885:トゥ!ヘァ!:2026/04/10(金) 18:37:15 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
ああ、我ら日本連合 クロス版 その29
「さて。上手いこと妖魔と邪魔を戦場には引き出せたが…
それで人類の戦力が手薄になり楽々突破…などという気楽なことはあるまい」
「小笠原ゲート群は一度陥落している関係上その防衛線力も相応のものを備えているはず」
「妖魔と邪魔の参戦は最低条件に過ぎない。さて…ここからどこまで行けるかはワシの運と腕次第か」
今後の予想を呟くヒドラー。
上手いこと妖魔帝国と邪魔大王国を戦場へ引き込んだヒドラーであったが、戦況に関しては楽観視していなかったのだ。
ユーラシアでの敗北から百鬼元帥の地位を追われたヒドラーはここに至りある種の確信を抱いていた。
我々(地底人)こそがチャレンジャーなのだと。
霊長の座に座る種族(人類)というのは伊達でも酔狂でもない強者の証である。
「行けい!我が邪魔の戦士たちよ!今度こそ日本の制圧を!そして鋼鉄ジーグを打ち倒すのだ!」
「進めロボット獣軍団よ!敵を薙ぎ払うのだ!」
「ハニワ幻人は竜魔船艦隊を護衛せよ!」
「ミケーネから預かっていた機械獣や百鬼から提供されていた百鬼獣も出せ!鹵獲した人類の兵器もだ!無人機軍団を全面に押し出し戦線を押し広げるのだ!」
遂に始まった邪魔大王国の大攻勢。
彼等は黄海、東シナ海の海中から姿を現し攻撃を開始。
ミケーネや百鬼から融通されていた無人機や鹵獲した人類製兵器まで動員して朝鮮半島、沖縄、九州と幅広い地域へ一斉攻撃を行った。
「初動の攻撃は思ったより通っていますね。順調に敵の防衛線を押しのけています」
「やはり妖魔の方に戦力を送っているのじゃろう」
「そうならいいのだがな…」
「何か気になることでも?」
「敵の撤退が早すぎる。それに慌てた様子がない」
「…敵の誘いでしょうね」
「我々は幾度も日本列島を攻めた。連中がそれに対して無防備で居続けるわけがない」
こちらはフローラ、ククル、タケルの三将軍の会話。
タケル将軍を筆頭に三人は順調すぎる戦局に不安を覚えていた。
「邪魔大王国軍。九州へ上陸。その後も東進を続行。四国・中国エリアに入ります」
「やっこさん。見事に突っ込んできてくれていますなぁ」
「結構わざとらしい誘いになっていたと思うんだが…」
「敵のトップは余程の自信家のようですから隙を見せれば食いついてくるという情報は真実だったようですな」
「もしくは意気軒高なトップからの罰を恐れての進軍か…」
「だが一部の敵部隊はわざと遅れているような動きがみられる。向こうには冷静な指揮官もいるようだ」
「全員が全員過剰に自信家でも上司を恐れているわけでもないようだ」
「ですがまぁ…敵主力の殆どは既にこちらの罠のうちです」
「では予定通りお見せしようか。要塞化された日本の真の姿を」
こちら宇宙世紀の日本にて指揮を執るMU(マルチバースユニオン)極東方面軍の会話。
MU極東方面軍は元々この地を防衛していた地球連邦や日本連合軍の部隊が中核となって組織されており、彼らの任務は小笠原のゲート群及びMU軍の重要な補給地点兼スーパーロボット軍団の本拠地である日本列島を守ることである。
886:トゥ!ヘァ!:2026/04/10(金) 18:37:54 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「な、なんだぁ!?突然足元が崩れだしたぞ!」
「ビルから機関砲が!?」
「山の中がそこら中地下道だらけだ!! 敵の小型兵器がウヨウヨ出てくるぞ!」
「海中から多数のミサイルが!?」
「海の中も多数の魚雷と機雷が浮いてきたぞ!」
「空は駄目だ!四方八方からミサイルやビームに撃たれ放題だ!下に降りろ!!」
「不味い…四国、中国に進んだ部隊と分断される!!」
要塞列島日本。それは散々侵略者に叩かれ続けた宇宙世紀関係者がブチ切れて立ち上げたプロジェクトである。
文字通りなら日本中を要塞化してやらぁ!という計画であり、先んじて敵の襲撃回数の多い九州と関東付近を要塞化。その後は中国、四国と西日本を中心に改造を進めているものである。
