698 :taka:2012/09/27(木) 13:24:48
ベルリンの中心で愛を叫んだ総統
シュペーア大臣、過労で緊急入院
ドイツの新聞を半年ぐらいの周期でにぎわせる記事が掲載された。
ベルリンの市民も慣れたもので「これが掲載されると夏が来たと思いますね」「大臣が風邪を召されたなら冬ですな」と言い合っている。
さて、彼が倒れるのは総統の無茶振りと帳尻合わせの為である。
毎度毎度の事柄であり、病室でストを起こす大臣とそれを何とか宥める総統の姿も季節の風物詩だった。
さて、今年も夏が過ぎた頃にまた大臣が倒れた。
面会謝絶という名の拒否権を発動しお冠な大臣に対し、どう釈明すべきか総統は頭を悩ませた。
あれこれ試して来たものの、いい加減ネタが尽きてきた感じがある。
宣伝省の大臣に相談してみるか……と思った総統の脳裏に名案が過ぎる。
そうだ、今、ベルリンの日本大使館には彼の友人たる陸軍の将軍が滞在している。
奇抜でエキセントリックな発想(と言う名の厨二病)を脳に抱く彼ならば、きっと画期的なアイディアを出してくれる筈だ。
総統は急いで日本大使館に連絡を取り、ブランデンブルク門で白衣を翻しヒトラー・ユーゲント達の前で両腕を交差させて高笑いしてた彼を招聘した。
(彼曰く凱旋門を衛星の落着から守る為にポーズを取っていたらしい。意味不明。だが、ポーズはユーゲント達に受けていた)
総統官邸を訪れた将軍はユンゲさんが出したMAX珈琲を啜りながら総統の悩みに答えた。
「閣下のお悩みは理解致しました。門外不出の秘儀を伝授しましょう」
「おお、そうか。教えてくれるか!」
彼が語った方法。それは。
「今夜零時、0分、零秒。
総統官邸の屋根の上で、頭にミネラルウォーターを注いだ金の皿を乗せ。
その場でジークハイルと大声で叫びながらグースステップで三回転。
最後に官邸全体に響く大声で、
怒ってたシュペーアが余に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!余にはシュペーアがいる!!やったよボルマン!!ひとりでできるもん!!!
ううっうぅうう!!余の想いよシュペーアへ届け!!病室のシュペーアへ届け!
そう叫べば閣下の懸念はたちどころに解消されるでしょう」
翌日、徹夜で痛い小説を書いて睡眠不足だった将軍の元に総統から電話が来た。
「ボルマンとユンゲさんとエヴァに滅茶苦茶怒られた。でも、シュペーアから電話が来て和解が出来たから平気。ありがとう!」
会話終了後、将軍はポツンと呟いたという。
「マジでやったのか……ありえねー」
エンド
最終更新:2012年09月28日 20:14