945 :New ◆QTlJyklQpI:2012/07/11(水) 22:28:03
異世界召喚ネタSS ~平成日本が転移しました さらば、ルー●ー!~
帝国が異世界に転移して30年近く経った頃、
夢幻会メンバーは緊急招集を受けて集まっていた。
「精霊教の正統派が大規模魔法を?」
「はい、エルフによるとかつて太古の昔に結んだ協約で禁止した極めて危険な魔法らしいです」
「エルフ氏族からは情報を提供するので速やかに討伐してほしいと」
「あのエルフたちがそれほど言うのですから恐らく情報も本物でしょうね」
帝国の勝利により敵対していた精霊教は威信と権力が弱体化し、多数の派閥が入り乱れ腐敗、衰退していた。
その中で台頭してきた”清く正統なる信仰のために!”という「どこのブルー●スモス?」
と突っ込みが入るマジ●チな派閥である正統派は極端な人間種至上主義と劇薬・魔法薬や禁呪を使用して信徒を
多数のドーピング兵士にし各地で”聖戦”という名の大量殺戮を画策したため日本軍の徹底攻撃を
受けて敗走、現在まで行方知れずだった。そんな時に今まで極端に閉鎖的で引きこもり呼ばわりされていたエルフが
わざわざ情報を持って接触してきたのだ。
「奴らはクラウド大陸を挟んで向こう側か・・・」
「小さな島嶼群ですね。この辺りは海流も激しく、海竜も多いので調査も航空以外は手つかずでした」
「ところで、その魔法というのはどんなのだ?」
「大分昔のことで資料は少ないですが、召喚魔法の一種らしく疫病を呼び込んだせいで禁止されたとか」
「召喚魔法・・・・・なんか嫌な予感が」
その予感は見事に的中することになる。
数日後大規模な魔力を島嶼群の方向に探知した帝国は艦隊の派遣を急ぐ傍ら、航空機での偵察を
敢行し、驚愕の光景を目の当たりにする。
「「「日本列島?!」」」
「しかも、どうやら史実世界の日本が転移してきたみたいです」
そういうと報告者は接触時に取られたP-3哨戒機や護衛艦の写真を見せた。
「しかも流れてくる電波を傍受した結果、あの宇宙人内閣の時みたいです」
「「「うわあぁ・・・・・・」」」
日本人なのに日本語を話さない首相相手に厄介なことになる事を予感する面々。
「取りあえず相手の出方を見るしかないな」
「後、よりにもよって正統派の拠点が東京沖のすぐそこだ。一応警戒しないと」
そして艦隊を派遣した日本帝國だったが数カ月しても全然変化がなかった。
勿論、ヘリなどを使用して海保や海自相手に2,3のやり取りはしたが政府首脳らの接触も要請も何も起こらなかった。
「・・・・・・あいつら何を考えてる?」
「・・・一応電波傍受とかしてますが・・・・政府は何も言ってないようだが・・・・」
「まさか!食糧備蓄とか見てもそろそろ動いてもおかしくないだろう?まさか国会にうつつを抜かして
先延ばしにしてるわけでも・・・・・・」
”ないことも、ないか”と夢幻会メンバーの思考は一致する。人間突然の状況変化では見たいものしか見なくなるのだから。
それでも現実を見るのが政府の仕事なのだが、あの政府なら万が一、という場合もある。
実際、その通りだった。国会は文字通りバラバラであり、大日本帝國の出現も合わさって
”帝国に食糧支援を要請!””近くの陸地に調査を!””いや、そんな侵略行為認められるか!””軍国主義か!”
等など実に非現実的な議論に終始し、政権は”政府主導”という言葉だけで何もできてなかった。
「食糧統制もしてないようだが・・・・一応食糧を満載した輸送船待機させとくか」
「それでも1億以上の人口は賄えんぞ」
「我々は大日本帝国だ・・・他国のために臣民を飢えさせるわけにはいくまい。怨むなら自分らで選択した
日本国政府を怨んでほしいな」
「・・・・・・・・ところであの正統派たちは」
「航空偵察や電波傍受で数日前に東京湾に入港したのは分かってますがそれ以外は」
一応引き渡しの要請はしたがうんともすんとも返答が返ってこず、時間だけがいたずらに過ぎていく。
946 :New ◆QTlJyklQpI:2012/07/11(水) 22:28:37
状況が変化したのはそれから1週間後だった。
「「「は?東京で戦闘だと?!」」」
「はい、今朝から電波が騒がしくなり、調べたところ正統派の軍団と戦闘に突入してるみたいです」
「それで戦況は?」
「どうやら自衛隊は出動したみたいですが正統派が我々との戦闘に慣れてるせいか魔法での撹乱やドーピング兵士
に苦戦してる模様です」
原因は実に単純な事だった。正統派は疫病を呼び寄せて帝国領に撒くつもりだったが、日本国を召喚し
混乱していた。しかし帝国に勝るとも劣らぬ彼らの技術力を見て焚きつけて帝国にぶつけるか、もしくは
支援をねだるために東京に入港。日本政府は国会の混乱と異世界の情報を得るために取りあえず彼らを
丁重に御もてなしした。正統派は帝国の悪辣さを吹き込んで焚きつけたものの、宇宙人は帝国の悪辣さに
同意しても支援や帝国との開戦については得意の宇宙言語で誤魔化していた。
やがて耐えきれなくなった正統派は政府首脳陣に強硬に迫ったが再び帝国の悪辣さに同意しつつ、宇宙言語を
使う首相にキレて「ならば貴様らはただの異端だ!」とその場で火炎魔法を使用し首脳陣を焼いた後、
一帯を制圧するために動き出したのだ。
首脳陣を失った自衛隊の初動は遅れて一般市民に多大な犠牲が発生し、ようやく到着した部隊は
市民の避難誘導に忙殺されていた。また、正統派は帝国軍との戦闘から近代兵器への対処法も熟知していたことも
事態を悪化させていた。視覚を阻害する魔法で相手の銃器を封じ、痛みも恐怖も感じないドーピング兵士との
接近戦を強要する戦術で自衛隊は大被害を被り、更に兵士に着せた常人なら重くてとても着れないだろう
対6.5mm弾用の鎧は自衛隊の5.56mm弾を無効化していた。
「どうします?支援要請が来てますが・・・」
「やれやれ、これでまた衆愚政治が云々という声が強まりそうですね」
「まあ、実際その通りとしか言えませんからね。支援の対価はたっぷりと取らせてもらいましょう」
かくして前途多難な平成日本と余計な負担を強いられた日本帝國の共闘が始まる。
最終更新:2025年03月15日 15:15