放されワイン樽や軍用糧食、保存食が民衆に大きく振る舞われこれを 目当てにした観光客らもFFR国内から押し寄せる他、
一部な物好きな外国人もFFRの美食糧食目当てに訪れていたりする。
これはついでに期限の迫った弾薬や軍用品の消費も兼ねて行われる。
そしてこの万国祭にこういったイベントが行われるようになったのは最近(ニ十数年)のことだ。
暗黒の三十年を抜け日蘭からは新ペルエポックと呼ばれる高度経済成長経て他の国家連合にも単独で比類する国家となってから。
即ち我らが指揮官や女神である船という概念が浸透した層が一線を張るようになってから。
エスト・デ・パリ解放の祝祭を女神に奉ずるのだ。
そしてこの祭り最大のイベントは初期より行われているエスト・デ・パリ解放日に行われる演習、そう演習である。
それも軍がエスト・デ・パリの一区画のさらに一部封鎖してというちゃちなものでない。
街区一つ封鎖しての歩兵・機甲部隊都市戦から地下鉄一路線使った浸透演習に防衛演習…それも小規模ながらOCUやCIS、宿敵BCまで外勢力まで招いて行われる演習。
それもこれも諸国民が一致団結し人間の尊厳を守り自由を解放した日故にその団結を再確認するという御題目の下で行われる。
無論、各国とも最新最精鋭を送り込むことなぞしないがそれでも現場の人間が、
諸国民である多数の国の軍人が、
国家、連合という垣根を超えて一致団結するということに意義と意味がある。
- 599:635:2026/01/24(土) 15:32:40 HOST:119-171-248-180.rev.home.ne.jp
- それは例えばとある国の民間飛行機が支那中央地域に墜落した時に、国境を超えた大災害が起きた時にその力を発揮、
- 国家・連合の垣根を超えた団結の効果は計り知れず多数の命を救ってきた。
そしてそれはFFRの抱える大きな資産ともなっていた。
国際救助隊と呼ばれる国際合同災害救助部隊でのFFR製兵器の活躍に加え、
海のセントバーナード、或いは擬人化され海の聖女とも呼ばれるイル・ド・フランスによる献身的なまでの人命救助や災害派遣での活躍。
そして各国の協調を確かめ合う演習を主催するFFRの国威への影響は計り知れない。
そしてそれは賛同を得ていた。不倶戴天である筈の者らからも。
鉄と血を以て希望を星を抱く国に取り戻した自由と労働の国の聖人と至る予定のもう一人の鉄人、
鉄と血を以て壊れかけた国家連合を立て直し守り抜いた鉄と冬の女王、
そして鉄と血を以て長年に渡り自由を信仰…そして人間性を守り続けた先達たる極東と欧州の皇帝ら。
それはもしもの未来への投資、鉄血の指導者達が残した目に見えぬ遺産。
人間の国家の危機…そして、世界の終わりにそれは目を覚ますだろう。
来るはずのない、来てはならない未来の為に永久に貯め続ける貯金箱、その中身は。
支那封鎖地域
双眼鏡を持った女が戦車のハッチからを顔を覗かせ必死に何かを探している。
その時、車内から焦った声が響く。
「マリー様!入電です!偵察機が墜落した機体を発見しました。
機体は大破、周囲にはセクト共の姿があると!」
「ッ!急いで向かうわ!私の名前を出していいわ、緊急時故に機密もヘッタクレもないわ!全周波数で各国部隊に支給電を!!」
「はい!」
焼け焦げた匂いが周囲に充満する。
真っ二つになった赤い太陽の意匠の機体を背に赤く染まったスーツを着た男がもたれ掛かっている。
もう余命幾ばくもない男のもう殆ど聞こえない耳に散乱する金属や樹脂部品のその場を規則正しくザクザクと歩く音が聞こえる。
ああ、軍人の足音だ。男は安堵した。
「どこの国か…ケホ…知らないが支那植民地の軍人さんだろ…?」
「……!」「……!?」
「ワリィ…暴行受けたから聞こえないし見えねえんだわ…。」
青痣に四肢の一部がない男は血を吐きながら言葉を吐く。
男の側に近寄りその人物らは男に言葉を掛けて揺する様子だが機能を失いつつある男の目には映らず耳にも雑音としてしか入ってこない。
「おれ…ケッホ…中央地域に墜落した機体の乗客だ…。
もう行ったみたいだがあいつらが来て荷物奪うついでに大勢殺された…。」
「……!」「……!?」 「……!!!」
男は自分の知る限りの情報を伝えるがその口より増える吐く血の量と流れる血の量…それが消えゆく男の命を物語る。
「ケッホ…ゴッホ!うぇゴッホ…最期に頼みがある…俺の後ろに生き残った子供を何とか隠した…頼む…保護してやってくれ…。」
「……!」「……!?」 「……!!!」
