388:トゥ!ヘァ!:2026/04/17(金) 19:04:35 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
ああ、我ら日本連合 クロス版 その30
「武蔵。そういやそろそろ日本に戻る時期じゃねえか?」
「あ、やべ。確かにそうだ。忘れていたわ…」
「おいおい。しっかりしてくれよ。今じゃお前一人でゲッター(ブラック)を扱っているんだぞ」
「そういや先輩は何で日本に戻るんです? 前線だってまだまだ予断を許さない状況ですけど」
「ほら。俺のゲッターって一人乗りじゃん? あれ元々他にパイロット見つからなかったから合体機能封じて俺用に調整したものなんだよ。だから本当はそんな性能引きだせてなくてさ」
「一人であれだけ動かせているのに、まだ上があるんですか!?」
「まあ元々ゲッターは三人揃って真価を発揮するロボだしな」
「幾ら武蔵が操縦に慣れているとしても一人じゃ限界がある…だがこれからは違う。そうだったよな?」
「ああ。隼人の言う通りだ。何でもいい感じのパイロットが見つかったんだってよ。しかも二人!」
「へぇ。ゲッターに乗れそうな人が他にもまだいたんですねぇ」
「弁慶…ボケっと言っているがお前もゲッターに乗れている一人だからな?」
「まあそういうわけで補充要員を受け取りに日本まで行くわけだ。そのおまけで追加武装や機体の整備もやってもらう予定ってわけだ」
「因みに追加要員ってのはどっちも隼人が推薦した奴らでな? これまたどっちも活きのいい奴らだよ」
「余計なことは言うな竜馬! まあ、あいつらも下手に燻っているよりいいかと思ってな…」
「ありゃ。隼人の奴が珍しく照れてやがる」
「こりゃ明日は雨が降りそうだわ」
ヒドラーが妖魔帝国や邪魔大王国を巻き込み日本周辺へ侵攻を仕掛ける数週間前。
中央アジアにおけるゲッターチームの会話。
今まで武蔵は一人ブラックゲッターに乗り込み戦っていたが、元々は三人乗りの機体。
その性能を完全に引き出せているとは言えなかった。
しかし最近になり前々から隼人に推薦され訓練を付けていた人物たちが良い感じに仕上がってきたという報告が上がり、その二人と追加装備の受領のため武蔵とブラックゲッターは単独で一時日本(宇宙世紀)に戻ることとなった。
そしてそんなブラックゲッターと武蔵が丁度日本に辿り着き、新パイロット二人との顔合わせや追加武装の調整を行っている最中にヒドラーたちの攻撃が始まったのである。
「MU軍の戦力は…良い感じに分散しているな。狙い通り…あとはこの一点賭けを通すのみ!」
「全軍出撃!!この一戦に百鬼…地底同盟の未来がかかっている!!」
「無人機だけでどこまでやれるか…いや、やるしかない!」
話は現代に戻る。
日本列島から見て東から妖魔帝国、西から邪魔大王国が攻め寄せており、ヒドラー率いる無人機軍団と科学要塞島は北から進撃を開始していた。
ヒドラーが発破をかけた三勢力同時攻勢は三方向からの攻撃を始めたのである。
なお今回投入された百鬼の部隊は全て無人機であるため上記のセリフは全てヒドラーの独り言である。
389:トゥ!ヘァ!:2026/04/17(金) 19:05:16 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「敵影確認!! 場所は千島列島沖の東部海域!!」
「デカい…識別は…百鬼帝国の科学要塞島です!!」
「遂に出てきたか…妖魔や邪魔が来た連中が来ないはずがない」
「長引く戦乱で衛星監視網は壊滅していますが…海上と空中の警備網は再建を早めて正解でしたな」
「MU(マルチバース・ユニオン)各国が資材や装置を提供してくれたからな。おかげで日本列島近辺とは言え、こうして濃密な監視網を気づけた」
「幾ら光学迷彩や高度電子戦能力で視覚やレーダーを欺こうとも巨大な海上要塞。水面と空気の動きは隠せまい」
「だが問題がある。今まで隠れて逃げ回れていたのが姿を現したという点だ」
「十中八九囮ですね。しかし敵の巨大移動要塞島という一点で我々はこれを無視することができない」
