979 :taka:2012/10/06(土) 15:14:19

イタリアの食品産業振興。
そのイベントに参加したドゥーチェ。
恰幅がよい彼は試食を繰り返しつつ各食品のブースをまわっていた。

「どうぞドゥーチェ。新鮮な鶏卵で作った目玉焼きです」

何気なく目玉焼きをみたドゥーチェは驚愕した。
何故か、目玉焼きが某真っ赤な退廃スパゲティの上に載っているではないか!

「こちらは岩塩で味付けし特別配合のチップで燻したパンチェッタ(イタリアのベーコン)です」

ドゥーチェはぎょっとした、先程の目玉乗せにベーコンが追加されてしまった!
早足で立ち去ろうとするが、逃がすかとばかりに次の手が来た。

「こちらは挽肉料理です」

ドゥーチェの顔は既に蒼白である。
山盛りのギトギトなアン畜生に、目玉焼きと分厚いベーコンがどかんと横たわっている。
これだけでも失神ものなのに、更にハンバーグまで追加されてしまったではないか!

(拙い、やばい、ここに居たら殺される!!)

思わず手を胸に添える。
あんな、あんなものを完食しようものなら、確実に心臓が止まる。止まってしまう。
驚く護衛や側近を振り切る形で走り出したドゥーチェだが、10秒程走ったトコで悲鳴をあげた。
何故ならそこでは、解体したチーズを豪快に摺り下ろしている所であったのだから。

想像してみて欲しい。
ぶよぶよでギトギトのオレンジ色の悪夢な山。
これだけでもおぞましいのに、更に目玉焼きがのり、分厚いベーコン、焼き立てのハンバーグが載る。
もはや健康面で人を廃人に追いやらんとする悪意にまみれたそれらに。

黄色い、カットされたチーズがその表面を覆わんとばかりに降り注いでいく――――――!!!

絶叫の後、ドゥーチェは倒れそのまま緊急入院したという。





その後、その年の健康診断で、彼はかかりつけの医者に高血圧と肥満を注意されてしょげていたそうな。
尚、その時の言い訳は「日本人が悪い」だったそうで。

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最終更新:2012年10月16日 23:31