129 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2026/03/27(金) 18:41:59 ID:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp [39/282]
ああ、我ら日本連合 クロス版 その27
「謎の機体が急速接近!は、早いぞ!」
「早すぎる…通常の三倍だ!!」
「赤いMSに通常の三倍の速度…まさか!」
「ドーモ。オーガスレイヤーです。貴様らは一匹残らず殺す」
「あ、アイエエエエ!!オーガスレイヤー=サン!?オーガスレイヤーなんで!!」
「こんなのブリーフィングで聞いてないよぉ…」
おお!ゴウランガ!殺戮者のエントリーだ!
そのレッドカラーとガンダムヘッドに刻まれし鬼 殺の文字は紛れもなくシャア・アズナブル(キャスバル)搭乗機の証!!
今日もL1宙域から地球衛星軌道を警備する百鬼帝国の航路警邏隊を襲い、すべからず皆殺しにしていく姿は間違いなくオーガスレイヤーのそれである。
「ドーモ!オーガスレイヤー=サン!紫電鬼=デス!貴様の目的はなんだ!!」
「百鬼の鬼を殺す。無論貴様も殺す!全て殺す!」
「なんたる狂人の戯言を!」
「果たして戯言か…その身で味わうが良い!イヤー!!」
「グワー!!」
「イヤー!」
「グワー!!」
「イヤァアアア!!」
「グワァアアアア!!!」
何たる技の冴えか。シャア専用ガンダムは己が展開したビットを足場に次々と加速。
紫電鬼と彼のメカ紫電鬼ですら追いつけない領域にまで至った。
そして赤い旋風のただ中に置かれたメカ紫電鬼は成すすべなく全身をビームサーベルで切り裂かれ爆散。
それは余りにも一方的な戦いであった。
曲がりなりにも百鬼の幹部である百鬼衆の一人であった紫電鬼ですら何もできず討ち取られたという事実は今のシャアの執念の強さと腕前を物語っていた。
「大佐はあの時…ララァ少尉を失ってから変わってしまった…
元々切れるお方ではあったが、どこか詰めが甘く、その場その場で突然オリチャー走り出してはララァ少尉に邪魔です!とされる人だったのに…」
「今の姿はまるで血に飢えた復讐者…百鬼の鬼と今の大佐。一体どちらが鬼なのか分からないほどだ…」
「もう我々の声では大佐は止められない…誰か…誰か大佐を止められる人はいないものか」
こう語るのは現在シャアの副官を担当しているシャリア・ブル大尉。
彼はどこかで今のシャアのままではいけないと思いながらも彼を止める手立てを思いつかないでいた。
現在のアズナブル隊はシャアを隊長に据え、シャリア大尉、ロベルト、アポリーの三人とドレンが指揮するペガサス級ソドンにて構成。
彼等はL1宙域と衛星軌道の間で百鬼の補給部隊や警邏部隊狩りを行っており、戦場では赤い鬼狩りの噂が出るほどの戦果を挙げている。
なおNT部隊時代のマリオンやクスコと言った他の部下たちは現在別部隊へ編成されシャアの部隊から離れ、ラルさんは地上部隊の再編のために地球送りとなっていた。
130 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2026/03/27(金) 18:42:51 ID:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp [40/282]
「軟弱者!」
「ひでぶ!?」
「自分の勝手な憂さ晴らしに部下を引きずり回して!それでもダイクンの長子ですか!!」
「あべし!!」
「情けない!そんな兄粛清してやる!!」
「ま、待てアルテイシア!話せばわかる!」
「問答無用!」
「が、がぁああああ!!」
「セイラさん!それ以上はいけない!!」
「大佐を止めてくれる人…いたわ」
「ああ。これ以上は大佐の関節が持たない…」
欧州への降下作戦に向けて合流したシャアの部隊とホワイトベース隊。
そこで妹と再会した兄(シャア)を待っていたのは情け容赦ない制裁であった。
あの良くしてくれていたアズナブルさん一家が不慮の事故で全滅した後に丁度いいからと勝手に名前を借りた!?