「あれをどっかの大都市湾口にでもぶつけられればそれだけ大損害だからな」
「関東、東北、北海道の部隊、迎撃施設の多くは科学要塞島への攻撃に割く。しかし監視は怠るな。連中のことだ。どこかに本命を隠している可能性は高い」
百鬼帝国の科学要塞島進撃に気が付いた極東方面MU(マルチバース・ユニオン)軍の反応。
現在MU軍本体はユーラシア奪還に向けて出払っており、現在日本列島(宇宙世紀)の防衛は地球連邦軍と日本連合軍が中心となり行っていた。
一年戦争や地底戦役初期の大攻勢において各種監視網が壊滅的な被害を受けていた地球連邦であったが、MU軍の結成と各世界からの物資、装置の提供によって限定的ながらこれら監視網の再建に成功していた。
百鬼帝国を始めとする地底同盟の各勢力は人類以上の高度な技術、またはオカルト技術などにより物理的、電子的の両方で高いレベルのステルス能力を持っていた。
これに対して技術で劣る人類側は空気、海流、地震、音と言った物理的な動きにて敵の動きを感知する監視網を構築。
物理法則に則っているのなら欺くことのできない現象によって敵の早期発見に努めていた。
これ以外にも超能力者や霊能力者、NTなども各世界から動員し出来る限りの多種多様な監視体制を築き上げていた。
また今までの事例から妖魔や邪魔の攻勢を隠れ蓑に別勢力の更なる侵攻も予知しており、事実北方から何かしてきた百鬼に対しては温存していた予備戦力を中心に対応を開始。
二度と地底戦役初期のような惨事を引き起こさぬという心構えの下で万全の迎撃を整えていた。
問題は上述の通り科学要塞島そのものが囮だとしても、これを無視できないという点である。
「MU側の動きが早い…やはりこの程度はお見通しか。しかしそれはこちらも想定済み。
核ミサイル群発射!敵を科学要塞島に釘付けにしてやれ!」
「海中と空中の別動隊はそのまま進撃。途中で敵に見つかっても構わん。どのみち本命は別だ!」
「囮と見抜いているだろうが…付き合ってもらうぞ。人間!!」
科学要塞島と共に進撃するヒドラーの独白。
想定よりも人類側の対応が素早かったが、ヒドラーもこの程度のことは見抜いてくるだろうと予想しており焦りはなかった。
そして当のMU軍側が察知しているように科学要塞島周りの攻撃は囮であった。
だがそのお鳥は人類が無視できない規模の物であった。
「敵移動要塞から発射されたミサイル群を迎撃!しかし中に核を思われる爆発を複数確認!」
「連中の技術力を考えれば核兵器程度用意していると思っていたが…ここで使ってくるか」
「あれを無視してどこかの港町に突っ込まれた挙句に中身の核ごと自爆なんてされたら溜まったものじゃありません」
「無論小笠原諸島沖のゲート群に突っ込まれてもです」
「追加の情報です!科学要塞島付近とは別に敵の水中部隊、空中部隊と思われる機影を太平洋上に確認!」
「別動隊が核を装備している可能性もある!空の眼!海の眼!陸の眼!全てを集中させろ!連中にこれ以上核を撃たせるな!」
「ここにきて別動隊の姿を見せるか…」
「悔しいですがこれで我々は完全に今見えている部隊に釘付けにされました」
「人類が核を脅威と思っている…それは軍だけではなく政府や民間人も同じだ。連中我々が無視できない脅威というものをきちんと理解している」
MU極東方面軍司令部の様子再び。
司令部の人員は敵の思惑に見事付き合わされている感覚を掴んでいたが、しかしこれもまた無視できないでいた。
核兵器。それは人類が生み生み出した新たな原罪。人が最も恐れている物の一つ。
故に例えそれがただの囮だとしても無視することはできない。
390:トゥ!ヘァ!:2026/04/17(金) 19:06:13 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「司令。敵に突き合わされ続けるのも癪です。根本的な解決にはなりませんが日本海のアレを使ってみませんか?」
「環太平洋軍が持ち込んで来たアレか?しかしまだ組み立ても途上だったはずだが」
「完成度7割と言ったところです。しかし主砲の発射には問題ありません。冷却に関しても今の時期なら問題ないかと」
