514 :名無し三流 ◆Mo8CE2SZ.6:2012/08/09(木) 11:07:16
ありそうでなかったRedAlert3とのクロスです。
515 :名無し三流 ◆Mo8CE2SZ.6:2012/08/09(木) 11:07:54
20XX年、日・英・欧間の長年続いた緊張が緩和され、
新しい友好関係を築こうとしていた各勢力の平穏は、突如打ち破られた。
ロシア中部、通称モザイク・ロシアに出現したゲートから、
巨大戦車や重武装飛行船を軸とした謎の大軍が出現したのだ。彼らは自らを『ソビエト連邦軍』と名乗り、
中部に割拠する軍事政権を圧倒的戦力で次々と制圧。その勢力を東西へと拡大させていき、
ついにドイツを中心とした欧州連合の構成国、ロシア連邦(通称西ロシア)に迫った。
提督たちの憂鬱 クロスSS ~Red Alert!!!~
ロシア連邦の首都モスクワはクレムリン。
ソビエトが崩壊した今にあっても、この場所は権力者の居城である。
「プーチン首相!『ソ連軍』は………」
「予想はついている。国境線を突破されたのだろう?」
半ば恐慌状態にある将官達に対し、西ロシアの首相ウラジミール・プーチンは冷静そのものだ。
参謀らは急いでロシア連邦全土の地図を広げる。
「敵は南部、中部、北部の三箇所で一気に突破をかけてきました。
戦術級ミサイルによる徹底した準備攻撃の後巨大戦車で突撃、文字通りの力技です」
516 :名無し三流 ◆Mo8CE2SZ.6:2012/08/09(木) 11:08:37
その後も軍からもたらされる情報の分析が続くが、
そこで出された結論は絶望的なものだった。自称『ソ連軍』の使用する兵器は、
此方のそれを遥かに上回る技術力で作られているのだ。
「また、ドイツ軍はウクライナ救援を優先しています。それ以外の国は自国領に引篭もりました」
その上孤立無援と来た。会議室を沈黙が包む。
………その沈黙を破ったのは、他ならぬプーチンだった。
「………ドイツに『V3』―――核ミサイル―――の使用を打診する」
「「「な……………!?」」」
プーチンの言葉に誰もが凍りついた。
『V3』とは、欧州連合が枢軸国と呼ばれていた時代、日本の弾道ミサイルに対抗して、
欧州連合構成諸国で共同開発された報復用核弾頭ミサイルの呼称だ。
その発射基地『アヴァロン』はかつてオーストリアだった地域の奥地に隠されており、
連合構成国のどれか一国でも核攻撃を受けたらこの基地の弾道ミサイルが放たれる。
核兵器に関しては先に実用化した日本側の方が高性能のものを保有しているが、
腐っても核兵器。欧州のそれとて絶大な破壊力を秘めた神の火である事に変わりは無い。
事実、この『V3』の存在はこれまで日本との間の相互破壊確証の立役者となってきた。
それを、今ロシアを、そしてすぐに世界をも脅かすだろう『ソビエト』に使おうというのだ。
517 :名無し三流 ◆Mo8CE2SZ.6:2012/08/09(木) 11:09:13
「……いくら何でも、それだけは!あの桁外れの技術力を鑑みるに、
あのソビエトを名乗る連中は、核兵器も実用化していると考えるのが当然です。
一旦核攻撃の箍を外してしまえば、今度は此方が核の炎に焼かれます!!」
「それに『V3』は連合を守る槍である以前に、ドイツを守る槍です。
彼らがそう簡単に手放すとは思えません!首相、どうか考え直して下さい!」
プーチンの考えに、軍幹部たちは口々に反対する。しかし彼の意志は固かった。
「参謀総長、これまで連中が核攻撃をした事は?」
「…………いえ、一度も」
「諸君らは連中の報復攻撃を恐れているようだが、私はそれは無いと思う。
奴らはあれだけの技術力を持っていながら、戦略核は愚か戦術核すら使用していないのだろう?
これは研究リソースを核ではなく通常兵器に振り向けている事の証拠だ。
それに、陸軍の主力であるレオパルトⅡが易々と捻り潰されている現状、
我々が連中の侵攻を止めるには……核攻撃しか手段が無い……!」
かつてNKVDで辣腕を振るい、スペツナズナイフを手足のように使いこなした男、
彼の背後にはただならぬオーラ、強者にしか持ちえぬ威厳がざわ…ざわ…と渦巻いている。
その威圧感に気圧されて部下達が沈黙すると、彼はドイツ連邦首相とのホットラインを開いた。
~to be continued…?~
518 :名無し三流 ◆Mo8CE2SZ.6:2012/08/09(木) 11:09:44
投下終了です。
ソビエト軍……一体何者なんだ(棒)
最終更新:2012年08月18日 18:27