161 :名無しさん:2012/07/15(日) 19:47:19
世界巡幸
陛下の要望から検討された海洋調査計画。だがそれも進められていくうちに友好国を含む一大巡幸計画へと変わっていた。
「どうしてこうなった」
大戦の英雄であり留守を任される帝国宰相はそうため息を漏らす。
「まあまあ、嶋田さん。陛下に艦隊と共に各地に出向いていただければいろいろと帝国にも利点がありますし、何よりもこれによって
外務省の復権もかなり進んだのですから」
大蔵大臣はそういい宰相をなだめた。吉田らを筆頭とする外交官たちは各列強を巡り方々で海域調査の許可を取った。枢軸と交渉し帝
国と枢軸の友好式典と言う事でインド洋を、同様にイギリスから北海を、またバチカン、イタリアと交渉しローマ教皇との会談の名目
で地中海まで許可を取り付けた。
これを見て英国の首相は「正直かの国の外交を過小評価していた。忘れていたのだ彼らの外交官は日本人だと言う事を」と発言したと
かしなかったとか。
「これはあくまで、諸国へ帝国の威徳と友好を高める為のものである。その為警備の為に付き従う兵士は当然として個人の活動として
現地に向かう臣民にも陛下の顔に泥を塗る行いをする事はないと信じている」
宰相の演説により空前絶後の一大巡幸が開始された。
保護国の場合
「なぁうちの国で大和作るのには何年かかるだろうか?」
「とりあえず自力じゃあ百年かかっても無理ですね。作るだけなら兎も角いや作るだけで国が破産します」
「そうか、いいなぁアレ欲しいな」
既にボロボロである駆逐艦の上で艦長と副官が会話する。一応巡幸に来ている盟主国皇帝の為を迎える式典の為にペンキで塗られてい
るがやっぱりみすぼらしい。
彼らが駆逐艦の上でで警護艦隊を見物しているその時、海が望める式典の会場では海洋調査が出来る為に主賓が上機嫌で出来得る限り
の歓迎はしたものの失礼がないかと神経を尖らせていた式典関係者一同は安堵し。民間は民間で逞しく、警備艦隊や陛下、艦隊目当て
のおっかけが落とした円で暫く巡幸景気と呼ばれる状態にアジア太平洋一帯が湧く事になった。
インド洋の場合
「ようこそ」
日独の友好の為の式典とあって日本からの圧力を減らし友好を進めたい枢軸は総統自らが出迎え演説に始まりゲルマン芸術や新都市計
画等が紹介された。ゲルマン芸術や都市構想について陛下と話をした総統は史実どうり陛下のファンになった。また、イタリア代表と
して式典に参加していたドゥーチェは目立つ総統ををうらやましそうに見ていた。
北海の場合
女王自らが出迎え。式典に参加した英国人は皆大英帝国の没落を嫌がおうにも痛感する事となった。
地中海の場合
流石に警護艦隊は制限される事になったがローマ法王が出迎え、欧州諸国からも参加者が多いに集まった。また、式典に参加していた
ドゥーチェと総統は目立つ教皇ををうらやましそうに見ていた。
ただこの一大巡幸により世界各国の海軍関係者大半と留守中に儀式を代行する関係者が大打撃を受けた事は余り知られていない。
最終更新:2012年07月18日 22:24