そのせいで実は生きていたシャア(本物)さんが復讐鬼になって百鬼で幹部している!?
おまけにシャア(本物)さんのせいで彼女さんを敵地に置いてきてしまい消息不明。その腹いせに暴れて、結果部下たちを困らせている!?
オーノー。これは駄目です。スリーアウト。
妹(セイラ)さんは容赦なく肉体言語で兄に反省を促した。
「認めたくないものだな…若さゆえの過ちというものは…」
「そんな全身ズタボロの状態でカッコつけてもダサいだけですよ」
「でもまぁ何時もの大佐が帰ってきたみたいで私たちは嬉しいですよ」
「まて…つまり私は日常的にダサいと思われていたということか!?」
「まあその服装と仮面は一般的にはダサいと思われるファッションかと」
セイラさんの折檻で正気を取り戻したシャアと部下たちの会話。
この若く有能な赤い上司は少し抜けていてダサいくらいが丁度いいと部下たちに思われていた。
「君がアムロ・レイ少尉だね。あのガンダムのパイロット」
「そういうあなたはシャア・アズナブル。赤い彗星ですね」
「今やその名も地に落ちたがね…」
「でも…前より強くなっていると思いますよ。私見ですけど」
「あのガンダムのパイロットにそう言ってもらえるとは。お世辞だとしても嬉しいよ」
「あなたの任務記録を見ました。お世辞でも何でもなく前に戦った時より強くなっていると思います」
「はは…もしそうならその強さは大切な人を守れなかったせいで得た強さだ…意味はない」
「大切な人…エルメスに乗っていた人ですよね。勘ですけど多分大丈夫だと思いますよ」
「…それはNT的な超感覚かい?」
「NT的感覚というのはよくわかりませんけど、何となくってやつです。それに戦場で感じただけですが、そんな弱い人じゃないと思います」
「そうか…いや、そうだな。彼女は私よりずっと強かった…ありがとう。少し前を見る気になったよ」
「礼なんていいですよ。ライバルが落ち込んだままじゃ張り合いがないですから」
「ライバルか…なら君のことを今後アムロと呼んでいいだろうか?」
「なら僕もあなたのことをシャアって呼び捨てしますよ」
「構わないよ。敬語も使わなくていい。ああ…友を作るとはこういうことだったな。久しく忘れていた」
「シャアは強敵と書いて友と読むタイプの人間だったんだな」
赤い彗星と白い悪魔。この世界では原作よりも早くに二人の道が交わることとなる。
妹に折檻され、新たな友も得たシャアの精神は以降目に見えて安定していった。
131 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2026/03/27(金) 18:43:43 ID:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp [41/282]
「これがEXAM…もう一人の私…」
(ユウにこと取らないでよ)
(マリオン。元気そうでよかった)
(一人じゃないよ。四人いるよ)
(ちくわ大明神)
「ちくわ大明神…ちくわ大明神?」
連邦のブルーデスティニー四号機に搭載されたEXAM達と交流するマリオン・ウェルチ少尉。
上から順にマリオン、一号EXAM、イフリート改のEXAM、二号EXAM、三号EXAMとなる。
ユウに懐いている一号、ニムバスとの会話から意識の戻らないマリオンを知っていたイフ号、ツッコミ役の二号、マイペースな三号である。
度重なる戦闘による経験蓄積、日本連合から提供された量子コンピューターによる演算力、新型AIの搭載、複数のNTや超能力者からの影響、ネットとのフリーな接続などによって原作よりもシステム性能の幅が広がったからか現在全てのEXAMが自我と呼べるものを獲得している。
現在は一号から三号、イフ号までのEXAMは全てブルーデスティニー四号機に搭載され、かの機体制御補助から敵意の感知まで幅広く活用されている。
「!!!」
「へぇ。尊敬できる親父さんなんだね」
「? !!?」
「僕は…コロニー落しの余波で両親がね…」
「!! (´・ω・`)」