「では使ってみようか。それと例の協力者にも連絡を」
「地球防衛軍(東宝)がお墨付きを出している彼女らですか」
「ああ。片方は既に妖魔相手に暴れ回っているらしい。もう片方にも出張ってもらえればなと」
「連絡繋がりました。むしろ今か今かと出番を待っていたそうですよ」
「では科学要塞島に向かうようにと。こちらも航空部隊と出して護衛する。百鬼の兵器は邪魔や妖魔の物と違って純粋な機械だ。かのお客人の口にもきっと合うだろう」
「警告!警告!未確認の超高速物体接近中!速度マッハ7以上!更に加速中!」
「迎撃システムスタンバイ。迎撃開始。ミサイル群発射…敵未確認機ミサイル群を振り切り接近中」
「なんだこの速度は!? まさかゲッターロボか? いや、それよりも早い…」
「空中部隊が敵影を捕捉。画面に出力中」
「なんだこれは…まさか生き物なのか?」
科学要塞島のシステム群が突然警報を鳴らしだし驚愕するヒドラー。
百鬼の無人空中部隊が捉えた映像に映っていたのは見たこともない巨大な生物であった。
その名はオメガファルク。東宝世界よりやってきた助っ人である。
オメガファルクは霧の咆哮さん作の
支援SSにて登場したオリジナル怪獣。
モデルはモンスターハンターのバルファルクとのこと。
なおモデル元のバルファルクは一説には最大速度マッハ8と言われている生物である。
「おーおー。奴さん元気だねえ」
「あ、百鬼メカに食らいついて…食べてますね。あれは」
「奴さん金属が主食らしいからな。しかし良い食いっぷりだねぇ」
「自分たち護衛ですけど…いりますかね?」
「まあ誰かは見守っている必要はあるだろうよ」
オメガファルクが到着した空域は現在彼女の食べ放題会場となっていた。
ヒドラーが繰り出してきた空中別動隊の百鬼獣(百鬼の無人メカ)は悉くオメガファルクに消し飛ばされるか、捕食されるかの末路を辿った。
「超高速で飛来する物体を確認」
「今度は何だ!?」
「迎撃…不可能。隔壁展開。着弾まで5秒」
「どわっ!? 着弾した? この速さでか!敵の発射位置は!!」
「確認。推定地域日本海」
「日本海だと!? 列島を跨いで着弾したというのか」
「推測。巨大な艦砲または要塞砲だと思われる」
「北海道の巨大砲台群といい、今回の攻撃と言い人類共は一体幾つの巨砲を持っているのだ…」
オメガファルク襲来から間を置かず今度は科学要塞島に謎の攻撃が着弾した。
その正体はエスコン世界から持ち込まれ、宇宙世紀の日本海沿岸にて建造中のシャンデリア…の試作品である。
元々冷戦時代にエスコン日本が試作していた弾道弾迎撃のための超巨大砲台であったが、冷却の問題、精度の問題、そして冷戦の終結により意義を見失い開発が凍結されていたものである。
それがゲートの開通と共に宇宙世紀の戦いに通用する兵器が求められたことでシャンデリアの開発計画が再開。
建造を進めていたのが、地底同盟の進撃を撃退した後に改めて宇宙世紀に持ちこまれたのである。
とは言え未だ開発途上であり完成度は7割ほど。精度こそ現代の技術と地球連邦や日本連合の協力で改善したが、冷却問題が未だ後を引きずっており、温度の低い海域で尚且つ自然の氷塊も用いて強制的に冷却させている。
391:トゥ!ヘァ!:2026/04/17(金) 19:07:40 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「敵移動要塞に着弾!」
「おお。シャンデリア!やれますな!」
「本来は専用の多弾頭コンテナを発射するらしいですが間に合わず…中身に爆薬を満載したコンテナを仮弾頭として用いていますが無事通じてようで」
「このまま順次撃ち込み続けろ。あの要塞を日本や小笠原に近づけるな。こっちを見ないというのなら無理矢理向かせてやるまでよ」
「しかし敵要塞が巨大すぎて後一手欠けますね」
「そうだな…確か調整のために日本に来ていたスーパーロボットがいたはずだな?」
「はい。巴武蔵殿のブラックゲッターと超合金Zや新型光子力エンジンに換装中のマジンガー軍団がいたはずです」
「彼らに出張ってもらおう。無論こちらから大量の護衛をつけてだ」
