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本編時系列 提督たちの憂鬱 第7話 1/6

1933年~1935年

アメリカ企業、投資家:日本、そして満州への投資を増加させていった。
『日本は人件費が安く、労働者の品質もそれなりに高い。そして近くには大消費地と目される中国があった。
中国に直接工場を作ろうという動きも無くは無かったが、
彼らは上海での暴動やインフラの状態を見る限りはリスクが大きいと判断して、
比較的安心できる日本を選んだのだ。
さらに日本陸軍が作ったコネクションもこれを後押ししていた。』本編7話より抜粋

日本:『投資される側の日本もただでは転ばなかった。
工作機械の国産化、工業規格の統一の推進などを推し進めて工業力強化を図った。
日本はスポンジが水を吸い取るかのように、新しいものを次々に吸収して、成長していった。
それを知る人間たちはあまり日本を大きくするのは問題があるのではないか、
と危惧したが、日本と満州が齎す利益が大きくなるに連れて、
目先の利益に目がくらむ人間が増えていく。』本編7話より抜粋

米国:日英同盟分断、対中支援強化を指示。

『日本が大陸への軍事力による干渉をできるだけ抑えて深入りを避けるのと対称的に、
米国は大陸へ深入りしていた。』本編7話より抜粋

南満州鉄道沿線地帯:『 米国資本が多数進出し賑わいを見せていた。
油田の発見もあって、満州には東洋有数のコンビナートが形成されつつあった。
さらに米国は大規模な農園の建設さえ計画していた。』本編7話より抜粋

奉天軍閥:『 米国資本家達の手によって満州の基盤の整備が行われるに従い、
張作霖率いる奉天軍閥が著しく強化されていたのだ。
さらに米国の支援で大規模な軍需工廠が建設されると
彼の鼻息は荒いものとなっていた。』本編7話より抜粋

日本陸軍:予算不足により日本陸軍は九二式、八九式戦車や、
沿線警備の為トラックやバイクを配備している程度。
おまけに車両の数が少なく警備には騎馬を重用している有様。

無線機ネットワーク整備:東条英機が愚痴を言いたい為推進。
弱電分野の成長になる為一石二鳥。

『 辻は通信網整備のために
色々な部署と折衝するはめになるのであった。』本編7話より抜粋

159 :4:2012/07/31(火) 01:35:17
2/6

海軍省特別室

『 日本では夢幻会が設置した海軍省の特別室で、
公表されることの無い戦いが繰り広げられていた。そこでは多数の屍が築かれており、
そこが如何に激戦が行われているかを示していた。』本編7話より抜粋

嶋田繁太郎:同人誌製作中。机に沈む。

『「お、俺はもうだめです。あとはお願いします」

「死ぬな、嶋田!!」

「そうだ、ここでお前が倒れたら!!」

「ダメだ。もう意識が……」』本編7話より抜粋

伏見宮博恭王:同人誌製作中。ペンネーム『フシミン』
去年試しにこっそり出品したら評判が良く今年も出品。部下達に協力を要請。

海軍補充計画:辻~んに原案の大半を容認させただけでも奇跡と言える。

『 新設計の2万トン級空母である飛龍型。
その建造費用は艦載機を含めば、超甲巡より高くついた。
それを何とか辻に容認させた反動が、
この同人誌製作だった……かもしれない。』本編7話より抜粋

第二次ロンドン軍縮会議:現状維持。中身を更新して兵力バランスを維持。
戦時に備えて基地航空隊と早期警戒網の構築を推進。
暫くは赤城型2隻、飛龍型2隻の4隻体制。

米国:米国による日英分断工作をできるだけかわす。
日米関係で必要以上に卑屈になるつもりはない。

海軍:軍縮条約を締結する方針を決定。

夢幻会海軍派閥:条約反対派を押し切る一方で、堀悌吉など多数の提督を自陣営に引き込んだ。

160 :4:2012/07/31(火) 01:35:57
3/6

1935年12月9日 第二次ロンドン海軍軍縮会議

米国:日英関係に楔を打ち込みたい米国は様々な方法で揺さぶりをかけ
日英同盟の解消を強引に主張した。

夢幻会会合

嶋田繁太郎:会合出席。日英同盟を第二次世界大戦勃発の直前まで引き延ばすことを提案。

辻正信:会合出席。反日運動の抑えこみは中国の内戦を利用。

『「お察しの通り。ソ連と中国共産党を利用します。
嶋田さんが仰ったように押してだめ、引いてもだめなら、横にずらすんです」』本編7話より抜粋

与野党:野党の中には日英同盟解消を政局に利用しようとする者もいる。
与党内部でも主導権争いの気配がある。

統帥権:国難の時にこれでは政治家達にはいつまでも統帥権を渡せない。

各省庁人事権:同上。

161 :4:2012/07/31(火) 01:36:38
4/6

軍縮会議

日本代表:交渉の席でこれまで主張してきた日英同盟の維持を撤回。
同時に即座に日英同盟を解消するのは難しいと主張し、
日英同盟は1938年までは維持することで妥協するよう米国に求めた。