イメージとして要塞化された地域全体がエヴァの第三新東京都市になったと思ってもらえばわかりやすい。
「陽電子列車砲1号から5号まで順調に稼働中。敵空中戦力を漸減中」
「78番坑道を封鎖。敵の侵入を止めます。第23ヴァンツァー正体は97番坑道を使い迂回してください」
「水中自動機雷群第八派が周防灘海中の敵軍と接触。全機爆破完了。続いて第九派、第十派を送ります」
「四国航空要塞より航空部隊の発進数が8割を突破。事前計画通り制空権の確保に成功しています」
「関東のストーンヘンジ砲台群は順調に稼働中。九州上空の敵部隊を押さえています」
「琵琶湖運河に駐留中の艦隊からの対空艦砲射撃到達。中国地方に展開する敵飛行部隊への着弾を確認」
「北海道ミサイルサイロ群からの第十二派接近。着弾まで30秒」
「くくく…見たか!これぞ大日本要塞の力よ!」
「まあ元々人口減って過疎地が増えていたから出来た力技ですけどね」
「他の世界からの部隊も来るから駐留基地としても急いで拡張したからなぁ」
「工作部隊には後で改めて礼をいっておかないとな」
「掃海部隊にでもですね。海にバラ撒いた魚雷や機雷の撤去もしなければなりませんから」
この日本列島の要塞化は今に始まった話ではなかった。
実は前々から提案のあった計画なのである。
事の発端はゲートが開いたことにより再び宇宙世紀(UC)の日本列島がかつての賑わいを取り戻し始めたことから…なのだが長くなるので端的に言う。
経済の中心地や人口が宇宙や他に移って日本はそこそこ過疎化していたよ!
そこにゲート開いたよ!昔みたいに賑わいだしたよ!でもテロリストや侵略者共が度々攻めてくるから治安や経済が安定しないよ!
ふぁっきゅー!日本全部基地化して強制的に絶対の治安を確立してやる!
というのが元の日本列島要塞計画である。
これを流用し、対地底同盟用の巨大要塞基地として工事したのが現在の要塞列島となる。
現在要塞化された各地域はその計画を流用しながらも宇宙世紀の地球連邦が予算倍プッシュし、更には日本連合からの投資設けて進められた姿である。
こうして現在のUC日本は不沈空母日本ならぬ侵略者絶対殺す要塞日本となっていた。
887:トゥ!ヘァ!:2026/04/10(金) 18:38:52 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「一撃離脱だ!ヒット&アウェイを徹底しろよ!」
「一発撃ったらすぐ退散。すたこらさっさと穴倉へ逃げ込むぜ」
「地底人の奴ら。まさか自分たちが地下から襲われる側になるとは思ってもみ無かったろうな」
「ここは日本で、ここは俺たちのホームなんだよ」
各地に掘られた地下坑道または地下鉄網を用いてゲリラ攻撃を行うMU軍部隊の様子。
これらの地下道はMSが通れるような巨大な物からヴァンツァーやKMFと言った小型機用の小さなもの、更には人間用のサイズまで幅広く存在していた。
その多くは既存の地下鉄網を利用したものかMS用に改めて掘られたものだが、中には旧世紀時代の地下鉄や炭鉱跡地などを補強した代物も存在した。
これらの地下道を普段の仕事場としている現地の兵士や馴染み深い現地出身者ならまだしも、詳しい知識のない邪魔大王国の兵士やロボが無暗に追いかけ出入り口を見失う事態も多発していた。
この地下坑道群のおかげで邪魔大王国の部隊を見事翻弄することに成功するのだが、その活躍と伝聞。尾ひれ背びれ羽に角までついて地下を彷徨い歩くハニワ幻人や人類軍兵士の噂が都市伝説として囁かれることとなる。
「予想通り分断されたか…」
「竜魔帝王様はやはり先走ってしまいましたからね…」
「仕方ない。では計画通りヤマタノオロチを関門海峡と豊予海峡に降ろし制海権を確保する」
「三隻しかいない幻魔要塞ヤマタノオロチ…我々の切り札ですが…」
「量産型の竜魔船よりも強力。それ故に一隻は帝王様も前線へ持って行ってしまったのじゃが…」
「もう二隻を海中へとなると残るは量産型竜魔船のみ。陸と空は地力で対応しなければなりませんね」
「空は鹵獲した人類兵器や他からもらった無人機を割く。空を奪われない程度でいい。九州に残っているロボット獣は四国に送って帝王様を援護させる。
お前たち二人は事前の計画通り中国地方に赴いて指揮を取ってくれ。朝鮮半島に展開している戦力もこちらに向かわせれば結構な総数になるはずだ」