「しかしそれだけで決定打になりますでしょうか?」
「なに、心配はいらない。今入った情報だが彼が日本の海域に近づいてきているらしい」
「彼…まさか例の怪獣王ですか!」
オメガファルクに続く第二の矢ことシャンデリアの砲撃。
それ続いて放たれるはようやく調整の終わった武蔵のブラックゲッターや同じく改装が終わったグレートとZ以外のマジンガー軍団。
そして最後の駄目押しとばかりにゴジラの接近。
妖魔や邪魔との戦線も優勢であり、時間さえ稼げれば各戦線を片付けた味方や中国、極東ロシア、東南アジア、オセアニアの駐留部隊も援軍に駆けつけてくる。
時間こそ人類の味方であり、地底勢の敵であった。
「うぉおお!改装後マジンガー軍団初お披露目だぜ!」
「おいおい。無茶するなよ大出。新品になったアイアンZを傷物にするなよ」
「ビューナスA隊は私に続いてください!」
「「OKさやか!」」
「量産型マジンガー軍団も続け!」
「量産機だからって甘く見るなよ!」
「俺たちだって特機乗りだぜ!!」
改修作業が終わり改めて実戦参加となったマジンガー軍団の様子。
エネルガーZに乗る東しゅん。アイアンZの大出正雄。ミネルバXを駆るさやかさんに量産されているビューナスAに乗るロール、ローリィ姉妹。
それと名もなきモブの乗る大量の量産型マジンガーことミリオンα、バイオンβ、ダイオンγの軍団。
装甲材を超合金ニューZに換装、動力も新型光子力エンジンに換装した彼らはスペック上戦闘獣に劣らない戦闘力を持つに至った。
特にワンオフ機であるエネルガー、アイアン、ミネルバの三機の性能はすさまじく、百鬼の無人機部隊を相手にまさにマジンガー級と言える戦果を挙げていた。
「馬鹿な…ゲッターロボが何故ここに!?」
「へへ…運が悪かったなヒドラー!こっちは丁度良く補充要員を受け取りに帰ってきていたのよ!!紹介するぜ!!」
「お初にお目にかかるヒドラー元帥。俺の名は神 竜二。あの神 隼人の従弟だ。かつてはあいつと一緒にやんちゃ(反連邦活動)したものだ」
「俺の名はイサム!青春 勇!隼人の幼馴染ってやつだ」
「この武蔵さんと竜二と勇と合わせて第二ゲッターチームよ!!」
「第二ゲッターチームだとぉ!? たかが旧式の改修機と補欠組の組み合わせではないか!」
「補欠組とは言ってくれるねぇ」
「俺たちだってこの日のために猛特訓したんだぜ」
「ヒドラー。お前にも見せてやるよ。旧式と蔑んだブラックゲッターの恐ろしさってやつをな!!」
ブラックゲッターに乗り込んでいるのは武蔵だけではなかった。
神 竜二と青春 勇。彼らが冒頭で話題に出ていた隼人推薦の新メンバーである。
竜二(リュウジ)は漫画版に登場した隼人の従弟。学生運動時代のメンバーで原作では百鬼帝国に仲間諸共改造され魔王鬼とされてしまうはずだった人物。
勇(イサム)はTV版に登場した人物。こちらは隼人の幼馴染であったが百鬼帝国にスカウトされ暴竜鬼に改造されてしまった。
どちらも日本連合の転生者が隼人に声を掛け、先んじて紹介してもらっていた人物。
原作ではどちらも中々の身体能力を披露していたため、ゲッターの予備パイロットとして訓練を受けてもらっていた。
この度めでたく早乙女博士から合格を言い渡され、武蔵のブラックゲッターにてゲットマシン二号と三号の操縦者となった。
なお竜二が二号、勇が三号に乗り込み、武蔵の一号と合体したブラックゲッターとなる。
スペック的には以前から武蔵が乗り回していたブラックゲッターと変わらず、合体変形機能が解禁され、新たな武装が追加された程度である。
しかし三人乗りになったゲッターは一味も二味も違うのだ。
392:トゥ!ヘァ!:2026/04/17(金) 19:09:49 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「ブラックゲッタァー!ワァン!!ゲッターハルバード!!」
「ブラックゲッタァー!ツゥ!!ドリルブラスター!!」
「ブラックゲッタァー!スゥリー!!ゲッターガトリングキャノン!!」
「強化されているとはいえ旧式のゲッターに百鬼獣が蹴散らされていくだと!?」
