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578 :New ◆QTlJyklQpI:2012/06/14(木) 00:33:46

ゲート1971ネタSS ~睨み合い~



「どうだい、”ヤマト”と”ムサシ”の様子は?」
「相も変わらず、堂々と遊弋してますよ」

戦艦アイオワの艦橋にて艦長は溜息を漏らしていた。

1971年に開いたゲートにより、異世界の、それも米ソが滅び大日本帝國とドイツの冷戦状態の世界と繋がった。
そしてあろうことか日本国に訪問中の帝国の特使が暗殺未遂に遭い、日本国政府の過失に帝国は艦隊を派遣
したことで事態は極度の緊張状態に陥った。なんとか事態は最悪の事態にだけはならなかったが安保条約を蹴った
せいで在日米軍の風当たりは極度に悪化し、帝国の艦隊は引いたとはいえ警戒を崩さずにゲート付近を
遊弋していた。この事態にアメリカはモスボールされていたアイオワ級戦艦を復帰させ、日本に4隻すべてを
張りつかせることで帝国への牽制をしていた。

「もっとも、牽制になるかどうか」
「4隻で勝てますかね?」
「”ヤマト”1隻だけでも無理だよ」

その言葉に艦橋にいた面々は否定するどころかウンウンと頷いている。
大日本帝國から公開されたメガ・ドレッドノート級、10万トンを超える巨体に51cm砲、更に核攻撃対応といった
スペックに「噂の大本営発表か?」と当初は疑われたが事実であると知ると海軍関係者を中心に大混乱が見られた。

「大統領が戦争になって勝てるか?と聞いたら海軍長官が、無理です相手は”ヤマト”です、と言ったらしい」
「デカイ的などすぐに沈めてやると言った空軍がスペック見た途端、核攻撃の許可を求めた」
「ゲートが出現したのはオキナワで沈めた”ヤマト”の呪いらしい」

様々な噂が立ち上り、メガ・ドレッドノート級というイメージを飛躍的に増大させていく。
大統領はこの”ヤマト・ショック”の世論を抑えるために勝ち目は別としてアイオワ級を対峙させるという
政治的パフォーマンスが必要になった、というのが真相らしい。

「問題は極東に戦艦と一定の航空兵力を割かないといけなくなったことだろうな」
「数ヵ月後には空母も加わるらしいですしね。ベトナム戦争中なのに」
「だが極東ソ連軍も動いてる。動かす他あるまい」

ソ連もゲートの存在を感知し、極東に軍を移動させつつあった。
今は連合赤軍などを日本が駆りだしているため様子を見ているだけだが、
その内日本国内の左翼の過激派を焚きつけるのは目に見えていた。

1971年、極東のゲート出現に始まるアメリカ、ソ連、大日本帝國の軍事的緊張”極東危機”
に日本国は抗う術を持たず、水上の木の葉の如く揺さぶられようとしていた。

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最終更新:2025年03月15日 10:00