「いいよ。気にしていない」
「コール!なにしてんだ?」
「イワン中尉。この子と話していたんだ」
「この子?ゼファーとか。こいつが何言っているかわかるのか?」
「何となく…」
「はぇ。そうか。俺はイワン・イワノフ!こいつのまあ保護者みたいなもんだ!よろしくなゼファー!」
「! !!!」
「中尉は僕がゼファーと話していたのを信じるの?」
「別に可笑しな話じゃないだろ。今じゃ対話型のAIがMSに標準搭載される時代だ。ならゼファーだってお喋りできるさ」
無人機ゼファーガンダムとNTの少年兵コール・ウラ少尉(復讐のレクイエムにてガンダムEXのパイロットを務めた子供)の交流。
心を持つ無人機ゼファーとひょんなことから兵士をやることになった少年。そしてアホだが面倒見の良いイワノフの三名は現在同じ部隊の同僚として地球衛星軌道上で戦いの日々を送っていた。
「それで。ここの環境には慣れたか?」
「ええ。良い環境だわ。フラナガン時代よりもずっと。ただ…」
「ふーん。筋肉が足りてませんね。もっと肉を食べましょう!それが難しいなら大豆がおすすめですよ!!」
「気分が優れない?なら一緒に筋トレしましょう!身体を動かせば嫌な気持ちも吹き飛ぶ!」
「筋肉がつけば必然カロリー消費量も増える!これ即ち美容にもなるので!レッツ筋トレ!」
「ああ、でも無理してまで筋トレしなくてもいいですぞ!休息することこそ筋肉を育てるために最も必要なことなのです」
「ただステロイドは駄目ですぞ。単純に身体に悪い」
「彼らはいったい…」
「ああ…ムラサメ研の研究者たちだ。連邦のNT研究所の一つだよ」
「連邦のNT研究って変わっているのね」
ゼロ・ムラサメとレイラ・レモンドの会話。
ア・バオア・クーの際にゼロの所属する第13独立機動部隊に保護されたレイラたちは現在サイド7にて連邦、正統ジオン、日本連合が共同で設立したNT用保護施設にて毒抜きを行っている。
ここは臨時に設立された施設であるが三カ国のNTノウハウの粋が集められており、主に強化人間への強化措置の毒抜きや改善、またリハビリ、読心技術の修練などを行う総合施設である。
無論集められたスタッフもジオン本国から逃げ出せたフラナガン機関の人員、連邦のムラサメ研やオーガスタ研の面子、日本連合から派遣されてきたNT、超能力、脳量子派研究者などが集まっており、日々無理な強化が為された子供たちのケアに奔走していた。
クローン人間であるノーマ・レギオとディー・トリエル、ジオンの初期強化人間であるレイラ・レモンド、フラナガン機関で試験されていた面々などが対象。
単なる身体的な治療のみならず、感受性の高いNT向けのメンタルケアなども行われており、一年戦争の厳しい戦果を生き延びたNT、強化人間たちのリハビリが進められている。
中には少々暑苦しい人もいるが、まぁ彼らも善意の人間ではある。
132 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2026/03/27(金) 18:44:27 ID:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp [42/282]
「中々の数の部隊が集まってきているな」
「はい。我が方の第13独立機動艦隊のみならずジオンの海兵隊、赤い彗星中隊、キマイラ隊、ドズル閣下の親衛隊などが作戦に参加予定とのことです」
「JAF(日本連合軍)からも連絡があったよ。RDAT、沖田戦隊、轟天艦隊も此度の作戦に参加するらしい」
「有名どころですなぁ。あとは確かMU軍名目でも参加戦力がありましたか」
「コンパス戦隊、クサナギ艦隊、第三デストロイド降下兵旅団、第十一VF飛行隊、宇宙海兵隊第八降下兵団、第13独立MS部隊、クルーゼ隊…
このどれもが精鋭。出し惜しみなしの全力投球」
「それほどまでに此度の作戦を重く見ているというわけだ。何せ事実上の欧州解放作戦。その第一段階だからな」
「任務は潜入部隊が暴いた地上の人間収容所の制圧と解放。そして市民たちの護送。失敗は許されないというやつですな」