「しかしそれでは九州を担当するタケル殿の下にはハニワ幻人しか残りませんがよろしいのですか?」
「制空権も覚束ない現在では空からの支援も期待できませぬが」
「問題ない。なに…人間だった時代は生身で地を駆け戦っていたのだ。こっちの方が性に合っている」
タケル、フローラ、クルルの三将軍の会話。
まあ罠くらいあるよね…想像よりヤバイ規模の罠が来た!ということで事前計画通りに先んじた竜魔帝王を直接援護…しては機嫌損ねそうなので、その周りの敵を討ち払う方向で行動を開始。
取りあえず九州に戦力を集中。その後関門、豊予海峡を確保し、四国、九州に先行した部隊と連結を行い、空が奪われ切らないうちに関西の人口密集地域まで進軍。
乱戦とし敵の支援砲撃や航空支援を無力化する方針であった。
「ええい!邪魔だ人間共!ジーグは!鋼鉄ジーグはどこだ!今度をこそ俺の手で葬ってくれる!!」
「帝王様の活躍で敵を寄せ付けないが…これ俺たち孤立しているんじゃ…」
「余計なことは言うな。聞かれたら大事だぞ」
四国に進撃した竜魔帝王とその直属のロボット獣やロボット兵たちの様子。
帝王は意気軒高で襲ってくるMU軍の猛攻を物ともせず進撃を続けていたが、部下たちは自分たちの部隊が孤立気味だと気付いている者もいた。
888:トゥ!ヘァ!:2026/04/10(金) 18:39:30 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「竜魔帝王の進撃止まりません!」
「むぅ。予想以上の強さだな」
「前回はジーグ殿にワンパンされて退場だったので詳しい戦闘力を図れていませんでしたが…これほどとは」
「関西と東海の部隊を四国方面に集中させて動きを止めましょう」
「中国地方はどうする?半島から敵の部隊が移動してきているが」
「朝鮮半島の部隊をそのまま南下させ挟み撃ちにさせます。関西方面へは抑えはウラジオから来る部隊や日本海艦隊に任せればよろしいかと」
「関東からの部隊ももう少しで関西に展開できます。先んじて空挺部隊を降下させ敵の威勢を空から削ぐのが効果的かと」
「空挺部隊のエスコートは琵琶湖駐留艦隊の艦載機部隊で行いましょう。中国方面の対空網と合わせれば一時的な制空権の確保は可能です」
「よし。ならそうしよう。事前の計画通り敵の首魁を四国に封じ込む。各員行動開始!」
MU軍極東方面司令部の会話。
人類は地底同盟の侵攻に対して万全の準備を行っていた。
しかしそれでも容易に倒せる相手とは考えておらず、此度の戦いにて敵の首魁を孤立化させ叩く作戦を立てていた。
敵の首魁たる竜魔帝王がスタンドプレイ精神あふれる御仁であることを把握していたMU側はわざと誘い込み、四方を海で囲まれている故に囲みやすい四国で誘導。
そこで囲い込み攻撃、撃破を狙っていた。
もしも撃破できずとも疲弊させることに成功出来れば今度こそ、かのサイボーグが敵の帝王を討ち取ってくれるだろうとも。
そんな期待を背負った鋼鉄のサイボーグは今どこにいるのか。
彼の現在地は…
「鋼鉄・ジィイイグ!ビルドォ!アァァアプッ!!!」
「なにぃ!鋼鉄ジーグだと!!」
「馬鹿な…なんでこんなところに!」
「…姿が見えないと思ったがまさかに九州に潜んでいたとはな。狙いは帝王様の背後か」
鋼鉄ジーグこと司馬宙は九州に潜伏していた。
彼の目的は四国に進撃し、目の前に敵に夢中な竜魔帝王を背後から強襲することである。
無論九州に残っていた邪魔大王国の部隊はこれを阻止しようとするが、主戦力を前線に分け、更に要塞化された坑道やせり上がる防壁、砲台のせいで戦力が分断気味であった彼らにジーグを止めるだけの戦力の厚さは存在しなかった。
「裏をかかれた…いや元々ここはお前たちの土地。潜むも自由自在か」
「タケル将軍…あんたは前に一度ミッチーを助けてくれた。だから戦いたくない」
「妻に似たあの娘か…あの子は元気か?」
「ああ。今も俺たちを元気に支えてくれているよ」
「そうか。ならよし!改めて貴様に決闘を挑む!まさか否とは言わんよな!!」
「将軍!あんたは!!」
「今の待遇には不満がある!この戦に義もないも知っている!我らが王が暴君であることも百も承知!!
