981 :ぽち:2012/12/28(金) 06:28:10
憂鬱ギアス
慈愛
「おはよう副会長」
「・・・・・・カレンさんか おはよう」
「朝早くから書類仕事精が出るわね」
「会長がネタだけ振ってこっちに丸投げするんでね いつものように いつものように! いつものように!!!」
「お、おちついてほらコーヒーよ」
「ねえルルーシュ、皇族としてブリタニアに戦いを挑むってホント?」
「ああ 今のブリタニアは危険だ このまま行けば世界を、ブリタニア自身をも滅ぼしてしまうだろう それを誰かが止めなきゃいけない
夢幻会が止めるのに協力してくれるというから・・・・・・だから俺は・・・・・・」
「わたしも協力させてくれない?
日本とブリタニアのハーフであるわたしもこの戦いに参戦する資格があると思うの
日本ほど思い入れはないけど、それでもブリタニアを嫌ってるわけじゃないからブリタニアが破滅しようというならそれを止めたいの」
「カレン・・・・・・・」
「嶋田さんもわたしにはパイロットというかデヴァイザーの素質があるって言ってくれたしZⅡでは最強クラスの一員だったらしいし」
「スパロボネタ禁止!」
ちなみに「主人公最強たるべし」がモットーであるぽちが思わず主人公以上のスコアを上げさせてしまったのはZのレントンとZⅡのカレン、アルトだけだったりする
「それに・・・・・・ルルーシュ・・・・・・わたしは、あなたの力になりたいの ううん、あなたと共にいたいの」
「カレン・・・・・・」
「シュタットフェルト家は関係無い 香月カレンとして あなたと共に・・・・・・・・」
カレンはルルーシュの手をとり、その手のひらにほお擦りをする。
「この手に握られる、あなたの剣でありたい・・・・・・・・・」
そしてふたりは・・・・・・・・・・・・
昼休みの屋上、全身で伸びをする生徒会副会長の姿があった
「お疲れね、ルルちゃん」
「ええ、どこぞの会長のおかげですよ」
「あはは、カンベンカンベン」
「冗談はともかく感謝しているんですよ このアシュフォード学園という牢獄にとらわれた俺たち兄妹を慰めるためのイベント数々、おかげでどれだけ心が癒されたことか」
「ルルーシュ・・・・・・・・殿下・・・・・・・戦うの?本当にブリタニアと」
「ええ ブリタニアは今、狂っています おそらくはシャルルの暴走に引きずられ自分でも止まらなくなってるのでしょう
誰かが止めなければいけない
そして、俺の名の下に起こる戦いで莫大な死者が出るでしょう
敵も味方も俺が・・・・・・殺すんです」
「ならその痛みと重み、わたしにも背負わせてください 殿下」
「会長・・・・・・ミレイ」
「アシュフォードは殿下に全張りしたようなものですわ それに、わたしはまだ殿下の婚約者だと思っております」
「その先は破滅鹿存在しないかもしれないぞ」
「殿下・・・・・・ルル、やはりあなたは女というものをご存じない様子
女というイキモノはあなたとなら破滅してもかまわない、むしろ共に破滅したい、そう思う相手が必ずいるものですわ
そう思わない女は、ただそう感じる男と巡り合っていないだけなのです」
「そ・・・・・・そんなものなのか?」
「ええ そしてわたしにとってはルル、あなたがそういう男なのよ」
彼女は愛しい男をふわりと抱きしめそしてふたりは・・・・・・
982 :ぽち:2012/12/28(金) 06:29:06
「誰だ!」
「きゃっ なんだルルかぁ」
「シャーリーか もう夜遅いぞ」
「寮には水泳部の居残り特訓だって届けだしてるわ」
「その名目でプールを独り占めか 風邪引くぞほら」
「えい」「うわぁ」 どっぷーん
「ひどいなシャーリー」
「ごめんなさいね ひょっとしてケータイ壊れちゃった?」
「いやこれは嶋田さんに渡されたもので八千度の高熱だろうが一万二千Mの深海だろうが通話可能だそうだ」
「そんな環境で誰が電話するってのよ」
「ねえルル、本当にブリタニアと戦うの?」
「ああ、今のままでは何百万、下手すると何億という人々を巻き込んで破滅するだろう その前に」
「ルル、わたしの前でだけは心を偽らないで ルルは顔を知ってる人の死を『しかたない』なんて言える人じゃないもの
そしてルルは出合った全ての人の顔を覚えてる だからルルは戦争の指導者なんて絶対出来ない。
まして家族を殺す、なんて」
「シャーリー・・・・・・」
「でもそうするって決めたんだよね そうしないといけないって考えて・・・・・・」
「責任を押し付けられる、というのはともかく押し付けるというのは好みじゃないんでね」
「ルル・・・・・・」そのまま、彼女は愛しい男を抱きしめる
「そう決めたのならそれでいいよ でも・・・・・・辛かったらあたしのところに来て
ナナちゃんが居る所でもルルは泣けないよね でもあたしの前でだけなら泣いていいから
あたしがルルの涙を受け止めるから」
「シャーリー・・・・・」
「ねえルル あたしあまり頭良くないけどさ、戦争をさせる人って怖がっても迷っても悲しんでもいけないって分かる
ルルは今そんな立場なんだ
でも、あたしのこの腕の中でだけなら泣いてもいいんだよ 怖がってもいいんだよ」
「シャ・・・・・・リ・・・・・・シャアリィ!!」
身も世もなく、赤子のごとく号泣するルルーシュを優しく抱きしめるシャーリー
そして水の中でふたりは・・・・・・
「だああああああ!こんな映像いつ録画した!」
「ルル君はいまや世界最高峰のVIPだからねぇ 24時間フルタイム、警護という名の監視がついてるよ
すまないけどベッドの下の本も検閲済みだ」
もはや声もなく頭を抱えてのたうちまわるルルーシュ
「シャーリーもカレンも映像見入ってんじゃない! っていつのまに来られたのですか神楽耶さま!」
「あら、ルルーシュさまの正妻として当然ですわよ ですが・・・・・うわぁ」
「未成年がこんな映像見て『うわぁ』とか言うな!しかもかないボイスで!泣くぞ俺こんちくしょう!!!」
「しっかし『キューピット祭り』は盛り上がったねぇ ミレイ会長は天性のイベント屋だよ 是非幕張とか参加してもらいたい物ですなぁ」
「ちょっとこなた!いい加減他人をアンタの趣味に巻き込むの止めなさいよ」
「でもルルーシュ副会長格好良かったよねお姉ちゃん おもわずデジカメで写真撮っちゃったよ」
「どうせブレてまともに写ってないクセに」
「あ、あれは・・・・・・そう世界がわたしに撮られたがってないんだよきっと」
「実はあのイベントにはウラがあったんです」
「ををみゆきさん、なんか美味しそうな話ですな」
「たいしたことではありません、このたび日本は副会長を・・・・・・ルルーシュ殿下を押し立ててブリタニアと戦争をする事になりましたよね」
「三国志の時代から変わらぬイベントですな」
「そこで会長が『ならルルちゃんはあの皇帝を超えなきゃいけないわ お妃は優秀な人や一発芸に長けた人など最低でも108人!いやいや216人か324人くらいは!』と
いわばお妃集めの一環だったんですよ」
「へえ、それじゃお姉さまもルルーシュ殿下のお妃に?」
「なるわけないでしょ」
「えー瑞穂ちゃんなら似合うと思うんだけどなー」
「似合う似合わない以前に僕は男だっての」
最終更新:2013年01月07日 21:34