「まあそれに関してはいつも通りだ。我々の戦いで失敗が許されるようなものは何一つなかった」
第13独立機動艦隊の司令官エイパー・シナプス大佐と彼の副官的立ち位置となってきた前線部隊指揮官デン・バザーク中佐の会話。
次の作戦。それは欧州解放作戦の第一段階。現地に存在する地底同盟の人間収容所を衛星軌道から強襲し、その全てを制圧、解放するという代物。
この作戦を援護するために地底同盟戦力の分散を狙い、ここ最近では日夜全戦線で散発的な攻撃を仕掛けながら、これ見よがしに大部隊を集結させながら敵の目を前線に釘付けにしていた。
捕虜となった市民、兵士の命がかかった非常に大事な作戦である。
「この新装備良い感じだぜ!」
「有効打が出せる武器がある…それだけのことがこんなに心強いなんて」
「良い武器をもらったからとは言え調子に乗って突っ込むなよ。基礎性能はまだまだ敵の方が上だ」
「フロントアーマーとスクトゥム(大楯)持ちは前に出て敵の攻撃を防げ。他は射撃で敵の動きを封じるんだ」
「敵に隙が出来た際はランス隊は躊躇わず突き刺せ。四方八方から串刺しにすれば流石の地底ロボも沈む!」
ところ変わってこちらは地上戦線。
CE世界から派遣されてきたジンクス隊ことモーニングスター隊の様子。
GN粒子を用いた新装備が届き始めた結果、徐々にだが地底同盟の特機相手にも有効打を出せるようになってきた。
「ゲイリー・ビアッジ中尉。モーニングスター隊に着任いたしました」
「ご苦労。機体は…ヴァラヌス?新型か」
「いいえ。こいつはジンクスのプロトタイプの一つだそうで。モーニングスター隊苦戦の報告から実戦用に調整され、私に回されてきた機体です」
「そうか。今のところジンクスは替えが効かないからな…
中尉も数少ないジンクス乗りとして今後も厳しい戦局に投入されると思う。気を引き締めてくれ」
「かの高名なカティ・マネキン大佐が率い、セルゲイ・スミルノフ中佐が前線指揮を執る部隊で戦えるのです。むしろ光栄ですよ」
「そうか。なら私もその評価に見合った指揮を執るとしよう」
(この男…表面上は真面目そうだが…内心を隠している人間の眼付だったな)
ジンクス部隊ことモーニングスター隊着任の報告を告げるゲイリー・ビアッジ中尉ことアリー・アル・サーシェスとその報告を受けるセルゲイ中佐の会話。
本国からのなけなしの追加戦力という名目であったがセルゲイはサーシェスの隠された狂気を感じていた。
なおサーシェスの任務は黄金大使ことアレハンドロ・コーナーの護衛である。
目立つ機体故に地底の機体によく狙われており、それらの脅威から守るための隠れた護衛として呼び込んだ。
なおサーシェスは値段の分は仕事するつもりだが、いざという時はどこまで守ってくれるかは未知数である。
133 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2026/03/27(金) 18:45:07 ID:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp [43/282]
「我々タスクフォース118も此度の作戦では上空支援任務を行うこととなった。
地底人連中の本拠地ど真ん中を飛ぶことになるが、まさかビビっているパイロットはいないだろうな?」
「欧州遊覧の権利を一足早く与えてもらったのに文句を言うやつなんていませんよ!」
「落されたら現地を観光しながら帰ってくればいいんだ。つまりピクニックみたいなもんですよ」
「JAFからもらった新型を欧州の空で見せびらかしてもいいってことですよね!」
「結構!諸君の奮闘と武運に期待する!!」
こちらはエースコンバット世界から派遣されてきたタスクフォース部隊の様子。
このタスクフォース部隊とはエスコン世界各国の精鋭戦力を集め編成された精鋭部隊のこと。
搭乗する機体も全て日本連合から提供されたJAF-32シュヴェールトで統一されており、SF兵器が蔓延る宇宙世紀の戦場においても通用する戦闘力を持った部隊である。
