889 : テツ:2012/06/06(水) 22:34:21

異世界交流戦でゲートをくぐり憂鬱日本に来日した横浜DeNAベイスターズの選手たち。
そこで彼らは「日本だけど日本ではない日本」に様々なショックを受けることになった。
英語表記の看板が少ない、見たことの無い言語(ロシア語)の看板がある、横浜港沖で戦艦大和を見た、など等・・・。
だが彼らが一番ショックを受けたのは「身近なファストフード店が自分たちの知っているものではなかった」事であった

<<異世界横浜交流戦 2と99とファストフード>>

2「ねえ、ノリさん。俺らの日本にこんな店ありましたっけか」
99「ワイの記憶が間違ってないんやったら、こんな店は無かったなぁ」
ベイスターズの選手である2と99は、試合前日の休養日を利用して横浜の町を散策していた。
2と99は横浜ベイスターズに来る前は、仙台のプロ野球チームで共にプレーしていたので(他はほぼベイスターズ生え抜き)、どうせ行くなら顔見知りと、と一緒に町を歩くことになった。
そして午前中にいろいろ見て回り、ちょうど昼近くになったので何処かで軽く飯でも食おうかとなって、ファストフードの店を探したのだが・・・。
99「こんだけ歩いて牛丼屋が無いなんてあるんか!?」
2「それどころか、マッ○も□ッテもありませんでしたよ!?」
そう、彼らがよく親しんでた、親しんでいなくてもよく町で見かけていたファストフード店が見当たらないのだ。宮城の山の中なら兎も角、横浜市内でそれはあり得ない事であった。
99「いくら日本で無い日本いうても、これは・・・お? なんや、あそこに吉野家があるやん」
2「あ、ほんとだ。幟が見えますね」
ややホッとして吉野家の幟がたっている店の前にたった二人。だがそこで思わず冒頭の台詞をはいてしまった。
2「海鮮丼の吉野家? 吉野家って何時から牛丼やめて海鮮丼屋にコンバートしたんですかね」
99「ワシが聞きたいわ・・・」
何かどっと疲れた表情になる二人であった。
42「どうしたんですか、二人ともこんな所で」
横浜大洋の主砲スチェッキンが訝しげな表情で近寄ってきた。どうやら彼の住んでいるマンションはこの近くらしい。
ゲートをくぐって来日した際の球団主催の歓迎パーティーの席で知り合った彼らは、共に「ぼやきの19番」から多大な影響を受けていることを知り意気投合していたのだ。
事情を話す2と99。
42「だったらもうちょっと歩けば、俺の行きつけの「太郎」って店がありますよ」
2「それは納豆丼を出している?」
42「はい、あ、其方の世界でも在るんですね。納豆丼」
ようやく自分たちが知っている(と思った)店があったので、スチェッキンに案内させられて店に向かう。
看板は木の枝で見難くなっていたが「 丼太郎」とあった。
42「俺はここの納豆丼が大好きなんですよ」
99「一見外人さんにしかみえないスーサンがいうとワシ的にちょっと違和感感じるわぁ」
カウンターに座ってようやくホッとした99が軽口をたたく。
だがカウンターでメニューを見た瞬間、再び脱力してしまった。
「豚丼太郎」
99「ぎゅ、牛丼やないんか」
42「牛肉は高くて、簡単にこういう店では食べられませんよ」
アメリカンビーフが存在しないこの世界では、牛肉はおいそれと食べられるものではなかった。変わりに、比較的供給がしやすい豚肉と鳥肉が一般的なのだ。
42「おっちゃん、俺納豆丼ね!」
2「俺はカレーライスでいいです。ノリさんは?」
99「・・・豚丼特盛り、生卵と味噌汁もな」
ベイスターズの二人の精神力をガリガリ削った散策であった。
ちなみに味は普通に美味しかったそうだ。


オワレ

890 : テツ:2012/06/06(水) 22:35:15

2と99は2012年現在の人達ですw

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最終更新:2012年06月07日 23:45