「どうだ見たか!」
「これが俺たち第二ゲッターチームよ!」
「そのうち隼人たちも追い越して俺たちが第一チームの名を頂く予定だぜ」
「これが三人揃ったゲッターロボか…竜馬や隼人でなくともこれだけの強さとは見誤っていたか!!」
三人揃ったゲッターロボは強い。古事記にもそう書いてある。
性能的には上回るはずの百鬼獣(百鬼メカの無人機版)の大群をブラックゲッターは安々と蹴散らしてみせた。
ヒドラーはその様子を見て己の想定が間違っていることを確信した。
竜馬や隼人だけではない。ゲッターのパイロットは皆揃って化け物なのだと。
「量産型の無人機では無理か…ならば!!こちらも答えようではないか!出でよメカ要塞鬼!!」
「おうおう。そのデカい飛行要塞を幾つも並べてどうしようってんだ!!」
「ふふふ…焦るな。ここからが本番よ。合体だ!!」
「なに!?」
「合体だと!!」
「はぁああああ!これぞ貴様らを叩きのめすための新型!合体要塞鬼!!貴様らを地獄に送る機体の名よ!!」
ヒドラーの繰り出した切り札。
それはメカ要塞鬼三隻を合体させた巨大合体百鬼ロボこと合体要塞鬼であった。
全長250mはあるかという、その巨体は悠々をブラックゲッターを見下ろしていた。
「で、でけぇ」
「目算だが200m以上はあるか?」
「へへ。ビビってんじゃねえよ新入り共。図体がデカい相手なんて散々してきたんだ」
「…そうだな。この程度にビビるようじゃ隼人たちには追い付けねえ」
「こいつを倒せないようでは第一チームに追いつくなんて不可能だしな」
「そうだ!こいつを俺たちの力ぶっ倒して竜馬や隼人の奴に自慢してやろう!行くぞ野郎ども!!」
「「おう!!」」
合体要塞鬼の異様に一瞬飲まれかける竜二と勇であったが、歴戦の武蔵がそこに発破をかけ二人を勇気づけた。
ゲッター乗りはビビっちゃいけねぇ。どんな敵相手にも不敵に笑って大胆に行動する。
必用なのは前に進む胆力と敵をボコボコにする暴力である。
「スピードで翻弄してやる!ブラックゲッター!2!!」
「ちょこまかと!!」
「弾幕勝負なら負けねえよ!ブラックゲッター!3!!」
「馬鹿な。このサイズ差で互角の火力投射量だと!?」
「この形態を使うのにも慣れてきちまったな!ブラックゲッター!1!!」
「なんという淀みのない合体!?何という変形速度!貴様ら本当に昨日今日結成されたチームなのか!?」
「馬鹿言っちゃいけねえ。こいつら二人もゲッター乗りだ」
「博士たちに散々しごかれたからな。何なら訓練で使われているデータよりも優しいくらいだ」
「ゲッターパイロット合格の最低基準は目を瞑っていても合体できることだぜ?」
「く、狂っている!貴様らは狂っているぞゲッターチーム!!」
初乗りとは思えない連携を見せる武蔵、竜二、勇の三人相手に性能では勝っているはずなのに翻弄されるヒドラー元帥。
竜二、勇の二人は竜馬、隼人、武蔵、弁慶それぞれのデータ相手に散々連携訓練を行っており、何ならリアルの武蔵は割と丁寧な方でデータ上の竜馬や隼人と連携するより楽であった。
馬鹿にしてはいけない。
勇は原作からして人間時代から生身で百鬼兵数人を返り討ちにする身体能力とバトルセンスを持ち、竜二はサイボーグに改造されていたとはいえ魔王鬼となってはゲッターロボGに乗るゲッターチームをあと一歩まで追いつめた猛者である。
そんな二人がみっちり早乙女博士に扱かれた結果、この世界では初陣から敵幹部を翻弄出来るまでの立派なゲッターパイロットとなっていた。
393:トゥ!ヘァ!:2026/04/17(金) 19:13:19 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「追い詰めたぜ」
「観念しなヒドラー!」
「今投降するなら許してやるぜ」
「ふ…ふふふ…はははは!」
「何が可笑しい!」
「見事に我が策に嵌った貴様らの様子が可笑しいのだ!見ろ空を!!」
「何だあれは…?」
「小さくて黒い…いや違う!この距離から見えるってことはすげえデカいのか!!」
「そうだ!あれこそ我が本命!成層圏から小笠原に向けて突入させた百鬼飛行大要塞!!
