620 :New ◆QTlJyklQpI:2012/04/18(水) 02:01:30
蒼海ネタSS ~巨大戦艦、現る~

その日、津州皇国の住民らは与越香(よこすか)港に現れた存在に驚愕の表情を浮かべていた。

「でけえ・・・」
「鉄の島が動いちょるぞ」
「日本の戦艦はとんでもなくでかいな」

野次馬は言うには及ばず、皇国にいる列強の駐在武官や当の皇国水軍の水兵に至るまで如何に大日本帝国が
恐るべき存在かを改めて確認した。

「これが戦艦”大和”か・・・・・」
「すごか・・・・・」
「こんなのを作れるのか・・・・人が」

三笠真清、初瀬忠信、八島文行と言った水志寮から式典に参加した面々も軍楽隊が大和のテーマ曲を奏でる中
唖然とした表情をしていた。普段なら叱られるか、鉄拳が飛んでくるものだが教官らも目が釘付けになっており
難を逃れていた。

戦艦大和

それは日本が「最後の戦艦」にふさわしい艦として国家の威信を掛けて開発した新鋭艦である。
そして近年、列強からの圧力を受けている津州皇国が日本など向こうの世界の列強の資本を受け入れ
本格的な交易開始を記念した訪問をすることになった。
各国は噂の新型戦艦ということで皇国に多数の諜報員を紛れ込ませていたがそんな事は無用とばかりの
巨大さに配布された大まかなスペック表を本国に送っても「虚偽ではないか?」と何度も確認をとったほどだった。

そして、未だ戦艦が戦略兵器扱いになっている蒼海世界の列強海軍は日本、皇国への侵攻計画などを断念
せざる得ない状況に陥っていた。

後に列強の上層部が皇国や日本への対抗を考えるたびに「向こうには大和があります」と海軍関係者は
再考を促すことになる。

”大和ショック”

それは日本とのパワーゲームを蒼海世界が諦める終わりになると同時に、各国の造船技術者らが大和に対抗するための
艦艇開発に命を掛けた物語を紡ぐことになる始まりであった。

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最終更新:2012年04月26日 17:33