611 :アドニス:2012/06/03(日) 14:21:51
ネタSS 『議員たちの憂鬱』
議員とは議会制民主主義において国民を代表して国の舵取りをする者である。
それは立憲君主制国家である大日本帝国でも少なくとも建前は変わりない。
しかし、現在彼等は危機的状況を迎えていた。
そもそもの始まりは反夢幻会派の議員たちが秘密結社「夢幻会」の存在を危険視して夢幻会を表に出して、それを解散もしくは法で規制しようとしたのだ。
しかし、
夢幻会の存在とその功績、そして彼等が画策した謀略など(衝号作戦などあまりにも都合の悪いものは除く)が公開されたことで彼等の顔は顔面蒼白となった。
それはそうだろう。
そもそも明治維新から列強筆頭になるすべてにおいて彼等の功績であることが誰の目にも明らかになり、ぶっちゃけ議会が果たした役割など必要以上に夢幻会の邪魔をしなかっただけだったのだ。
議会はただのカモフラージュに過ぎないと証拠付きで国内外に公表されてしまい、議会の権威は完全に失墜してしまう。
結果として国民が議会の存在意義を疑問視する結果になる。
この状況に追い打ちをかけたのが村中少将を初めとする親夢幻会過激派であった。
彼等はドイツにおけるナチスの出現、イギリスの裏切り、
アメリカが滅亡、メキシコの暴走などを詳しく解説して、民主主義の欠陥を主張して議会解散を派手に主張した。
これによって、国民の間で民主主義に対する不信感が爆発してしまい、議会存続の危機になってしまったのだ。
「このままでは民主主義が衰退してしまうぞ」
非夢幻会派の議員達が頭を抱える。
「おまけにあのバカが足を引っ張っているし」
太平洋戦争時に一部の議員が大陸利権欲しさに陸軍の不満分子を焚き付けるなどの工作を企んだことが村中少将達が暴露したのだ。
これがとどめとなり議員に対する不信が発生したのだ。
議会は役立たず所か足を引っ張っている。
等と言われれば面目丸潰れである。
もちろん夢幻会も議会を潰すことは考えていなかった。
いろいろと問題があるが議会は存続させるつもりだった。
しかし、平成時代のようにバカな議員や総理が現れると日本は終わりだという危機感もあるため、議会や内閣に一定の枷をはめる事にした。
結果として反夢幻会派の議員の行動は全くの逆効果となり、議会の権威失墜と枷をはめられるだけとなった。
(終)
最終更新:2012年06月05日 19:16