我が百鬼でも三隻しか存在しない全長800mの超巨大要塞よ!!」
「今までおめーさんが乗ってたあの馬鹿デカい船か!!」
「不味いぞ。どんどんデカく見えてくる…ってことはかなりの速度で降下しているってことだ」
「あんな巨大なのが落ちたらゲートも小笠原も滅茶苦茶になるぞ!!」
「核攻撃や空中や水中の別動隊へ注目させたのはこれを隠すためってことかよ!!」
「そうだ!科学要塞島も、引き連れてきた軍勢も、この合体要塞鬼も、そして私自身も全て囮!そしてあの中には数百万トンの放射性物質が詰まっている!
撃破したところで小笠原付近の広範囲にそれらがばら撒かれさせすれば、ユーラシアにいる貴様の軍勢はどうなるかな!!」
ヒドラーの本命はひっそりと成層圏まで上げ、そして現在小笠原諸島沖のゲート群に向けて高速で墜落中の超巨大飛行要塞であった。
元々百鬼の最高幹部にしか授けられない全長800mの超巨大移動要塞であったが、ヒドラーはこれを戦力ではなくゲート付近を汚染するための爆弾として利用しようというのだ。
これだけの巨体を落とすのもそう簡単ではなく、最悪撃破されても爆発に紛れ広い範囲に放射性物質をまき散らし、小笠原諸島及びゲート付近を汚染するのが彼の目的である。
除染というのが中々難しい放射能汚染。一度汚染を許せばユーラシア大陸に展開中であり、これらのゲート群からの補給の割合が多いMUの進撃は確実に止まる。
しかもその汚染範囲が広ければ広いほど、濃ければ濃いほど足止めは確実となる。
旧百鬼本部である科学要塞島も、元元帥である己自身すらも、そして妖魔と邪魔の本隊までも囮としたヒドラー渾身の策である。
「成層圏から敵巨大要塞急速に降下、いや落下中!」
「くそ。衛星軌道の監視網は…元々回復しきっていなかったか!」
「空中と地上の監視網も全て要塞島や他の別動隊に割り振っており、宇宙への監視は手が足りませんでした…」
「戦闘中に発された敵のECMや核攻撃の派手な爆炎もアレへの注目を逸らす目的だったやもしれません。
激しい戦闘のせいで空中の振動探知機や光学監視カメラも発見が遅れました」
「数日前に近辺の宙域で百鬼との大規模な衝突もありました。その際復旧途上の監視衛星も複数破壊されています。おそらくその戦闘自体が下準備だったのかもしれません…」
「今はそんなことはどうだっていい!あれの迎撃を急がせろ!日本海のシャンデリア!北海道のストーンヘンジとエクスキャリバー!各地の迎撃ミサイル!!全て動員させろ!!」
「ゲッターチームから急報が。かの降下中の要塞には大量の放射性物質が詰まっている可能性があるとのことです!」
「馬鹿な…それでは下手な迎撃をすればどこに汚染物質が落ちるかわからないではないか…」
「地底人共め…ゲートの占領が難しいと理解して汚染する方向に切り替えたか」
MU軍極東軍は屈辱に揺れていた。
またしても地底勢に出し抜かれたのである。
彼等を無能と笑うことは簡単であるが、衛星軌道から自慢の巨大要塞を弾頭にして汚染物質をばら撒くことが目的とは誰が予想しようか。
そも百鬼と同時に妖魔帝国と邪魔大王国の本隊も侵攻中の中で全ての戦場を俯瞰し捉えることは一年戦争からの痛手が続く現状では不可能であったと言える。
MU極東方面軍は広範囲に汚染物質がばら撒かれると承知で、かの要塞を撃墜するか、もしくは小笠原に落ちるのを黙って見送り、汚染地域を狭め、ユーラシアの友軍への補給が途切れることを受け入れるかの二択を迫られていた。
394:トゥ!ヘァ!:2026/04/17(金) 19:14:42 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「ふふふ…人間たちが行動し始めたようだが…もう遅い!」
「てめえヒドラー!まだ何かありやがるのか!」
「見ろ!ミサイルカーニバルの始まりだ!中身は全て核弾頭!しかも汚染を引き起こしやすいよう一々核分裂弾頭を用意してやったぞ!」
「!! 落ちてきている巨大要塞から大量のミサイルが発射された!? 何百発だこれ!!」
「駄目押しかよ!!」
「小笠原は!ゲートは必ず汚染させる!!作戦は完遂されるのだ!!」
「クソ。ゲッターで飛んで行って少しでもミサイルを落とすぞ!!」
