204 :山口:2012/11/07(水) 11:52:22
プラィエークトX~挑戦者たち~(※1)

「男たちの大和 建造せよ世界一の戦船」

昭和19年、世間が対米戦争、対墨戦争の勝利の興奮が冷めやまぬ中、会議室に男達が集まっていた。
集団の長の名前を牧野茂と言った。
船舶設計一筋の玄人だった。

牧野は言った。
「最強の戦艦を建造する。今後建造されるあらゆる戦艦に打ち勝ち、数百機の航空機だろうと、核兵器だろうと沈まない最強の戦艦を。」

牧野の言葉に集まっていた男達に衝撃が走った。
一人の男が立ち上がり訪ねた。
「そのような戦艦を建造する資金が出るのですか?」

男の意見は尤もだった。
当時、海軍の主力は空母と艦載機に移り変わっていた。
大日本帝国海軍は対中米戦で艦載機の集中運用で大戦果を挙げており、世界中の海軍は次世代の主力として空母の運用を目指していた。
そんな中での戦艦の新造、それも新型の超戦艦。
大蔵省の魔王と呼ばれた辻正信の許可が出るとは思えなかった。

牧野は言った。
「現在、唯一帝国だけが核兵器とその投射兵器である富嶽を保有している。しかし、いつ他国が核兵器が配備するか解らない。帝国は他国を圧倒するために次の段階に進まなければならない。そのための超戦艦である。」

会議室にいる人間に沈黙が落ちた。
その時、会議室のドアが勢いよく開いた。
「話は聞かせてもらった。こんなこともあろうかと密かに考えていた私案があr」

言葉をすべて言い終える前に強制排除された男の名前を平賀譲と言った。(※2)
艦船設計で有名だったが破天荒な性格が災いしてトンデモナイ兵器を設計することでも有名であった。

その後、彼らは戦艦について各々が案を出しあい喧々諤々だったがどうにか基本設計が見えてきた時、日付は二日過ぎていた。
全員が徹夜で協議を繰り返しどうにかまとまった。
基本設計の内容は
基準排水量は12万t、満載排水量は14万t
全長330m 全幅50m
最大速力30kt
航続距離18kt/10,000浬
武装は50口径51cm砲3連装3基

と空前絶後の数値が盛り込まれた。
しかし、男達は確信していた。
自分たちならこの船を建造できると。


(中略)


嶋田閣下は式場の上で宣言した。(※3)
「戦艦大和と命名する。」
この瞬間、大和は完成した。

推進式に呼ばれていた牧野は仲間とともに肩を抱き合い涙を流した。
大和の設計開始から長い年月が経っていた。



戦艦大和は現在も連合艦隊旗艦として活躍している。
未だにその船体に攻撃を受けたことはなく、世界最強の戦船であることに疑いは無い。
そう、彼女は未だ海の女王である。



次回予告

すれ違う意見

人種を超えた友情

ひっ迫する予算

アメリカと言う大国を倒すため集結した科学者達がいた。
星の海を目指した男達がいた。
彼らの執念と情熱が宇宙への道を切り開いた。

「飛翔せよ三式弾道弾 宇宙へのかけ橋」

205 :山口:2012/11/07(水) 11:55:23
あとがき
以上になります。今はこれが限界でした。
一応、憂鬱世界の放送なので横文字は出来るだけ使わず、軍機もぼかしていると言う設定。
まあ、素人が書いたので色々突っ込みどころがあるかと。
また、考察が甘い所もあると思います。
wikiはこんなSSで良ければご自由にどうぞ。


※1 憂鬱だと英語よりロシア語の方が身近かなと思ってロシア語にした。
たまたまこの単語が目について電波を受信した。このSSのすべての元凶。

※2 平賀さんを出したかった。後悔も反省もしている。
素人に平賀さんは荷が重すぎた。エキセントリックにならない。

※3 救国の宰相(笑)の嶋田閣下をさすがに呼び捨てには出来ないと思ったので。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年11月09日 20:48