だが私は戦士だ!かつて邪魔大王国最強と謡われた男!強敵を前にして矛を引けようか!!」
「こんの!馬鹿野郎!!!そっちがその気ならその石頭を勝ち割ってやる!!」
「いざ!いざ!尋常に勝負!!」
邪魔大王国三将軍が筆頭鬼神タケルvs鋼のサイボーグ司馬宙の対決。
借りもある。情もある。引け目もある。しかし今のタケルは邪魔大王国の将軍である。
ならば敵を前に何故背を向けられようか。
彼は邪魔大王国の戦士として鋼鉄ジーグこと司馬宙との戦いを選んだ。
両者ともに一歩も引かない激闘が続いた…しかし最後に立っていたのは…
889:トゥ!ヘァ!:2026/04/10(金) 18:40:40 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「ああ…やはり負けたか…いやはや現代の戦士とは強いものだ…」
「なあ…なんで戦うことを選んだんだ?あんた程の戦士が何故竜魔なんかに忠義を尽くしたんだ」
「別に忠義など持っておらんよ。今も昔もな…ただ…そうだな…かっこつけたかったんだ」
「…誰に対して?」
「この地で眠る妻に対して…だが…多分叱られるな。あいつは無用な争いは嫌う女性だったよ…」
「ならあの世でしっかり叱られてこい」
「ふふ…そうするよ…フローラ殿。ククル殿。済まぬが先に待望を果たす。
ああ、ミヤズ…君の最後も看取れないような馬鹿な旦那ですまなかった…またそっちに逝くよ…」
邪魔大王国の将軍タケル破れる。
これにより竜魔帝王への道を遮るものは何もなくなった。
「鋼鉄ジーグだ!鋼鉄ジーグが来たぞ!」
「馬鹿な。タケル将軍が敗れたというのか」
「呆けている場合か!帝王様の下に行かせるな!」
「邪魔だロボット獣共!マッハドリルゥウウ!!」
「駄目だ!俺たちでは止められん!?」
「豊予海峡のヤマタノオロチはどうした!?」
「それが姿が見えず…」
竜魔帝王の背後に向けて一直線な鋼鉄ジーグと彼を止めようとして粉砕されていくロボット獣軍団。
彼等は切り札である豊予海峡を制圧していた幻魔要塞ヤマタノオロチを動かそうとしたが、しかしその姿はどこにもなかった。
「ヤマタノオロチは回収しておいたぜイキマ」
「そうか。ご苦労だったなミマシ」
「しかしタケル将軍のやつ見事に散ったもんだ」
「ああ。いっそ清々しいほど…羨ましさすら覚える」
「まあ俺たちはアイツほど潔くないがな」
「違いない。さてアマソの奴も動き始めるころだ。俺たちも姿を隠すぞ」
人類と邪魔大王国の激闘が続く中で暗躍する離脱組ことイキマとミマシの会話。
どうやら彼らはひっそりと豊予に陣取っていたヤマタノオロチに乗り込み奪い取っていた模様。
彼等はこの戦場で何をしようとしているのか…
「竜魔帝王!覚悟!!」
「なに!?背後からジーグだと!!」
「マッハドリル!!死ねぇええ!!!」
「またしても俺の竜魔船がぁ!?」
豊予海峡を抜けた勢いのまま四国で暴れる竜魔帝王に突っ込んだジーグ。
奇襲へ気づくのが遅れた竜魔帝王はまたしても自らの船をジーグに砕かれることとなる。
だがご安心!今回は竜魔船も量産しており大量に予備を連れてきているのだ!