101から121まで存在しており、精鋭に絞ってもそれだけの航空機とパイロットが集められるという点からエスコン世界の航空戦力に関する分厚さがよくわかる。
このタスクフォース118はその中でも特に精鋭として知られる部隊でボーンアロー隊やリッジバックス隊を始め、片翼の妖精や円卓の鬼神といった精鋭パイロットも多数参加していた。
「た、助かった」
「あんたどこの部隊だ?一杯おごらせてくれよ」
「そうしたいのも山々なんだが…仕事が立て込んでいてな」
「残念だけどまた今度の機会にしておくよ」
「この付近にはもう敵はいないと思うが気を付けて帰還しろよ!」
「行っちまったなぁ。しかし奇妙な相手だった」
「ああ。見た目はVFだったが…たった二機。コンビで行動をしていた」
「この近場に統合軍かVFを配備した部隊っていましたっけ?」
「お前たち。相手は恩人だ。無用な詮索は無粋だぞ」
「それもそうですが…」
「それより今度再会した時に奢ってやる酒のことを考えておけよ」
VFに偽装したガンダムアブルホールⅡに助けられた現地部隊の様子。
乗っていたのはソレスタルビーイングのアレルヤとラッセのコンビ。
ソレスタ組は機体に偽装を行いながらもコンビまたはトリオで活動しており、各戦場に現れては現地部隊の手助けを度々行っていた。
その中には地底同盟の捕虜収容所の調査も含まれており、MUの収容所解放戦において少なくない支援となっている。
「次の私たちの任務は欧州。内容は人間収容所の解放任務の援護よ」
「確かMUは現地の潜入部隊と衛星軌道から降下させる精鋭部隊を使って各地の収容所を一斉に制圧する予定なんでしたっけ」
「ええ。私たちはその援護が今回の任務内容になるわ。マイスターたちはそれぞれコンビで指定された地域を援護。
場合によっては収容所の制圧そのものも行います」
「ミス・スメラギ。コンビとのことだがトリニティはどうするんだ?」
「勿論彼らも参加します。ただしそれぞれこちらのマイスターと組みながら」
「監視も兼任するということか」
「今のところ彼らも真面目に任務を熟しているから、ここにきて暴走はしないと思うけど…一応ね」
「ロックオンはヨハン、アレルヤはミハエル、ティエリアはネーナと組んで頂戴。
刹那はラッセと組んで出撃よ」
「了解した」
「なあミス・スメラギ。一応聞くがこの組み合わせの理由ってあるのか?」
「私の独断と偏見と勘でトリニティの面子相手にいざという時抑えられそうな面子よ」
「なるほど。つまり俺とアレルヤ、ティエリアは貧乏くじってわけか」
「ごめんなさいね」
次の作戦内容へのブリーフィングの様子。
彼等はそれぞれコンビに別れ、現地のMU部隊を支援するために動く予定である。
最もトリニティへの信用が今一なので、それぞれ監視役も含めての行動となるが。
なおトリニティ側も戦力を分けねば広い戦域を対応できないということを理解しており、今回の三兄妹の分散もある程度納得はしていた。
134 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2026/03/27(金) 18:46:00 ID:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp [44/282]
「バラオ陛下へご提案申し上げる。今一度我々の手で小笠原沖を攻めませんか?」
「ヒドラー元帥。何を言うかと思えば。今更あそこを抑えて何になる」
「欧州の味方を救うためです。人類連中は小笠原沖のゲートから大量の物資を運び込み、あの大軍を養っております。
それにあそこは連中の故郷に通じる場所。掌握できずとも一時占領もしくは大きな攻撃を受けたとすれば…」
「奴らの足並みを乱せる…上手くいけば補給網を絶ち、後退させることも可能となるか」
「どのみち我々はかの竜神とその仲間に追われ、太平洋からも抜け出せず逃げ回るばかり。
ならばいっそのこと味方のために乾坤一擲の戦いを挑むのも悪くないかと」