「そうはさせん!ゲッターも!マジンガー軍団も!人類の軍団はここに釘付けにする!!」
「邪魔だヒドラー!!!」
「死なば諸共ぉ!死ねよゲッタァアア!!!」
ヒドラー狂気の作戦二段階目。
墜落中の大要塞からは大量の核弾頭が発射された。その中身も汚染しやすいように一々核分裂弾頭を取り揃えているほど。
無論これに対してはゲッターを始めとした人類側は全力で迎撃を開始。
しかしこの消耗した状態、そして邪魔しに掛かってくる残存する百鬼部隊を相手にしながらでは多数の核ミサイルも落ちてくる要塞もどこまで迎撃できるかは未知数であった。
「要塞から多数のミサイルを確認!!」
「迎撃しろ!全部だ!!体当たりしてでも止めるんだ!」
「クソ。こうなるならザフトに頼み込んでNJも持ち込んでおくんだった!!」
「ストーンヘンジ着弾まで10秒…! て、敵の無人機が身を挺して砲弾から庇いました!!」
「エクスキャリバー照射!こ、こちらも敵の量産型の飛行戦艦が幾重にも壁になり阻まれました!」
「ミサイルの着弾を確認!駄目です!こゆるぎもしません!!」
「敵巨大要塞の周りに多数の敵機を確認!凄い数だ!!」
「あの数の無人機が全て盾になるだと!?」
「何としても落せ!反応弾の使用も許可する!!事前に準備しているものだけでいい!撃ち込め!!」
「手隙の艦隊にも連絡!とにかく空に攻撃できるものは全部撃つんだよ!!」
「艦隊にも連絡しろ!現地要員は対放射能装備を!!落下物は全て回収しろ!」
「このままでは…」
極東司令部は迎撃を決断した。
敵要塞破損による放射性物質の飛散よりも小笠原ゲートの防衛を選んである。
無論一応の勝算はあった。
エクスキャリバーのような高出力レーザー攻撃や空中気化爆弾や巨大通常弾頭などの強力な熱量により無理矢理放射性物質ごと燃やし尽くす散弾である。
しかしこれらの攻撃は大要塞自身から発進した百鬼の無人機部隊に阻まれることとなる。
文字通り身を挺して大要塞への攻撃を防ぎ、例え当ったとしてもその質量から一発二発では減速すらしない大要塞は確実に小笠原へ向けて降下を続けていた。
更に駄目押しとばかりに多数の核弾頭ミサイルも発射。何が何でもゲート付近を汚染するつもりである。
危うし人類!危うし小笠原!
ところでこの海域にはとある怪獣が近づいていたのをお忘れであろうか。
因みにその怪獣のエネルギー源は放射能である。
395:トゥ!ヘァ!:2026/04/17(金) 19:16:10 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「敵無人機部隊6割の破壊を確認!」
「敵飛行要塞破損率4割突破!」
「敵核ミサイル群の8割迎撃に成功。しかし残り2割が小笠原付近に着弾!?」
「クソ…これだけ打ち込んでもあれだけ残るとは…」
「司令。このままでは破壊しきれず敵飛行要塞の中枢は小笠原沖に落ちる計算に…」
「せめてどこか別の海域に落さねば…!」
「こ、この反応は…近隣海域に高エネルギー反応を確認!!あ、しょ、照射が来ます!!」
「何の光ぃ!?」
「光の波が要塞を貫いて…バラバラにした!?」
「途上のミサイル群は光線に巻き込まれ消失。周辺の残存護衛部隊も同様です…」
「さ、先んじて飛散した放射性物質はどうなっている?」
「ミサイルや要塞より飛散したと思われる放射性物質から発せられる放射能濃度が急速に低下中…」
「…確か資料にありましたね。ゴジラは放射線を食べると」
「はは…また我々は救われたのか…」
「…今度ゴジラの像を神棚に飾っておきましょう」
「そうだな…あと神社も建ててもらおう…立派なやつをな」
怪獣王さん:ずっと出番待っていました。
対バラオのためにため込んでいたエネルギーを撃ちだせてすっきりである。
おまけに何か大量の放射線反応があったので、おまけにそれらも食べておいた。
今のゴジラは腹も膨れて元気120%。
そして目の前には呆けている様のヒドラーと散々追っていた科学要塞島が存在していた。
「馬鹿な…全長800mの移動要塞に数百発の核ミサイルだぞ…それが一撃で…
エ、エクスキャリバー対策に追加の対ビームコーティング、対ストーンヘンジ用に追加装甲も用意していたのだぞ!