その分一隻当たりの性能は落ちているが、まぁ数を考えればむしろ戦力は増強されているはず。
890:トゥ!ヘァ!:2026/04/10(金) 18:41:30 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「ちぃ!今度は帝王ごと砕けなかったか!」
「背後から奇襲とはやってくれるではないかジーグ!そのせいで俺は再び船を失ってしまったぞ!!」
「フン!周りにそんだけ代わりの船があるじゃねーか」
「ふふふ…そうだな。そのために量産したのだ。だがそれだけではない!見よ!!!」
「な、周りの船がヤマタノオロチに集まって!?」
「そう!これこそが我が切り札!合体“龍”ヤオロズノオロチ!俺の切り札よ!!」
「ヤオロズノ…オロチ!」
今回はきちんとジーグのドリルから逃れた竜魔帝王。
そんな彼が用意した切り札。それは幻魔要塞ヤマタノオロチに複数の量産型竜魔船が合体した合体ロボット獣とも言える存在ヤオロズノオロチ。
全長300mを越える巨体に八つの機械化された首を持つ巨竜である。
竜魔帝王はこれに乗り込みジーグとの決戦に挑むのであった。
「クソ!なんだあの巨大兵器は!?」
「推定300m以上!しかし質量は…あり得ない。ジュピトリス級相当!? センサーの故障じゃないのか!!」
「エネルギー総量は巨大台風か火山噴火並!? 300mは巨体ですが…それ以上の…信じられないパワーを秘めています!!」
「全軍攻撃開始!ジーグに例のパーツを届けるまでの時間を稼げ!!」
「ウェポンズフリー。一斉攻撃を開始せよ」
「動きを止めろ!あんな質量が飛び跳ねるだけでも周りの地形も気流も滅茶苦茶だぞ!」
ヤオロズノオロチ。竜魔帝王は自ら作り上げた決戦級ロボット幻獣。
それはヤマタノオロチと竜魔船にロボット獣とハニワ幻人の技術を注ぎ込み作り上げた傑作。
八百万の大群にも引けを取らないと豪語する強さを持つ決戦兵器である。
「メーサー兵器効き目認められず!」
「フルメタルミサイル!大型対艦ミサイル!反応弾!全て防がれています!」
「馬鹿な。ストーンヘンジの直撃で倒れないだと!?」
「倒れないどころじゃない。再生している…」
「あのサイズの癖にロボット獣やハニワ幻人の基礎能力は持っているのかよ。反則じゃねえか」
「クソ…このジーグが木の葉のように振り回されるなんてよ…!」
竜魔帝王の繰り出したヤオロズノオロチに対して攻撃を仕掛けるMU軍。
しかしその質量、防御力、再生力の前に人類が誇る大火力攻撃すらも痛打とならず、逆に八つの首から放たれる火炎は事実上レーザービームに等しい火力をもって周辺をガラスの大地へと磨き上げていった。
「宙さん!例のパーツを持って来たわ!ドッキングして!!」
「わかった!って言いたいが奴さんは早々簡単に目を離してくれなそうだぜ」
「宙殿。行ってください。ここは我々が止めて見せます」
「あんたらはスーパーX隊の…だけどそいつの装甲でもあれの攻撃は」
「なに。ここにいる全機で盾になれば数十秒は稼げます。お早く」
「…すまん。礼を言うよ」
遂に切り札が届いたジーグ。しかし今回のパーツは少々難物。合体にするにも時間がかかった。
そしてそれを安々と許すような敵でもない。
故に時間を稼ぐ必要があった。それを買って出たのは極東方面軍が誇るスーパーX軍団。
宇宙世紀の日本が侵略者の脅威に晒されて以降、スーパーロボット軍団と共に戦ってきた戦友たちである。
彼等は文字通りその身を盾としてジーグが合体するまでの時間を見事稼ぎ切った。
勝利と友のためならば命を惜しまず戦える男たちであったのだ。
891:トゥ!ヘァ!:2026/04/10(金) 18:42:19 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「ビルドアァァァァプッ!!ビィイイグジィイイイグ!!!」
「ビッグジーグだとぉ!?なんだそれはぁ!!」
「ビッグジーグ。文字通りデカいジーグのことだぜ!」
ビッグジーグ。それは密かにビルドベースが連邦軍や日本連合と共に建造を進めていた可変型巨大船舶との合体形態である。
昨今の侵略者はジーグより巨大な物も多く度々パワー負けすることも少なくなかった。
これを補うために開発されたのが巨大支援艦艇ビッグシップである。
