468:ナイ神父Mk-2:2026/01/26(月) 22:55:00 HOST:p939189-ipxg03101akita.akita.ocn.ne.jp
憂鬱スパロボ
Fルート 未来編
大戦の開始と第二の革命
この世界に於ける大戦の始まりは一説には1894年末から始まったと言われている。度重なるテロを始め
とした王政における不安はカルトの興隆や反政府思想の流布によって活発化、これに対して王国は
各地の植民地から抽出した兵士達で戦力を補填していたが、今回においてはそれが悪手となった。
既に反政府思考は各地の植民地にもすでに浸透しており、植民地政府においても不満の蓄積は続いていた。
そうした不満が一気に爆発したのが12月24日に起こされた、第二次アルビオン革命である。
アルビオン赤軍及び、一部の植民地兵たちが軍内部から呼応したそれは王国側のロンドンを混乱に陥れた。
特に王国軍が痛かったのは放棄したのがデモ隊用に配備されていた、スチーブンソン式戦車と兵員や車輛展開用の小型飛行艇を奪取された事にあった。対地兵装をそれなりに積んだ小型艇と低速ながら大口径の榴弾砲を搭載したこの車両により、後方支援によってアルビオン同士を隔てる壁が開かれ、そこから共和国軍が流れ込んだのである。
そこからは凄惨な市街戦が開始された。元々クーデターによって厳戒態勢となっていた状況から侵入してきた共和国軍に対して王国軍は混乱しながらも各所で体制を立て直しつつ、行動を開始したのである。
そうした混乱しながらも事態に対処しようと、残存部隊が集結を始めたのが頑強な拠点でもあるロンドン塔であった。
近傍のタワーブリッジは王国派兵士達によって封鎖され、土嚢や近くから持ち出された家具類等で壁が築かれている。そこに負傷兵を引き連れた中隊規模兵士達が到着した、中隊とは言え既に多くが負傷兵や重傷者であり、歩兵が手を貸して連れて来た負傷者以外にも兵士達がいるさまだ。一部の兵士達は直ぐに手を貸そうと持ち場を離れようとしたが、橋を警備していた隊長はそれを制して声を上げる。
「ロンドン・スコットランドの第二大隊、オニール少尉だ!貴官等の隊長は居るか!?」
「サウス・サリーの第一大隊フィンリー大尉だ!壁から此処迄来るのに負傷者を多数拾っている!
至急、中に入れて欲しい!」
「防衛は如何した!?ロンドンの壁は対共和国の…」
「壁は既に突破された!既に共和国兵はクーデター軍と合流!連隊の本隊を後退しつつ、防衛線を
維持しているが、敵の装甲戦力の前に突破を許している!」
その言葉は現在の王国の防衛体制においては、あまりに良くない知らせであったと言える。
市街地での戦闘は既に乱戦の域になっており、明確な指揮系統も構築が出来ないままに王国側は漸く指揮系統を立て直しつつあるが、それでも完全とは言えない状況であったためである。
「大尉殿、それが本当なら緊急の情報です。司令部に…」
「隊長、アレを!」
更に詳しい情報をフィンリー大尉から詳しい話を聞こうとした少尉であったが、言葉を発しようとしたと同時に耳慣れない音がしている事に気が付いた。鳥の群れが羽ばたく音を大げさにしたような音が突然聞こえたかと思うと徐々にその音が近づいて来る。音の原因を探そうと周辺を見回していたところで突然、部下の一人が上空を指さした。
そこに見えたのは、最初戦闘の影響で飛び立った鳥かと思えた。しかし、倫敦周辺の鳥で離れた距離からここまで羽音をさせる鳥を少尉も聞いたことは無く、目を凝らすとそれが羽ばたきながら飛ぶ機械の群れであったことに気が付いたのである。だが、気が付いた頃には手遅れであった。羽ばたきながら飛ぶ機体、アメストリスが少数ながらソ連より購入していた振翼機による、機銃掃射がタワーブリッジ全体を襲ったのである。
469:ナイ神父Mk-2:2026/01/26(月) 22:55:39 HOST:p939189-ipxg03101akita.akita.ocn.ne.jp
