743 :ゼン:2012/11/20(火) 21:55:20
提督たちの憂鬱 ネタSS




風刺画でみる世界


西暦19○○年 日本の某中学校

「プリント後ろまで回ったかぁ」

教壇の前に立つ男は言った。

卯建つの上がらない30代独身の男性教諭は面倒臭そうに手に持ったプリント掲げている、生徒達はプリントを見る者、教科書を開く者そして隣同士で騒ぐ者がいる。

教室内の喧騒は休み明け月曜日1時限目の見慣れた光景だった。


「先週までは戦時中の主な陣営の勉強だったが、今日からぁ他の国の戦後情勢を勉強する。おぉい!志村、聞いてたか?授業、始めるぞ!」

教室内の喧騒が止み、生徒達がプリントに集中したところで男はやれやれと思いながらも続けて言った。

「最初はインドからな、まぁ元インドなんだが。戦後の勢力圏が決める時、日本とイギリスはインドをどうするか悩んだ。
当時のインドは日本より人口が多かったし、カースト制、いわゆる階級社会。つまり藩王がいてその下に・・・(中略)・・・最終的にはインドを分けて、それぞれに独立させようとしたらしい。
らしいと言うのはプリントを見れば分かるが、枢軸国の横槍で日本とイギリスはインドから手を引き・・・」


1コマ目

インドの看板を背負った屋敷に意気揚々と入って行く某国親衛隊姿の幼女とドレス姿のパリジェンヌ。
逆に出て行くのは、ポニテ姿の侍娘とメイド姿のメガネっ娘、そしてサリーを着た少女を数人引連れている。
ちなみに遠くの方でスーツ姿の女性とセーラー服姿の女性が話しているのが小さく描かれていた。


2コマ目

屋敷の影に大量のドラムカンや爆弾と山積みされた銃器を見つけ、指差しして首を傾げる侍娘と指で「しぃー」するメイドが手前に描かれている。
よく見ると屋敷には「火元注意」やら「火気厳禁」の札が貼ってある、その中で祝杯を掲げる幼女とマリー。
スーツ姿の女性はセーラー服姿の女性を口説いているらしい。


「・・・当時のインドは、あくまでも統一して独立する事に拘った勢力もいて、えーと。教科書の何ページだったかな・・・(中略)・・・そんな有様で、何時何処で内乱が発生するか?と危険な情勢だった。枢軸国の横槍が無くてもイギリスはインドから引いただろうし、日本も・・・」


3コマ目

屋敷が大爆発する様が描かれている。
ちなみに隅の方でスーツ姿の女性は「びくぅぅぅっ!」っている。


4コマ目

背中に火が付いて右往左往する幼女とマリー、屋敷は残骸となりながらもメラメラと燃えている。
奥には、野次馬の中でホッと胸を撫で下ろしている侍娘とサリーズ、メガネを光らせて微笑んでいるメイド娘が印象的に描かれている。
手前のヘタリアが何故かワン泣きしている描写が哀愁を誘った。


「・・・○○年迄、内戦状態となる。その後・・・(中略)・・・皆、分かったかぁ!
次はプリントの2枚目、ロシアの・・・」


自分が思っているより生徒達に人気がある男の、ある日の授業風景であった。



あとがき
ネタSSなのでifと思って頂ければ幸いです。イタリアは空母に掛かりっきりでインドには出遅れたと言う設定です。

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最終更新:2013年01月05日 21:10