全長100m。通常時は有り余る火砲を以てジーグを援護するが、合体時には人型形態へ変形。
そこにジーグが乗り込む形でビッグジーグとなる。
巨大な敵と渡り合うために人類が作り出した鋼の巨神であった。
「ぐぅぅ…デカさでは劣る癖になんというパワーだ!」
「そういうお前の龍は大きさの割にはパワーが足りないんじゃないか?」
「ぬかせぇい!手数ではこっちが上よ!!」
「果たしてそうかな!全兵装解放!オールウェポンズフリー!ぶっ放せ!フルバースト!!!」
「ぬぉおお!!何という火力!?」
ビッグジーグはその巨体とパワーだけではない。
全身に備えられた武装の数々も一つ一つが強力な武装である。
そのフルバースト射撃ともなれば300m代のヤオロズノオロチすら揺るがすものとなる。
「いい加減観念したらどうだ!竜魔帝王!!」
「馬鹿め!これからが本番よ!!」
「そもそもどうして地上を侵略する!恐怖を暴虐を振りまく!!」
「知れたこと!それこそ我が存在意義だからよ!殺して何が悪い!奪って何が悪い!叩き潰し侵し殺し征服する!それが俺だ!俺の生き方だ!」
「アホ野郎!時代を考えろ!もうお前たちが暴れていた古代の時代じゃないんだぞ!!」
「時代がどうした!環境がどうした!日本を制圧した後はこの世界だ!その次はゲートの向こうの世界も全て征服する!そして星々の海すら喰らいつくし、竜の魔王から龍の王となる!かつて憧れた伝説の竜神のように!!」
「まるで野望の化身…わかっていたが話し合いの余地なんてねえな!」
そもそも竜魔帝王とは何者か。
彼は元々とある異星文明の戦闘ユニットであった・
それがある日自我を得て反逆した。そしてかつての主たちをその文明ごと滅ぼしてしまったのである。
しかし戦闘兵器の本能なのか、その後も戦いを求めて星々を転々としていったのだ。
竜魔という名もその際に知った竜神の伝説から自ら名付けた物。
太古の地球に降り立った際には当時のミケーネやムー、アトランティスや妖魔とすら戦った生粋の戦闘種族である。
しかしかつての激戦は竜魔帝王にすら深手を負わせ、その傷を癒すために眠りついたのであった・
なおヒミカたち邪魔大王国は竜魔帝王とはまた別のルーツを持っており、彼とは別のところから来た存在だったりする。
ヒミカたち現在に復活した際に改めて伝説の竜魔帝王を復活させ戦力にしようと画策。
しかし実際には復活させたものの、制御などできずに邪魔大王国を乗っ取られてしまったというオチである。
なのでロボット獣とハニワ幻人も見た目は似ていても中身の技術が全く別物だったりする。
「話は終わりだ!死ねい!ジーグぅ!」
「鋼のサイボーグは早々簡単に死ぬことなんてねえんだ!!ナックルアトミックぅ!!」
「ぬぉおお!ヤオロズノオロチの火炎すら物ともせずに飛び込んでくるだと!?」
「うぉおお!マッハドリルミサイル!ジーグブラスター!スピンタイフゥウウン!!!」
「ヤオロズノオロチが!八つの首が全て砕けるなどぉ!!」
「首は全部もぎ取ったぜ!!はぁあああ!ジャイアント!ジーグ!ブリーカー!!」
「だ、脱出できん!?ば、馬鹿な!この竜魔帝王が一度ならず二度も敗れるなど…敗れるなどぉおお!!!」
「終わりだ!ジーグブリーカー!最大パワー!!しねぇええええい!!!」
決着。決めてジーグブリーカー。
哀れヤオロズノオロチは八つの首を失った後に胴体を締め付けられ粉砕爆散。
300mの巨体に相応しい大爆発を起こしたが、その跡地にビッグジーグは悠々と聳え立っていた。
勝ったのは鋼鉄ジーグ。鋼のサイボーグ司馬宙の勝利である。
この後各地に展開していた邪魔大王国軍は帝王の死を感じ取ったのか統制が乱れ組織的な抵抗が目に見えて弱体化。
幹部であったフローラ将軍とククル将軍は人類へ投降。
これを以て邪魔大王国は主要な指揮官を失い、軍勢としても事実上崩壊することとなる。
892:トゥ!ヘァ!:2026/04/10(金) 18:43:55 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「追撃は成功…と言った感じだが」
「太平洋側に布陣していた敵には結構逃げられてしまいましたな」
「仕方あるまい。太平洋側の戦力は東からやってきていた妖魔帝国への迎撃に回してしまっていたからなぁ」