「その竜神はどうする?我々の動きに呼応し必ずや追いついてくるぞ」
「我々は共には行動しません。別々のルートから小笠原へ攻撃を仕掛けるのです。そして竜神とて分身するわけでもない。最悪どちらかの攻撃は通りまする」
「…竜神に臆し逃げ回るよりは胸を張って戦った方がマシ。そういうかヒドラーよ」
「無理にとは申しませぬ。お力添えが得られないのならば私と科学要塞島だけでも小笠原へ突撃してみせましょう。その果てに人間に打たれるか、竜神に焼かれる末路になろうとも」
「ふん。どのみち貴様らが動くなら我々も動かねばならん。囮が減ればじり貧なのは確か。
何より人間と竜神相手に悪魔が臆したとこれ以上言われるのも我慢ならんからな!」
百鬼帝国のヒドラー元帥と妖魔帝国のバラオ帝王の会話。
事実上ブライから特攻命令を受けたヒドラーであったが、その内心は怯えや怒りではなく冷静な計算が渦巻いていた。
死ぬにしても単騎で特攻したところで竜神(ゴジラ)を倒せるかもわからない。
ならば少しでも味方の有利になるような行動をするべきだと。
そこで同じく太平洋を逃げ回っている妖魔帝国を焚き付け、共に小笠原のゲート群への攻撃を計画した。
この目的はゲートの制圧ではなく、現在ユーラシアで戦っているMU軍の補給路を断つことにある。
それが短時間のことだとしても、あれだけの大群ならば効果覿面。上手くすれば戦線を後退させ、そうでなくとも何日か何週間かは動きを止められるはずという推測である。
そして妖魔帝国に関してもヒドラー自ら科学要塞島を率いて特攻まがいの攻撃を行うとならば何かしらの行動に移るという目算を持っていた。
何せ共に仲良く竜神に追われる生活。その片方がなくなれば竜神の目標は一本に絞られ、追撃は更に苛烈な物になるのは必須。
ならばまだ他の囮が生きているうちに行動を移すしかない。
ヒドラーは自らと科学要塞島の命をもって妖魔帝国をも動かしたのである。
最も当の妖魔帝国もただで口車に載せられたわけでもなかった…
「さて。剛烈。激怒。ヒドラーの言い分どう思う?」
「奴の口車に乗るのは癪ですが、竜神の追跡が我々に一本化されるのが不味いのは事実かと」
「俺も兄貴と同じ考えです。それに我々もただ逃げていたわけではありません!」
「そうだ。我々はこの数か月の間に恥を忍びながらも戦力を再建しこの妖魔島にため込んだ」
「多数の合体巨烈獣軍団。そしてアギャールたちが運用していた三体合体巨烈獣の量産も!」
「そして俺と兄貴の機体を合体させた四体合体巨烈獣をもってすれば今度こそライディーンを討ち取れるでしょう!」
「そうよのぉ。そして何よりも対竜神用の切り札…新たなる守護龍バランギドラ…こ奴が完成すれば、かの竜神とて討ち取れるというもの」
「異界より伝わりし伝説の黄金龍を模した存在!」
「死したアギャール、ダルダン、ベロスタンの魂を使い作り上げたこの巨竜!」
「ふふふ…ヒドラー元帥。貴様がばら撒く死と恐怖の力。バランギドラ完成の最後の後押しとさせてもらおう」
ヒドラー元帥と会談した後の妖魔帝国内の会話。
彼等もここ数か月逃げ回っていただけではなく、人類との決戦とゴジラ対策に向けて多数の精鋭戦力を貯め込んでいた。
巨烈獣以下では戦力にならないと合体巨烈獣を戦力の中核としながらアギャール将軍たちが運用した三体合体巨烈獣すらも量産して数と質を揃えた。
何よりも妖魔大帝バラオの手で直接作り上げられている新たなる守護龍バラオギドラ…
完成まであと一歩というところまで来ているこれをヒドラーがばら撒く死と絶望を糧に完成させようとしていた。
135 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2026/03/27(金) 18:46:51 ID:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp [45/282]
投下終了
次回も欧州戦&ギャオス戦の前に太平洋の話を進めようかなと。
最終更新:2026年09月08日 16:13