米国:軍縮条約締結後、即座に同盟解消を求めたが最終的に認める。
奉天軍閥にさらなる支援を行い、中国統一そして米国の市場の拡大を図る。

ルーズベルト:やや不満は残るものの、さらなる日英分断工作と、東アジア進出を命じた。

英国:日本と組んで華南で通貨制度改革を実施し、英国経済圏に取り込んだ。

蒋介石:日英は蒋介石に大量の武器を売りさばいて大量の銀を手に入れた。

日本:『 英国ほどではなかったが、ある程度の利益を得ることができた。
日本は貯めた資金を、国内投資につぎ込み、国内の開発を加速させていった。
東北の貧農対策として八郎潟の干拓も大金をつぎ込んで推し進めた。
莫大な金が掛かるとして反対意見も少なくなかったが、
辻は貧困を無くすことが国家の安定に必要であると主張して、
各部署を説いてまわってこれを実現させたのだ。』本編7話より抜粋

陸軍:来るべき第二次世界大戦に備えて、火器の強化を図った。
自動小銃、対戦車バズーカなど携帯火器の開発と生産を行う一方で、戦車の強化も推進した。

『 日本版T34である九七式戦車はあまりにコストが掛かりすぎるとして、
陸軍は九二式の改造を推し進めたのだ。陸軍の戦車開発班は自走砲にしたり、装甲車にしたりと、
陸軍はこの九二式を次々に魔改造していくことになる。』本編7話より抜粋

帝国中央情報局:関東軍の一部と結託して大陸での謀略工作を進める。

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5/6

中国

『 内戦が続く中国では共産党と匪賊による富裕層への強奪が頻発していた。
これを取り締まるべき警察機構は賄賂攻勢によって機能を停止させており、
未来人なら「リアル北斗の拳」と言うであろう世界が展開されていた。』本編7話より抜粋

国民党:『上海事変の敗北、米との関係悪化と中国統一の失敗、
そして英国主導による貨幣制度改革と排外運動に燃える人間達を落胆させることが多く、
その求心力は低下していた。』本編7話より抜粋

奉天軍閥:『華北の奉天軍閥は、米国の力で勢力を拡大させてはいるが、
民衆への圧制から求心力は低かった。このことがさらに治安を悪化させていた。』本編7話より抜粋

共産党:『この隙を縫うように共産党が勢力を拡大するのは当然であった。』本編7話より抜粋

海援隊:『彼らは帝国の最新鋭の武装と高い錬度によって、
私設軍とは思えないレベルの戦闘能力を保持していた。
大陸ではガードマンの仕事も請け負っていたことから、
彼ら共産党、というか匪賊にとっては天敵でもあった。』本編7話より抜粋

新聞記者・尾崎:日本でも指折りの大陸通といわれる。海援隊を取材。

163 :4:2012/07/31(火) 01:38:40
6/6

魔都・上海

『その一角で尾崎はある男と接触していた。』本編7話より抜粋

尾崎秀実:二重スパイ。フシミン、コノミンを愛読。萌えによる世界革命を推進中。

『ソ連のスパイとして真偽の混ざった情報をソ連に流して撹乱工作を行い、
それに並行して彼は中国共産党や匪賊を
意図的に暴発させて中国を内部からかき乱していた。
勿論、ただかき乱すだけではない。彼らを中国富裕層にぶつけることで、
中国人同士を敵視させあわせて、不信感を煽りたて中国の精神面での統一を妨害する気だった。
労働者層が富裕層を襲えば、会社は成り立たなくなる。
そうなれば中国近代化のプロセスは挫折するだろう。』本編7話より抜粋

ロシア系白人A:尾崎の報告書を持って上海の街中に消えた。

ロシア系白人B:ロシア革命脱出組。共産主義者ロシア系白人Aの組織を調査中。

スターリン:名前だけ登場。

『共産主義の親分であるスターリンが銀行強盗をやっていたくらいだからな。』本編7話より抜粋

『中国では日本の謀略、列強のそれぞれの思惑によって内戦と社会での相互不信は拡大していく。
日本はその隙を縫うかのように、自国や満州で生産された安価で品質が保たれた製品を流し込んだ。
これによって中国で工場を建てるより小売として儲けたほうが効率が良いものとなり、
次第に中国民族資本による工場は苦境に追いやられることになる。
反日運動も次第に抑えられるようになっていき、
列強は日本が欧州列強に劣らない有能な差し手であると認めるようになっていく。
だが大陸におけるメインプレイヤーの一人である日本の背後に、
色々な想像だにできない思惑があることを世界は知る由も無かった。』本編7話より抜粋

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最終更新:2012年07月31日 20:46