「それから胸のポケットに俺の軍人時代の認識票があるから俺の代わりに子供達と一緒に持っていってくれ…。」
男は段々と小さくなる心臓の音を感じ己の最期を認識した。
「おじちゃん…。」
最期、辛うじて助けた子供の声が聞こえた。
「ハハ…子供ら以外誰も助けられなかった…情けない…腐っても元軍人だってのに…。
地獄行きだな…これじゃあ少佐殿や戦友の居る…靖国には行けねえ…や…。」
事切れる男。
ギリッ…
誰かが食い縛る音がした。
- 600:635:2026/01/24(土) 15:33:49 HOST:119-171-248-180.rev.home.ne.jp
- 「総員…黙祷…ッ!」
FFR戦車兵の軍装の女は血を吐き出すようにその言葉を紡ぐ。
ザッ、文字にすればその様な音と共に事切れた男にその場の者らは敬礼をする。
その場に存在するフランス連邦共和国、イギリス連邦条約機構、独立国家共同体
軍人ら全てが。
元であるが己の軍務に忠実だった男。
民間人を守る、軍人であれば当然のこと、
それをなした、それも絶望的な状況で幼き命を守りぬいたこの男はまごうことなき英雄、尊敬に値する 人間性の塊。
FFR戦車兵の軍人の女は奥歯を砕かん限りに噛み締め己の力の無さに情けなさを感じる。
もう少し自分らが早ければ、もっと早く発見出来ていれば男始めもっと多くの命を拾い上げれたのではないかと。
CISの軍人は腕を十字に切る
「貴方の行いは尊き労働であり善き行いでありました。
主は貴方を地獄に落としたりなど…見捨てたりなどしません。」
BCの軍人は祈るように両手を握りしめる。
「伝説曰く、楽園の門が開かれるのは原罪でも犯した罪でもなく、
何を成すのか成したのか、心の向き、生命が生命として在るための理論。生存、繁栄の原理。
ならば貴方にも門は開かれるでしょう…。」
女は…FFRの戦車兵は事切れた男の胸のポケットより遺言である認識票を取り出すとその認識票が砕けんばかりに握りしめその激情を胸に押し込める。
「安心なさい貴方の…いえ貴方達の身体は必ず祖国の土を踏ませる。
そして貴方の転属を冥府の女神(オセアン)に願い出るわ…。
”若者を頼む”…提督や元帥と同じことを願い守り抜いた勇者を私は!FFRは!
セクト共のいる地獄に行かせたりなんてしない…!」
呟く女の言葉に他の勢力の者達もその言葉に頷く。
人間足り得た…否、人間として尊敬すべき人間性を持つ者が地獄に送り出される様をそのままにするものなどこの場この世界にそんな人間にはいない。
『マリー様!セクト再度接近中です!早く車内にお戻りください!』
戦車兵の戦友が風雲急を告げる、好まれざる客の来訪。
その言葉に男から託された幼子が女の脚に縋り付き言う、怖いと…セクトが怖いと。
それだけ…その言葉で女は嗤う、それだけではない。
CISのBCのFFRの戦車兵の歩兵の航空機のパイロットの、幼子達の言葉を聞いていた全ての兵らが嗤う。
獣が牙を剥くように。
怖い、幼子のその一言で男は女は紳士淑女は姿を変える。
子を親を家族を持つ善良な彼ら彼女ら、兵を人間から兵という暴力装置へと変える。
誰にも言われるでもなく誰に縛れることなく、
牙を持たぬ者達の嘆きが兵を獣…戦争という最低を遂行する存在へと変える理由はいつの時代も変わらぬ。
この場の想いはただ一つ、この場の他勢力兵も同じと彼ら彼女らは想っている。
人間(自分達)の家族である幼い命を守る唯それだけの為、それは人間のいや獣の本能。
「総員戦闘準備、目標セクト! セクト共、私達を…"人間"をなめるな!!」
女の激情と共に紡がれた言霊、上官でもない存在の言葉に全ての兵が戦列を組み銃を構え砲を向けFCSの照準を合わせる。
敵同士の筈の仮想敵国同士の筈の兵達が部隊という有機的な存在と化す。
それは成すは目に見えなくともこの世界に確かに存在する人間達の努力の積み重ね、
過去の指導者達からの贈り物、その名は ”信頼” 。
隣人への他国への人類という存在そのものへの信頼。
その日、中華封鎖地域にて複数の勢力が消え去った…。
- 601:635:2026/01/24(土) 15:36:33 HOST:119-171-248-180.rev.home.ne.jp
- 以上になります転載はご自由にどうぞ。
隣人国家他国そして人間そのものへの信頼が低い昨今。
敵国ですら信頼出来る世界になって欲しいもの(´・ω・`)。
そんな感じで書いた作品でした(´・ω・`)。
まあ、日蘭以外では茨の道どころか核地雷源突破レベルな気もしますが(´・ω・`)。
最終更新:2026年06月24日 23:37