372 :第三帝国:2012/08/03(金) 21:57:00
【星界の紋章×銀鬱の変則的クロス】外伝~コミケのスタッフをラ腐ィール殿下に任せてみた
宙京の軌道上には首都という事もあり軍事施設、
工廠、港などと宇宙船にかんするものの施設が数多く浮かんでいる。
だがその中でも特に著名な建造物は移民船『高天原』であることに疑いの余地は存在しない。
移民船『高天原』は今から数百年前に作られた探索船がその起源である。
現在でこそ数百万人もの人間を収容する機能があるが元はアーヴによる探索船で28人しか乗れない物であった。
しかし、『D計画』の発動と共に移民船へと幾度も改造に改造を重ね、一時期は首都にもなった。
とはいえ、居住可能な惑星の発見という目的の達成と共にその役割を終え。
スクラップとして処分されるのが当たり前の対応であったが、まだまだ役に立つと判断され今ではイベント会場として現役だ。
そして、今日この日。標準歴で8月に相当する季節。
数百年前から続くイベント、3日間で約150万人もの人々が集まる神聖な祭りが行われつつあり。
丁度腐り神に魅せられた女性たちが集う2日目へと突入していた。
「うむ、今年も豊作だな」
「そっか、それはよかったね」
皇室の一員として毅然と振舞うよう遺伝子レベルで刻み込まれ、
普段人前であまり表情を変化させないラフィールであったが今日の彼女は感情表現が豊かで、スキップすらしていた。
ただし、ジントはラフィールがこうも喜んでいる姿を見られたことは嬉しいが。
今持たされている紙袋に入っている彼女が購入した薄くて高い本の価値についてはさっぱり理解できなかった。
「ふふふ、運命の夜
シリーズの『自慰せよ、槍兵』、
『受けるがいい~俺の股間のゲイ♂ボルク』、『この世すべてのガチムチ』を真っ先に確保できたのは僥倖であった。
後は企業ブースで『復刻版:くそ○そテクニック』シリーズが購入できればいいのだが、それはエクリュアに任せてもらおう」
「・・・・・・・・・へぇ」
彼女の端正な顔からスラスラとロクでもない単語が飛び交っているがきっと気のせいだ。
両手に食い込む程積み込まれた本の内容が妙に肌色と白濁の比率が高く、男同士でハッテンな行為をしているなんて幻覚に違いない。
しかしも、オリジナル本で妙に自分に似ているキャラがチラホラ見た気がするがきっとキノセイダ。
等とジントは両手に掛る重みから現実逃避を図る。
さらに信仰する神に縋ろうとするが、聖書の言葉が思い浮かばず、
この時ジントは初めて長老派基督教会の教義を真面目に学ばなかったことを後悔した。
ちなみにジントに似たキャラが同人誌に出た要因を神の視点的に述べると、
夢幻会の腐女子、腐男子メンバーが『リアル真ヒロインキタコレ!』とハッスルしたためである。
そして、ラ腐ィールは『ジントを愛している』ためジントが登場する薄い本を集めるのは当然のことだと考えており。
『サ○ソン似の男にらめえぇぇとされるシーン』や『逆にソ○ーシュを鬼畜調教するジント』などを愛出るのは義務であり、愛していると誇っている。
- どうしてこうなった、全て公式が悪い(断章1)悪いとはいえ・・・強くイキロ、少年。
「っ!」
薄い本をロッカーに預けつつも、
意識を三途の河の半ばまで逝っていたジントだったが、突如地面が揺れ動き意識が回復する。
「ラフィール!!」
地表ならともかく、宇宙船。
ましてや移民船として作られた超大型宇宙船がこのように振動するなど断じてありえない。
そこまで考えてジントは宇宙船が何らかの異常に巻き込まれていると判断し愛しい人に声を掛ける。
「安心するがよい。ジント、別にまた拉致監禁される事態が起こったわけじゃない」
ジントの心配を余所にラフィールはゆっくりと、ニヤリと笑いつつ答えた。
373 :第三帝国:2012/08/03(金) 21:57:50
「ジント、一般列が動き出したんだ・・・」
そして窓の外を指さす。
「うっ!!」
そこにいたのは見渡すがリの人の群れであった。
だがただの人ではなく例えるならば百鬼夜行、魑魅魍魎の類であり、腐り神に魅せられた狂信者どもの軍勢であった。
どの人物も普通のアーヴで初日と同じ光景であるはずが、
ホモォ、ホモォと雄叫びが木霊し幾多の危機を乗り越えたはずのジントは後ずさりしてしまう。
「殿下、そろそろスタッフとしての仕事の時間です」
いつの間にか傍にいたスポール提督が2人分の盾と模造槍、兜を献上する。
「うむ、御苦労である」
既に2人揃って『古代ギリシャ風戦列歩兵コスプレ』をしていたがこれで完璧なものとなった。
彼女を加えて周囲には同じ姿をした合計300人のスタッフが集合しており、今かと今かと命令を待つ。
どのスタッフも異様にみなぎっているがラフィールは怖気ずまるで王女のごとく(まさに王女だが)堂々と宣言した。
「1日目はアニメ・ゲーム・小説中心!
2日目である今日は腐女子たちの決戦日!!三日目はいわずもがなだ―――拡声器の準備はよいか!!」
――――ホァアァアアアア!!!ホァアアアアア!!!
槍が高く上がり、盾が鳴り響き、スタッフの士気がこれ以上ない程上昇する。
なお、未だ付いて行けないジントはもうどうでも良くなったのかやけくそ気味に叫んでいる。
一方、腐り神の使いである腐き者どもは、もうすぐ始まる祭りのために臨戦態勢に移行しており。
開催のベルを待ち望み、異様なオーラが出ている。
「対応はあくまでソフトにな・・・やりすぎるとマンレポに載ってしまうぞ」
異界じみた光景に対して出た言葉に笑い声が周囲から漏れる。
そして、直ぐに開催を告げる音声が鳴り響き、人の群れ。否、腐り神の忠実な軍勢とコミケ運営スタッフ最大の敵が動き出す。すなわち、危険をまき散らす走る奴と不公平という徹夜組である。
「徹夜組だ、矛先を揃えろ!!」
言うより早く盾の壁を作り、密集陣系の中から模擬槍を突きだす。
押し寄せてくる前列組にスタッフの血肉は漲り、マナー違反な徹夜組と走る奴に対して天懲を下すことを欲する。
「いくら注意しても走る者は――――私が許そう、彼らを殺すことを例外なくだ!!!」
ラフィールはそんな彼らの意図をくみ取りマナー違反な連中を肉体的に罰することを許す。
300人のスタッフはその回答に歓喜し、闘争心が湧きあがり、これから出来るであろう行為に喜びに浸る。
「構えろ!!」
そしてその命令を発した数秒後。
コミケ戦記2日目の開幕と同時に、腐女子とスタッフで血で血を洗う闘争が始まった。
最終更新:2012年08月03日 22:01