609 :New ◆QTlJyklQpI:2012/04/17(火) 02:06:38
気晴らしに転移の犠牲と代償と大日本列島byデンさま(25倍日本)に出てきた狼のネタを投下します。

610 :New ◆QTlJyklQpI:2012/04/17(火) 02:08:32
ネタSS ~狼たちの会合~

満月の夜、とある森の奥深くにあちこちから狼一族の代表者らが集まっていた。
北の銀色の毛を持つ者から南のわざわざ海を渡って来た黒い毛の者、実に多種多様だった。
そして皆が皆、人の背丈を超える大きさを有していた。最初は思い思いに会話していた彼らだったが
とある老いた狼が現れると一斉に遠吠えを上げ始めた。

その狼は他の狼と比べても一回り大きく、老いてるとはいえその存在感が如何に大物かを表していた。
この森の住民であり、すべての狼一族の会合の主役と言える彼は「長」と呼ばれていた。

「それで、今度は何が起きたのだ?」
「長よ、この島の真ん中辺りに突然変な奴らが出て来た」
「変な奴ら?真ん中と言えば確か何もない平野だったろう」
「それが突然、これは私の孫娘が見たのだが、地面が盛り上がった場所が出来ていたらしい」
「変な奴らはそこからか?」
「ああ、猿に似てるが毛が頭部くらいしかない。緑色の何かで体を覆っていたな」
「縄張りを荒らすのか?」
「いや、草を取ったり小さい獣を生け捕りしてるだけだ。だが枝を集めて火を生みだした」
「火だと?」

場の狼らがざわめき始める。彼らにとって火とは森を燃やしつくす嫌な存在なのだ。
そして火は山が噴火した時か雷が落ちた時にしか見た事がない。
火を生み出す生き物なんて知らない。

「森を燃やすつもりか!?」
「いや、見ていたらそのつもりではないようだ。どうやらあいつらは食い物を焼いて食うらしい。
それにある程度燃やしたら大きくしないし、火を消している」
「つまり・・・・火を扱えるのか」

長としても精霊の中である程度扱える存在がいることは知ってたがそれは既に生まれた火を操る類。
自ら火を生み、扱い、消せる存在など知らなかった。

「それにこちらを警戒はしていても害意は感じなかったし、こんな食い物を差し出してきた」

咥えて出されたのは皿と供え物として出された饅頭だった。

「この下にある物は何だ?」
「あいつらはこれで食い物を受けて食ってたな。1つ味見したが果実よりも甘い」

そこら辺で涎を垂らし始めた若い狼を睨む長に更に供物が差し出された。

「何だこれは?」
「分かりません。ですが葉っぱみたいな物に模様が描いてるんですが・・・・」
「あいつらの姿が書いてあるが・・・耳と尻尾が我々と同じなのは何故だ」

供物=犬耳系同人誌を見て長は頭を捻りながらも決断を下した。

「あいつらが縄張りを荒らさなければそれで良しとしよう。しかし、当分は油断せずそいつらを見張ること。
後、この姿と同じ奴がいないか確認し、この葉っぱみたいなのと同じような物があれば持ってくる事。いいな?」
「「「はっ」」」

こうして大日本帝国と狼一族の関係は始まる。

余談

「ところで長、それ食っていいですか?」

涎をダラダラ垂らしながら饅頭を凝視する若い面々。

「数は3つだ。強い奴を3匹選んで食え」

壮絶な奪い合いの後饅頭を食べた3匹は再び食えないかと日本人の監視任務に積極的に乗り出すことになる。

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最終更新:2012年04月27日 01:12