857 :KY:2012/10/28(日) 10:21:57
ネタSS 元外務官僚の憂鬱

1944年11月15日に大日本帝国政府が発表した『第二次満州事変の真相』以来、中華民国の対外信用はマイナスに突入した。
これによって日本に取って邪魔にしかならない中華の工作も叩き潰す事もできて、日本の対中政策は比較的上手くいった。

しかし、日本でもその煽りを受けた者達がいた。
中華にあっさりと取り込まれた某党の衆議院議員と外務官僚たちである。
ちなみに彼らはその事実が周囲に伝わり、孤立していた。
特に失態続きで崖っぷちな外務省は、身内の醜聞に怒り心頭で、即座に彼らの首を切った。
つまり解雇されたワケである。

晴れて無職のプー太郎となった彼は、頭を抱えた。
何しろ反中感情が爆発していた日本政府において、親中派と見なされた彼の居場所など、どこにもない。
夢幻会から言わせれば、中華は戦前は自作自演で自分たちの名誉を汚して上に、滅ぼそうとしただけでなく、馬鹿を丸めこんで結託して日本に工作してきた邪魔な奴らだった。
そんな中華に丸め込まれた愚か者の烙印を押された彼が官僚として返り咲く可能性はゼロだった。

「畜生、なんで誰も分かってくれないんだよ!」
男はやけ酒を飲むしかなかった。
最早どうにもならない。

彼の主張したアジア連合構想など、中国人の本質を分かっていない机上の空論と鼻で笑われ、同僚からは白い目で見られたのだ。
おまけに「外務省に泥を塗りやがって!」と罵倒されて文字通り叩きだされた。
一見すると外務省は情け容赦ないように見えるが、それだけ外務省は追いつめられていたのだ。
戦前から続く失態の数々、それらは国民の外務省に対する信頼を大きく低下させていた。
そんな彼らにとって彼を擁護する余裕など一欠片もなかった。

日本が繁栄を続ける中でも、当然ながらすべての日本人が幸せであるわけではない。
中には不幸な人間もいる。
他国に比べたらその割合が小さいだけなのだ。
彼もまたそんな負け組となってしまった一人だ。

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最終更新:2012年11月17日 11:14