慌てて橋の上に居た避難部隊を逃がそうとした少尉であったが、一歩遅く中隊は後ろの列から斉射された機関銃の土煙に紛れ、少尉が率いていた封鎖陣地にも機銃弾が殺到した。慌てて物陰へと退避した少尉は難を逃れたものの、土煙が収まった後の橋の上は地獄であった。機関銃による嵐は無防備な車輛や歩兵の多くを死に至らしめただけでなく、原形を留めない程にバラバラになった兵士もいたのである。
「フィンリー大尉!?誰か生存者はいないのか!」
即座に大尉や小隊無事な兵士を呼ぼうとした少尉であったが、多くは負傷した兵士達のうめき声や悲鳴にかき消されてしまい、ロンドン塔側から増員が送られて来るまで橋の上では地獄が続いていた。一方で侵攻を行っているアメストリス軍及びアルビオン共和国軍も攻勢は順調であるも不安の残る戦局となっていた。
「第2大隊より報告、ウェストミンスター宮殿の確保に苦戦中。どうやら敵連隊の一部が籠城している様子です。」
「バッキンガム周辺の高架道路の一部が爆破されました。直通は無理です。」
「クーデターを起こした連隊との合流が完了しました。共和国の指揮に従うとのことです!」
「やはり、建造物に立て籠られたのは厄介だな。」
「スコットランドヤードは制圧しましたが、警官隊の抵抗によって少数ながら被害が出ています」
派遣軍の司令であるスティンソン少将は確保したロンドンの壁の兵舎を含めた制圧下の建物に拠点を構築して侵攻の指揮を取っていたが、各所からは建物へと閉じこもった兵士による抵抗が続いており制圧に苦慮している報告がなされていた。そんな中、破壊工作に回っていた錬金術師を擁する部隊からの通信が入る。
「グラン准将より報告!ロイチェスターに待機していた航空艦隊を撃沈させることに成功!」
「やったのか!?」
「しかし、奪った小型の航空艇での移動中、未知の陸戦隊を視認!」
グラン准将からの報告は師団司令部を一気に湧かせることになったが、同時に不穏な情報も齎されていた。准将をして未知と言う事は単純な言葉で形容しずらい敵と言う事になる。苦戦する中で未知の敵の参戦はこの作戦においては大きな不安要素と言えたのである。
「目撃は何処だ!」
「テムズ川を上陸艇にて遡上中とのこと!」
「中隊を回せ!敵を上陸させるなよ!」
スティンソン少将により指示にて指令室内があわただしく、各地の部隊へと伝令や通信が飛ばし始めた。そして、この未知の敵と接敵したのは河川からの荷上場を制圧した暴徒達であった。元々、様々な不満から蜂起した彼等であったが、その中の一人がテムズ川を遡上してくる何かを見つけた。
「おい、ありゃ何だ!」
「鎧の兵隊?ふざけやがって、誰かライフルを…」
その言葉を最後に、反撃しようとした暴徒は先んじて敵の放った擲弾によって吹き飛ばされた。
武装しているとはいえ、単なる市民でしかない彼等は次々と放たれる擲弾によって散り散りに逃げざるを得なくなった。そして、無人となった上陸地点を確保すると、降りて来たのは背中に蒸気エンジンを背負った鎧の兵士達だった。
続々と揚陸艇から降りた彼等は周辺を確保すると共に兵力の上陸地点を確保した地点から、制圧を
開始した。後続の上陸の中隊も続々と降りてきており、その中には歩兵隊を支援する為と思われる
多脚戦車の存在も確認された。
本来アーカム公での兵力であった彼等の介入はロンドンにおける戦争を寄り混沌へと導く役割となり戦火を拡大させていく。後に世界大戦と呼ばれる事になる戦いの最初の一幕の一部であった。
470:ナイ神父Mk-2:2026/01/26(月) 22:56:11 HOST:p939189-ipxg03101akita.akita.ocn.ne.jp
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最終更新:2026年07月08日 17:58