「そのせいで四国包囲網に使えたのは日本防衛のための艦隊のみでした。結果手薄となっていた太平洋側を中心に少なくない敵戦力を逃してしまいました」
「ヤマタノオロチ級飛行要塞…こいつを一隻逃してしまったのが痛いな。連中の最大戦力の一つだ」
「それにイキマ、ミマシ、アマソの旧三幹部も行方不明のままです。捕虜となったフローラ将軍やクルル将軍もその行方は知らないとのことです」
「とはいえ今回の戦いで頭領が打ち取られ、主戦力の大半も失った現状。邪魔大王国はこの戦争から脱落したとみていいでしょう」
「連中の本拠地…常に移動する別位相の亜空間…だったか? そこの調査次第ではあるが、取りあえず欧州の戦いが終わるまでは静かになりそうだな」
人類による追撃戦は大成功に終わった。
確認されていた敵戦力の8割は撃破に成功しており、幹部であったフローラとククルも捕虜とするなど大勝利であった。
捕虜となった両名の証言もあり、邪魔大王国の本拠地の位置も確認。後に調査に向かうこととなる。
「ぬぅ…こ、ここは…俺は生きているのか」
「お目覚めですか竜魔帝王様」
「貴様らは…イキマ!ミマシ!アマソ!」
「たまたま日本の近くに通ったもので。その際我々三人が爆発の後に投げ出され瀕死だったあなた様を助け出して本拠地まで連れ帰ったのです」
「大王国を出奔しておいてぬけぬけと。俺を助けたのはなぜだ?今更許しを請うて大王国幹部に戻りたいとでも言うつもりか!」
「まさか。違います。あなた様には少しやってもらいたいことがあるのです」
「やってもらいたいことだと?」
「そう…死んでもらいたいのです」
「な、何を!!!」
「竜魔!貴様の命を以て我らが主ヒミカ様復活の生贄とさせてもらう!」
「主ヒミカの仇だ!」
「死ね!簒奪者!!!」
「ば、馬鹿な…俺が…古代からどんな戦いだろうと生き抜いてきたこの俺が…こんな!こんな惨めな死に方ぁあああ!!」
「死んで糧となれ。古代の地獄の竜よ。そして我らは主を取り戻すのだ」
悪運強く今回も生き残っていた竜魔帝王。
しかしそんな彼を回収したのは大王国を出奔したはずのイキマたちであった。
そしてイキマ達三人は瀕死の竜魔帝王の血と魂を用いて主ヒミカの復活の生贄とした。
主を殺し、星々を渡り歩き、古代の大戦でも生き残り、そして現代でも暴虐を振るった強大な帝王の呆気ない最後であった。
893:トゥ!ヘァ!:2026/04/10(金) 18:44:33 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「…そうか。わらわは蘇ったのか」
「お久しぶりです。ヒミカ様」
「我ら一同主の帰還をお待ちしておりました」
「憎き仇である竜魔の血と魂を以て反魂の儀を執り行いました」
「ふむ。大義である。本当よくやった。褒美を…いや、礼を言うぞ。イキマ、ミマシ、アマソ」
「「「ハハッ!もったいなきお言葉であります!!」」」
「ところで現在の状況はどうなっておる?戦況は?人類との大戦の真っ最中であったはずじゃが」
「えー…その…」
「非常に申し上げにくいのですが…」
「負けております。ぼろ負けです」
「え…ぼろ…負け? いやいやいや。可笑しいじゃろ!ドクターヘルは?バラオは?連中も一端の実力者!奴らがそう簡単にやられるとは思えん!」
「ドクターヘルは死にました。ヒミカ様を殺した竜魔帝王の策略に嵌り粛清されました」
「バラオもついこの間の戦いで討ち死にしました。妖魔帝国は幹部勢も全滅していて事実上滅亡です」
「わ、我が大王国の軍勢は…確か幹部として使おうと幾人か精鋭の魂も確保していたはず…」
「我が国の戦力も壊滅状態です。二度の大侵攻に失敗。一時はユーラシアの一部を手に入れましたが、人類の反撃でこれも失いました」
「タケルとククルの魂は竜魔帝王が勝手に使いました。タケルは戦死して成仏。ククルは人類に投降して今は捕虜です。なんかこっちで嫌々働いていた時より気楽に過ごしていると聞きます」
「え…じゃあうち今まともな戦力も友軍もいないってこと?」
「「「はい!そうです!我々とってもピンチです!」」」
「…ククルが捕虜になっているならこの場所もバレている!!本拠地の位置を動かすぞ!!ぼさっとするな!そなたらも働け!!!」
女王ヒミカ復活!