そ、それを一撃…一撃だと!何なのだあの光は!一体なんだと…」
瞬間ヒドラーは思い出した。似たような光線を前に見たではないか。そうあれは最初の大侵攻の際。
硫黄島の戦いで見た竜神の光…
「ま、まさかあれは…だが硫黄島で見た時の熱線より遥かに…しかしこの感じは正しくあの時の!」
瞬間。背後の科学要塞島が爆ぜた。文字通りの意味で爆発したのである。
それはゴジラが放った第二の極大放射熱線であった。要塞やミサイルから飛散した放射線を取り込んで猶更元気になったゴジラが身内をイジメられた恨みと怒りを込めた熱線を科学要塞島に撃ち込んだのである。
哀れヒドラーが乗り込んでいた合体要塞鬼の背後で科学要塞島はキノコ雲を形作りながらも吹っ飛んでいた。
もう水面下の台座くらいしか残っていなかった。
「竜神…か…そうか…神とは理不尽なものであったな…」
ヒドラーはここにきてようやく理解した。何故ゴジラが竜神と呼ばれているのかを。
この理不尽さは正に神様のそれである。
396:トゥ!ヘァ!:2026/04/17(金) 19:17:40 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
「せめて…せめて一矢報いて!!」
「ここが年貢の納め時だぜヒドラー!!ゲッタァアアビィイイム!!」
「私たちも攻撃を合わせて!ブレストファイヤー!」
「「こっちもブレストファイヤー!」」
「光子力ビーム!!」
「ルストハリケーン!」
「ぬぉおお!こ、この程度ぉおお!!!!」
「……!!!」
「駄目押しのゴジラの熱線も追加だああ!!」
「く、くそぉおお!!申し訳ありませんブライ大帝!!百鬼帝国ばんざぁああああい!!!」
ヒドラーの最後。
最後は彼が乗っていた合体要塞鬼に対してブラックゲッター、マジンガー軍団の攻撃が集中し、駄目押しでゴジラも放射熱線をぶつけたことで爆発四散。
ここにヒドラー最後の賭けは失敗に終わった。
「それでゴジラさん…帰ると思いきやここで寝ちゃったんですけど」
「うーん。まあいいんじゃない。最強の門番でしょ」
「でもゲート群の目の前…硫黄島のど真ん中で寝られると正直邪魔で…」
「まあ色々協力してくれたわけだし、いいんじゃない? 邪険にしちゃ可哀想よ」
「あの…他の怪獣…オメガファルクでしたっけ? あの子も硫黄島で昼寝していて」
「陸奥さんも小笠原のドッグで装備変えているみたいですよ。次は欧州か宇宙かどっちに行くのやら」
「無事改修を終えたマジンガー軍団や追加人員受け取った武蔵君のゲッターも欧州に旅立ったねぇ」
「妖魔が滅び、投降した幹部の話から邪魔も当分まともに動けないだろうということでライディーンやジーグも日本を離れていきましたね」
「欧州に残っている地底同盟はご愁傷様だね。何せこれから人類が全力で全方位から殴りかかるんだからさ」
第二次大侵攻と呼ばれる戦いは幕を閉じた。
妖魔帝国は滅び、邪魔大王国は主要な戦力と幹部を失い行動不能。
散々太平洋を逃げ回っていた百鬼の科学要塞島も遂に爆散した。おまけにヒドラーも死んだ。
追っていた相手の全滅を見届けたゴジラは取りあえず硫黄島を仮の巣として眠りこけていた。
久々に好きなだけ出来のいい金属を消えたオメガファルクも気持ちよく寝ていた。
オカルトロボ陸奥ことメカむっちゃんもお色直し(装備換装)の真っ最中。
宇宙世紀の太平洋はこれにて大体平和になったのである。
つまるところ今まで太平洋や日本の警備駆り出されていた、残されていた戦力もフリーになったということ。
防衛のため日本に居残っていた鋼鉄ジーグやライディーンなどは派兵のために再編された極東方面軍の面子と共に大手を振って欧州へ進んでいった
地上最後の戦いとなる欧州決戦の時は近い。
397:トゥ!ヘァ!:2026/04/17(金) 19:18:28 HOST:FL1-60-237-167-201.kng.mesh.ad.jp
投下終了
ヒドラーの賭けはオシマイ!
次は閑話挟んで欧州での最後の地上戦やね。
最終更新:2026年09月12日 17:20