350 :New ◆QTlJyklQpI:2012/06/10(日) 22:12:02
ネタSS ~カリフォルニア共和国の乖離~
「ハア・・・・」
ゲートを超えてカリフォルニア共和国米国大使館駐在員となった男は溜息を漏らしていた。
周りにいる人々は彼に物珍しい視線を送っている。
今時のアメリカ人らしくハンバーガーやスナック菓子でデップリ肥え太った彼の肥満体はカリフォルニアでは
珍しい類なのだ。憂鬱カリフォルニアでは確かにハンバーガーなどの高カロリー食品もあるにはあったが
史実Mバーガー店のように安くもなく、牛肉も簡単に手に入るとは言えず豚肉や鶏肉が使われている店も多かった。
そして戦後しばらくしてから牛肉の質量が向上しても同時期に入ってきた日本食の普及によってヘルシー指向の食事
が増え始め、日本の給食制度や日本的な素朴な菓子、更に
夢幻会メンバーが趣味で作ったダイエットグッズなどと合わせた
せいで今尚「肥満=自己管理不徹底」という印象が強く、好まれていないのだ。
更にいうとアメリカ英語にも影響が出ている。カリフォルニア共和国で使われている英語は古い映画などでよく見る
「昔懐かしい」素朴なアメリカ英語であり、スラングなど色々混じってしまった史実アメリカ英語との会話で支障が出ていた。
その結果、今まで反連邦と言える教育を受けて来たカリフォルニア国民の中には向こうの
アメリカへの嫌悪感とも言える
ものが噴出してきており、アメリカ側との摩擦も増えつつあった。
何よりも米国の諜報員を潜り込ませたりしようとしても言語や習慣が乖離し過ぎていて速攻バレてしまい、
余計に反米感情を煽ってしまい彼のように責任を取らされる人員が後を絶たなかった。
この日何度目かになるか分からない溜息をもらしながら、彼は帰国の便に遅れまいとベンチから立ち上がり
トボトボと大使館の方へ荷造りに戻っていった。
カリフォルニア共和国
憂鬱日本にとってはアメリカの精神的な後継者と目されていた国だったが
史実アメリカとの似ても似つかぬ変貌ぶりに後継者の看板を下げる日もそう遠くない。
最終更新:2012年06月10日 22:35