7 :名無しさん:2012/05/25(金) 16:43:49
きれいな毛沢東のいる世界で
史実戦後日本に転生した夢幻会。彼ら夢幻会はバブルを絶頂に衰退にむかう日本を阻止するために奮闘していたが一つの異変を発見したのだ。それが夢幻会を悩ませていた。
「まさかこのような事が起こるとは。」
「やつは転生者なのか。でなければこのような異変に説明はつけられん。」
「まさしく悪夢ですな。この世界の毛沢東が、『きれいな毛沢東』だとは」
そう、史実では最悪の独裁者の一人に数えられる毛沢東だがこの世界では違っていた。
悪名高い大躍進政策や文化大革命は起こらず、少数民族への融和政策、人民解放軍の国軍化、中ソ対立回避、無謀な人口増加政策回避など現実的で穏健な政策を遂行していた。
劉少奇・鄧小平を支援しての社会主義市場経済への移行やその際に想定される貧富の拡大、権力の腐敗への対策や民主化を漸進的に進めていた
また中華民国には東西ドイツに倣った相互承認を提案するなど融和外交を展開し、武力によらない統一を目標とした。
アメリカや日本に対しても友好政策をとり、日米国民から国交を結ぶべきだの世論が日米政府の頭を悩ませていた。
そして、国民を証人として神格化を拒否し、レーニンのようになるのではなく墓に葬られることを望むといった趣旨の遺言を生前に公開するなど史実では考えられない「きれいな毛沢東」ぶりを見せていた。
「はあ、アメリカ政府はベトナムの泥沼にはまった以上、この事態の打開に中華人民共和国と国交を模索しています。」
「我々も同じだぞ。日中国交を求める勢力の声は日増しに高まっている。これ以上は抑えきれんぞ。」
「救いは、当面は国内の経済発展を重視して軍事費の負担を減らすために、外交で友好外交を展開していることだな。」
「21世紀の毛沢東の後継者たちが経済発展を重視して、その路線を支持してくれればいいが史実のように反日だと悪夢だぞ。」
夢幻会の憂鬱な日々は終わりそうにもない。
最終更新:2012年05月26日 18:09