334 :第三帝国:2012/08/02(木) 18:19:44
【星界の紋章×銀鬱の変則的クロス本編】 夢幻会(TS注意)


宇宙暦801年
皇紀4261年  宙京


「今度はなんだ?
 また監禁系真ヒロインがどこかで監禁されたのか?
 それとも、またラフィール殿下が宮様と一緒に無断で海洋惑星に出かけたのか?
 あるいはなんだ、【ジントしっと団】と【殿下との仲を2828見守る会】、【真ヒロインprpr隊】が喧嘩でもしたのか?」

眼のくまを浮かばせた嶋田茉莉は、
はた迷惑な連中が引き起こした騒動を思い出しながら不機嫌そうに夢幻会の会合に現れた。
なお、彼。いや彼女の今の姿はキャスター(5次)で元キャラと合わさって苦労人オーラが染み出ている。

「嶋田さんが魔女化して暴れたことが抜けてますよ」

「黒歴史がぁ!!黒歴史がぁああ!!!」

「あと、例の人工精霊なんちゃらで魔法少女になったよな」

「ノォオオオオオオォおオオ!!!」

辻、山本の順ですかさず突っこまれ悶絶する嶋田。
周囲の人間はそんな様子とその時の情景を思い出しニヤニヤしている。
ちなみに辻はイメージするならば黒レンで山本は「あたしってほんと馬鹿」というセリフを思い起こさせる人物へ変貌していた。

「さわがしいな・・・ドアの外まで聞こえたぞ」

自動ドアが開き、さらに会議室に一人の男が入室した。
男は精悍そうな赤い目に、刈り込んだ青い短い髪をし肩には後頭部で束ねた髪を載せており。
長衣の上からでも細く鍛えあげられた筋肉が見えており、男が発した音声と照合すると・・・。

「兄貴っ!!兄貴じゃないか!!」

「ランサーが死んだ!」

「「「「この人でなし!!!」」」」

「うるせぇ!!!」

面々の定番のネタにランサー(イケ面じゃない方の)こと南雲が叫ぶ。
余談だが、この姿であるせいか転生してから常に幸運Eであり、夢幻会メンバーのネタはあながちネタでなかった。

「さて、今日の愉悦・・・もとい嶋田と南雲弄りは終えて本題に入りたいと思う」

「愉悦って、おまえはどこぞの麻婆神父かよ!!」

「この外道!!」

普段は首相を務め、本日の議長を務める近衛が淡々と会議開始を宣言する。
2名程抗議の声を上げていたが完全に無視だ。

335 :第三帝国:2012/08/02(木) 18:20:25
「私個人に宛てに自由惑星同盟の国防委員長、人的資源委員長、財政委員長から連絡があった。
 時差が存在するから厳密でないが、本日最高評議会で銀河系内郭国家連合への侵攻が決定されたとのことだ」

その内容に先ほどまで騒いでいた面々はしばし沈黙の業に突入する。
そして回復した途端に会議室は喧騒に包まれる。

「正気か!!あれほどの艦隊に敵うとでも思っているのか!!?」

「一体誰だ。そんな事を提案した馬鹿は!」

「50年前の同盟の方がまだ賢かったぞ!!」

嶋田はそんな様子を見ながら考える。
確かに、自分たちが知る同盟は昔から世論に流され易く、選挙ごとに戦争があるなど少々問題があったが。

イゼルローン要塞を築き、帝国軍に出血を強いる等と言ったこちらの助言には素直に耳を傾け、
要塞建築後には基本帝国領への無謀な侵攻はせず、ひたすら通商破壊を繰り返すなど自身の限界を弁えていた。
      • もしかするとアレだったかもしれない。

「こちらが舐められないようにあの大艦隊を見せつけましたけど、案外藪蛇だったのかもしれませんね」

辻が嶋田の考えを繋げた。

「ようは、恐怖です。
 はっきり言って『やり過ぎた』というべきでしょう。
 帝国の代わりに人工種族である我々が人類を支配するのではないかと疑心暗鬼の状態に陥っているかもしれません」

見た目がこんなのですからね、と長耳を突く。
幾人かが辻の動作に鼻を押さえて悶絶していた気がするがきっと気のせいだ。
おもわりさん、この人です。

なお蛇足ながら付け加えると、
辻は今でも眼鏡を着用している。アーヴの遺伝子操作技術ならば眼鏡など不要だが、
辻の家徴として敢えて調整せずむしろ代々わざわざ眼鏡をかける程度に視力を落としている。

「我々がかつてチート国家アメリカを恐れていたようにか?」

「まあ、確かにあの時は丸ごと津波で流したくらいだしな」

「火葬戦記ならぬ水葬戦記なんて初めてだろうな」

前世で悩まされたある国を思い出し全員が納得する。

「軍として意見を述べる。恐らくそれだけじゃない。
 動員解除を行った今だからこそやれると思っていると思う、問題はこれが短期間ならばあながち間違いじゃないことだ」

「おまけに艦隊の一部は旧帝国領で平和維持活動のために活動中で孤立化する恐れがあるな」

現役軍人代表として南雲、山本が意見を述べ、同意するようにその他の将官、外交畑の人間が頷く。
革命政権崩壊以後、秩序が崩壊し億単位の難民が押し寄せてくるという悪夢を出来るだけ回避するために数個の艦隊を旧帝国領土に貼り付けている。
なお厨二大王こと富永はその平和維持活動の責任者として出向いているためにここにはいない。

「まったく、やっと問題が粗方片付いたと思ったらまた面倒なことになったな」

「だが、あのトリューニヒトが態々私に連絡を寄こしてきたということは、
 同盟内で何とかするというメッセージじゃないか?案外前より簡単にケリがつくかもしれん」

「まあ、あの人の【今】は知りませんが【原作】では決して負ける方に投資しませんからね・・・良い意味でも悪い意味でも」

嶋田、近衛、辻の順で会話を繋げる。

「だが、だからといって見守るだけではいけない」

「先に限定的な動員と回廊での防衛の強化をすべきだな」

純軍事的意見として南雲、山本が更に続ける。

「それだけじゃない、こんな事を考えた阿呆を探るために同盟との接触を増やすべきだ」

「少なくても、こうして連絡してきたことは同盟は一枚岩でない証拠だと考える」

東条、伏見宮が政治的意見を述べる。
そしてその他全員は自然と辻、嶋田、近衛に視線が集中する。
3人はその様子を見て頷き、近衛が代表して結論を下した。

「そうだな、では一部動員を行うとしよう。
 それとトリューニヒトだけでなく、ヤンなどと接触することで同盟内部の情勢を見極めることでいいな?」

――――異議なし


夢幻会、始動

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年08月02日 19:28