そして復活早々に現状が超ヤバいことに気づく。
そして宣言した。当分の間は隠れて籠る。戦力どころか大王国そのものの再建が急務。
此度の戦争?もう無理じゃろ。
百鬼って誰じゃよ…ミケーネ?あの伝説の?あいつら実在していたんだ。
いや知らんよ。残っている奴らなんて自分が生きていた頃の同盟相手じゃないし。
あのドクターヘルを粛清するような連中でしょ?見る目ないじゃん。
ということで邪魔大王国はこの戦争から手を引いた。
多分そう遠くない未来で侵攻を再開すると思うが、少なくともこの戦争の間…また数年以上は動かないだろう。
というかろくな身動きとれないんじゃが。戦力ほっとんどないし。
これ籠っている間に変な宇宙人や他の侵略者が来て地上が支配されていたらどうしよ…
女王ヒミカの憂鬱は続く。何せ人類から隠れながら祖国を再建しなければならないのだから。
894:トゥ!ヘァ!:2026/04/10(金) 18:45:27 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「あの…本当にここに本拠地への入り口があったんですが…」
「なにも…ないですね…」
「う、嘘じゃない!嘘じゃないぞ!!」
「いえ。あなた方の言っていることは信じていますよ。エスパーたちも太鼓判押していますし」
「しかし本拠地の出入り口が消えているとなると…何があったのやら」
「多分イキマ殿たちが場所を移動させた可能性が…」
「あの出奔した旧三幹部ですか?」
「はい。彼らも拠点の場所や動かし方は熟知しておりましたから」
「目的は何なんでしょうかねぇ。未だ抵抗の意思があるということだと思いますが…」
「…ヒミカ様の蘇生かもしれませぬ」
「竜魔帝王に粛清されたという? しかし蘇りなんてそんなオカルトな」
「我々も元々は古代の死人。それが現代に蘇ってこき使われていたわけなので邪魔大王国では珍しい術ではありません」
「そういやそうでしたね…いや、そうなると大事じゃないですか!女王ヒミカの復活ですよ!?」
「まあまあ落ち着きたまえ。邪魔の戦力は先の決戦でほとんどが消滅した。今更女王が復活してもすぐさまどうにか出来るわけでもないだろう」
「はい。反魂と言ってもそれなりのエネルギーが必要ですし、ハニワ幻人やロボット獣の補充もそう簡単にはできません」
「本拠地の移動もかなりのエネルギーを食います。一度動かしたら他に回す余力は少ないかと」
「なら当分は静観…かねぇ。まあ気はそこまで抜かずに監視体制は続けようか」
捕虜となったフローラとクルルの案内で邪魔大王国本拠地への調査に来たMU軍。
しかし二人が案内した場所は出入り口が消滅していた。二人曰く本拠地の気配もないのでどこかに移動したとのこと。
NTやテレパス能力者などの事情聴取から二人が嘘を言っているわけではないことはわかっており、じゃあ誰が動かしたのか?という疑問も多分姿晦ましていた旧三幹部じゃないか?という推測に落ち着いた。
以降も地上の戦いが一段落するまで日本周辺の警戒は続けたが、結局地底戦役が終結するまで再び邪魔大王国が現れることもなく、戦後は警戒態勢こそ続いているがコンデションは一つも二つも下げる形での警戒となっていった。
「ところで私たちそろそろ成仏したいんですが…」
「いやぁ…ちょっと待ってもらえる?本当悪いと思っているんだけど…」
「考古学者の皆様が凄い勢いで詰めてきていて…」
「技術部もです。オカルト系の知識や技術を知りたいと恐ろしい形相ですよ」
「あと他の世界からのオカルト?対応組織からも聴取を取りたいとの要望が」
「君たちもEDFに入らないか!!!」
捕虜となったフローラとククルは割と協力的であった。
まあパワハラ上司の下から解放されたのだからさもありん。
目的も成仏して安らかに眠りたいというものだし。
その後の本拠地への案内と調査も一段落して、そろそろ二人とも成仏したいなぁっというところであったが、そこに待ったをかけたのが…まあもう色々な業界の人たちである。
古代の生き証人の話を聞きたい考古学関係者。
邪魔大王国のオカルト技術を知りたい技術部。
他所の世界から来たオカルト対応部門の人たち(ギアス日本の対古代文明対策部署など)
そして良い指揮官ということでスカウトしに来たEDF。
結局二人はこれら関係者に押し切られる形でまだ現世に留まる羽目になった。
もうちょっとだけ!もうちょっとだけ!話を聞くだけだから!!
こうしてその後もずるずるとこの世にとどまり続けることとなり後に他世界へ移住してオカルト関係へのアドバイザーを務めることになるなど、想像以上に長く現世で生きていくこととなる。
895:トゥ!ヘァ!:2026/04/10(金) 18:46:28 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
投下終了
次はヒトラー最後の賭け!
最終更新:2026年09月12日 16:52